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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
新妻リアラ奮闘記 サザム氏 カイル×リアラ 2004/11/13 2004/11/13

「よい……しょっと!」
リアラは掛け声と共に抱えたシーツを投げ上げて、ベランダの物干しへ手際よく広げた。
パンとしわを伸ばしてきちんと両端を揃えると、そよぐ微風に乱れた髪を小さく指先で払う。
はためく布の群れの合間からは、のどかなクレスタの街並みが遠くまで見渡せる。
全ての歴史が正された後、再びカイルの元に戻る事が出来たリアラは、彼の生家である孤児院に身を寄せていた。
「リアラ、そっちはもう済んだ?」
「あっ、はい、ルーティさん。あと少しです」
背後からの声にリアラが振り返ると、そこにはカイルの実母であるルーティの姿があった。
息子が突然連れてきた、素性の知れない娘であるリアラをも快く歓迎してくれた、気さくで優しい女性だ。
更に言えば、現在のリアラにとって当面の目標とする女性であり、少し前に正式な義母となった人でもある。
はきはきとした口調で答えるリアラに、ルーティは軽く苦笑を浮かべ、呆れたように腰へ手を当てた。
「ほら、また他人行儀に戻ってるわよ? 母さんって呼んでって、前から言ってるでしょ?」
「あ、は、はい、すいません……」
ふとした弾みで忘れてしまう言葉遣いを指摘され、リアラは白い頬を朱に染めて小さく頭を下げた。
聖女として常人とは異なる形でこの世に生を受けた彼女は、家庭の団欒といった物の経験は無い。
それだけに、改まって他人へそうした親しげな呼び方をするのは、まだどこか気恥ずかしいという思いがある。
けれど、ルーティはきちんと言い直すのを促す面持ちで、身体を屈めてリアラの顔を下から覗き込む。
「えっと、お、お母、様……?」
「はい、それでよろしい」
その視線に負けて、リアラがためらいがちに呼び掛けると、ルーティは満足げに頷いた。

「んーっ……。リアラが来てくれてから、ウチは大助かりね。よく働いてくれるし、チビ達も懐いてるし」
「あ、いえ、そんな。私なんて、本当にまだまだです」
一つ大きく伸びをすると、ルーティは綺麗に干された洗濯物の列を眺め、感心したようにそう呟いた。
唐突な誉め言葉に、リアラは恐縮してかぶりを振り、謙遜ではなく心からそう答える。
実際、まだ縫い物などの細々とした家事では、ルーティはおろか孤児院にいる年下の少女にも遠く及ばない。
ルーティはそんなリアラの思いを察すると、ポンポンと肩を叩いて語り掛けた。
「そんな事ないわ。正直、ウチのカイルにはもったいないぐらいなんだから、もっと自信持っていいのよ?」
「いいえ、違います! カイルの方こそ、優しくて、前向きで、私には……あ、やだっ!」
「あらあら、ごちそうさま」
惚気の途中で我に返り、みるみる耳まで真っ赤にするリアラへ、ルーティはからかい混じりに微笑んだ。
ほとんど口答えなどしないリアラも、ことカイルに関する否定的な言葉にだけは、面白いように反応する。
十代の頃より数多くの孤児達の世話をしてきたルーティから見ても、ここまで一途で判り易い娘は珍しい。
自分の新婚当初とは似ても似つかない初々しい態度が、ルーティの悪戯心を殊更に刺激するのだった。
「そう言えば、この間教えてあげた事は、もう試してみた?」
「いっ、いえ……。あれは、まだ……」
ルーティが少々人の悪い笑顔を浮かべて問い掛けると、リアラは小柄な身体をますます縮め、大いに恥らった。
その返答に、ルーティは獲物を前にした猫の如く目を細め、顔を伏せたリアラへ言い聞かせるように囁く。
「自分から訊いてきたぐらいなんだし、練習もしたんでしょ?」
「はっ、はい、一応……」
「なら、あとは思い切るだけよ。大丈夫、絶対喜んでくれるから」
「……はい、その、頑張って、みます……」
熱を持った顔を俯けたリアラは、もじもじと指を絡めつつも、ルーティの言葉に小さく頷いて見せる。
ある意味、ルーティから格好の娯楽扱いをされている事に、純真なリアラは全く気付いていなかった。



「お待たせ、カイル」
「あ、おつかれリアラ。今日は早かったね」
その夜、ルーティと共に年少の子供達を寝かしつけ終えたリアラは、カイルの待つ寝室へと足を踏み入れた。
ベッドの端に腰掛けて剣の握りを直していたカイルは、顔を上げて労いの言葉を掛けてくる。
最初の頃は別の部屋を使っていたリアラも、ささやかな式を挙げてからは、彼と一緒の部屋で寝起きしている。
一人用のサイズのものを二つ並べた質素な寝台が、いかにも新婚夫婦の部屋という風情を醸し出していた。
「うん、今夜はぐずる子もいなかったし、みんな素直に寝てくれたから」
「そっか、昼間は結構、みんなではしゃぎ回ってたしな」
何気ない会話を交わしながら、リアラはカイルのすぐ隣へちょこんと腰を下ろした。
カイルも手早く作業を終わらせて剣を脇によけ、リアラの方へ軽く身を寄せる。
「いつもこの調子だと、その分カイルと二人きりでいる時間が増えて、私は嬉しいんだけどな」
「うん、そうだね。あいつらのいる前だと、あんまりこういう事もできないし」
「ん、うん……」
リアラが肩口にコトンと頭を預けると、カイルは彼女のしなやかな髪をそっと撫で付けていった。
優しく丁寧な手の感触に、リアラのつぶらな瞳が心地良さそうに細められる。
カイルは膝の上に置かれた両手へ掌を重ね、髪を撫でていた手を肩に置くと、リアラの耳元へ小さく囁く。
「リアラ、いいかな?」
「あ、ちょっと待って……」
いつもならこのままカイルに身を任せるリアラは、昼間のルーティの言葉を思い出し、それを制止する。
しかし、これから言うつもりの提案に対する羞恥に、リアラの決意は早くも鈍り始めた。

「今日はしたくない? だったら……」
「ううんっ、違うの、そうじゃなくて、その……」
身を離そうとするカイルに首を振ったものの、肝心の本題を言い出せずに、リアラは言葉を詰まらせた。
カイルは物問いたげな視線を投げ、黙り込んだリアラの肩を抱いたまま、じっと続きを待つ。
その眼差しに勇気付けられ、リアラは内心の葛藤を押し退けて、おずおずと口を開く。
「きょ、今日は、私の方から、させて欲しいの……」
「リアラの方からって? ……あ、えっ!?」
オウム返しに訊ねたカイルは、一拍遅れてからその意味を悟り、驚きの声を上げる。
最も言い辛かった台詞を告げた勢いに乗って、リアラは更に言葉を重ねていった。
「あの、私、いつもカイルにしてもらうばかりで、自分からした事って無かったから……」
「き、気にしなくたっていいよ、そんな事! リアラが喜んでくれるだけで、オレすごく嬉しいし!」
どこか申し訳なさそうに呟くリアラに、カイルは慌ててかぶりを振った。
お互いに慣れてきたお陰で、最近ではリアラも、交わりの中で絶頂に至る事が出来るようになっている。
その感覚を思い返し、リアラの頭へカァッと血が昇り、小さな胸が鼓動を早めてゆく。
「それは、私も同じなの……。だから、私の手で、カイルをもっと、気持ち良く、させてあげたくて……」
カイルのシャツの布地を指先で弄りながら、リアラは訥々と自分の望みを告げた。
顔を伏せたままチラリと目線を上に向けると、カイルは目を丸くして戸惑った表情を見せている。
「……だ、駄目?」
「あっ、いや、別にダメじゃないよ! リアラがそうしたいんだったら、オレは、その……」
リアラのねだるような問い掛けに、カイルはハッと我に返り、そして照れ臭そうに鼻の脇を掻く。
密かに呆れられるのではと心配していたリアラは、そんなカイルの様子を見て、小さく安堵の息をついた。

「えっと、それじゃあ……」
「うっ、うん……」
灯りを小さく落としたカイルの声を合図にして、二人はベッドに乗り上がり、自分の服を脱ぎ始めた。
リアラは細い指先で紅いリボンをするすると解き、花のようにたおやかな衣装をはだけていく。
こうしてカイルの見ている前で自ら肌を晒してゆくのは、脱がされるのとはまた違った緊張を彼女に与える。
足先から抜いたショーツを折り畳み、脱いだ服と一緒に脇へ寄せると、カイルもすでに全てを脱ぎ終えていた。
「それで、オレはどうすればいいのかな?」
「あ、うん……。そのまま、仰向けに寝てもらえる……?」
「ああ、こっ、こんな感じかな?」
所在無げに訊ねたカイルは、リアラの言葉にしゃちほこばって従い、シーツの上に身体を横たえた。
いつもとは全く異なる展開に、カイルも緊張を隠し切れないでいるのを目にして、リアラの顔が少しほころぶ。
カイルの腰の横に膝をつき、身を乗り出して彼の顔を真上から見下ろすと、片手をそっと頬に這わせる。
「そう、それでいいの……。じゃ、最初は、キスからね……」
「あ、うん……」
震える声で囁きかけ、リアラはゆっくりとした動きで顔を近づけてゆく。
何度もしている事なのに、自分からそれを行うというだけで、リアラの胸が激しく高鳴り出す。
興奮に乾いた唇を舌先で軽く湿らせてから、リアラはカイルの口元へふわりとキスを送る。
「ちゅっ……。んぅ、んっ、んん……」
「んむ、んく……っ!」
そして続けざま、今度は深く強く唇を重ね、小さな舌をカイルの口中へと滑り込ませていく。
普段は自分の舌の動きにゆるく合わせてくるだけの、リアラの積極的な行動に、カイルは大きく目を見開いた。

「はぷ、んんっ、ん……。んふ、んっん、んちゅ、んっ……」
「うっむ、ううっ……」
カイルが半ば呆然としている間も、リアラは伸ばした舌を懸命に踊らせていった。
彼が今までしてくれた事をそのままなぞっていく感じで、歯列を辿り、口蓋をくすぐり、舌を掬い上げていく。
攻守を入れ替えたキスを続けられる内に、カイルも驚きから立ち直ったのか、次第に舌を動かし始める。
リアラが巻き込むように舌同士を絡め合わせると、それを伝って彼女の口の中へ侵入しようと舌先を伸ばす。
しかしその途端、リアラはスッと顔を離し、軽く咎める面持ちでカイルに囁いた。
「ん……。カイルは、動いちゃ駄目……。今日は、私がしてあげるんだから……」
「あ、そ、そっか、ごめん……」
早くも潤み始めたリアラの瞳に見据えられ、カイルはうろたえた声を発した。
つい先程の言葉も忘れるほど、強く興奮を呼び覚まされていた事に、バツが悪そうに顔を赤らめる。
するとリアラは、ふと不安そうに表情を曇らせ、機嫌を伺うようにカイルの目を覗き込む。
「それとも、私がするだけだと、すこし物足りなかった……?」
「そんな事ないよ! どっちかって言うと、気持ち良くってさっきのお願いを忘れ、う、いやその……」
「あ……。そっ、そうなんだ……」
思わず口を滑らせたカイルの言葉に、リアラは嬉しさと恥ずかしさの入り混じった声色で呟いた。
ためらいを押して及んだ行為を、予想以上に喜んでもらえていたという感慨に、リアラの胸が更に熱くなる。
「なら、もっとしてあげる……。んっ、んむぅっ、ふ……」
「んんっ……」
より一層の熱意を込めて、リアラはカイルの唇へ深々と舌を差し入れ、温かな口内を掻き回す。
伏せたリアラの髪の毛先がカイルの頬をくすぐり、細い指先が首筋から肩にかけてを慈しむように撫でる。
唇の間から時折覗く、リアラの舌の妖しくうねる様が、カイルの興奮を強く掻き立てていった。

「ふぁ……んっ、カイル……」
「あっ、え、ちょっ……、うっ!」
しばらくして、ようやくカイルの口を解放したリアラは、糸を引く唾液を唇で裁ち切り、小さく呼び掛けた。
それから、今度は彼の首筋に顔を埋め、軽く舌を鳴らして口付ける。
吹き掛けられる吐息に、カイルがくすぐったげに首を竦めると、リアラは身体ごとゆっくりと下がってゆく。
柔らかな唇が滑るように肌を伝っていく感触が、カイルの背筋にゾクリとしたわななきを引き起こす。
鎖骨の線を乗り越えて、カイルの胸の上まで頭をずらしたリアラは、彼の乳首にちゅっと吸い付いた。
「わっ、わわわっ!? リアラ、それっ……!」
「ん……。カイル、こうされるのは、いや?」
「い、嫌じゃないけど、なんかムズムズするよ……」
慣れない刺激に焦った声を上げたカイルは、目線を上げたリアラの問い掛けに、素直な感想を告げた。
その間も、彼女の小さな掌はゆるゆると胸板を撫で、白魚のような指先が敏感な突起を軽く掠めていく。
「いやじゃなければ、続けるね……? んっ、ちゅっ……」
「えっ、いやそのっ、うっ、く……」
上目遣いにカイルの表情を窺いながら、リアラは再び胸の突端に唇を寄せた。
口に含んだそこへ舌の腹を這わせてゆっくりとねぶり、カイルにとって未知の快感を引き出す。
唇で挟み込み、小鳥が木の実をついばむように何度も頭を引き、隆起し始めた乳頭を更に硬くしこらせる。
「はうっ、リアラ、こんなの、どこで覚えたの……? あっ、うく……っ」
彼女の尖らせた舌先がころころと乳首を転がしていくにつれ、むず痒さは心地良さへとすり替わっていく。
自分でも知らなかった急所をリアラが心得ていた事に、カイルは軽い当惑を覚える。
快楽に息を弾ませながらカイルが訊ねると、リアラはさもおかしそうにクスリと笑みをこぼした。

「な、なんで笑うの、リアラ?」
「だって……、気付いてないの? これ全部、カイルがいつも私にしてくれてる事よ?」
「あっ、そ、そういやそうか……」
艶めいた微笑みと共に告げられて、カイルは恥じ入った様子で間の抜けた返答を洩らした。
唾液を擦り込むように指先で彼の乳首を捏ねつつ、リアラは身体の疼きに衝き動かされて、尚も言葉を重ねる。
「私はただ、カイルにされて気持ち良かった事を、そのまま返してあげてるだけ……」
「そっ、そうなんだ……」
「……うん。だから、新しく覚えたのは、こっちの方……」
「え、リ、リアラっ!?」
リアラはそう囁くと、また静々と後ろに下がり、今度はカイルの腰元へと顔を寄せていった。
咄嗟に動こうとするカイルの腿を軽く片手で制し、すでに強く反り返っていた陰茎にもう一方の手を伸ばす。
何度も目にし、身体の中へ迎え入れてはいるが、これほど間近でしげしげと眺めた事はかつて無い。
張り出した傘の下には、微細な血管が葉脈の如く浮かび上がり、指が火傷しそうなほどに熱を帯びている。
引き起こした肉棒へ震える唇を近づけると、リアラは薄紅色の先端にそっと口付けた。
「んっ……」
「うわっ!?」
「あ……。いま、ピクンって……」
その途端、カイルの身体は慄きに震え、剛直がリアラの手の中で強く跳ねた。
普段は体内で感じる悦楽の脈動を、ゆるく握った指で感じ取り、リアラの興奮も激しく昂ぶっていく。
「んっ……。あむ、ちゅ……」
「ううっ!?」
小さく唾を飲み込むと、リアラは少し首を傾けて、ごつごつとした幹の部分を唇で挟む。
湿った唇で硬く逞しい感触を味わうと同時に、カイルの腰がまたもやビクッと大きく反応した。

「あくっ、う! うぁ、リア、ラっ……」
「ん、んん……。カイル、気持ち、いい……?」
「うっ、うん、確かに、いい、けどっ……、うっ!」
リアラが屹立した剛直のあちこちへキスを散らしていくにつれ、カイルの身体から次第に抵抗が抜けていった。
ただ一箇所、刺激を受け続ける肉棒だけが力強さを増し、リアラの手の中で反り返ろうと小さくあがく。
先端から続く皮の継ぎ目を唇で優しくついばむと、カイルは短い呻きを上げてきゅっと眉を寄せる。
途切れた台詞に気を引かれたリアラは、動きを止めると密やかに問い正した。
「けど……、なに?」
「あ、えっと、別に大した事じゃないんだけど、なんか慣れてるなって……」
「ん……うん。カイルに喜んで欲しくて、一人で少し練習したから……」
握った指で硬い幹を軽く弄りながら、リアラは言い訳めいた口調でそう囁いた。
人目を忍んで訓練を重ねていた時の事を思い出すと、彼女の胸に改めて恥ずかしさが込み上げてくる。
「練習って、どんな風に……?」
「そ、それは……、もうっ、あんまり訊かないで……」
実際に大胆な行為に及んでいるとは言え、これ以上の詳しい内容まではさすがに話せない。
カイルの追求を逃れるように、リアラは再び顔を伏せ、口による奉仕へ専念し出す。
「ん……っ、ちゅぷっ、んっ、はぁ、んんー……っ」
「うっ、あ、それっ……!」
広げた舌を根本近くに這わせ、下から上までゆっくりと縦になぞると、カイルの声が切なげに揺れる。
亀頭の先割れからじわりと透明な先走りが滲み、リアラの思惑通りに彼の疑問は快楽に誤魔化されていく。
リアラは母猫が子猫の毛づくろいをするような調子で、熱い剛直を繰り返し丹念に舐め上げていった。

「ん……、はぁっ……。カイルのここ、すごく、脈打ってきてる……」
しばらく同じ動きを続けてから、自分の唾液で妖しく濡れ光りだした肉棒を眺め、リアラは陶然と呟いた。
膨張した幹は太い血管がこぶのように盛り上がり、その上の亀頭もうっ血したように朱を深めている。
快楽の証を滲ませた先端は、早い脈動に合わせてひくひくとわななき、更なる刺激を待ち望む。
カイルの剛直が示す無言の要求に導かれ、リアラは小さな唇を限界まで開き、その先端を口に含んでいった。
「あむっ、んう……」
「ううっ!」
リアラが大きく張り出した傘の下までを一気に頬張ると、カイルの全身が強く痙攣した。
温かな粘膜に包み込まれた肉棒が、心地良さにズクンとその体積を増し、彼女の口内の殆どを埋め尽くす。
鼻腔に満ちるカイルの匂いに欲情を呼び覚まされ、リアラの股間にも甘く強烈な疼きが走る。
リアラは溢れた蜜が自分の内股を濡らしていくのを感じながら、口の中でゆっくりと舌を蠢かせていった。
「ふも、んむっ……。んふぅ、んっ、ん、んんぅ……」
「……っく! リアラっ、そん、なっ、うぁ!」
ぬたっと先端に乗せた舌を左右にうねらせると、カイルは快楽に抗うかのように両手でシーツを握り締めた。
鈴口の辺りを這い回る少しざらついた感触に、堪え切れずに声を上げ、きつく目を閉じる。
カイルの喘ぎと、舌に広がる薄く塩気を帯びた先走りの味が、リアラの意識を際限なく昂ぶらせてゆく。
「るろっ、ふむっ、んる、んぅ、んんんっ……!」
「はっ、くぅ、んっ、あ……!」
くるくると舌を回し、大きな飴玉を舐め溶かすような舌使いで、リアラは一心にカイルを責め立てる。
唇で堰き止められた唾液が雁首を浸し、口中で起こるくぐもった水音が彼女の耳に響く。
恥じらいよりもはるかに強い興奮に後押しされ、リアラの動きはますます大胆になっていった。

「んぷっ……、ん、ちゅるっ……、ん……ん、んふっ……、ん!」
「くっ……、はっ! っう、く、くぅっ!」
リアラは歯を立てないように気をつけながら、ゆるやかに頭を揺すり、カイルの剛直を上下にしゃぶり始めた。
流れ落ちかけた唾液を小さく啜り上げ、雁の部分に舌を絡め、すぼめた唇で幹をしごき立てていく。
目を上げてカイルの顔を窺うと、彼は快楽に酔った表情で、リアラの行為を魅入られたように凝視している。
羞恥とない交ぜになった悦びがリアラの胸の内を焦がし、彼女の下腹部を一層熱く蕩かせた。
「んむぅっ、んっんっ、ちゅぷっ! はぽっ、んんぅん、ん!」
「うあ、リっ、アラっ……! オレっ、すごくっ、気持ちい……っ!」
「んんんっ、じゅ……ちゅ、んふぅ……。ん、んぷっ、んんっ!」
やがてカイルは無駄な抵抗を止めて、リアラの与える刺激を積極的に受け入れていった。
押し殺した声で快楽を訴え、咥えられた剛直をビクビクと跳ねさせ、細めた瞳を潤ませる。
リアラが頭を傾けて頬の内側に先端を擦りつけると、わずかに腰を浮かせて心地良さげに身悶えし出す。
あまりに愛しいその反応の数々に、リアラは己の身体がもはや耐え難いほどに疼いてきているのを自覚した。
「あぷ……っ! ねえ、カイル……、私もう、我慢できないの……。しても、いい……?」
「はっ、あぁ、うん……。オレも、リアラの中に、入れたい……」
リアラが剛直から口を離して甘えた声で囁くと、息を乱したカイルはこっくりと頷いた。
同意を得たリアラは、伏せていた上体を物憂げに起こし、身を乗り出して再びカイルの上に覆い被さる。
「あ……、だけどオレ、まだリアラに何もしてないけど……?」
「ううん、いいの、もう……」
リアラの身体の状態を気遣うカイルに首を横に振り、彼女は片脚を上げて大きく腰を跨ぐ。
そして、背筋を反らして膝立ちになると、見せつけるように濡れ切った股間をカイルの視線に晒した。

「えっ……!? リアラ、それ……」
「カイルのを、してた……だけで、私、こんなになっちゃったの……」
リアラの秘所は、薄暗い中でも一目で分かるほどしっとりと潤い、溢れた雫が太腿の半ばまで伝い落ちていた。
直接触れてもいないのに、むしろ普段よりも濡れているその様を見たカイルは、驚きに大きく息を呑む。
けれど、異様なまでの興奮に駆られた今のリアラには、自ら恥部を露わにする羞恥さえ心地良く感じられる。
リアラがそう告げる間にも、ひくつく花弁からは新たな蜜が細く糸を引いて、カイルの下腹部にしたたり落ちた。
「最後まで、私が、するから……。カイルは、そのまま、動かないでね……?」
「あっ、う、うん……」
もう一度、念を押すようにカイルへ告げると、リアラは片手で支えた剛直の先に、滾った秘所を近づけた。
自分から入れるのは初めてでも、どこにどう合わせれば良いかは、すでに身体が覚えている。
膝をずらして先端を入り口へ宛がうと、強烈な欲求に従って、そこから一気に腰を沈めていく。
「ん……っ、んんんん〜っ!」
「うっ、あ……!」
充分過ぎるほど潤ったリアラの中は、自身のきつい締め付けを物ともせず、カイルの剛直を易々と飲み込んだ。
今までの行為で昂ぶり切っていたせいか、硬い肉棒に貫かれるその刺激だけで、リアラは軽く達してしまう。
いつもとは違った角度で奥を突く、慣れ親しんだ逞しい感触が、狭い膣内を押し広げる。
「じゃあ、動く、ね……? んっ、ふ、ぅんっ……」
「ん、リア、ラっ……」
両手をシーツの上に突いて身体を支えると、リアラはゆっくりと腰を前後へ揺すり始めた。
多少ぎこちない動きではあっても、結合部からは濡れた粘膜の擦れる音が洩れ、快楽がリアラの意識を犯す。
カイルの腿の付け根に腰を下ろしたリアラの尻肉は、律動に合わせて波打つように小さく弾んでいった。

「う、っく……! なんか、いつもより、気持ち、いいっ……」
「んっ、あっ、ほんとっ、カイルっ……? 私も……っ、すごく、感じてきて……っ、ん、あんっ!」
リアラが次第に要領を心得ていくと、カイルは淫らに絡み付いてくる肉襞のうねりに、たまらず声を上げた。
華奢な肢体が揺れ動く度、絞り込むような締め付けが剛直をしごき、痺れにも似た悦楽を呼び起こす。
愛するカイルの睦言に刺激され、リアラの官能も更に高まり、自然と腰の振りも速く、激しくなる。
溢れた蜜はすでにカイルの内股までをもぐっしょりと濡らして、リアラの動きを更に滑らかにさせていった。
「ああっ、いいっ! カイルぅ、これっ、すごく、いい……っ!」
「リアラっ……、ちょっ、声、大きいよっ……」
「んんっ、ごめっ、なさ……あっ! でもっ、あふ、んんっ、ぅあ……!」
次第にリアラは自らの動きで生み出す快楽に溺れ、喘ぎの声量を狂おしげに高め出した。
深く沈めた腰をぐりぐりと捻り、一番感じる場所が強く擦れるように、角度を変えて腰を打ち付ける。
部屋の外まで届きそうな声を出している事に、カイルから言われて初めて気付き、リアラは唇を引き結ぶ。
下になっている時は、シーツに強く顔を押し付ければ声を殺せたが、今の体勢ではそうもいかない。
代わりにリアラは身体を支えていた片手を持ち上げると、掌でぐっと口元を覆い隠した。
「んむうっ! んむっ、むぁ、あっ! だめっ、これじゃ、こえ、とまらな……あふぅ!」
「うっ、あ……!」
しかし、快楽に萎えたリアラの手は思うように力が入らず、洩れる声を抑え切る事が出来なかった。
多少は音量を下げたとはいえ、それでも充分に大きなくぐもった喘ぎが、掌と唇の隙間からこぼれ出す。
動きを緩めれば我慢できるかも知れないが、快楽に囚われた今のリアラには、そんな理屈さえ思いつかない。
「んうっ、ううっ! んふ、んう、ううぅん、んっ、んんうん!」
「くっ、リっ、リアラっ……!」
リアラはもどかしげに身体を起こし、悲鳴を堪える時のように、両手を口元に重ねて強く唇を塞いだ。
同時に、腰の振りを前後の動きから跳ねるような上下の動きへと変化させ、深奥を強く突き上げさせる。
カイルの熱い視線が、湿った音を立てる結合部に注がれているのを見て、リアラの身体が更に燃え上がった。

「んぅんっ! んっ、はっ、んんぅっ、んっん、んふぅっ!」
カイルの上で激しく腰を使いつつ、リアラはきつく眉間へ皺を寄せ、苦悶するように身をよじり出した。
いつもなら、声を抑える事にさえ気をつけていれば良いのが、上になった今では自分で動かなくてはならない。
快楽と動きに意識を集中すると、口元を抑える手がおろそかになり、大きな声が洩れてしまう。
かと言って、唇を塞ぐ事にばかり気を取られると、身体の動きが鈍って、その分だけ快感が遠のいてしまう。
リアラの頭の中で、悦楽への欲求が次第に圧力を高め、声を殺さなくてはという思いを押し潰していく。
もはや耐え切れないと感じたリアラは、腰の動きはそのままに、身悶えながらカイルの胸へ倒れ込んだ。
「カイルっ! おねが、いっ、くちっ、ふさい、でっ……!」
「はっ、う、リアラっ、なにっ……、むっ!?」
「んんっ、んっ、んむ、んぁ、んんんっ!」
カイルの返答を待つ余裕もなく、リアラは激しく情熱的に唇を重ねた。
大きく開いたリアラの唇が、カイルのそれにぴたりと吸い付き、彼の口の中へ洩れ出る喘ぎを封じ込める。
リアラの意図を察したカイルは、彼女の細い首を掻き抱いて、互いの唇の隙間を更にしっかりと塞ぐ。
ようやく声を殺す行為から解放されたリアラは、腰の動きをより一層速め、巻き起こる快楽に没頭していく。
「んふぅ、んぅっ! んっんぅ、んっ、んっ、んっ!」
「むく……っ、んぐ、ひあ、らっ……!」
「あっうん、らめぇ、っ! んう、んんっ、ふぁ、んっ、んんぅ!」
ひねりを加え出した腰使いと、うねる肉襞の締め付けとが、カイルの剛直を強烈に刺激する。
激しく暴れる肉棒が狭い膣内を余す処なく掻き回し、リアラの意識を連続する軽い絶頂の閃きが埋め尽くす。
リアラは何事かを告げようとするカイルへ細かく首を振って抗い、限界まで伸ばした舌を絡め合わせる。
小振りな尻肉は今や貪るような勢いで淫らに踊りくねり、蕩けた秘所からは絶え間なく湿った音が響いていた。

「んっふぅ、ん! んふんっ、んっんん、んぅっ!」
「うっ、うく……っ、むぐ、うぁ、うぅ……!」
やがて、カイルが洩らす呻きに何かを堪えるような気配が混じり出し、リアラの首を抱く手に力が入り出した。
剛直もリアラの膣内で今までとは違う脈動を始め、襞を掻く雁の開きも心持ち大きくなる。
その明確な前兆を頭の片隅で感じ取ったリアラは、残った力を振り絞って、腰の動きを加速させてゆく。
「んんっ、んっうっんっ! んくぅ、んっふっん、んん!」
「うっむっ……うぐ、んっ、く……!」
激しく腰を打ち付けながら、リアラは潤んだ瞳へ懇願の色合いを浮かべ、カイルに射精を促した。
交わした視線でその意思を汲み取り、カイルはリアラの与える快楽に集中し、肉棒のわななきを大きくする。
膨れ上がった先端に最奥を強くこじられて、昂ぶり切っていたリアラは一気に果ててしまいそうになる。
自分の動きでカイルを満足させてあげたいという思いだけが、彼女の官能を絶頂のほんの手前で抑え込む。
リアラの我慢が限界に達しようかというその直前に、カイルの腰がビクンと跳ね上がった。
「ううぅっ!」
「ん、んんんああぁっ!」
身体の中でカイルの弾ける感覚が生じた途端、リアラはそれに唱和するように快楽の極みへ至った。
カイルの腕を振り解くほどに強く首筋を反らし、我を忘れて高らかに歓喜の声を上げる。
熱い精の迸りを受けた膣道が、ひくひくと痙攣しながら収縮し、その全てを奥へ導くかの如く蠕動する。
「あ、あぁ、あっ……。ん、は……、あはぁっ、はっ……」
細い腰を震わせて、リアラは頭の芯が真っ白になるほどの官能に酔い痴れる。
最も大きな悦楽の波涛が過ぎ去ると、そこで糸が切れたようにくたくたと脱力し、カイルの上に倒れ込む。
そして、カイルの頭の脇へ至福の表情を浮かべた顔を伏せ、大きく肩を上下させて荒い息をついた。

「リアラ……」
「はぁ、はっ、ん、カイル……」
一足先に落ち着いたカイルは、リアラへ優しく呼び掛けると、そっと労わりを込めて背中を撫でさすった。
その心地良い温もりが、慣れない動きに疲れ切ったリアラの身体を、僅かながらも癒してくれる。
しばらくそうしている内に、リアラの呼吸も次第と穏やかになり、霞んでいた意識が理性を取り戻していく。
けれど、それと同時に忘れていた羞恥心までが蘇り、リアラの頭へかぁっと血が昇っていった。
「ねえ、カイル……、私、ちょっと変じゃなかった……?」
「変って、なにが?」
「だって……。あんなに、その、激しく……」
カイルの目から表情を隠すためにぎゅっとシーツへ顔を埋め、リアラは蚊の鳴くような声でそう訴えた。
はしたなく声を上げ、思うがままに乱れていた先程までの自分を思い返すだけで、このまま消え入りたくなる。
急に普段の態度に戻ったリアラに対し、カイルは顔を傾けて耳元へ唇を寄せ、慰めるように囁く。
「どこも変じゃなかったよ? 頑張ってくれてる時のリアラの顔、すごく可愛かったし」
「ほ、本当……?」
気恥ずかしさに胸をくすぐられながら、リアラはおずおずと顔を上げてカイルの顔色を窺った。
カイルは小さく頷くと、同じく照れ臭そうな表情を浮かべ、リアラの瞳を見返してくる。
「うん。でも、全然手を出せないのは寂しいから……。今度からは、二人で一緒にしようね?」
「やだもうっ、カイルのえっち!」
「あっ、いたた、いたいよリアラ……」
リアラが照れ隠しにゆるく脇腹をつねり上げると、カイルは大袈裟に痛がってみせた。
言葉の上で責めてはいるが、リアラの方もその意見に賛成している事は、彼女の表情が明確に示している。
やがて二人はどちらからともなくクスクスと笑い合い、互いの顔へ戯れるような軽いキスを散らしていった。



「ん、んんっ……」
翌朝、窓から差し込む朝日に瞼を刺激され、リアラはカイルの隣で小さく寝返りを打った。
いつもは寝起きの良いリアラも、さすがに昨夜の疲れが残っているのか、しばらくの間まどろみを続ける。
夢うつつのままカイルの身体に手を回すと、可憐な寝顔が幸せそうに微笑む。
しかし、再び深い眠りに陥る前に、細い眉がピクンと跳ね上がり、続いて掛けた布団が勢い良く翻った。
「あ、いっけない! 朝ご飯の準備しなくちゃ!」
一気に目の醒めたリアラは、慌ててベッドから飛び出し、急いで身支度を整えていった。
多少ばたついて物音を立てても、健やかな寝息を立てるカイルは、その程度で起き出す心配はない。
鏡の前で寝乱れた髪を手早く揃えると、再びベッドに駆け戻り、カイルの上にちょこんと顔を伏せる。
「おはよう、カイルっ」
日課となった目覚めのキスを頬にしてから、リアラはパタパタと腕を振って足早に部屋を抜け出した。
階下へ続く階段に辿り着けば、すでにルーティは調理を始めているらしく、食欲をそそる香りが漂ってくる。
軽い焦りを覚えながら台所へ駆け込むと、お玉片手に味見をしていたルーティがくるりと振り返った。
「あら、おはようリアラ」
「お、おはようございますっ! すみません、つい寝過ごしてしまって……。すぐ手伝います!」
朗らかに笑いかけてくるルーティにますます恐縮して、リアラは慌ただしく自分のエプロンを手に取った。
そんなリアラの様子を心底面白がる雰囲気で眺めながら、ルーティはさらりとした態度で語り掛ける。
「別に今朝ぐらいはゆっくりしてても良かったのに。夕べは頑張っちゃったんでしょ?」
「えっ!?」
完全に見透かされた台詞を受けて、リアラの動きが凍りついたように止まり、白い顔が一気に赤くなる。
そう言われる原因に思い当たった彼女は、胸元にエプロンを抱き締めながら消え入りそうな声で訊ねた。

「あっ、あのっ……。もしかして、聞こえてしまいましたか……?」
「んーまあ、さすがにあれだけ大きい声だとね。慣れてくれば、隣には分からないぐらいに調節効くんだけど」
「や、やっぱりっ……!」
あっけらかんと答えられ、リアラは身も世も無いほどに取り乱し、手にしたエプロンで顔を覆い隠した。
やり方を教えてくれたのがルーティでも、あの時の声を聞かれてしまったとあっては、また話が別だ。
泣きたいほどの恥ずかしさに身悶えるリアラは、そこで更なる問題に思い至り、ハッと顔を上げる。
「だったら、まさかお父様にまで……。やっ、うそ、私、どうしたら……」
ルーティに聞こえたという事は、同じ部屋のスタンにも聞かれてしまった可能性は高い。
もしそうだとしたら、リアラはこれから先、義父である彼とまともに顔を合わせられるかも疑問である。
リアラが激しくうろたえていると、ルーティはあくまで気楽な口調のまま、その懸念を打ち消した。
「ああ、それは大丈夫よ。スタンの方もそれどころじゃなかったと思うから」
「ど、どういう事ですか?」
「言ったでしょ? 慣れてくれば、隣の部屋にも分からないようになる、って。……ね?」
「え……あっ!?」
意味深なウインクと共に告げられて、リアラはようやくルーティの台詞の意味を悟った。
言われてみれば、ルーティの若々しい顔は、心無しかいつもより艶を増しているようにも感じられる。
「そういう訳だから、あんまり気にしないでいいのよ? さ、パパッと支度しちゃいましょ」
「あ、あの、えっと……、は、はい……」
何事も無かったかのように話を切り替えると、ルーティは鼻歌混じりに鍋の中身へ注意を戻した。
しかし、最初の不安は解消されたにせよ、そうなるとリアラはまた別の意味で、義父の顔が非常に見辛くなる。
結局その日の朝食の席では、スタンと視線が合う度に顔を伏せ、周りから大いに不審がられるリアラであった。

〜END〜


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