総合トップSS一覧SS No.2-075
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 730氏(10スレ目) クレア(アガーテ)×ヴェイグ 2005/01/19 2005/01/19

アガーテはミナールを後にし、スールズへと向かっていた。
なぜ足がそこへ向かっていたのか、よくはわからない。ただ、セレーナの言葉が妙に気にかかっていた。
「クレアはやっぱりクレアよね」
あの村にもう一度戻ったとき、もしかしたら何かがわかるのかもしれない。
そんなことを考えながら、足を北に向けていた。

エトレー橋に差し掛かったころ。

「・・・あれは・・・ヴェイグ?」
アガーテの目に、欄干に力なくもたれかかるヴェイグの姿が見えた。
(なぜ・・・一人でこんなところに? 仲間のみなさんは?)
考えるより先に、駆け寄っていた。
(・・・斬り傷はほとんどない・・・なにか強い打撃で気を失っているみたい・・・)
何気なくヴェイグの手を取ったとき、その手がまさに氷のように冷たい事に気づいた。
手だけではなく、体全体が冷たく、血の気を失っている。
(なぜ・・・ううん、これはきっと・・・)
フォルス。ヴェイグのフォルスは確か氷だった。暴走したのか、もしくはその寸前なのか。
どちらにしろこのままでは、自分のフォルスで自分が凍死してしまう。
(どこか・・・どこかに連れて行かなくては・・・このままでは・・・)
周囲を見回すアガーテの目に、少し遠くにある旅人の小屋が目に入った。
(あそこなら・・・)
ヴェイグを背負う。重たいが、このままほおっておくよりはと思った。

小屋には、誰もいなかった。張り紙があった。
「数日ほど留守にします。お休みはご自由にお使いください」
(・・・そんな・・・)
一人でできることなど、たかがしれている。とりあえず寝台にヴェイグを寝かせた。

(冷たい・・・本当に凍り付いているみたい・・・)
体温がどんどん下がっているのがわかった。暖炉さえない小屋では、ヴェイグを暖めるすべがない。
(駄目・・・他に誰もいないなら、わたくしが何とかしなくては・・・)
ふと、ミルハウスとが昔語っていたことを思い出した。
ヒューマが雪山で遭難して、近くに暖を取るものもないときは、裸で抱き合って暖をとるのだと。
(でも・・・)
躊躇っているとき、ヴェイグの口からうわ言が漏れた。
「ク・・・クレ・・・・ア・・・・」
(!)
思わず、顔を覗き込む。なにやら、悪い夢にうなされているかのようだった。
(躊躇ってる時じゃない・・・)
アガーテは周囲を見渡し、人がいないことを確認すると、急いでヴェイグの胸当てをはずし、服を脱がせた。
筋肉質の裸身は、小刻みに震えている。
(・・・そう、躊躇っているときじゃない・・・)
アガーテは、服を静かに脱いだ。長い金髪が肩にかかる。
服を丁寧にたたむと、ヴェイグの横に寄り添うように、華奢な裸身を潜り込ませた。

ヴェイグの体に、できるだけ密着するように体を寄せ、手を背中に回す。
冷水を浴びるような冷たさが肌に伝わってくる。
ヴェイグの頬に、自らの頬を寄せる。
(もっと・・・暖めないと・・・)
強く、ヴェイグを抱きしめた。そのとき、ヴェイグの口から再び言葉が漏れた。
「ク・・・クレ・・・ア・・・」
(・・・・・・・・・)
「行くな・・・戻って来い・・・俺はッ・・・」
(・・・クレアさんと・・・何が?)
わからなかった。が、それがヴェイグのフォルスに何かの悪影響を与えていることだけはわかった。

耳元に口を寄せ、言葉をつぶやく。
「ヴェイグ・・・しっかりしてください。あなたは・・・」
あなたは、と言った後、言葉が出なかった。言いたいことがありすぎた。
言葉を切り、ヴェイグの冷たい唇に唇を合わせる。舌を潜り込ませ、熱い息を送り込んだ。
かすかに、ヴェイグの手が動いた。
(ヴェイグ・・・)
アガーテは、背に回していた手をほどくと、ヴェイグの手を取り、それぞれ自分の胸と恥部へと押し当てた。
冷たい指が、性感帯を刺激する。押し当てたヴェイグの手を、少しづつ動かした。
「・・・ん・・・んくっ・・・」
冷たい指の刺激に、つい声が漏れそうになる。それを堪えながら、少しづつ動かす。
「・・・・・・・」
ヴェイグの指が、かすかに動いた。無意識のうちに暖かいものを求め、指が恥部の奥へと潜り込もうとする。
もう一方の指が、乳房をきゅっと握り締める。
「あっ・・・」
おもわず、声が漏れた。それを気にかけることもなく、ヴェイグの指は少しづつ動きを活発にする。

恥部に潜り込んだ二本の指は、時に震え、時に大きく動き、時に奥に潜り込み、時に少し抜け出そうとする。
乳房をつかんだもう一方の手は、強く、弱く、的確なリズムで揉みしだく。

「はぁッ・・・あ・・・あふっ・・・」
押し寄せる悦楽が、声を止めさせない。アガーテは何とか自分の声を止めようと、再びヴェイグの唇を吸った。
(・・・暖かい・・・すこしづつ・・・体温が戻ってきている・・・)

もう、ヴェイグの手に自分の手を沿わせる必要はなかった。それよりも自分の声を堪えるほうが先だった。
首に手を回し、強く唇を合わせることで、何とか声の漏れるのを抑えようとする。
「ん・・・・んくっ・・・ん・・・」
言葉にならない声は、それでも漏れる。さらに強くヴェイグの首を抱くと、かすかにヴェイグの舌も動いた。
まだ意識はないはずなのに、舌はやはり暖かさを求めて絡み付いてくる。
(・・・・あ・・・・)
冷たい指と舌が、アガーテの中から何か爆発しそうな感覚を掘り起こし、それを持ち出そうとしている。
(・・・だ、駄目・・・だめ、我慢しなきゃ・・・)
細い脚を、ヴェイグの脚に絡みつかせる。体が汗ばみ、火照ってきているのが自分でもわかる。
指は、少しづつだが確実に激しく動きを活発化させてきていた。それが、全身に容赦のない刺激を与えてきていた。
「ひっ・・・ひあっ・・・はあぅっ・・・んく・・・」
言葉にならない言葉を漏らしながら、華奢な手脚をヴェイグの裸身に絡みつかせる。
それに反応するかのように、ヴェイグの指が突然、ゆっくりと大きなモーションで前後運動をはじめた。
ヴエイグの二本の指は、時に大きく、時に小さく抜き差しされ、その間も不均等なリズムで開閉と振動と愛撫を繰り返す。
ヒューマの性感は、ガジュマよりわずかに敏感にできている。
ましてや性交経験のないアガーテが、押し寄せる快楽に絶頂を迎えるのはすぐだった。

「・・・・はあッ・・・ハア・・・」
絶頂の瞬間に大きな声が漏れることだけは我慢できた。
が、自分の体内から漏れた大量の液体が布団とヴェイグの手をぐっしょりと濡らしていた。
ヴェイグの裸身は、少しだけ体温を取り戻していた。
(・・・こんなに濡らしちゃ・・・このベッドは使えない・・・)
ヴェイグの重い体を、隣のベッドに移す。
持ち上げようとアガーテが手を背中に回したとき、ヴェイグの股間に、なにやら巨大なものがそそり立っているのがわかった。

(たしか・・・ミルハウストが・・・)
雪山で遭難したときの心得でどう言っていたか、それを思い出した。
(確か・・・体温を上げるためには・・・コレを口に含んで・・・舌を使うって・・・そうすれば全身が火照って・・・)

隣のベッドに寝かせると、アガーテはそのままヴェイグの巨根を自らの口に含んだ。

それは大きく、硬く、なにやら黒檀の彫刻のような光があったが、しかしフォルスのせいか冷たかった。
できる限りくわえ込み、舌を裏側の筋にそってなぞらせる。
そして少しずつ舐めあげてゆきながら、舌でできる限り丁寧に、先端を舐め、つつき、そして吸う。
(・・・大丈夫・・・ミルハウストと・・・練習したから・・・)
まだ二回目。しかし初めてではない。どうすればいいかは知っているつもりだった。
「んッ・・・」
ヴェイグの声が漏れた。口を放し、ヴェイグの顔を見る。
まだ意識は戻っていないようだった。だが、顔に少しづつ赤みが戻ってきていた。
(もうすこし・・・)
再び、口に含む。舌が先端をなぞりあげる。ほんのかすかに噛んだり、
口の奥に押し当てて吸いながら上下に動かし、喉の奥でこする。
やがて、無反応だったヴェイグの裸身が、刺激を与えるたびにほんのわずかだが、ぴくんと反応してゆくのがわかった。
(もう少し・・・もう少しで・・・)
「クレ・・・ア・・・」
再び、ヴェイグの口から声が漏れる。
(・・・・そう・・・・彼を、もう一度クレアと再会させるために・・・私は・・・)
アガーテは、舌をできる限り激しく動かす。
「ん・・・うっ・・・うあッ・・・く・・・・クレアっ・・・・」
ヴェイグの声に、少しづつうめくようなあえぐような響きが交じる。
ヴェイグが絶頂を迎えたの、それからすぐだった。

意識は戻っていないが、体温は何とか常温に戻っていた。
(・・・これで・・・・何とか大丈夫。後はお医者さんに見せれば・・・)
ミナールのキュリア先生のことを思い出した。
(ミナールに戻りましょう・・・)

アガーテは、まだ意識を失ったままのヴェイグに服を着せると、自らも服を着て、ふたたびヴェイグを背負った。

「スールズに戻る」
ヴェイグたちは、ミナールで仲間たちと合流した。そして再び、スールズへと向かう。
途中で、例の小屋が目に入った。

「・・・・・・・」
奇妙な顔でそれを見るヴェイグに、マオがたずねる。
「どうしたの?」
「いや・・・・気のせいだ。何かあそこに、つい最近立ち寄ったような気がするが」
「無理だよ。さっきまで寝てたくせに」
「ああ・・・・そうだな」
ヴェイグが、アガーテを見る。
「え? あっ、その・・・何ですか?」
「いや・・・・何かわからないが、ずいぶんお前に助けられたような、そんな気がする」
「・・・・・・わたくしは・・・」
「いや、気にしないでくれ。そんな気がしただけだ」


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