総合トップ>SS一覧>SS No.2-062
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
師弟の絆 |
丼兵衛氏 |
エミリオ×ルーティ |
2004/12/18 |
2004/12/19 |
「ん〜、久しぶりに着てみると恥ずかしいわねぇ…」
ルーティ・カトレットはそう一人ごちると、鏡の前でポーズを取ってみた。
老朽化したデュナミス孤児院を大改装する事となり、彼女の夫のスタンと息子のカイル、
ある日唐突に息子が連れて来た許婚のリアラが、孤児院の子供達を連れて見学がてら
聖都アイグレッテまで建設資材を買いに行き、居残りのルーティは荷物の整理に励んで
いた。偶然にもレンズハンター時代の服を発見したルーティは、ほんの気分転換がてら
に露出の多い服を着てみた…という訳である。
「あの頃は若いから気にしなかったけど、結構大胆な格好してたのよね」
「…母さん、その格好は?」
いつの間に戻って家に入ったのか、ルーティの背後には口をあんぐりと開けたカイル
が突っ立っていた。
「きゃ!?・・・、カイル、あんた帰ってたの?」
「いや、父さんに言伝(ことづて)を頼まれたから一旦戻ってきただけだよ。
何でも、フィリアさんが明日にチビ達の神殿見学をしてくれる事になったから、その
付き添いで泊まりになるって」
「そう…。あのオタク女も結構味な真似をするものね。アンタもあの可愛いお嬢ちゃん
と思う存分イイ事出来るでしょうしね」
「イイ事って…。それより、その格好って、母さんが若い頃着てたといかいう服?」
「そうよ。今でもスタイルがイイから結構通用するでしょ?」
「ぱっと見はいいけど、よく見ると顔とか結構怪しいけど・・・」
「・・・・・・・・・」
電光石火の如く、カイルの両頬にルーティの必殺三往復ビンタが炸裂した。
「そりゃぁ、おばさんのコスプレ見たって面白かぁ無いでしょうが、言い方ってもんが
あるでしょ!?」
「ごめん、オバ…じゃ無かった母さん。それじゃアイグレッテまで又行ってくるよ」
カイルは見事に腫れ上がった両頬を擦りながらドアを開けて出ていった。
「ったく、ああいう能天気でお馬鹿な所ばっかりアイツに似ちゃったんだから…。
アタシの血統はどこに消えちゃったのかしら?」
ルーティは少し落胆しながら呟いた。その時、部屋の隅から少年の声が響いてきた。
「全くだ、本当にアイツそっくりに育ったものだな」
「!!・・・誰!?」
ルーティは咄嗟に声のする方へ身構えた。そこにはいつの間に忍び込んだのやら、黒
づくめで羽飾りのある竜の骨の仮面を被った小柄な男が佇んでいた。
「へ・・・変態!?」
「姉さん、久しぶりだね。もっとも、この格好の上にこんな仮面を被っていては誰だか
分からないだろうけどね」
「アンタみたいな不法侵入の変態仮面男に知り合いなんて・・・?」
そう言いかけて、ルーティはふと思い立った。
(あの声は昔よく聞いた覚えが…それにあの背丈は…まさか!?)
「もしかして・・・リオン?」
「その名前はもう捨てた。でも、姉さん達にはその名前の方で通っていたからね。
ジューダス…いや、エミリオでいい」
黒づくめの男はゆっくりと仮面を脱ぐと、かつて見慣れた少年の顔があった。
「うそ・・・、幽霊? それとも夢か幻?」
「その両方かも知れないな」
「…確かめさせて」
ルーティは唐突に少年―リオン―の唇を奪った。余りに突然だったので、少年は
紫水晶の瞳を大きく見開いた。
「…夢か幻にしちゃリアル過ぎるわね。実体かどうか試す必要があるわね」
ルーティはエミリオの黒の上着の襟に指をかけ、ゆっくりと脱がしていった。
「姉さん…」
「エミリオ…、まだコレを大切に持っててくれたんだ」
服を脱がしていたルーティが、エミリオの胸からぶら下げられていた青い宝石を
手に取って感慨深げに眺めた。
「僕と姉さんの大切な思い出だから…」
「そうね、でもあの頃ってアタシ達が実の姉弟だって分かってなくて、事あるごとに
喧嘩して角突き合わせてはスタン達を困らせてたっけ…」
ルーティの言う通り、かつての2人は常に『マザコン男』『ヒス女』と罵り合う仲で御世辞にも仲が良いなどとは言えたものではなかった。
そんなある時、ルーティはリオン ―かつてのエミリオの偽りの姿― に、唐突に青い
宝石を鼻先に突き出した。
「一体どういう真似だ?」
「コレ、アンタにあげるわ。コレ付けてると怪我しにくくなるんだって」
少し視線を逸らし気味にルーティは答えた。
「お前達に足を引っ張られてばかりいるから怪我し易いんだ。僕だけならもっと楽だ」
「そう…、だったらアタシが使おうかな?」
「勿体無いから貰っておく。色気も何も無いお前が宝石を付けた所で“豚に真珠”だ」
「ったく、どこまで行っても口の減らないクソガキね!」
「守銭奴の性悪女に言われる筋合いは無いぞ。だが、物を貰って礼の一つも言わない程
僕は礼儀知らずでも無作法では無いからな。…有難う、ルーティ」
「礼には及びません事よ、リオン坊ちゃま」
「誰が“坊ちゃま”だ!」
そういった訳で、エミリオはお世辞にも高級とは呼べない青い宝石で出来たお守りを
手に入れたのであった。
「…今から思えば、もっと仲良くして置けば良かったと思うんだけどね」
「あの頃の僕はミクトランの手先でいつかは姉さん達を裏切らねばならなかったんだ。
それに、姉さんをあの人でなしの手元に引き込みたくは無かった。
忠誠を誓う振りをしてマリアンを救い出す手もあったのに、あの頃の僕はマリアンに
類が及ぶ事にばかり気を取られていた。…僕が死んだら誰がマリアンの事を守るのか
考えも付かなかった。…僕はどうしようも無く愚かな馬鹿者だ」
「それを言ったらスタンやアンタと出会う前のアタシだって、金の事しか頭に無い
最低の馬鹿女だったわ。…不器用だったのね、アタシ達」
「…でも、そういう所も好きだった。口では悪口ばかりだったけどね」
「アタシもよ、エミリオ…」
今まで離れ離れとなっていたお互いの温もりを求め、2人の影は1つとなった。
エミリオはルーティの胸を当て布の上から両手で揉みしだいていた。かつてはそれ程
目立って大きくは無かったルーティの双丘はエミリオの小ぶりの掌では収まり切れ
ない程の豊かさとなり、細い指で揉まれる度に大きく形を変えていた。
「こんなに膨らんで…下手すれば布からはみ出しそうだ」
「そりゃ、アイツに散々揉まれた上に子供産んだら自然と大きくもなるわよ」
「そうか…ならば、スタンやカイルにはこうしたのかな?」
おもむろに当て布の片方を降ろすと、剥き出しとなった乳首にむしゃぶりついた。
「あんっ!、…スカタンならともかく、赤ん坊は歯なんか立てないわよ」
「では、それらしく吸ってみようか」
今度は唇と舌だけで優しく吸い上げ、桃色の蕾を戯れるように愛でた。
「あぁん・・・、んぅ・・・・・・、イイ・・・・・・」
エミリオが顔を離すと、光沢を帯びて艶かしく光る蕾が現れた。
「下の方の具合はどうなのかな」
秘所から漏れ出た愛液によって、ホットパンツも股間の辺りが艶やかな黒色を
帯びていた。エミリオはそこに繊細な指を滑り込ませた。
「あんっ!、…もうちょっと優しく触ってよね」
「分かってるよ、僕の可愛い姉さん」
そう言うなり、エミリオは色気が漂わんばかりにうっすらと笑みを浮かべた。
「…我が弟とはいえ、よくもそんなくっさい台詞が吐けるもんよね」
「姉さんこそ、大事な所をこんなに濡らしておいて平気な顔をしていられるね」
エミリオは布越しに股間に浮かび上がった割れ目に指を入れた。
「あふぅ!」
「カイルを産んだのに、姉さんのここはまだ締まりがいいみたいだね」
そして、割れ目に指を入れたままくちゅくちゅと掻き回した。
「あぁ…、アタシばっかり愉しんでいても面白くないわね」
ルーティはエミリオのズボンを弄ると、剛直を取り出して先端をぺろりと舐めた。
「くぅっ!」
「…ぬふふふ、結構可愛い声出すわね、エミリオちゃん」
ルーティはいままでのお返しとばかりに、先端をすっぽり咥え込むと巧みな舌使いで
舐め回し始めた。
「くぅぅ・・・、姉さんっ・・・、気持ち良すぎる・・・・・・」
「・・・でしょ?、伊達に人妻やってる訳じゃないのよ」
スタン相手に技術を磨いたのか、更に絶妙な舌使いでエミリオの剛直を攻め立てた。
「あぁうぅ・・・、このままじゃ、姉さんに・・・」
「姉さんに何しちゃうのかな〜?」
「・・・汚いものを・・・出しそうで・・・・・・」「・・・ふ〜ん、汚いものネェ…、アタシはスタンのを散々飲んだから平気だけどね」
(あのスカタンめが…)
ルーティの美しい肢体を数限り無く求めたであろう義兄に悪態を突きながら、エミリオ
はルーティの容赦無い攻めに青息吐息の状態であった。それを見越したのか、ルーティ
は意地悪げな笑みを浮かべるなり駄目を押した。剛直の先端を歯で甘噛みした。
「んぁぁ!!」
エミリオはたまらず、濃くてねっとりとした白濁液をルーティの顔面中にぶちまけた。
「結構濃くて美味しいわね…、まだ身体は若いままなのかな」
ルーティは手馴れているといった感じで白濁液を飲み干し、舌なめずりした。
艶のある黒い髪に白い半透明の液体がはねた姿はエミリオの新たな欲情を掻きたてた。
「あら、まだ出し足りないのかな? ま、本番がまだ済んでないんだし、ここでへたば
ってもらっちゃアタシとしても面白く無いからね」
ルーティは再び立ち上がったエミリオの剛直に目を細めると、ホットパンツの股間の
部分をずらして露わにした割れ目に剛直を押し当てた。
「ん・・・・・・」
「姉さん・・・・・・」
予め秘所を濡らしておいた事が幸いしたのか、エミリオの剛直はすんなりとルーティの
胎内に飲み込まれ、弾力があって締まりの強い内壁に挟み込まれた。
「うぁぁ・・・あっ!」
「くっ・・・イイわぁ・・・」
ルーティの胎内はエミリオの剛直を締め上げた。舌での愛撫とは異なり、激烈な調子と
なってエミリオに襲いかかってきた。
「胸が・・・お留守ね・・・」
ルーティは少し喘ぎながらも、エミリオの胸板に胸を押しつけた。細身ながらも筋肉
の付いた胸板に豊かな双丘が押し潰され、楕円に歪んだ。
「エミリオっ・・・一緒に・・・イキたい・・・」
「姉さん・・・僕も・・・一緒に・・・」
もうじき頂点を迎える証拠であろうものか、エミリオが突き上げる動作が速くなった。
「あぁぁ・・・、中に・・・出していいよ・・・」
「ね・・・ねぇさん・・・・・・あぁぁ!!」
「エミ・・・リオっ・・・、あぁ・・・んっ!!」
2人は同時に頂点に達し、エミリオの剛直は再び濃厚な白濁液をルーティの胎内に吐き
出した。ルーティはエミリオの全てを受け入れたいが如く、暫くは剛直を抜かずに1つ
に結ばれたままであった。
「エミリオ・・・、これが夢で無い証拠に・・・キスして・・・くれない・・・?」
「いいよ・・・姉さん・・・」
仰向けとなった姉の唇に再び弟の唇が重なり、互いの舌が濃密に重なり合った。
「…このまま、この家で暮らす事なんて出来ない…かな?」
居間で身繕いをするエミリオの背中から、ルーティは恐る恐る問いかけた。
「・・・姉さん、それは無理だ」
「何で?、アタシと寝た事がそんなに気まずい訳?」
「そうでは無い。…姉さんも感付いているだろうが、僕はこの世界の人間ではない」
分かり切った事とは言え、18年前にこの世から消えた人間が齢を重ねずにこの場に
存在する事自体が異常であった。だが、ルーティは尚も食い下がった。
「アンタが罪人だろうが変態だろうが、例え何者であろうがアタシの可愛い弟には
違いないわ。それに、ここは孤児院だから人が増えた所で影響無いし、チビ達の面倒
だって見て貰いたいし…」
「・・・僕には…無理だ。僕の犯した罪は消せない…僕は消えなくてはならない存在だ」
「そんな事どうだっていいのよ!」
ルーティは目の前に突き付けられた残酷な現実に抗うかの如く絶叫した。
「やっと遭えたのに、又アタシを独りにする訳!?そうやってアンタは・・・アンタは
意地張ってるから・・・アタシは・・・アタシ・・・・・・・・」
ルーティは血を吐くかの如く言葉を搾り出して想いを吐き出そうとしたが、最後まで
言葉に出来なかった。彼女の頬からは止めどなく涙が伝っていた。
エミリオは、ルーティの頬を伝う涙を拭うと、そっと姉の唇に口付けを交わした。
すると、突然ルーティの視界に薄暗い帳が落ち始めた。
「何?…、嫌、独りにしないで、エミリオっ…!」
「姉さん…、僕はこの世界には居られない。居たくても居られないんだ…。
でも忘れないで。僕は姉さんも、姉さんの家族も心の底から愛していたという事を。
僕達の心はいつでも一緒だ・・・」
薄れゆく意識の中でルーティが最後に見たのは、寂しげに微笑む弟の姿であった・・・。
「・・・・・・・・・母さん、母さんってば!」
「・・・・・・お母様、しっかり!」
「・・・ルーティ、どうした、大丈夫か!?」
気が付くと、レンズハンター服のままで自分の部屋のベッドの上に寝かされていた。
その周りには彼女の夫と、息子と許婚が心配そうな顔を覗かせていた。
「・・・・・・・・・あれ、みんな…何時の間に戻ってたの?」
「戻ったも何も、俺達が家に帰って来たらお前がそんな格好で居間で倒れてたもん
だから、ここまで運んできて寝かせたんだぞ」
「え…、アタシの他にエ…誰か居なかった?」
「誰も居ないよ。あぁそうだ、倒れてた時、右手にこれを握り締めてたぞ」
スタンが差し出したそれは、着色を施した鳥の羽と青い宝石のお守りであった。
ルーティがそれを受け取ろうとした時、臀部から微かに疼痛が響いてきた。
だが、ホットパンツには染み1つ無いばかりか、着衣に乱れは無かった。
「そう…、心配かけたわね。少し休むから1人にしてくれない?」
「そうか…、くれぐれも無茶するんじゃないぞ、ルーティ」
「そうだよ母さん。母さんはいつも働いてばかりだから、きっと疲れたんだよ」
「・・・・・・・・・」
夫と息子は単純に労りの言葉をかけたが、息子の許婚は事情を薄々ながら感じ取った
のか、何か物言いたげな視線を送りつつも沈黙を守っていた。
そして、三人が退室した後の寝室には羽とお守りを握り締めたルーティだけが残された。
「…いつも、いつもアタシ達と一緒だよね、エミリオ・・・・・・・・・」
鮮やかな色彩を放つ羽と使い込まれて古ぼけたお守りの上に、一滴の雫が零れ落ちた。
[完]
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