総合トップ>SS一覧>SS No.2-046
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作品発表日 |
作品保管日 |
クレスとミントのラブラブデート(?) |
たっちゃん氏 |
クレス×ミント |
2004/09/21 |
2004/09/21 |
ダオス城にて
「どうやらこのデリスエンブレムを持っていると牢屋に飛ばされないみたいだな」
クレスはそう言って道具袋の中をあさる。
デリスエンブレムがクレスの所持しているものを含めて2つあった。
「んじゃ、ミントがもう一つのを持っていて」
そう言ってミントにも持たせる。
「あのぅ……他のみなさんは?」
ミントが心配そうに聞く。
と言うのも、今クレスとミントしかいないからだ。
一度魔法陣によって牢屋に飛ばされた後、クレス一人でもう一つのエンブレムを入手し、ミントだけ連れてきたと言う訳だ。
「心配ないさ……今の僕達なら、たとえストームライダーにはさみうちされても勝てるよ」
「ですが……やはりみなさんを先に……」
ちなみに……レベルMAXでかつドーピングフル活用により、ミントですら攻撃力がえらいことになっていたりする。
自信満々に語るクレスをよそに皆の心配をするミント。
だがクレスは聞く耳もたずで先に進んで行く。
「あの……クレスさん?」
「なんだい?」
「いくら何でも相手はあのダオスですよ。やはりみなさんを……」
「ミントは、僕と二人っきりなのは嫌かい?」
「い、いえ……そんな事は」
「なら迷わず先に進もう」
「あ、あのぅ……」
「それに……こんな時ぐらいしかふたりっきりになれる時間なんてないからね」
「えっ!?」
クレスの言葉に赤面するミント。
でも嬉しそうだ。
「よし……それじゃあ色々な所をあるきまわろう。普通にダオスの所まで行ったら、すぐにデートが終わっちゃうからね」
「ぇ……デート?」
爽やかな笑顔で言うクレスに、ミントは少々困惑気味であった。
でも嬉しそうだ。
「んで、デートの締めに愛の力でダオスを倒すんだ……それとも、僕とじゃ嫌?」
「いえ、そんな事は……むしろ喜んで」
レベルの上げ過ぎとドーピングのし過ぎで、明らかに頭のネジが数本はずれていると思われる。
その後、二人は仲良く手を繋ぎながら城の中でデートを楽しんだそうな。
「……舐めおって……我を侮辱した罪は貴様らの死をもってして償ってもらうっ!!」
その光景をマジギレ寸前で見ていたダオス様。
「はいクレスさん……あーんして」
「あーん……ぱくっ!」
そして、セーブポイントでもない普通の通路でピクニック気分でサンドイッチを食べている二人。
あまりの緊張感のなさにモンスターも困惑気味だ。
ダオス城にて二人っきりのデートを楽しんでいた二人は、一度ダオスの手前まで行ったものの、物足りなさを感じて来た道を引き返して外へと出てしまっていた。
で、牢屋にいる仲間達を無視して二人っきりで世界を回り始めていた。
その長いデートの最初の目的地……モーリア坑道に、今二人はいたりする。
「さ、ミント。ここは暗いから気をつけて」
「きゃっ!どさくさに紛れて何処触っているんですかっ!!!」
坑道の奥深く。
明かりを点けるアイテムを持っているにも関わらず、何故かそれを使用しないのは確信犯か知能犯か。
あまりの暗さゆえ、すぐ近くにあるものすら見えない状態で二人はデートを楽しんでいた。
で、クレスはミントの手を握ろうとして思いっきり胸を揉んでしまっていたりする。
暗がりで見えないが、顔に焦りは見られない。
絶対わざとだ。
被害者のミントはそんなクレスに抗議する。
でも嬉しそうだ(ぇ)。
「はは、ゴメンゴメン……おっと、足がすべったぁっ!!」
「きゃっ!!もう、クレスさんったら」
胸を揉んでしまった事を謝りつつ、わざとらしくミントに抱き着くクレス。
その行為にやはりミントは抗議した。
でも嬉しそうだ(マテ)。
ガルル(このバカップルどもは、攻撃する気にもならぬわっ!!)
……(まったくだ!)
遠くで見ていたロボと相棒のアーチンは、いちゃいちゃっぷりに心の中で毒づいていた。
そんなこんなで、あまりのバカップルぶりに嫌気がさし襲う気にもなれなかったモンスターさん達のおかげで、難なく最下層に辿りついてしまった二人。
「そろそろワイバーンのいる所だな……念のためTPを回復させておこう」
ちなみに、一度みんなでここに来た事があるらしく、その時はレベルが低すぎて太刀打ちできず、一度逃げ出したという苦い経験がある。
「ミント……オレンジグミを」
「解りました……あむっ!」
クレスに言われてミントはオレンジグミを袋から取り出し、自分の口に入れる。
「ぇ……僕に……むぐっ!?」
ミントの行動に一瞬疑問を抱いたクレス。
しかしその直後に、ミントはクレスに口移しでグミを与えた。
「…………」
時間にしておよそ十数秒……二人はそのままの状態でいた。
つか……ミントさん、大胆すぎ。
「……ぷぁ……えへっ」
えへっ……て、アンタ。
動揺するクレスをよそに、幸福絶頂の表情なミント。
ちなみに、オレンジグミにも関わらずクレスのTPが90%近く回復したのは秘密だ(ぇ)。
「え……あの……ミントさん?」
動揺を隠しきれないクレス。
でも嬉しそうだ(ぉ)。
「では……次はクレスさんが私にオレンジグミを下さい」
「ぇ……その」
「は・や・く(はぁと)」
「う……うん」
ミントの誘惑に負けたクレスは、同じように口移しでオレンジグミを与えたのでした。
(ワシの目の前で堂々としたいちゃつきっぷり……なんかもうコロスっす)
目の前でいちゃつかれてワイバーン殿はご立腹です。
「この我を無視してあんな坑道であんな事を……許せんっ!!……激しく許せんっ!!……絶対……コロスっ!!」
城のモニターで二人の現在の様子を見ながら、ダオス様も二人にご立腹。
「いや〜……割と楽勝だったね」
「クレスさんと私の愛には、何者もかないませんわ」
ボロ雑巾の様になって屍と化しているワイバーンが妙に哀れであった。
「さて……次は何処にいこうか?」
いい加減城に戻って仲間を助けろと突っ込みたい気分であった。
場所は変わって、世界樹ユグドラシルの前。
「お義母さん……僕たちはもうすぐダオスとの最終決戦に挑みます」
「そして……その後すぐに……きゃっ」
ユグドラシルのすぐそばにある墓……メリルに向けて、二人は語りかけていた。
だが、雰囲気が……どう見ても、これから最終決戦に挑む様な雰囲気ではない。
と言うか、ミントさん両手を頬に当てながら、気恥ずかしそうにしています。
「駄目じゃないかミント。こういう大事なことは、きちんとお義母さんに伝えなきゃ」
「え……ええ。では、気を取り直して。ダオスとの決戦後……私たち……け……結婚します」
母の墓前でそう報告するミントさん。
恥ずかしそうにしながらも、どこか嬉しそうだ。
「子供が生まれたらすぐにでもみせに来ますから……だから……一緒に頑張ろうね……ミント」
「ええ。頑張りましょう」
墓前にて決意を新たにする二人。
でも、何故か顔が赤かったりする。
(何を頑張るつもりなのっ!?)
天国のメリルさんは色々な意味でつっこみをいれたくなったそうな。
「……アイツ等……俺達を無視してラブラブデートかよ。なんか、すげぇムカツクな」
「とりあえず、追跡にあたっている友人からの話を聞くかぎりは……この城やモーリア坑道や闇の洞窟などで、まったりとお楽しみだったようですね」
「すずちゃん……いつ追跡なんて手配したの?」
「忍者ですから。ぬかりはありません」
「だったらまずここから助け出してくれるように頼んでくれよ」
「一応頼んではみたのですが……『忍者は非情でなければならぬでゴザルよ。ニンニン。そちも次期頭領候補なら、自力でどうにかいたせ』……と」
「そうっすか……冷たいんだな」
城の牢屋の中で切なく語り合う三人。
ただ、牢屋の中にしてはみょうに広く明るいのだか。
どうやら何かの間違いで、三人いっぺんにとばされたのだろう。
ちなみに……そこから遠く離れた牢屋では、クラースが一人寂しく酒をあおっていたりする。
「……すず殿……件の二人について続報でゴザルよ。ニンニン」
「のわぁっ!……いきなりあらわれんなって。びっくりするじゃねえか」
「……でゴザルよ。ニンニン」
「解りました……引き続き追跡を」
「いぇっさーでゴザルよ。ニンニン」
「……無視かよ」
いきなり現れ報告をして去っていく忍者。
無視されたチェスターは悲しそうだ。
「みなさん……今お二人は忍者の里にいるそうです。そして、のんびりといっしょに温泉に入っているとの事です」
伝えられた事を話すすず。
しかし、何故か顔が赤い。
「へぇ……で、それだけじゃなさそうだな」
すずの顔を見てチェスターはそう言う。
すずは無言で頷いた。
しかも顔が赤い。
「その……はっきりとは言えないのですが」
「え……何々?すっごい気になる。教えて教えて」
赤面してうつむくすずに、興味津々といった感じで聞くアーチェ。
だがすずはうつむいたまま黙り込んでいた。
「あの……はっきりとは申し上げられないのですが……その……『頑張っている』とだけ……それ以上は言えません」
「はぁ?」
「へぇ……あの二人がねぇ」
言い終えた後真っ赤になって黙り込むすず。
訳が解らず釈然としない顔のチェスター。
意味を理解し、一人にんまりと笑みを浮かべるアーチェ。
そして……寂しく酒をあおるクラース。
遠く離れた忍者の里で、亡き母との約束のために頑張る二人(ぇ)。
で……怒髪天のダオス様。
世界はホントに大丈夫か?
終る(ぁ)
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