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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
Night☆Light☆Excit クイルセデス氏 チェスター×アーチェ 2004/11/22 2004/11/23

「何よ、この弱そうな男は。」

第一印象だけで言ったあたしのこの一言で、チェスターとあたしは憎まれ口をたたき合うようになった。
そして、何気ないコトで文句を言い合い、時にからかい合い、互いに気にし合い・・・・・・・・
ダオスとの最終決戦を明日に控えて常闇の町アーリィに足を運ぶ頃には、
あたし達は想い合うようになっていた。

「おい、アーチェ。」
「・・何?チェスター。」
「ホウキ、落としたぞ。いくら最終決戦の前だからって・・・・・・・・しっかりしろよ。」
「な・・・・あんたなんかに言われなくたって、わかってますよーだ!!」
そう言って脹れながら、あたしはホウキを拾いあげる。
脹れたまま顔を上げたあたしの眼に映ったのは、優しそうな眼であたしを見るチェスターだった。
あたしは、そんなチェスターの顔を見てなんだかホッとする。
「ん?どうかしたのかアーチェ?」
「え、ううん。別に何でもないってば!!あんたこそ、もっとシャキッとしなさいよね!!」
あたしは根拠のない文句を言って顔をそらした。

・・・・・いつもこうだ。チェスターに嬉しいコトをしてもらったりしても、つい気持ちが裏返っちゃう。
そりゃあ、あたしだって本気で怒った様には言ってないから、チェスターだって気を悪くなんてしてないし、
傍からみれば罵倒し合っているだけでも、あたし達は決して憎み合ってなんかいない。
むしろ・・・・その・・・・・信頼し合ってると言っても過言じゃない。
だけど・・・・いつまでもこんなままでいいのかな・・・・・・・?

誰に投げかけているかさえ分からない疑問を抱きながら、目の前に並んで歩くクレスとミントの背中を見やる。

「・・・そんな、クレスさんったら////」
「はは、誉め過ぎたかな?だけど・・・・・・別にお世辞じゃないよ。」
「お世辞でも嬉しいですよ。」
何やら照れ笑いを浮かべているミントと、
その肩に降り注ぐ雪を優しく払いのけるクレス。
何の話をしているのかはよく分からないが、楽しそうに話しているコトは確かだ。

別に羨ましいワケじゃない。
あたしもチェスターもそんなタイプじゃないし、バカップルなトークがしたいとも思わない。
なのに・・・・気がついたら、あたしの眼には涙が溜まっていた。

「そろそろ宿に行かないか?明日に備えて充分に休んでおいた方がいいだろうし、
極寒の屋外を歩きまわって風邪でも引いたらシャレじゃ済まんからな。」
そう言ってクラースは、宿の方を指差した。
「そうだな。よし皆、今日はもう休もう。」
クレスの一言によって、一向は宿に歩き出した。

「はぁ、疲れたなぁ。」
さっきまでのブルーな気分を吹き飛ばすために、あたしは一人しかいない部屋でわざと声を出して言った。
ドサッ。
ベッドは、倒れこんだあたしの体を柔らかく受け止めてくれる。
その柔らかさとは対照的に、あたしの心臓はドクドクと高鳴っていた。
明日の戦いに緊張してるから・・・・・・?
ううん、違う。あたしは昔のコトを思い出していた。
あたしが昔・・・・・・前の彼と一夜を過ごした時のコト。
彼に抱かれた時も・・・・こんな柔らかなベッドだったなぁ・・・・・・・・・・・・・丁度雪が降ってて・・・・・・。
頭の中に、その時の情景が浮かびあがる。
・・・・・・・・・・・・・ダメだあたし!!
何考えてるんだろ・・・・・いよいよ明日だって時に・・・・・・・・・チェスターのコト考えてみたり・・・・
それどころか、昔のコトなんて・・・・・・・!!
どんどんあたしの頭は混乱する。
それでも、昔を思い出したコトによってあたしの心臓は高鳴り続けていた。

「・・・・チェスター・・・・・」
無意識の内に、あたしの口が小さく動く。
昔の彼とのコトを思い出して昂ぶっていたのに、あたしの口から出たのはチェスターの名前だった。
「あはは・・・・・おかしいね・・・・・・・・・・?」
そんな自分がおかしくて、髪をグシャグシャと掻きあげる。
一人部屋でよかった・・・・・。
こんなトコロ誰かに・・・・・・アイツに見られたりしたら・・・・・・・。
もし二人部屋になったとしても、ミントかすずと一緒になるだけで、
男であるチェスターと一緒になるワケはないのだけれど、今のあたしにはそんなコトを考える余裕はなかった。

「・・・ん〜。全然眠くねェなぁ〜。」
チェスターは大きなベッドの上に、大の字になって寝転がっていた。
「明日で・・・・いよいよ最後か。」
アーチェとは対照的に、チェスターは明日への不安で眠れそうになかった。
「ダオスを倒して・・・・・・どうするんだその後・・・・?俺達は違う時代に生きていたのに・・・・・・
いや、それよりも・・・・まずはダオスを倒さないとな・・・・・・」
『ダオスを倒せる』コトを前提として考えていた自分の考えのあさはかさに、チェスターは苦笑する。
「倒せる・・・・・・よな?死んだりなんか・・・・・・しないよな?」
死なない自信はあっても、倒せるまでの自信はチェスターにはなかった。
クレス達が再び自分たちの前に現れた時。
クレスはもはやチェスターには手が届かない程にまで強くなっていた。
これじゃ駄目だって・・・・・・・毎日血の滲むような特訓をして・・・・・・・・チェスターもだいぶ強くなった。
でも・・・・まだクレスには敵わない。
そんな自分が、クレスのように大事な人を・・・・・・・・・・・アーチェを守り抜くコトができるだろうか。
不安に押しつぶされそうになる。

もしアーチェが・・・・・・眼の前で殺されるようなコトがあれば・・・・
いや、アーチェなら大丈夫だろう。
強力な魔法を使いこなし、ホウキで華麗に飛び回る。
チェスターよりも、ある意味ではクレスよりも強いかもしれない。
でも・・・・・それでいいのだろうか。
守ってやらなくてもいい程強くても、守ってやりたい。
守ってやれる程強くなくても、守ってやりたい。
「ちくしょう!!男に守らせるなら、もっとかよわくなれよ・・・・・っ!!」
理不尽なコトを言っては、そんな卑屈な自分がどんどん嫌いになっていく。
「・・・・・俺が・・・・・あいつにしてやれるコトは・・・・・・・・」
視界を覆うように自らの手を額に置き、そっと眼をつぶる。
瞼の裏に、一人の女としてのアーチェが映る。
「・・・あいつより強くなくても・・・・・・・あいつより頼りなくても・・・・・そんな俺でも・・・・・・・
あいつの男になれば、あいつを支えてやれるのかな・・・・・」
瞼の裏に映ったアーチェが、チェスターを誘うように手招きする。
「何を考えてるんだ・・・・俺は!!『守ってやる』とか・・・・・『支えてやる』とか・・・・・・
格好つけてよ・・・・・・。俺はそんな格好いい男じゃない・・・・・・そんなたくましい男じゃない。」
真剣に悩んでいたハズなのに、いつのまにか厭らしいコトを考えている自分に嫌気がさす。

「ダメな奴だなぁ・・・・・俺って。」
深いため息をついてみるが、そんなコトじゃ瞼の裏に棲みついたアーチェは消えてくれない。
「・・・・・・何で・・・そんなに俺を誘うんだよ・・・・・・!!」
自分を誘うアーチェが頭に浮かんでは、首を振ってそれを否定する。
「ゴメンな・・・・・?俺がお前を好きなのは、そんな意味だけじゃなくて・・・・・・・
もっとホントの意味で好きなんだぜ・・・・。けど・・・・・・具体的に頭の中には・・・・・・それしか浮かんでこないんだ。」
泣きはしないが、涙に似た熱い感覚が込み上げてくる。
「俺は・・・・俺はお前が好きだ、お前を愛してる!!
こんな衝動に駆られるのは、最終決戦の前だからかも知れねェ・・・・・
でも、気持ちはずっと一緒だった!!最後だからとか、そんなコト関係ない!!
明日は決戦だ・・・・生きて帰れるなんて保証はどこにもねェ!!そりゃあ怖いさ!!怖くて何が悪い?!
・・・・・・最後の夜かも知れないんだ・・・・・・・。だから・・・・・だから俺は・・・・・・お前と・・・・・・・」

『ひとつになりたい。』

「何よ、話って。」
「いや・・・・・その・・・・・」
何か言いにくそうにうつむくチェスターに、あたしは頬杖をしながら悪態をついていた。
「まったく・・・・!!話って一体何なのよ!?何でもいいから早くしてよ・・・・!!」
「・・・・ん〜・・・・・」
別にチェスターの話を聞くのが嫌なワケじゃない。
むしろ、こうやってあらたまって呼び出されるのも中々気分がいいものだ。
でも・・・・・今のあたしは、自分でもよくわからないケド、チェスターの側には長くいたくなかった。
側にいると・・・・・おかしくなっちゃいそうで、自分で自分が怖かった。
「・・・何でもないなら帰るわよ?」
いい加減待てなくなったあたしは、チェスターに話を切り出させるために、わざと部屋を立つフリをした。
「あ、ああっ!!ちょっと待ってくれ!!わかった、わかったよ・・・・・!!言うよ・・・言えばいいんだろ?!」
チェスターの息は何故か荒かった。
言うと言った割には中々言い出さず、チェスターは荒くなった呼吸を整えている。
今度はあたしも急かさず、そんなチェスターを見ながら待っていた。

「・・・・・・・。」
・・・・・あたしはさっきまで・・・・・あんたのコト考えて切なくなってたのよ・・・?!
前の彼氏とあんたを重ねて見るのは失礼だとか、今はそんなコト考えてるような場合じゃないとかって
できるだけあんたのコト考えないようにしてたのに・・・・・!!
それなのに・・・・・あたしを目の前に呼び出して・・・・・・・おまけに何か沈黙してるし・・・・・・もう!!
「・・・ア、アーチェ!!」
あたしが心の中でグチっていると、思考の中に急にチェスターの声が割り込んできた。
「は、はいっ?!」
思わず声が裏返る。
「「・・・・・・・・」」
しばしの沈黙。
何か言おうとしたものの、あたしの過剰な反応を見て、なけなしの勇気がしぼんでしまったらしい。
「・・・・そ、その・・・今日はもう早く寝ないといけないしさ・・・・・別に急な用じゃないなら、また明日の朝にでも・・・・・」
「きょ、今日じゃないとダメなんだ!!」
チェスターは瞬き一つせずにあたしをみつめながら、あたしの両肩に手を置いて言った。
今日じゃないと・・・ダメ・・・・?コ・・・・コレってまさか・・・・・・・
いや、でも、その、そんなワケないよね?あたしがたまたまそんなコト考えてたからって・・・・・・・
整理のつかない頭の中を整理しようとしていたら、何だか顔が熱くなってきた。
チェスターの眼にはきっと、ほんのりと頬を赤らめたあたしが映っているのだろう。
こう見えても、あたしは顔に出てしまうタイプなのだ。

「・・・・アーチェ、いつもお前は俺に文句言ったり、ホウキで叩いたりするよな。
あれは・・・・・俺のコトが嫌いだからか?」
「え?な、何よいきなりそんなコト・・・・・別に・・・そんな、嫌いだなんて思っちゃいないわよ?
その・・・・ただ、あんたがチョッカイかけてくるから・・・・・」

・・・・・今更そんなコト思ってるの・・・・・?
予想外の展開に、ワケも分からず呆れるあたし。
「嫌いじゃない・・・・・・んだな?」
チェスターはあたしとの距離をグイッと縮めてきた。
「だから・・・・・嫌いだったらこんな風に会話したりとか・・・・・」
段々ワケが分からなくなってきた。
ちゅっ。
・・・・?!
一瞬何が起こったのか分からなかったが、すぐにソレが何か分かった。
今眼の前にあるのはチェスターの顔。ううん、目の前なんてモンじゃない。もっと近く。
ちゅ・・・・・・
一方的にあたしの唇を奪うと、チェスターはすぐに元の距離に戻った。
「こういうコトされても・・・・・嫌いじゃないって言えるか・・・・・?」
その声は震えていたが、それでも強い意志を感じた。
「・・・・嫌いじゃないよ・・・・・ぜんっぜん嫌いなんかじゃない・・・・・・!!だって・・・・・好きなんだもん・・・・・!!」
あたしの中で何かか吹っ切れた。
あたしはもはや自分を抑えるコトができなくなり、
昂ぶった気持ちやキスの感動、その場の勢いに任せてチェスターに抱きついた。
なんだ・・・・・チェスターも・・・・・あたしと同じだったんだ・・・・・。
ずっと張り詰めていた気持ちが一気に緩み、悲しくもないのに涙が溢れる。

「・・・アーチェ・・・!!」
チェスターは、抱きついたあたしの頭に優しく手を置いた。
時たまみせるこの優しさに、あたしは惹かれたのかも知れない。
「あたしは好きだよ・・・・・チェスターが。さっきまでだって・・・・・チェスターのコト考えると・・・・切なくなって・・・・・・
やりきれなくなって・・・・・・」
「俺も一緒だ・・・・・。頭の中にアーチェのコトが思い浮かぶ度に何だか落ち着かなくて・・・・・・・・
俺達、似たもの同士なのかな・・・・・・?」
チェスターの吐息が、感度のいいハーフエルフの耳をくすぐる。
「あはは・・・・もっと早く素直になればよかったなぁ・・・・・。」
「丁度俺もそう思った所さ。」
「でも・・・・・いくら時間が掛かっても、こうやって分かり合えたんだからコレでいいの。
少なくとも・・・・今は幸せだから。」
チェスターの胸の中で、あたしは身に沁みる幸せに精一杯の言葉を紡いだ。
「一緒に幸せになろうぜ・・・・アーチェ。」
チェスターの手が、あたしの顎を持ち上げる。そうまじまじと見られると、変なトコロじゃなくても恥ずかしい。
「うん・・・・・。あたしを幸せにできるのは、チェスターだけだから・・・・・・。」
あたしは眼をつぶってそっと肩を寄せた。

「・・・・じゃ・・・・その・・・・・するか?」
「まず・・・・・・もう一回キスしよ・・・・・・?今度はちゃんと・・・・・深いの・・・・・。」
恥じらいながらも、あたしは求めているコトを素直に言った。
自分の口から出た言葉の甘い響きに、自分でもエッチな気分になってしまう。
「・・アーチェ・・・・その、眼・・・・つぶれよ・・・・・・・////」
至近距離であたしと眼が合ってしまったチェスターは、顔を赤らめてわざとらしく視線をそらした。
かわいい。
あたしはそう思った。
母性本能だとか、そういうのもちょっとはあるかも知れないケド、
あたしはいつもとは違うチェスターを見て純粋にそう感じた。
いつもは強がって、無理したりとかしてるクセに、今日のチェスターってば何だか変なんだもん。
あたしのコト真っ直ぐにみつめて、顔赤くして・・・・・・・・・・・照れるなぁ。
「チェスター・・・・もっと・・・近くに・・・・・。」
あたしは困っているチェスターの頭に手を回し、グイと引き寄せた。
「・・・・・!!」
まだ唇は触れ合っていないが、それでもチェスターは急な展開に驚いて眼を丸くしている。
自慢じゃないケド、あたしはこれでもキスの経験は何度かあるので、
少なくともチェスターよりは慣れているハズ。
「・・・・キス・・・してよ・・・?」
いくら慣れているとはいえ、女としてやはりキスは『する』より『されたい』し、
チェスターもあたしにリードなんかされたら凹むだろうと思って、あたしはチェスターにそう促した。
「お・・・おう・・・!!」
変に意気込むと、チェスターはあたしの唇に、自らの唇を合わせた。

「ん・・・」
くちゅ・・・・・・・
それとなく軽く吸ってみる。
「・・・・・んう・・・・」
あたしの唇を、チェスターの舌がこじあけた。
・・・・さっきまで、唇を合わすのにも困ってたクセに・・・・・もう吹っ切れたのカナ?
そんな疑問を抱きつつ、あたしはようやく行動的になったチェスターになすがままにされていた。
ぬちゅ・・・・・
チェスターの舌が、あたしの歯茎をなぞる。
ずっと余裕をかましてきたあたしだけど、段々体が熱くなってきたみたい。
いくらキスは初めてじゃないとはいえ、最後にしたのもかなり前だし、
それに実は過去の数回は全て普通のキス。唇を合わせて、互いをみつめあって・・・・・それで終わり。
ディープキスはこれが初めてだったり・・・。
「・・・ん!!」
キスの悦びに浸っていると、チェスターに口内を舐め回されて、あたしは間抜けな声をあげてしまった。
チェスターはその声を聞いて薄っすらと笑みを浮かべると、更にあたしを求めて吸ってきた。
・・・あたしの声聞いて・・・・・・チェスターってばすごい嬉しそう・・・・・・
二割の恥ずかしさと八割の嬉しさは、あたしを積極的にさせた。
・・・・・ちゅ、んちゅ・・・・
段々エッチな気分になってきて、巧みに舌を使ってチェスターを求め返すあたし。
それに気付いたのか、一瞬驚いたような顔をしてからニヤリと笑うチェスター。
そんな風に笑われると恥ずかしいんだけど・・・・・・・・・・やっぱり嬉しかった。
ちゅ・・・・
今度はあたしの舌がチェスターの歯茎を舐め上げる。
照れくさそうに瞬きをするチェスター。
あたしの眼には、いつもよりずっと色っぽく見えた。


しばらく互いの味を交換していると、チェスターがあたしから唇を離した。
つぅっと、あたし達の唾液が銀色の糸を引く。
「チェスター・・・・・キス、よかったよ・・・・・・。」
あたしは上気したままチェスターを見てそう言った。
「ああ・・・・。お前がこんなにも可愛い奴だなんて・・・・・気付かなかった。」
チェスターはとびっきりの言葉であたしを褒めてくれた。
「ふふ・・・・今更気付いたの?・・・・いいよ。今夜はたっぷり可愛くなってあげるから・・・・・。」
口ではそう言ってるケド、心の中ではあたしは嬉しくてたまらなかった。
きっと、今のあたしの顔は真っ赤なんだろうな・・・・・。
「・・・・そうさせてもらうぜ。」
チェスターは、あたしの心の内を見透かしたような優しい眼をして、耳元でそう呟いた。
「それじゃ、アーチェ・・・・・・・」
服のボタンにチェスターの手が掛けられる。
「・・・うん。」
あたしはその意味を悟り、ちょっぴり恥じらいながら頷いた。
「いいんだな・・・・?」
「・・チェスターなら・・・・・いいよ・・・。」
そういうと、あたしは軽く眼をつむった。
あたしの気持ちを確認すると、チェスターは一気にボタンを外しだした。

「・・・・・・・ん・・・・」
眼を開けたあたしが見た物は、瞬き一つせずにマジマジとあたしの体に見入っているチェスターだった。
「アーチェ・・・・可愛い。」
「・・・え?」
「可愛い、やっぱお前可愛いよ。」
あたしの胸をみつめたまま、チェスターは取り付かれたかのように言った。
「やだ・・・・そんなコト言われると、何だか恥ずかしいナ・・・・////」
あたしは手で胸元を覆い隠しそうになったが、その手を途中で止めた。
・・・・恥ずかしがってちゃダメ・・・・・今日は・・・・チェスターと幸せになるんだから・・・・。
あたしは自分にそう言い聞かせて、自らの体をチェスターに預けた。
「チェスターも服・・・・・脱いで。」
「あ、わりぃ。お前だけってのは恥ずかしいよな。」
そう言うと、チェスターは上半身を裸にした。
・・・・男は別に上半身に隠すようなモノなんかないんだから、結局恥ずかしいのはあたしだけじゃない・・・・・。
そんなコトをグチりながら、あたしは露わになったチェスターのたくましい体を見ていた。
「あたし・・・・ここに抱かれるんだね・・・・?」
チェスターの胸板にそっと手を這わせてみる。
「俺に・・・・抱かせてくれるんだな?」
「初めっからそのつもりで呼び出したクセに・・・・・・もう。
今夜は・・・・・好きにしていいよ・・・・。」
あたしは眼をつぶると、チェスターに抱きついた。

「ア、アーチェ・・・・」
・・・・ドクン、ドクン。
あたしの乳首が当たって、興奮したチェスターの鼓動が早まる。
それに気付き、あたしはもっと強く抱きついてみる。
ドク、ドク、ドク、ドク・・・・・。
更にチェスターの心臓は高鳴る。
・・・・・自分でも、厭らしいコトしてるなって思う。
そう思うと余計にあたし自身も昂ぶってしまい、無意識の内にあたしの胸の先端は主張を始めた。
「・・・・アーチェ!!」
チェスターがあたしを抱きしめる。
あたしの胸の主張を肌で感じて、たまらなくなったのかな・・・////
少し恥ずかしいとは思うケド、自分から抱きついたんだから仕方ないよね・・・・・。
「・・・・・・」
ぼうっとしていると、チェスターがあたしの体から手を離した。
「・・横に・・・・なってくれよ・・・・。」
言いにくそうにチェスターが言う。
「うん・・・・・わかった。」
あたしは軽くうなずくと、真っ白なベッドの上に横になった。

クニュ・・・・
チェスターの手が、戸惑いながらもあたしの胸を揉む。
「・・ん・・・・」
「ど、どうだ・・・・?気持ちいいのか・・・・・?」
慣れない手つきで胸をいじりながら、チェスターはあたしに聞いた。
「・・・まだよくわかんないケド・・・・なんか・・・・・いい感じ・・・。」
曖昧な返事をするあたし。
正直、経験のないチェスターの前戯は決して上手なものではなく、
まだまだ快感とは程遠かったケド、それでも大好きなチェスターとエッチなコトしてるかと思うと
とても幸せな気分だった。
「アーチェ・・・好きだ・・・・っ!!」
チェスターは、あたしの胸の先端を口に含んだ。
「あ、ああ・・・・・・や、なんか気持ちいいかも・・・・・・」
舌での愛撫は経験に関係なく気持ちいいもので、流石のあたしもコレには声をあげてしまう。
「・・・ん、ふん・・・・・あ、あたし達・・・・・・今エッチなコトしてるんだよね・・・・・っ!!」
スイッチがONになってしまったあたしは、ついそんなコトを言ってしまう。
「エッチなコトじゃなくて・・・・・正真正銘のエッチだっての。」
イジワルに笑ってチェスターが言う。
「やだ・・・・・もぉバカ////・・・・・・チェスターのエッチ。」
・・・・・あたし達ってば、さっきから何回『エッチ』ばっかり言ってるんだろ・・・・・・
そんなコトを考えて苦笑する余裕も、既に無くなり始めていた。

「ん・・・・あん・・・・」
ぺちゃぺちゃ。
「ふあ・・・・いいよぉ・・・・・」
ぺちゃ・・・・・。
あたしの嬌声と、チェスターの舐める音だけが部屋中に響く。
「・・・・な、アーチェ。」
「うん・・・・?」
「前にさ、お前のコト・・・・・・・・ペチャパイだの、子供体型だの言ったケドさ・・・・・・」
バツが悪そうに言うチェスター。
「アレ・・・・訂正させてくれよ。お前、全然いい体持ってるんじゃねぇか。」
チェスターがあたしの胸をわし掴みにして言う。
「・・・そんなコト・・・・・ないと思うケド・・・・・・////」
まあ、さすがに子供体型ではないケド、胸が小さいのは本当のコトだし。

「いや、そんなコトあるって。今ここに、お前の体に夢中になっている男がいる―――――。
お前の体がいい体だっていう理由はそれで充分だろ?」
あたしの頬にキスをするチェスター。
なんだか、すごくクールな感じ。
あたしがチェスターを好きになったのは、悪ぶってても本当は素直で、適当なようでマメで・・・・・・
そんなヘッポコなのにカッコイイ所に魅かれたんだケド・・・・・・
こういうチェスターもいいかも。
「そっか・・・・。うん、そうかも知れないね。ありがと。」
あたしは、照れた風でもなく微笑む。
実際、チェスターに言われた『子供体型』の一言は結構気にしていたので、
喉に刺さった骨が取れたようだった。
「胸は・・・・そろそろいいだろ?それよりも・・・・」
へその下に、ズボン越しに視線を感じる。
「ふふ・・・やっぱり、あたしのココ見たいんだ?」
言い出しにくいであろうコトをあっさり言い出してきたので、ちょっとからかってみる。
「そ・・・そりゃあそうだろ!!お、お前さっき『今夜は好きにしていいよ』とか言ったクセに・・・」
あたしのイジワルな質問に、慌てふためくチェスター。
「わかってるって。ちょっとからかってみただけ。それに・・・・・・」
「それに・・・?」
「ここまできて、今更脱がないで終わるなんて・・・・・・あたし、そんなの嫌だもん。」
・・・・こういうセリフを言う時、自分がどんな顔をしているのかは自分が一番よくわかっている。

「・・・・な、なんだよ・・・急に可愛いコト言いやがって・・・・・・。やっぱ、今日は明日に備えて寝ようか?」
今度はチェスターにからかわれ返されているらしい。
「やだ・・・・・寂しくて死んじゃうよ・・・・・?」
「ウサギか、お前は。」
バカなトークをして笑いながらも、
チェスターのズボンの股間の辺りがピクリと動いたのを、あたしは見逃さなかった。
・・チェスターも段々昂ぶってきたみたい。・・・よかった・・・あたしだけ濡れ濡れだったらすごい恥ずかしいし・・・・・。
結構余裕ぶって話しているように見えて、
実は既にあたしの恥部はパンティ越しにでも濡れているのがわかるくらいドロドロだったりする。
あたしだけ濡れていたら恥ずかしいので、チェスターのモノも勃たせてやろうと思って
ワザとエッチな話を振っていたのだが、逆に言っている本人であるあたしの方が興奮しちゃって
余計にドロドロになってしまったのだった。策士策に溺れるとは、正にこのコトだ。

「じゃあ・・・脱がすぞ・・・?」
チェスターの大きな手が、あたしのズボンを掴んで歪めた。
「うん・・・・。チェスターに・・・・あたしの全てを見せてあげたいから・・・・・。」
あたしはそう言って、チェスターの手に自分の手を重ねた。
グイ・・・・・
まずはズボンが脱がされる。
ズボンを剥がれたあたしは、レース模様の下着一枚でベッドに寝ていた。
「い、いよいよ・・・・・・ゴクリ。」
チェスターが生唾を飲み込む。
・・・やっと・・・・なんだよね・・・・。
ふと見ると、薄い下着は分泌された愛液によって殆ど透けて、
髪と同じピンクの恥毛がくっきりと見えていた。
「・・・////」
裸よりも、こういう中途半端に見えている方がかえって恥ずかしいのは何でかな。

「・・チェ、チェスター?その・・・・・脱がすんだったら・・・・早くして・・・・。」
中々下着に手を掛けようとしないチェスターに、あたしは脱がしてとせがんだ。
「あ、ご、ごめん!!いやさ・・・・その・・・もう、こんなになっちゃってるものなんだなと思って・・・・」
「あうう・・・・・そういうコト、言わないでよ・・・・・。なんだかんだエッチなコト言ってみたりしても、
やっぱりそういうのだけは恥ずかしいんだよね・・・・・・。」
思わず言いながら両手で股間を隠してしまう。
「わ、悪かった・・・・・ただ・・・・、俺がキスしたり、胸揉んだりして
アーチェがそんなになってるって思ったら・・・・・俺、すごい嬉しくて・・・・・。」
反省しながらも、ニヤけそうになるのをこらえているチェスター。
「あたしも・・・・嬉しくて幸せでドキドキしてるから・・・・こんなになっちゃうんだよ・・・・?
だから・・・・早く・・・・チェスターと・・・・・・もっと幸せになりたいから・・・・・・。」
「・・・ああ・・・・わかった。脱がすからな・・・・!!」
深呼吸すると、あたしの体を隠す最後の布をずり下ろした。

「・・・・・・。」
目の前に現れたあたしの恥部を、顔を赤くしてまじまじと観察するチェスター。
「・・・・ど、どう・・・?その・・・・自分じゃよくわかんないんだケド・・・・・・・・何て言うか・・・・・
あたしのココ・・・・・いいの・・・・?」
無言でみつめられ続ける羞恥に耐え切れなくなったあたしは、チェスターに感想なんかを聞いてみた。
「すごい・・・いいぜ・・・・?俺も・・・・・・どう言ったらいいか、上手くわかんないんだケドさ・・・・・
可愛いっていうか・・・・・」
言葉を選ぶチェスター。
「そう・・・なんだ・・・・。」
濡れて厭らしく光るあたしのソコ・・・・あたしにはどこが可愛いのかなんて全然わからないケド、
それでもずっと見てると、自分の体なのに不思議と変な気持ちになる。
きっとチェスターはそれどころじゃないだろうケド。

「触らせてくれよ・・・・・。」
「あ、そんないきなり・・・・はう。」
チェスターの指があたしの敏感な所に触れて、あたしの声は遮られる。
ドクドクドク。
一度は静まっていたチェスターの心臓が、再び音を立てている。
あ・・・ああ・・・・こんなトコ・・・・・他人の指になぞられるなんて・・・・・ん・・・・なんだか変な感じ・・・・・
前の彼と過ごした夜以来の感覚に、あたしが言い表せられないようなくすぐったい快感を覚えていると、
それと同調するようにあたしの体の芯が熱くなってきた。
「あ・・・・んん・・・・チェスター・・・・気持ちいい・・・・・・それに・・・・何だか体が熱くて・・・・・変になりそう・・・・・。」
「・・・・俺に触られて・・・・・・感じてるのか・・・・?」
「・・うん・・・・・あたし・・・・感じてるの・・・・かな・・・・。」
ますます体が熱くなる。

トロ・・・・・
チェスターの愛撫に合わせて、あたしの秘唇からは愛液が垂れ出ている。
クチュ・・・・クチュ・・・・
チェスターの手も激しくなってきた上に、あたしのソコはどんどん水気を帯びてきて、
いつの間にか自分でも厭らしいとわかるくらいの水音が奏でられていた。
「んあ・・・・ふん・・・・あ、あん・・・・・・そんなに触られると・・・・あたしも・・・・その・・・・どうしたらいいの・・・・・////」
「・・・恥ずかしいのはわかるケド・・・・・・・俺はもうやめられないぞ。
お前のこんな姿見ちまったんだからな・・・・・!!」
チェスターが、あたしの恥ずかしい所を舐めるような目つきで見ている。
クチュ・・・グチュ、チュ・・・・クチュ・・・
「やだ・・・・あ、やだぁ・・・・・・・この音・・・聞いてると・・・・すごい恥ずかしくなってくるよぉ・・・・・・////」
眼をつぶって快感に震えるあたし。
「それはな・・・・アーチェが気持ちよくなってるからだ。
女の子だったら・・・・誰でもそうだから・・・・・・・そんなに赤くなるなって・・・・・な?」
下手なセリフで慰めようとするチェスター。

「・・・・でも・・・・こんな音だして・・・・こんな声あげて・・・・・・あたしってば・・・・厭らしい・・・・・////」
「可愛いぜ・・・・可愛くて、愛らしくて、抱きしめたくなる・・・・・。
厭らしいから、俺がこんな気持ちになるんだからな・・・・・?
でも、だから・・・・俺はそんな厭らしいアーチェが大好きだ。
大好きなアーチェの厭らしい所、もっと見たいんだ・・・・・・俺になら・・・・見せてくれるよな・・・・?」
ズプリ。
あたしの秘唇の中に、チェスターの指が入り込む。
「・・・・っ!!あ、はんあ、んん!!あ、だめ、やぁ!!ソコ・・・・ソコなんだか切なくて・・・・らめ・・・・・・
あたし・・・・・そんな所入れられたら・・・・・・!!チェスター・・・・好き・・・・・!!」
自分でも何を言っているのかよくわからない。
でも、とにかく気持ちよくて。目の前にいるチェスターが愛しくて。胸が裂けそうで。
そのコトだけ思ってたら、口から出た言葉は『チェスター好き』。
・・・・今更・・・・バカみたいなコト言ったのかな・・・あたし・・・?
でも・・・・あたしもチェスターも幸せなんだから・・・・いいよね・・・・。

トロ・・・・・
あたしの嬌声と共に愛液はどんどん出てきて、秘唇の周りに生い茂った恥毛を濡らす。
すっかりパンティも、ベッドのシーツも、チェスターの手もドロドロになって・・・・・すごい厭らしい。
でも・・・・全然嫌じゃない。恥ずかしくて・・・・・気持ちよくて・・・・・恥ずかしいケド・・・・・
全部、大好きなチェスターに見せてあげるって決めたから。
「どうだ・・・・アーチェ!!気持ち・・・いいだろ?」
「あん、ああん!!ふわ、あ、すごい・・・すごくて・・・・ひん!!・・・・いいの・・・!!」
「よし・・・!!アーチェ・・・・・俺が上り詰めさせてやるから・・・・安心して気持ちよくなってくれ!!」
チェスターの指が2本から3本に増え、動きも一層激しくなった。
「・・・んんっ!!やああ!!だめ、え、おかしくなっちゃううう!!いや、んは!!
あたし、あたしもう・・・・イク・・・・っ!!」
チェスターの指に導かれ、絶頂を迎えたあたし。
魂が抜けるような・・・・・体の芯まで溶けてなくなりそうな・・・・・そんな快感。
茂みの奥に開けられた恥部から、粘り気のある愛液がドロドロと出ていく。
「・・・・アーチェ・・・・イッたんだな・・・・・・。」
ビクビクと跳ねるあたしの腰を見て、チェスターは撫でるように言った。

「うん・・・・すごく・・・気持ちいいの・・・・。チェスターが・・・・・あたしをこんなにしてくれたんだよ・・・・・・。」
まだ整っていない呼吸のまま、あたしは味わい深い絶頂の余韻をチェスターに伝えた。
「俺・・・・もう、我慢できねぇ。・・・・・アーチェ・・・もういいか・・・・?」
ふと見ると、チェスターのソレはすっかり大きくなり、痛そうなくらいに反り上がっていた。
「・・・いいよ。あたしと・・・・・ひとつになろ・・・・・・。」
達したばかりだとは思いながらも、これ以上チェスターを待たせるのも気が引けたし、
事実入れて欲しくなってきたので、あたしは自ら秘唇を広げてチェスターを誘った。
「・・・・それじゃあ・・・いくケド・・・・・無理だと思ったらすぐに言えよ?」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・いれるぞっ!!」
ズプ・・・。
チェスターのソレが、あたしの中へと入ってきた。
生温かい体温が伝わってきて、頭がぼうっとする。
「・・大丈夫なのか・・・・・?」
もちろん、初めてじゃないあたしには痛みなんて殆どない。
「・・・ん、ああ・・・・。チェスターが・・・・チェスターが・・・・あたしの中・・・・」
「おいアーチェ・・・大丈夫なのかよ・・・・?」
そんなチェスターの問いに、あたしはどう答えようものか悩む。

「・・・ん・・・あ、あたしなら大丈夫・・・・・だから・・・その・・」
「・・・・ホントに痛く・・・・・・はっ!!・・・アーチェ、お前まさか・・・・・?!」
どうやらニブチンなチェスターも、あたしにはもう処女幕がないコトに気付いたらしい。
「・・・・言わないで・・・・!!」
驚くチェスターに、あたしはそう言うしかなかった。
コレばかりは、言ってなかったあたしが悪いとしか言いようがない。
だけど・・・・・・言えなかった。大好きなチェスターに・・・・・・・・そんなコト。
「アーチェ・・・・そうだったのか・・・・・・・・」
「ごめんなさい・・・・はあ、ん・・・・・・お願い・・・・・キライにならないで・・・・・。」
嬌声まじりの声で、あたしはチェスターに謝罪して祈願した。
普段は謝った時でも『ごめん』としか言わない。
『ごめんなさい』なんて言ったの、生まれて初めてかも知れない。

「おね・・・がい・・・・んんっ・・・・・お願いだから・・・・・チェス・・・たぁ・・・・」
こんな時にでも感じてしまっている自分の体が憎い。
「・・・・・アーチェ・・・・。」
繋がったまま、半泣きになったあたしをチェスターが抱きしめる。
「・・・・・?」
「俺はお前が好きだ・・・その気持ちは絶対に変わったりしねェ・・・・」
「・・チェスター・・・!!」
思わず頬を伝う涙に、あたしはそれを見られまいと顔を伏せた。
「・・・だから・・・・安心しろよ。そうやって泣いてるなんてらしくねェ。」
あたしの気持ちも、泣いていたコトも、全てチェスターにはお見通しのようだ。
「ずっと黙ってて・・・辛かっただろ?ゴメンな・・・・・アーチェの初めてになってやれなくて。」
「ううん・・・そんなコトない・・・!!悪いのは全部あたしなのに・・・・!!
なんでチェスターが謝るの・・・?・・初めてとか・・・そんなのどうだっていい!!
チェスターは・・・チェスターはあたしの一番だから・・・!!」
もう、自分でも何を言っているのかよく分からなかった。

「・・・アーチェ・・・お前の気持ちはもうわかったからさ・・・そんなに泣くなって。
一番だって言葉・・・・嬉しかったぜ。」
「・・・う・・・うう・・・!!」
チェスターの優しくて男らしい言葉に、あたしはただただすすり泣くコトしかできなかった。
「・・・・・・・。」
下手な慰めは必要ないと思ったのか、無言でぎゅっとあたしを抱きしめるチェスター。
「・・・うん・・・・ありがと・・・。もう、大丈夫だから・・・・・・続きして・・・いいよ。」
「そ、そうか?・・・ん・・・じゃあ・・動くからな・・・・・。」
あたしの顔色をうかがいながらも、チェスターは繋がっている部分を律動させ始めた。
「・・ん!!あん、ふ、ひあ、だめぇっ!!あ・・・ああ・・・・あたし・・・すごい・・・!!」
「くぅ・・・・っ・・・・アーチェの中・・・・すげェあったかくて・・・・っ・・・!!」
気持ちよくて、頭が真っ白になりそうで、あたしとチェスターは愛を深め合っていた。
「ああ、あん!!チェスター、もっと・・・・んうっ突いて・・・・っ!!」
幸せな気持ちや快感のせいで、あたしは無意識にエッチな要求を始めていた。
「・・・こ、こうかっ?!」
「ふああ!!そ、そう!!それ、いいよぉ・・・っ!!」
もちろん、興奮してあたし同様熱っぽくなっているチェスターは、そんな要求を喜んでのむ。
「・・・・ん・・・ふあんっ!!」
「ア・・・アーチェ・・・・!!」
「チェスタぁ・・・・・っ!!」

二人(主にあたし)の厭らしい汁のエッチな音と、ギシギシというベッドの音、
そしてあたし達の声。それだけが聞こえる。
それ以外は何も聞こえない。
体が熱くって、とろけそう。
チェスターと一緒なら、とろけてもいいかな・・・・・・。
快楽物質によって正常に機能しなくなったあたしの思考回路は、そんなコトを考えていた。


「・・・だ、だめだ!!俺・・・もう・・・・ッ!!」
「ん、ああ!!来て・・・チェスター・・・!!あたしも・・・もう・・・!!」
永遠にも、数分にも感じられた時間は、いよいよクライマックスまで来ていた。
「出すぞ・・・アーチェ・・・・んくっ!!」
「・・・・んふあっ!!あ、ああ!!・・・あっ・・・あっ・・・」
チェスターが、あたしの中に熱を放った。
最奥に出され、暖かいモノが体内にあるのがわかる。
「・・・チェスターの・・・・あたしの中・・・・・・」
未だ熱を失わない自分の体を見ながら、あたしはそう呟いた。
・・ニュプ・・・・
チェスターのソレが、あたしの中からゆっくりと出される。
それにともなって厭らしい水音が相変わらず鳴り響くが、この頃にはもう羞恥心は殆ど消えていた。
あたしのヒクヒクと動く秘唇から、ドロリと愛液が垂れる。


「・・・待ってな。俺が綺麗に拭いてやるから。」
チェスターがあらかじめ用意しておいたらしいタオルを手に取る。
「そ、それくらい自分で拭くからいいよ・・・!!」
「いいじゃねェか。拭かしてくれよ。」
チェスターはそう言って、ドロドロに濡れて光るあたしの恥部を、丁寧に拭き出した。
「・・ん・・・あ、あ・・・・また・・・気持ちよくなっちゃうよぉ・・・・」
敏感な所を念入りに拭かれ、自然と愛液が出てきてしまう。
「おいおい・・・これじゃあいつまで経っても綺麗にならないぞ?」
「チェスターのイジワル!!あたし悪くないもん!!」
チェスターに意地悪く笑われ、引きかけていた恥ずかしさが再び込み上げてきた。
「もう!!自分でやるってば!!」
あたしはそう言ってチェスターからタオルを奪った。

ねとぉ・・・・・
奪い取ったタオルは、あたしの愛液でびちょびちょに濡れていて、
指から伝わる感触があたしを一層辱める。
「・・・チェ、チェスターこそ・・・・さっさと・・・・ソレ拭いて服着れば・・・?」
「ん?ソレって何だよ?」
とぼけた表情を浮かべるチェスター。
「・・・ソレはソレでしょ!!」
「だから、ソレじゃわかんないって。ちゃんと名称で言ってくれねぇと・・・・ぶっ?!」
あたしの拳がチェスターの無防備な腹筋にめり込んだ。
「バカ!!ヘンタイ!!このスケベ大魔王!!」
「じょ、冗談だって!!・・・ふぅ、死ぬかと思ったぜ。」
「自業自得でしょーが!!」
ため息をつくチェスターに、あたしは呆れ笑いを返した。
「自業自得ってなぁ・・・お前・・・・・くくっ、あはは!!」
「・・な、何で笑うのよ・・・ふ、ふふ、あははは!!」
あたし達は知らず知らずの内に笑ってしまっていた。
初めて交わりあった後だというのに、いつもの様なバカトークをしている自分達に。


・・・・こんな時間がいつまでも続けばいいのにな・・・・・
ま、そうは行かないよね。ダオスに無事に勝てた所で・・・・あたしとチェスターは・・・・・・
・・・・・ううん、今からそんなコト考えたってしょうがないじゃない。
とりあえずは世界を救わなきゃ。
・・・・・・・・・それに、今は・・・・こうしてる間はあたしはチェスターの側にいるんだから・・・・・。

そんなコトを考えていたら、あたしはいつの間にか寝てしまっていたらしい。
眼を覚ますと、窓から差し込む朝日に照らされて眠るチェスターの寝顔が隣にあった。



「チェスター。」
そっと声を掛けるが、眼を覚ます気配はない。
「チェスター、朝よ。起きて。起きてってば!」
「・・・ん?」
あたしが何度か肩を揺さぶると、チェスターは眠そうな瞼をゆっくりと開いた。
「・・・ああ・・・アーチェ・・・・・そうか・・・・昨日俺達・・・・」
隣にあたしがいるコトから、昨日の夜のコトを思い出したらしく、チェスターは顔を赤くした。
「あたし、いつの間にか寝ちゃってたみたい。」
「はは。お前らしいな。」
「な、何よそれ〜?!今日はそんなのん気なコト言ってる場合じゃないでしょ?!」
いつもの様にあたしをからかおうとするチェスターに、あたしはいつもの様にふくれてみせる。
「わかってるって・・・・。今日ばっかりは・・・俺もしっかりしなきゃな・・・・。」
「うん・・・あたしも。」
気分も落ち着いてきたところで、あたし達はどちらからともなく部屋を出た。


「昨日はよく眠れたかいミント?」
「いえ・・・緊張してしまってあんまり・・・・。」
「そんなコトだろうと思ったよ。僕もそうだったからね。」
集合し、宿屋から出た皆は町の出口へと向かって歩いていた。
「若いっていいなぁ・・・。私なんて、そんな会話をしていられる余裕もないね。」
皮肉と羨ましい気持ちが半分ずつ混ざったかの様な口調で言うクラース。
「別に・・・・僕達だって余裕があるワケじゃありませんよ。
ただ・・・ジッとしていると、不安や恐怖に飲み込まれてしまいそうで・・・・・。」
「私もです・・・・。何か話して気を紛らわそうとしているだけ・・・・・
私だって不安じゃないと言えば嘘になります。」
慰めあうかの様に肩を寄せるクレスとミント。

「そうか・・・すまなかったな。」
帽子でおろし、顔を隠すクラース。
「みんな、何暗くなってんのよ!!あたし達がこんな所で死ぬワケないじゃない!!
あたし達はまだまだこれからなんだから!!」
すっかりナーバスになってしまった皆に見かねて、あたしは大きな声で言った。
「そうそう。ここまでこれたんだからな!!絶対にダオスを倒して、皆で平和な世界に戻そうぜ!!」
あたしに続けてそう言ったのはチェスター。
「そう・・・・・・ですね。お二人の言う通りです。こんな所で暗くなっていたって、
ダオスを倒すコトは出来ないですもんね。」
「ああ・・・・・。ありがとう二人共。僕も言われて気付いたよ。」
どうやら段々皆の元気も戻ってきたみたい。
「ふふ・・なんだか今日の二人は頼もしいな。何かいいコトでもあったのか?」
「べっつに〜♪ねぇ?」
「・・・おう!」
あたしがウインクを送ると、チェスターもそれに気付いてウインクを返してきた。



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日付:みんなと旅する最後の日 天気:あたしの心と同じ位晴れ

あたし達は・・・・これからダオスっていう強大な敵と戦わなくちゃいけません。
それはきっととても辛い戦いになるだろうし、命の保証なんてどこにもにないです。
でも・・・・絶対にダオスには負けません。
あたしはここに誓います。
何が何でもダオスを倒して・・・・そいて、まだこの世界を終わせたりなんかしません。
だって・・・・・・・大好きなチェスターのいるこの世界なんだから・・・・・!!
みんなの明日の為に・・・それでは行ってきます!!

-----------------------------------アーチェ------------------------

  〜END〜


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