総合トップSS一覧SS No.2-044
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 124氏(9スレ目) クレス×ミント 2004/09/16 2004/09/17

クレス・アルベインは深夜にふと目を覚ました。
それは、彼にとっては慣れない蒲団のせいなのかもしれないし、
横で眠る親友のイビキのせいかもしれないし、
…あるいは、明日に控えた仇敵との決戦のせいなのしれない。
明日のために、無理にでも眠った方がいい。
だが、いくらそう思っても、さえた目は一向に眠くならず、
クレスは仕方なく床をたった。

「クレスさんも眠れないのですか?」
廊下を歩いているクレスにそう声をかけてきたのは、すずだった。
普段は束ねている髪をおろし、夜着に身を包んでいる。
「ああ…ちょっと、目が覚めちゃって。明日は大事な日だっていうのに、まいったよ。」
苦笑しつつ言うと、すずは意外な提案をしてきた。
「でしたら、お酒などいかがでしょう?」
「…お酒?」
「はい。一杯飲めばすぐにでもお休みになれますよ。」
それは、確かにそうかもしれないが…
「え、遠慮しておくよ。明日に酔いが残るといけないし…。」
「そうですか。」
すずは時々、突拍子の無いことを言う。
「ところで、お風呂の明かりが点いていたけど。」
「ミントさんが入っています。やはり眠れないのだそうで。」
「そう…じゃあ、お休み。すずちゃん。」
「お休みなさいませ。」

すずと別れると、クレスは足を浴場に向けた。
湯につかると、やはり体がくつろぐ。
そうして、マナー違反かな、と思いつつも女湯の方に声をかけた。
「ミント、いるかい?」
「…クレスさん?」
「うん。…少し、寝汗をかいたものだから。」
“君と話がしたくて”とは、なんとなく言えずに、そう嘘をついた。
「いよいよ明日…ですね。」
「うん。明日こそは絶対に、決着をつける。そうして…戻るんだ。僕らの時代へ…トーティスへ。」
「…私は」
そうつぶやいたミントの声を追って、けたたましい桶の山の崩れる音が聞こえてきた。
「…ミント?」
──返答が無い。
もしかしたら、頭でも打ったのかもしれない。
クレスは矢も盾もたまらずに飛び出した。
“女湯”とかかれた暖簾に少し躊躇しつつも、クレスは浴場へ乱入する。
「ミント!」
視界の隅に、散らばった桶に混じってとっくりが転がっているのが映る。
…転んだ原因はこれか。
露わになっている体になるべく目を向けないようにして、抱え起こした。
「…クレスさん。」
「良かった。大したこと無いみたいだね。」
じゃあ、と言って立ち去ろうとするクレスを、ミントの手が引き止める。
「…お願いです。傍に…。」
この懇願を断れる男など、いるはずが無かった。

それは、クレスにとってかつてないほどの苦しい闘いだった。
しなだれかかってくる柔らかな感触が、彼女の髪から漂う石鹸の香りが、きつく絡められた指の感触が、彼の理性を崩壊させようとしている。
このままではまずい。クレスは攻勢にでた。
「さっき…何かいいかけたよね。」
「…」
「何て、言うつもりだった?」
「…この旅が終わったら」
「うん。」
「…終わったら、私は…何処へ行けばいいのでしょう。」
クレスはハッとなった。彼女にはもはや帰る場所がない。
それはクレスだって同じなのだが、幸いなことに彼にはチェスターが居た。
同郷の親友と共に故郷を復興させる──それはクレスにとって、希望を持つに足る目標だ。
しかし、彼女には…それすらも無い。
「その…モリスンさんに頼めば、法術師としての仕事先がきっとみつかるよ。」
こんなのは卑怯だ、と思いながらクレスは言う。
「ミントならどこでだって…」
だが、その先を続けることは出来なかった。
目線が絡み合い…どちらからとも無く、唇が触れ合った。
「クレスさん、私…。」
「わかってる。…傍にいるよ、ずっと、一緒に…。」
そしてまた、きつく抱擁をかわす。二人の世界から、お互い以外の全てが消え去った。

ミントは、背に回されたクレスの腕が動こうとして止めるのを感じていた。
彼はどうしてもこの先に進めないらしい。…私だってそれを求めているのに。
じれったさに、ミントは彼の手をとる。
「クレスさん…私を…。」
「ミント…?」
おかしい。ミントはこんなことをするような…。
そう思ったクレスの脳裏に転がったとっくりがフラッシュバックする。
「ミント、酔ってる?」
そういえば、頬が赤い。それは温泉のせいだとばかり思っていたが…。
しかしその問いかけに返答は無かった。
クレスの手はゆっくりと彼女の胸に導かれていく。
「ミント…。」
その感触に陶然となりかけて、クレスはかろうじて理性を呼び起こす。
酔った女性を押し倒すなど彼の倫理観にしてみれば言語道断だった。
しかし…。
「お願い…。」
耳元で囁かれて、彼の理性はあえなく撃沈した。

呼吸が、乱れる。
それをいくら正そうとしても、クレスの心臓は早鐘を打つのを止めない。
大きく唾を飲み込んで、ぎこちなく手を伸ばした。
「柔らかい…」
手のひらに、吸い付くような感触。コンプレックスだと言う、大きな乳房をクレスはゆっくりともみしだいていく。
「んっ…」
「ごめん、痛かった?」
「ううん…くすぐったくて。」
泣き笑いのような顔でミントが言う。二人は声をあげて笑った。

ひとしきり笑ったことでクレスは緊張がほぐれたらしい。
愛撫の動きがなめらかになっていく。
「は…は……ぁ…クレス…さん…」
クレスの指は外側から円をえがくようにゆっくりと中心へと近づいていった。
敏感な部分に近づいてくる期待感に、ミントの身は自然、堅くなる。
それを知ってか知らずか、クレスは寸前で指を離し…硬く屹立したそこに、ついばむように口付けた。
「は、んっ…」
ぴくん、と彼女の背がえびぞりにそらされる。
そのまま舌で転がされると、乳房全体に痺れる様な感覚がひろがっていく。
「ふぁっ……は…」
漏れる声が大きくなっていくのを止められない。
クレスが唇を離したときには、彼女の腰はすっかり砕けてしまっていた。

力の抜けてしまった体をひょいと抱き上げられ、湯船のふちにゆっくりと下ろされた。
ひんやりとした感触が、ほてった体に心地よい。
目を開けると、クレスの顔があった。
すっかり敏感になってしまった胸に、彼の指を感じる。
そして、それが降りてゆくのを。
細くくびれた腰を過ぎ、なだらかな下腹部に達し…
「ぁ…だめ…」
恥ずかしい部分を触られる予感に、ミントは思わず声をあげる。
しかし、クレスの指はそこには進まず、彼女の右足にたどり着いた。
「え…?ぁ…」
太ももを愛撫される、もどかしい感覚に喘ぐ。
クレスは律儀にも自分のつぶやきをきいてくれたのだろうか?それとも…
彼はいつのまにか、両手を使って彼女の脚を愛していた。
右手は内股を、左でふくらはぎを撫で…時には、口付けした。
まるで、騎士が貴婦人に忠誠を誓うように。

「ク、クレスさん、もうっ…ひゃぁっ」
「もう…どうしたんだい?」
いいつつ、彼女の白い背に舌を這わせる。
ミントは後ろから抱きすくめられていた。
「て、を…ぁん」
「手が?」
そう言っている間にも、クレスの手は彼女の乳房をやわやわともみしだいていく。
指の腹で乳首をこねまわされ、その度に切なげな声が漏れた。
「大事な…ぁっ…所、…」
「大事な所って、ここかな?」
そういって、耳朶の下をねぶる。
「ちっ、ちが…ぁぁっ」
甘噛みされて、たまらずにミントはおとがいをそらせた。
「ちゃんといわないと、わからないよ。」
「や……い、意地悪…ぅんっ」
不意に、クレスの右手が柔毛の先端までおろされ…しかし、そこで止まった。
これ以上は言わなければだめだということだろう。

ミントはついに降参した。
「…お願、い…触って……ふぁ、…ま、たの…間……」
蚊の鳴くような声で言った途端、クレスの指は下降を再開し、秘められた花弁へと到達した。
そこはやはりぴったりと閉じていたが、
あふれ出る愛液を閉じ込めることはできていなかった。
指が、秘裂をゆっくりと上下になぞる。
「ふぁ…」
にぶい官能が股間から、全身へと広がっていく。
思わずのけぞった脇の下に、クレスの舌がわりこんできた。
「やっ…そんな所……汚い、んっ」
普段はくすぐったいとしか思わない場所が、快感を生み出していくことにミントは戸惑う。
そんな彼女をよそにクレスは彼女の体を反転させ、その両足をつかむと高々とさしあげる。
「やっ…こんな……クレスさん、何を…!」
そのまま内股を捕らえられて、ミントの足は大きく開かれてしまった。
濡れそぼった秘肉が丸見えになる。
「綺麗だ…ミント…」
そう言って、クレスは彼女の下の唇と口付けを交わした。
「ひぁっ…ぁん」
クレスの舌がまだ誰も──本人すらも開いたこと無い割れ目を押し開いていく。

浸入してきたクレスの舌は、その広さを確かめるように、襞の間を動き回る。
ミントは大声をあげそうになるのを懸命にこらえていたが、それももう限界だった。
「ひぁうぅっ!そ、そこは……ふぁ、ぁあ……ん…」
縦横に動き回る舌が敏感な突起にあたり、ミントは大きく身体をふるわせた。
あふれ出る粘液が、急速にその量を増していく。
「ここがいいんだね…?」
クレスは唇を離し、かわりに指でミントの秘所をせめたてた。
処女の花弁に無遠慮に侵入し、包皮につつまれた肉芽をこねまわす。
「いや、いや、なにか……ふぁあああっ!」
ミントの身体が大きく弓なりにしなり…ついで、弛緩した。
甘い痺れが全身に広がり、ものを考えることが出来なくなる。
「クレスさん…もう、…だめ……」
「欲しい?」
その問いの意味を理解したミントは、首筋まで真っ赤にして──
それでもこくりと小さくうなずいた。
クレスが立ち上がり、湯船の中に隠れていたものが露わになる。
初めて男性自身を眼にしたミントは、やはり不安を隠せないで居た。
──これが、私の中に入る…。

「ミント、力を抜いて。」
クレスが優しく声をかける。
「は、はい。」
そう答えるミントは相変わらず緊張してがちがちだったが、クレスはそれ以上は何も言わなかった。
「いくよ、ミント。」
熱い先端が、裂け目に押し付けられる。その感触に、彼女はクレスの肩をつよく抱き寄せた。
「…息を吐いて。」
「ふぅぅううう……んんっ!」
その指示に従って深く息を吐いた途端、火傷しそうに熱いものが浸入してきた。
ぎゅっと目を瞑って痛みに耐える。
「ごめん…大丈夫かい?」
ミントはただ首を横に振る。謝ることなんてない。これは私が望んだこと──。
その想いが通じたのかどうか、クレスは挿入を再開する。
「──っ!!」
「終わったよ、ミント…」
激痛にたえながら、彼が自分の中から去っていこうとする気配を感じたミントはあわてて言った。
「だめっ。…最後まで……して…」
「ミント…」
クレスは、ミントの上体を起こしてかき抱いた。

「…慣れるまで、このままじっとしてるよ。」
「…ん……はい。」
クレスが気遣ってくれるのが嬉しかった。そう思った途端、じん…と腰の奥が痺れるような感覚が襲ってくる。
「ちょ、ミント…そんな動いたら出ちゃうよ。」
「ぁんっ……そんな、私、なにも…」
ミントの腰は、無意識に快楽を生み出そうと蠢きはじめていた。
うねうねと、射精を促すように絡みつく。
「うっ…もう、だめだ…!ミント、動くよ!」
「きゃ…!」
やや乱暴に押し倒される。その上に感じる重みがたまらなくいとおしい。
しかし、そんな事を感じる余裕はクレスが動き出すと吹き飛んでしまった。
「あ…っ…ふああぁあっ!」
浴場に、みだらな水音がこだまする。
「もう、だめだっ…出すよ、ミント…!」
きゅうきゅうと締め付けるミントの中に、クレスは早くも音を上げた。
しかし、いつの間にかミントの足が絡められていて引き抜くことができない。
「ミント、足をっ…もう…!」
「い、いのっ…このまま……中、に…ください…!」
「うぅっ、ミン、ト…!!」
「クレスさん…!あぁああっ!!」
身体のもっとも奥深い場所に熱い奔流を感じながら、彼女は意識を失った。

「ミント…痛かった?」
「少しだけ…。でも、それより…嬉しかった。」
二人はほてった身体をじゃぽんの衣服──浴衣につつみ、縁側ですずんでいた。
虫の音が耳に心地よい。
「…ごめんなさい。」
唐突に、ミントが口を開く。
「何のこと?」
「仕方の無いことをいってしまって。…私だけが不幸なわけではないのに。」
「…気にすること無いよ。ミントはずっと辛かったんだから。」
そう言って肩に手を回そうとする動きのぎこちなさに、ミントは微笑った。
「僕が、君の居場所になる。…傍に居て欲しいんだ。」
「…はい。」
二人は身を寄せ合う。
明日へ…未来へ、想いを馳せながら。


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