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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
happy×2 birthday マイナー志向氏 アーチェ(×チェスター)/ディオ×メル 2004/09/27 2004/09/27

「こんばんわ〜」
「うきゅ〜♪」
日も暮れた頃、少し時間に遅れてやってきた訪問者にクルールは耳をパタパタとさせて歓迎する。
「お、アーチェ姉ちゃん遅いぞ」
「てへ、ごめんごめん」
「アーチェさん、すぐに準備終わりますから先に座って待ってて下さい。ほらディオ、それ運んでいってよ!」
「ちぇ、人使いが荒いんだから・・・」
ディオは文句を言いつつご馳走の乗った大皿を運んでいく。クルールもそれに続き、小さな皿を運んでいった。

「それじゃディオ、メル・・・誕生日おめでと〜!!」
パンパンとクラッカーの破裂音が響く。
「良い子の2人にはアーチェさんからプレゼントで〜す」
アーチェは青とピンクの、綺麗にラッピングされた袋をそれぞれディオとメルに手渡した。
「ディオのは飛行模型、でメルのはぬいぐるみね」
「やったー!これ前から欲しかったんだ!!」
「アーチェさん、ありがとうございます!」
「いいってことよ、あたしもこんな豪華なご馳走を戴けるんだから」
「たくさん作りましたから、どんどん食べてください。余ったのはお土産にしますから」
「ホント!?メルの料理おいしいから嬉しいな〜」

「・・・そういえば姉ちゃん、何飲んでるんだ?」
ディオが、自分たちのグラスに入っていたジュースと別の色をしていることに気付く。
「ん?ああ、これこれ。フリーズキール産のワインよ。・・・・・・ディオも飲んでみる?」
「ちょっと、アーチェさん!」
「いいじゃないの、今宵は無礼講ってことで。うしゃしゃしゃしゃ・・・」
既に酔っているのか、妙な笑い声を上げつつディオとクルールにもワインを注いだ。
「はい、メルにも」
「・・・・・・」
グラスを渡され、観念したようにグラスに口をつける。
「・・・あ、飲みやすくておいしい・・・」
「でしょでしょ?最近のお気に入りなんだ」
「姉ちゃん、俺もう一杯!」
「うきゅ〜!」
空になったグラスを掲げて、おかわりを頼む。
「たくさん持ってきたから、そんなに慌てなくても大丈夫よ〜」
「・・・・・・あ、私にも下さい」
メルも少し決まりが悪そうにしながら、ワインをせがんだ。

騒がしいほどの賑やかなパーティーも終わり、家は普段の静けさを取り戻していた。
騒ぎの一番の要因であったアーチェも、今回のパーティーに誘われたことに感謝して家路についていた。
「どうしたの?部屋真っ暗にしちゃって」
後片付けを終えたメルがディオの部屋にやってきた。
「星を見てたんだ」
窓の外には、雲ひとつ無い星空が広がっていた。メルはディオの隣に腰掛ける。
「ディオ、知ってる?すずちゃんに聞いたことがあるんだけど、今日は"タナバタ"って言うんだって」
「"タナバタ"?」
「うん。別れ別れになった恋人が、1年に一度だけ会える日なんだって」
「へー、なんだか悲しい話だな」
「好きな人とは、ずっと一緒にいたいよね・・・」
「メル・・・・・・んっ」
不意に唇が塞がれ、ベッドに押し倒される。・・・・・・ディオが、メルに。

コンコン・・・
「こんばんは〜」
静かに玄関の扉が開いた。そろりそろりと、アーチェは家の中に入っていく。
「きゅ〜・・・」
リビングのソファーには、クルールが仰向けで寝息を立てていた。起きる様子はなさそうだ。
数時間前にはご馳走の乗っていた大きなテーブル。その上にアーチェはお目当てのものを発見する。
「あったあった、明日の朝ごはん〜♪」
メルがパーティーのご馳走の余りを包んでくれたものを、アーチェはすっかり忘れていたのだ。
(流石に黙って持ってっちゃうのはマズいわよね・・・)
アーチェはお土産を持っていった旨を書置きしておく。
「さて、それじゃあ・・・」
「・・・・・・ん・・・・・・・・・あ・・・」
「?」
何かの声が聞こえた。ディオの部屋の方からだろうか?
「まだ起きてるのかな?」
2人が起きているなら声ぐらいかけておくべきだろうと思い、声のした方へ向かった。

(え、えええぇぇっ!?)
僅かに開いた扉の奥の光景に、アーチェは目を疑う。
「はっ・・・あっ・・・」「・・・メル・・・んっ」
まだまだ可愛いお子様だと思っていた2人が、目の前で交わっているのだ。激しく、淫靡に。
じゅぷ・・・じゅぷ・・・
耳を澄ますと、水音まで聞こえてくる。
(え?え?あの2人って姉弟じゃなかった!?)
(・・・・・・でも、メルのあの顔、スゴい気持ちよさそう・・・)
じゅん・・・
「え・・・」
知らないうちに、自分の下半身が熱くなっていることに気付く。
「んっ・・・」
ショーツの上から割れ目をなぞると、思わず声が漏れる。
(ダメ・・・なんかスイッチ入っちゃった・・・)
蜜に浸かったショーツを足首まで下ろし、そこに指を入れる。
くちゅ・・・ちゅぷ・・・
(んっ・・・!)
上着の裾を咥えて、声が出ないようにする。露になったブラの下に空いた手を滑り込ませ、頂をつまむ。
自慰なんてしたのは何時以来だろう・・・自らの身体を攻める動きは徐々に激しくなっていく。
(・・・チェスター・・・)
不意に、一人の男性が脳裏を掠める。それは、もう数十年前に亡くなった、彼女の夫。
昔、彼がしてくれた優しくて激しい愛撫が頭の中に蘇り、アーチェは涙をこぼす。
ぐちゅっ、ぐちゅっ・・・
(チェスター、チェスター・・・んんっ!んんんんん・・・っ!!)
千切れるくらいに裾を噛み、頭の中が真っ白になっていった。
「・・・チェスター・・・」
また涙が一滴こぼれた。

眼下にユークリッドの明かりが見える。闘技場は一際明るい。
アーチェはほうきで夜のアセリアを飛ぶ。現代ではなく、4306年の夜空を。
「会いたい・・・チェスターに会いたい・・・!」
トールの時空転移装置でやってきたその日は、アーチェの誕生日。
そのころのアーチェは、チェスターに黙って何ヶ月も家を空けることが多かった。
その事を何度も後悔したことがあったが、この時だけは過去の自分に感謝した。
(この時代のあたしと入れ替わってやるんだから!)
自慢ではないが、この時代の自分との外見はあまり変わりが無いつもりだ。

あっという間に、アーチェはトーティスの、チェスターの家の前にやってきた。
この扉の向こうに、チェスターがいる・・・深呼吸をひとつ。
おもいっきり扉を開く。
「ただいま、チェスター!!」
「また来たのか!!」
「えっ?」
(また・・・?)
目の前には19歳のチェスターと、そして・・・
「え、あたし!?」
目の前には19歳のチェスターと、そして、2人の自分。
自分より、わずかに胸の大きい(ように見える)アーチェがひらひらと手を振る。
「やっほ〜♪いつの時代のあたしだっけ?」
「え、あの、4409年だけど・・・」
「あ〜、あの2人のエッチ見ちゃってやってきたんだっけ」
もう1人のアーチェが、自分の身体の火照りの原因を言い当てる。
「あたしたちもね、寂しくなっちゃって」「自分の時代から時空転移してチェスターに会いに来たってワケ」
「・・・そっか、みんな目的は一緒ってことね♪」
「え、何、まさかお前ら・・・」
チェスターがアーチェたちの意を察して後ずさる。
チェスターを見つめるアーチェたちの目は、飢えた獣の目・・・
「「「いただきま〜す!!!」」」
「だ〜!やめろ!!身体がもたね〜!!」
「ただいま、チェスター!!」
「また来たのか!!」
4人目の参戦者の出現に、今日3度目のチェスターのあきれた声が響いた・・・・・・

おしまい


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