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作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
誰が為の英雄 |
クイルセデス氏 |
カイル×リアラ |
2004/08/23 |
2004/08/23 |
ここは聖都アイグレッテ。
先の神の眼の動乱や、外郭の落下により壊滅状態に追い込まれたサイリル、ハーメンツ、
そして今はなき首都ダリルシェイド。
それらの町の行き場を失った住人達や、
アタモニ神団がこの18年力を合わせて造りあげた町が、このアイグレッテだ。
町には神秘的な建造物が立ち並び、神秘的な雰囲気を醸し出している。
だが、だからと言って神団が町を占領している訳ではなく、
人々は生き生きと新たな営みを始めている。
夕暮れの下、この聖地に足を踏み入れた少年達がいた。
「ふああ〜、それにしても長い道のりだったなぁ〜。」
だらしなく欠伸をかいたのは、だまっていれば二枚目な、
長身で銀髪の青年━━もといロニ━━だった。
「もう、ロニったら。町の人たちに笑われるわよ?」
背の高いロニを見上げて喋る、髪に大きな飾りを付けたどこか神秘的な少女━━リアラ━━。
「リアラ、ロニに言ってもムダだよ。ロニはもうカミサマからも笑われてるから。」
リアラに笑いかける少年。小ぶりな剣を腰から提げ、風に父親ゆずりの美しい金髪が揺れている。
少年の名はカイル。カイル=デュナミス。
「んだとォ?!カイルてめェ!!
『無駄』も『神様』も漢字で書けないようなお子様には言われたくないね!」
「そ、それは今関係ないだろ!!」
ロニに意表を突かれ、ムキになって反論するカイル。
「ねえ二人共。アイグレッテに何しにきたんだっけ。」
二人の会話に、リアラが割って入る。
「え・・・・?そりゃあ・・・四英雄の一人である、フィリアさんに会いに来たに決まってるじゃんか。
リアラ、忘れちゃったのか?」
「ストレイライズ神殿、通り過ぎちゃったわよ?」
リアラが元来た方向にそびえ立っている神殿を指差して言った。
「え・・・あれ、あ・・・あは、あはははははは!!」
頭を掻きながら笑うカイル。
「ふふ。カイルのお馬鹿さん。」
「・・リ、リアラまでそんなコト言うなよ〜!!」
「冗談よ、冗談。さ、行きましょう。」
楽しげに揺れる三つの影は、神殿内にゆっくりと消えていった。
「あ、ここがフィリアさんの部屋かな。」
狭い窓から覗いて見える僅かなは室内の景色を頼りに、カイルはフィリアの部屋を探し当てた。
「カイル〜、そんなコソコソしてないで、とっとと中に入っちまおうぜ。」
「そんなコト言ったってよ〜・・・見張りの人なんか怖そうじゃん。」
窓の中を覗きながらカイルが指差した方向には、重い鎧を着こんだイカつい兵士が立っていた。
「スタンさんの息子だって言えば、それでOKじゃねえかよ。
ほら、お前ばっか見てないで俺にも見せてくれよ。」
カイルを手で掴んで、その上からロニの頭が覗く。
「お〜!!あれがフィリアさんか!!結構な美人とは聞いていたケド、なんとお美しい・・・!!
本当に美しい女性というのは歳を増すごとに美しさに深みがかかっていくという、いい見本だぜ!!」
無類の女好きであるロニが、鼻の下をのばして言う。
こんな男になってはいけないという、いい見本だ。
「ちょっとロニ・・!!声が大き・・・」
リアラが注意したその瞬間。
「・・ん?何だお前達は!!」
先程のイカつい顔の兵士に気付かれてしまったようだ。
「あちゃ〜・・・・」
思わず手で顔を覆うリアラ。
「一体ここで何をしている?!」
イカつい顔の兵士はカイル達を睨みつけて言った。
「ち、違うんですっ!!俺達は決して怪しい者じゃ・・・!!」
慌てて弁解するカイル。
「そ、そうだ!!こいつぁなぁ、こう見えてもあの四英雄のスタンさんの息子なんだぞ!!」
ロニもカイルに続いて兵士を説得しようとする。
「何ィ?!こんな子供があの四英雄の息子だと?!」
いぶしかしむ兵士。
「ホントだってば!!証明できるようなモンはないケドさ・・・・」
「たわけ!!そんな嘘にこの俺が騙されるとでも思っているのか!!
嘘をつくならもう少しマシな嘘をついたらどうだ!!」
一向に取り合う気のない兵士。
「嘘なんかついてないって!!俺はカイル=デュナミス!!スタン=エルロンの息子だッ!!」
「いい加減にしろ!!大体苗字が違うじゃねぇか!!」
ごもっともです。
「待って下さい!!」
その時、透き通るような声が辺りに響き渡った。
「今あなた、カイル=デュナミスと言いましたね?!」
その声は、戸の向こうにいるフィリアのものだった。
「フィリアさん?!・・・は、はい!!確かに俺、そう言いました!!」
内側から開けられた窓の隙間から、フィリアの顔が覗く。
「・・・そうですか。あなたが・・・スタンさんの・・・・。」
緊張しているカイルに、フィリアは優しく微笑みかける。
その笑顔はまるで、神話に出てくる慈愛に満ちた聖母マーテルのようだ。
「開けなさい。」
フィリアが門を塞いでいる兵士に命じた。
「え・・・でも・・・」
急な展開に躊躇する兵士。
「その子はスタンさんの子供のカイル君です。いつまでもそんな所で足止めを食らわしていたら
失礼に値しますよ?」
門を開けるように促すフィリア。
「・・フィリア様がそう仰られるのなら・・・・。」
カイル達に道をゆずる兵士。
「よかったわね、カイル。」
「ああ!もうここを入ったらフィリアさんの部屋なのか〜!!緊張するぜ〜!!!」
緊張するとは言いながらも、カイルの顔には確かな期待の色が浮かんでいた。
「・・・し、失礼しま〜す・・・・」
やや遠慮がちな声を上げると、カイルはフィリアの部屋のドアを開いた。
「どうもこんにちは。あなたが・・・カイル君なのですね。」
フィリアは丸ぶち眼鏡越しに、カイルの真っ直ぐな瞳を覗き込んだ。
「は、はい!!父さんみたいに世界を見て回りたくて・・・・
四英雄であるフィリアさんの所に来ました。」
「あらまぁ。四英雄だなんて、お恥ずかしいですわ。」
フィリアは昔を懐かしむかのように微笑んだ。
「まだ若いのに見聞の旅とは・・・素敵ですね。」
「いやぁ〜・・・。とは言っても大したアテもなくブラブラしてるだけなんですがね。」
先程から会話に混じりたがっていたロニが、フィリアに言葉を返す。
「あら・・・?そう言えばそちらの方達は・・・?」
「あ、紹介します!!こっちが孤児院で一緒に暮らしてるロニで、そっちがリアラ。」
カイルがロニ達を紹介していく。
「はじめまして。」
礼をするリアラ。
「これはまた、可愛らしいお嬢さんですこと。」
「そ、そんな・・・////。からかわないでください・・・。」
「別にからかってなんていませんよ?」
照れ気味に顔をそらすリアラの頭を、軽く撫でながらフィリアが言う。
「フィリアさんは・・・どうして俺が父さんの息子だってわかったんですか?」
疑問に思っていたコトを尋ねるカイル。
「どうしてって・・・・あなたはカイル=デュナミスと言うんでしょう?
昔あなたが産まれた時、スタンさんから聞きましたもの。
苗字は孤児院から名前をとって、名前はカイルにしたって。」
「なるほど・・・・そうだったんですか。」
納得するカイル。
「ところで、スタンさんは今も元気でいらっしゃいますか?」
やはりスタンのコトが気になるフィリア。
「はい!!毎日俺に稽古をつけてくれるんだ。
今は俺も父さんと同じくらい強くなったんですよ!!」
大好きなスタンのコトを話す時は目を輝かせるカイル。
「それは頼もしいわね。」
「・・・まだ若い頃の父さんには敵わないケド・・・。」
「そして!!俺はもっと強い!!」
自慢気に胸を叩くロニ。
「ロニ、大人気ないわよ。」
「う゛〜・・・」
リアラに言われ、残念そうに首を垂れるロニ。
「三人とも、とても仲がいいのですね。」
「ま、それが俺達のとりえみたいなモンですから!!」
フィリアは、戦い彷徨う少年達を、若き日の自分たちと重ねて見ているのだった。
「なんだよ〜!!俺達のとりえって!!それじゃ、俺達のいい所がそれだけみたいじゃねぇか〜!!」
「まあロニはそうなんじゃないの?」
ロニをからかうカイル。
「何を〜?!」
また二人のつまらない口ゲンカが始まってしまったようだ。
「ねえ、リアラさん。」
「え?」
フィリアは、他の二人には気付かれないようにリアラを小部屋へと連れ出して言った。
「先程は三人とも、と言いましたが、あなたにとってロニさんとカイル君は同じ存在ですか?」
清楚ながらも小悪魔的な笑みを浮かべるフィリア。
「・・・それはどういう意味ですか?」
唐突な質問に驚くリアラ。
「・・・・・・わかっているでしょう?もっと自分に素直になって下さい。」
少し間を置いて微笑むフィリア。その笑みは優しいものであったが、その瞳には先程までとは違う、
どこか妖美な光が秘められていた。
「そ、それは・・・・・・////・・・・で、でもどうして・・・・・・?」
一瞬頬を赤らめた後、リアラは聞き返した。
「見ていればわかりますよ。私だって、これでも昔は女の子でしたからね。」
「・・・・・・。」
何が言いたいのかがわからないリアラは、ただ黙っているしかなかった。
「それに・・・・・私もそうでした。私も昔は・・・いいえ、今でも・・・・・スタンさんのコトが好きなんです。」
机い置いてある写真の、若かりし頃のスタンを見つめながら、フィリアは語り始めた。
「私もあなたと同じで・・・・・・いや、あなたよりももっとかしら。素直じゃなくてね・・・・・。
結局あれだけ長い時間仲間として傍にいましたが、その想いを伝えるコトはありませんでした。」
「・・・・・・・。」
潤み始めているフィリアの瞳を見ながら、リアラはその話を聞いていた。
「けれど、それは別にそれでよかったのです。何故ならば、スタンさんにはルーティさんという
すばらしい相手がいたからです。初めは嫉妬の気持ちを抱くコトもありましたが、
そんな二人を見ている内に、私は身を引こうと決めました。
そして、その後二人の愛は実り、二人の愛の結晶であるカイル君が今ここにいます。」
フィリアが指を差した先には、ドアの僅かな隙間から覗いているカイルの姿があった。
どうやらまだロニと言い争っているようだ。
そのバカだけど純粋でたくましい姿は、スタンをそのまま幼くした姿と言っても過言ではないだろう。
「私は別に後悔はしていません。むしろ、こうしてスタンさんの子供であるカイル君とまで知り合うコトができて、
私は幸せです。
でも・・・・あなたには、当時の私にとってのルーティさんのような方はいないでしょう?」
リアラには、フィリアが何を言うつもりなのか、もうわかっていた。
「だったら・・・・もっと素直になってもいいんじゃないですか?」
フィリアの深い瞳に、リアラは吸い込まれそうになった。
「・・・・・そうかも知れませんね・・・・・・・」
リアラは曖昧な返事を返す。
「決して・・・・後悔なんてしないように。」
リアラは、そう言った刹那のフィリアの悲しそうな表情を見逃さなかった。
「フィリアさん・・・・・あなたやっぱり後悔して・・・・・」
「いいえ!!後悔なんて・・・・後悔なんてそんなコト・・・・・・・!!私・・・・・・・・!!」
今のフィリアに、いつものような英雄や司祭としての余裕は微塵もなかった。
「・・・フィリアさん・・・・・・・。」
「・・・・・これでよかったのです!!そう、これで・・・・・!!
そんなコト、考えてはいけないんです・・・・・・・そうでしょう?!
だって・・・・・それは、今ここにいるカイル君の存在を否定してしまうコトになりますもの・・・・・!!」
フィリアは、机に置いてある写真を見えないように置き換えた。
「ありがとう・・・・・・フィリアさん・・・・・・・。私、決心しました。」
「・・・え?」
フィリアの涙でかすんだ視界に、リアラが胸に手を当てて微笑んでいる姿が映る。
「だから・・・・・もう元気を出して下さい。そんなに自分を責めないで・・・・・・
フィリアさんは何も悪くないんですから・・・・・。」
「・・・・優しいのね。」
いつもの優しい笑顔に戻ったフィリアは、リアラに笑ってみせる。
「フィリアさんを見習ってみただけですよ。」
笑いかけるフィリアに、リアラも舌をチロッと出して笑い返す。
「あらあら。私なんか見習ってないで、もっといい女にならなきゃダメよ?」
「えへへ。それじゃあ私、もうみんなの所へ戻りますね。二人のコトだから、きっと私を探してくれてるわ。」
リアラはスッと立ち上がると、ドアに向った。
「ええ。あなたには素晴らしい仲間がいますものね。」
リアラの小さな背に手を重ねるフィリア。
「フィリアさんにだって、素敵な仲間がいるじゃないですか。」
「私の仲間は、全て昔の仲間よ・・・・。」
「・・・・・私達だって、フィリアさんの仲間ですよ。」
そう言うと、リアラは一足先にカイル達の元へと戻った。
「私は・・・・・すっかり人を導く立場の人間になったつもりでいたケド・・・・・・・
まだまだ弱い人間ね・・・・・・・。それでも・・・・・そんな私を慕ってくれる人達がいる限り、
弱音なんて吐いちゃいられないわね。さてと。」
フィリアは、ここ数年ずっと飾っていたスタンの写真を戸棚の奥へとしまうと、リアラの後を追うように部屋を出た。
「あれ?!二人共どこ行ってたんだよ?!」
リアラ達の姿を発見したカイルが声をあげる。
「うふふ。二人がまた馬鹿騒ぎしてたみたいだから。」
「そ、それはロニのせいだよ!!」
「なんだとォ〜?!」
そして・・・・
「これからも、世界を巡る旅頑張って下さいね。私には祈るコト位しかできませんが・・・・。」
そろそろカイル達は神殿を出ようとしていた。
「それじゃあ、辺りも暗くなって来ましたし。そろそろ俺達は宿の方に・・・・」
窓から外を見てロニが言う。
辺りはもうすっかり暗くなっていた。
数え切れない星が夜空に散りばめられ、満月を囲む陣を描いていた。
「そうですか・・・。大したもてなしもできなくて、すいません。明日もまたいらして下さいね。」
ドアを開くカイルの背に、フィリアが優しい声を掛ける。
「もてなしなんかなくたって、充分楽しませてもらいましたよ。
じゃ、今日はコレで。明日絶対また来ますからね〜。」
フィリアに見守られる中、カイル達はフィリアの部屋を後にした。
月明かりの下、カイル達は宿を探していた。
「それにしても、フィリアさんっていい人だったよな〜。」
ロニが鼻の下をのばしながら言った。
「ええ。一見するとただの綺麗な人だけど、話してみるとやっぱり四英雄ってだけあって
とても深い人間だって思ったわ。」
「そうか?確かにすごい人だったケド、俺の感じた印象では、見かけよりも気軽に話せる人だけどな・・・・。」
(あ・・・・そっか。カイルとロニはあの時いなかったもんね。)
一人で納得すると、リアラはカイル達に合わせるようにして話を続けた。
「あ!!おい、見ろよカイル!!あれは宿じゃねぇか?」
ロニが宿を見つけて指を差す。
「よーし、でかしたぜロニ!!早く行こうぜ!!俺もう腹ペコだぜ〜!!」
カイルに引っ張られるようにして、一行は宿の中に入っていった。
「ふ〜っ、喰った喰った。」
宿の中の食堂で食事を終えたカイル達は、一階のロビーでくつろいでいた。
「今日はいっぱい歩いて疲れたし、もう寝るか?」
やや眠そうに眼をこすりながら、ロニが言った。
「そうだな・・・・・今日は早く寝て、また明日フィリアさんの所行きたいしな。」
カイルもロニの提案に乗る。
「・・・・そうね・・・みんな自分の部屋に戻りましょ。」
自室へ向かう階段を上るリアラの胸は、何故か高鳴っていた。
ガチャ。
カイルはノブを回し、部屋へと入った。
「は〜・・・・・なんか疲れたなぁ。」
部屋に入るやいなや、ベッドに大の字になるカイル。
「とは言ったものの、眠いワケでもないしな・・・・・・」
カイルは暇そうに天井を仰いだ。
「なんだろう・・・・・アイグレッテに来たのは初めてのハズなのに・・・・・・
この景色を見たコトがある感じがする・・・・・・。」
ワケもわからずに、カイルは自覚のない思い出に違和感を覚えていた。
一方こちらはリアラ。
「はぁ・・・・・なんだか寒いな。」
まだ眠るつもりもないのだが、リアラは布団の中にうずまって顔だけを出していた。
「このまま・・・・寝ちゃおっかな・・・・・・・でもやっぱり・・・・」
何を考えているのか、リアラは自分と葛藤していた。
「・・・・・ああ・・・・・カイル。・・・・・・・・カイル、カイル、カイル。」
何度も口に出して名前を呼んでみる。それだけで胸が締め付けられる。
リアラのカイルに対する想いは昨日も今日も変わりなかったが、
それでもやはりフィリアにあんなコトを言われた後では普段意識していなかったコトまで意識してしまう。
「私ったら・・・・・一体何を考えているの・・・・・・?
フィリアさんが言っているのはそういう意味じゃないよね・・・・・・・。」
リアラは自分が考えているコトの厭らしさに、誰もいないのにも関わらず一人で赤くなっていた。
「で、でも・・・・!!確かに想いを伝えればいいだけの話だけど、
想いを伝えさえすれば・・・・・・成り行きによってはそういうコトにもなっちゃったりして・・・・・・」
リアラの頭の中を様々な情景がよぎる。
『もっと素直になってもいいんじゃないですか?』
フィリアの言葉がリアラの頭の中でこだまする。
「そ、そう!!そうよ!!・・・・好きだって一言言えば、それでいいんだわ!!
好き・・・・・うん、好き・・・・・・・。私はカイルのコトが好き・・・・・・・。そう言うだけで・・・・・・・・っ!!
だ、だけど・・・・・・・それだけじゃ何か・・・・物足りないの・・・・・・・・・・かな?」
自分で言っているのに疑問形になってしまう。
「・・・・・・・もう決めた!!素直に言っちゃおう!!私一人でうじうじ考えてたって何も始まらないもんね。
好きだって伝えて、それでカイルにそんな気がなかったのならそれでおしまいなワケだし。
・・・・・・・でも、もし・・・・・カイルが私の気持ちを受け入れてくれたのなら・・・・・その時は・・・・・・」
ガバッ!!
リアラは最後まで言わずに、布団の中から出た。
そしてゆっくりと立ち上がり、一歩ずつドアに近づいていく。
(このドアを開ければ廊下・・・・・そして、もう一個ドアの向こうは・・・・・・カイルの部屋・・・・・!!)
一秒一秒がすごく長い。
それに、足を一歩前へ進めるのにも慎重になってしまう。
(ちょっと意識しただけで・・・・・・・こんなに変わるものなのかな)
リアラはその小さな胸に希望と期待と不安を秘めて、カイルの部屋へ向けて歩き始めた。
トントン。
静寂を破るように、ドアを叩く音が鳴る。
「ん?」
トントン、トントン。
「カイル・・・いる?私よ。」
「リアラ?入っていいよ。」
思わぬ来客に驚くも、カイルはリアラに部屋へ入るよう促した。
「やっほーカイル。」
リアラは、先程までの混乱を誤魔化すかのように平静をよそおっていた。
「どうしたのリアラ?」
「い、いや・・・・・その・・・・・・別に大した用事は・・・・・・ないんだけど・・・・・・・。迷惑かな?」
カイルの部屋に足を踏み入れる勇気を出すコトだけに気が向いていたリアラは、
カイルに部屋に来た理由を聞かれ、慌てふためく。
「いや、全然迷惑なんかじゃないよ。どうせ暇だったんだ。」
「そう・・・・・?だったらいいんだけど。なんだか・・・・・・・眠れなくて。」
ベッドのカイルの横に腰掛けるリアラ。
やわらかなベッドが、リアラの体重で沈み込む。
常に視界にベッドが入っているため、リアラも『ソレ』を意識せざるおえない。
「ね、ねえカイル!!」
勇気を振り絞ってリアラが口を開く。
「何?リアラ。」
「・・・・・・その・・・・・・カイルって・・・・好きな女の子とかいる?」
(わ、わわっ!!どうしよう・・・・・私言っちゃった・・・・・!!)
言い終わってから焦るリアラ。
「な、なんだよ突然・・・・・・・」
「・・・・べ、別に嫌だったら無理して答えなくてもいいのっ!!こんなコト急に聞く私が悪いんだから・・・・・・」
「う〜ん・・・・・・好きな子って言われてもなぁ・・・・・・・・孤児院にいた時は、もっと小さい子ばかりだったから
そんなコト意識したコトもなかったし・・・・・・。
好きな子・・・・・・好きな子かぁ・・・・・・。」
カイルがチラッとリアラの方を見る。
「い、今のは別にそういう意味じゃないからなっ?!」
リアラの方を見る、というコトの意味に気付いたカイルは慌てて弁明する。
「別にリアラのコトが好きとかそういうコトじゃ・・・・っ!!
あ、でも!!だからって嫌いってワケじゃないから・・・・・っ!!」
カイルの微妙な答えに、リアラは戸惑う。
(慌ててる所を見ると、本当は私のコト好きなのかもって思えるケド・・・・・・ハッキリ否定されちゃったし・・・・・・)
「そういうリアラはどうなんだよ?!いるのか・・・・好きな人・・・・・・?」
「え、あ・・・・私?!わ、私は・・・・・・・////」
一度は覚悟を決めたつもりでいたが、この場に来てリアラは、まだ言おうか言うまいか悩んでいた。
もっとも、ここまで来ればカイルにもわかっても良さそうなものだが。
「・・・・いるコトにはいるわ・・・・・・。いるのは・・・・いるケド・・・・・・・・。」
リアラの唇が震えている。
「私には・・・・・・カイルと違って友達とか知り合いも殆どいないし・・・・。
同じ年頃の男の子なんて・・・・・・・・////」
少し赤くなりながらも、リアラはカイルの方を向く。
「リ・・・・リアラ・・・・・それってもしかして・・・・・・・?////」
カイルが初めてリアラの気持ちに気付く。
いくら鈍いと言っても十五歳。カイルだって、リアラの気持ちが全くわからなかったワケではなかったが、
やはりカイルもリアラ同様、ハッキリと意識したのはこれで初めてだった。
「・・・・その『もしかして』じゃ・・・・・・・・ダメかな?」
覚悟を決めたリアラ。
「リアラ・・・・・。」
カイルはリアラの背中に手を回した。
手を通して、リアラの体温が伝わってくる。
か細くて繊細なリアラだが、こうして直に温もりを感じていると
リアラの内に秘められている熱が手に取るようにわかる。
「ごめんね・・・・・・」
「?」
カイルには、リアラが何を謝っているのかわからなかった。
「へんなコト・・・・・急に言っちゃって。こんなコト言われたって、カイルだって困るよね?」
「リアラ・・・・・・。」
たんに話している内容のせいかも知れないが、カイルには腕の中にいるリアラがいつもより数段愛しく感じられた。
「カイルにとっての私がただの仲間でしかないのなら・・・・・・私は別にそれでも構わないから。
行くあても帰る家もなかった私に、優しい手を差しのべてくれたのはカイルだった・・・・・・。
今でもカイル、あなたと出会った日のコト忘れないわ。
だから・・・・私はカイルの傍にいられるのなら・・・・・きゃっ?!」
リアラが紡いでいた言葉は、そこで遮られた。
カイルがリアラの体をきつく抱き寄せたのだ。
「カイ・・・・・ル・・・・?」
カイルの抱擁に、リアラは驚愕の表情を浮かべた。
リアラの柔らかな胸が、カイルの胸板に押し付けられる。
「リアラ・・・・悪かった。さっきは俺・・・・・・・つい勢いで『別にリアラのコトが好きなワケじゃない』なんて
言ったケド・・・・・ホントは・・・・・ホントは俺・・・・・・っ!!」
カイルはリアラの瞳を真っ直ぐにみつめて言った。
「・・・・カイル!!」
リアラの綺麗な瞳にうっすらと涙が浮かぶ。
「・・・・・だけど・・・・・ホントに俺なんかでいいのか・・・・・?」
「えっ・・・・・・?」
「俺なんて・・・・・・いつもイタズラばっかりで・・・・・孤児院にいた時だって母さんに心配掛けっぱなしで・・・・・」
カイルは過去の自分を思い出して情けなくなる。
「それでも・・・・・・・私はカイルが好き・・・・・・!!」
リアラの想いは変わらない。
「その上・・・・・・父さんみたいな英雄になりたいとかバカ言って・・・・・・家飛び出したどうしようもない奴なんだ!!」
「それでも!!私はそんな真っ直ぐなカイルが好きなの!!
カイルだったら、いつかきっと英雄になれるって信じてるわ!!」
顔を真っ赤にして叫ぶリアラ。
「わかった・・・・。君が・・・・・リアラがそこまで言ってくれるなら・・・・・・・俺は・・・・・・・」
カイルはギュッと眼をつぶると、続く言葉を紡いだ。
「リアラの英雄になる!!」
言ってから恥ずかしくなるカイルであった。
だが・・・・・・
「・・・ありがとう・・・。ねえカイル、今の、『リアラの英雄になる』ってもう一回言ってみて!!」
恥ずかしいカイルをよそに、リアラにアンコールをされてしまう。
「え・・・・は、恥ずかしいんだけど・・・・・・」
「いいから、いいから♪」
「・・・・・お、俺は・・・・・・リアラの英雄になる!!・・・・・・・・・////」
一回目のような勢いはなかったものの、カイルはリアラのノリに押されてもう一回言った。
「なんでかしら・・・・・・その『リアラの英雄になる』って・・・・・何か懐かしい感じがする・・・・・。」
「そう言えば・・・・・俺も前に一度言った気がするような・・・・。」
言われてみれば、そんな気がしてきたカイル。
二人は、抱き合いながら同じ懐かしさを感じていた。
「あ、あのさ・・・・・・・カイル?」
暫くそうして抱き合っていたが、このままではラチがあかないと思ったリアラは、
カイルの手をほどいて抱き合うのをやめ、互いの顔が見えるようにして言った。
「リアラ?」
「カイルは・・・・・私のドコが好きなの・・・・・?」
リアラはカイルの手を握り締めた。
「・・・・ド、ドコってったって・・・・・・普通だぜ・・・?可愛い所とか・・・・・・・優しい所とか・・・・・」
気の効いたコトが言えず、少し残念そうなカイル。
「私はね・・・・・・」
唇を動かしたリアラの顔は真っ赤だった。
いや、顔だけではない。リアラの心臓はいつになく高鳴り、その鼓動はカイルにも聞こえる程だった。
「カイルの・・・・全部が好き。面白い所、かっこいい所、強い所・・・・・・・そして真っ直ぐな所。」
照れたカイルの顔が少し赤くなるが、リアラの方がもっと赤くなっている為、傍からみると目立たなかった。
もっとも、こんな光景を誰かに見られていたら大変だが。
「全部ひっくるめて・・・・・カイルのコトが好きなの。全て・・・・・・そう、本当に全て。何の比喩でもないわ。
でもねカイル・・・・・・私はまだ、あなたの『全て』を知らない・・・・・」
リアラは少しうつむいて言った。
「全てを・・・・知らない・・・・?」
頭の弱い(失礼)カイルには、何を言っているのか意味がわからなかった。
「カイル・・・・・私はカイルの『全て』を知りたいの・・・・・・。私に・・・・・カイルの『全て』を見せてくれる・・・・・?」
リアラの瞳はトロンととろけたように虚ろになっていた。
カイルは、体を舐め回すかのようなリアラの視線を肌に感じた。
「俺の・・・・・全て・・・・?!」
カイルは意味もわからないまま、なぜか上気していた。
「う、うん・・・だから・・・その・・・・・・『全て』を・・・・////」
リアラは肉体的な『全て』を見せて欲しいと言っているのだが、一向に意味がわからないカイル。
自分だけがそんな厭らしいコトを考えているのかと思うと、リアラは段々自分が恥ずかしくなってきた。
「全てを知りたいって言われても・・・・・俺にはどうしたらいいのか全然わからないケド・・・・・・」
素直に胸の内を話すカイル。リアラがガックリとする。
「それは・・・・・また旅を続けていけば、俺の色んな面がわかっていくと思うんだ・・・・・。
だからさ・・・・・・・・あ、その・・・・・何て言うか・・・・・・今は、今しかできないコトをすればいいんじゃないかな?////」
リアラの首に手を回して言うカイル。
その時のカイルの顔は、明らかに先程までとは違った。
恥ずかしい気持ちを心の奥底に押し込めて、真剣な気持ちを映している・・・・・・そんな顔だった。
「へ・・・・・・・?」
わからずやのカイルに諦めかけていたリアラの顔が、一瞬にして変わった。
「そ、それって・・・・・・・」
もしかしたら自分の勝手な勘違いかも知れないと思い、確認するリアラ。
「だから・・・・・今しかって言うか・・・・・ココでしかできないコト・・・・・!!////」
カイルは言いづらそうにもう一度言った。
(ココでしかできないコト。
ココ・・・・・ココってどんな場所だっけ・・・・・・・・?)
リアラが周りを注意深く見回す。
(ココは・・・・夜で・・・・部屋の中で・・・・・ベットがあって・・・・・二人しかいなくて・・・・!!
こんな所でするコトって言えば・・・・・・・やっぱりアレ?・・・・アレなの?・・・・・・アレしかないわよね・・・・・!!)
「リアラが嫌なら・・・・俺はやめてもいいよ?」
カイルは、返事のないリアラを見て、嫌がっているのかも知れないと思った。
しかしリアラの答えは・・・・・
「ううん・・・・・!!嫌なんかじゃない・・・・!!カイルとなら・・・・私・・・・!!」
リアラはカイルに抱きつくと、返事を待っていたカイルに返事を返した。
「よかった・・・・・ずっとリアラが欲しかったんだ。」
いつも子供っぽいカイルのこの時の顔は、いつになく大人びたものだった。
「私が・・・・・欲しかった・・・・?」
「うん・・・・だけど。大切でかけがえのない仲間・・・・・・・・・・今のこの関係を壊すのが嫌だったから・・・・・・・
臆病者の俺には、こんなコトを言い出す勇気はなかった。」
「カイルは臆病者なんかじゃ・・・・!!」
「でも・・・・・君が・・・・リアラが好きだって言ってくれたから。」
カイルの指が、白く綺麗なリアラの顎を持ち上げる。
「・・・・・////。」
「キス・・・・・していいかな?」
カイルは、リアラの顔を自分の顔にグイッと近づけた。
互いの吐息が頬をかすめる。
「あ・・・・カイル・・・・息が・・・・。」
こんなに近くでリアラの顔を見るのは初めてだった。
「キス・・・・・してもいいよ・・・・・・・・ううん、して・・・・・・!!」
リアラはそう祈願するとまぶたを閉じた。
だが、眼をつぶってキスを待つリアラに、カイルはすぐにはキスをしなかった。
「俺は・・・・・・リアラの英雄だよな。」
「え?・・・・・うん。」
「でも、今だけは英雄じゃなくなるけどいい?」
「・・・・・どういう意味・・・?」
リアラを待たせたまま、カイルは言葉を続けた。
「お姫様を助けに来る英雄はいても、お姫様を襲う英雄なんていないだろ?」
同意の上でやるのだから、もちろん『襲う』という言葉はふさわしくはないのだが、
それでもリアラはその言葉の響きに確かな興奮を覚えていた。
「わわっ?!」
カイルは部屋の電気をけすと、リアラをベッドに押し倒した。
リアラの美しい黒髪が乱れ、白いシーツの上に垂れる。
「・・・・・・・・っ!!」
カイルの唇が、リアラの唇に重なる。
「んあ・・・・・あふっ・・・・・」
ちゅぱ・・・・・
二人の唾が湿り気のある音を立てる。
「はぁん・・・・んん・・・・っ!!」
カイルの舌が、リアラの唇をなぞる。
それに合わせて閉じていたリアラの唇が開いていき、唇を舐めていた舌は、歯茎を舐め始める。
「・・・・・・・!!」
互いの舌先で唾を交換する。
言い表し様のない幸福感に、カイルは包まれていた。
リアラの唾は、別においしい味はしない。それでも・・・・・もっと欲しい。
飲めば飲むほど・・・・・触れれば触れるほど・・・・・・吸えば吸うほど・・・・・・気持ちは昂ぶっていく。
くちゅ・・・・・・
リアラもまた同じ様にカイルを吸い、その味を堪能しようとしている。
官能の官の字も知らなかったリアラは、キスだけでここまでの興奮を覚えてしまっている自分に驚いていた。
「・・・・ぷはっ。」
どちらからともなく唇を離す。
二人の唾が銀の糸となり、唇と唇を繋ぐ。
「リアラ・・・・気持ちよかった・・・?」
「うん・・・・・。でも・・・・私キスなんてしたコトなかったから・・・なんだかとっても激しくて・・・・・。」
リアラが濡れた唇を動かして、初めてしたキスの感動を言おうとしていた。
「口だけじゃなくて・・・・他の所も色々したいな〜?」
カイルは、リアラの服の襟を軽く掴むと、リアラの耳に息がかかるように言った。
「わ・・私の・・・・・・服の下が・・・・・・・・・・見たい・・・・の?////」
耳に感じた吐息と、掴まれて形を歪めた襟元のせいでリアラは恥ずかしくなる。
「見たいだけじゃない・・・・・・・・・触りたいんだ。」
「・・・・向こう・・・向いてて・・・・・。」
リアラはカイルに一言言うと、後ろを向いた。
「・・・・・・・。」
言われたままに後ろを向くカイル。
そう長くはない時間だが、今のカイルにはとても長く感じられた。
「もう・・・いいよ。」
そう言われて振り返ると、カイルの目の前に眩しいまでのリアラの裸体が広がった。
「う・・・うわぁ・・・・・・。リアラ・・・・・すごく綺麗で可愛くて・・・・・・・」
カイルの眼がリアラの体をみつめる。
「そ、そんなに見ないで・・・・・私、恥ずかしい・・・・・・。」
リアラの両手は下腹部の先を隠しているが、それでも胸を隠す物は何もなく、
綺麗な体はカイルの眼の前に曝されていた。
「こんなに可愛い体してるのに?」
カイルはリアラの胸を指先でつつく。
「あっ・・・・!!可愛くなんて・・・・ああんっ?!」
カイルが胸の先端を舌で舐めると、リアラはかん高い嬌声をあげた。
「そういう所が可愛いって言うんだよ?」
カイルは意地悪く微笑むと、そのままリアラの胸の先端を口に含んだ。
「・・・・!!いや、あ、だめぇ!!やぁ、そんなトコ・・・・・・!!カイルの・・・いじわる・・・!!」
リアラは胸から伝わってくる快感に体を震わせながら、抗議の声をあげた。
体が痺れるような感覚・・・・・・次第に肌が火照っていくのが自分でもわかった。
「今の俺は・・・・英雄じゃないしね。」
言葉と同時に、カイルの両手はリアラの胸を揉み始めた。
「やだぁ・・・・・私・・・・なんかヘン・・・・・・っ!!」
胸に口淫を施され、リアラの頭がぼうっとする。
「リアラ・・・・気持ちいいの・・・・?」
胸を吸ったり揉んだりを繰り返しながらカイルが尋ねる。
誰が見てもリアラが感じているコトは一目瞭然だが、
カイルもそれがわかってて聞いている。
「ん・・・・・ああ・・・・・気持ちいい・・・・・気持ちいいよぉカイル・・・・・・・」
無駄な抵抗はやめ、快楽の並に身を任せるコトにしたリアラ。
羞恥の気持ちはあっても、カイルと交わるコトにためらいはない。
「リアラ・・・・・愛してる。」
「あん・・・・カイル・・・私も・・・・っ!!」
カイルの舌が、まるでリアラの華奢な体確かめるかの様に這う。
胸を終えると首筋に。
そして耳・・・・・時折優しいキスを混ぜながら。
「・・・・・ふあ!!」
カイルが丁度、リアラの耳たぶをしゃぶって遊んでいる時だった。
刺激にジッとしていられなくなったリアラは、
今までずっと秘部を押さえ隠していた手でシーツを掴んだ。
「あ・・・・・・」
何の前ぶれもなく露わになったリアラの秘部が視界に映り、
カイルが小さく声を漏らす。
一瞬時が止まった。
へその真下からは肌の白さと対照的な黒い茂みが広がり、リアラの大事な部分を守っている。
そして、その茂みの奥にうっすらと見える一本の筋。
その筋はリアラの鼓動と同調するかのようにヒクヒクと淫らに動き、その隙間からは時折赤肉を覗かせる。
「・・・・・っ?!きゃあ・・・・・・っ!!////」
無意識の内に手をどけてしまっていたリアラは、カイルの反応でそのコトに気付き、悲鳴とも似た声をあげた。
慌ててリアラが再び隠そうとするが、その手はカイルに止められてしまう。
「!!」
「そう隠さないでくれよ・・・・・・・どうせ、もうすぐそこに行くつもりだったんだから。」
リアラの顔が羞恥に染まる。
「う、うん・・・・・・そうよね・・・・・・。隠してちゃ・・・・何も始まらないよね・・・・・。」
「そんなに恥ずかしがるコトないじゃんか。リアラのここ、すごい魅力的だぜ?」
カイルが顔の位置をリアラの腰まで下げる。
「もういけそうだけど・・・・・・それはまだ後にするか。」
すっかり愛液で湿り気を帯びたリアラの秘部を見て、カイルはつぶやく。
「・・・・・・・・」
恥ずかしさと緊張で混乱しているリアラには、何が『いけそう』なのか意味がわからなかった。
「カイル・・・・・・」
「何?どうかしたの?」
「その・・・・・わ、私だけいつまでも裸なのは不公平だよ・・・・・!!」
リアラは自分の体を指差して言った。
「そっか・・・・・。そりゃそうだな。よしわかった、俺も脱ぐからちょっと待ってて。」
カイルは自分の服に手を掛けながら立ち上がった。
「向こう・・・・向いててあげるから・・・・・」
気を使ってか、カイルに背をむけるリアラ。
「悪いな。すぐに終わるから・・・・っと。」
ガサゴソ・・・ガサガサ・・・・・・
衣服が擦れ合う音が聞こえる。
その音が鼓膜をくすぐり、リアラはいよいよそういう気持ちになっていった。
ガサガサ・・・・・ガサガサ・・・・ガサ。
音が止まる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
しばしの沈黙。
音は止まった・・・・・というコトはカイルが服を脱ぎ終えたハズだが・・・・・・・。
カイルは「もういいよ」とも「脱いだよ」とも何も言わない。
リアラは後ろを向いたまま、ただジッとカイルを待っていた。
すると・・・・
「・・・・・カイル?もう脱ぎ終わっ・・・・・・ひゃあっ?!」
カイルが後ろから抱き付いてきたのだ。
カイルの、細くもたくましい腕がリアラの華奢な体に巻きついている。
「へへっ。驚いた?」
カイルはイタズラな笑みを浮かべる。
だが・・・・・当のリアラは驚いたかどうかどころではなく、
腰の後ろ辺りに当たっている硬い物が気になって仕方がなかった。
(こ・・・これがカイルの・・・・・・・・。)
リアラはゴクリと生唾を飲み込んだ。
(こんなに硬くなって・・・・・・・!!・・・・私の・・・・裸で・・・・・?////)
リアラの心拍数が急に上がる。
「ん?おーいリアラ?何とか言えよ〜。もしかして怒ってる?」
「え・・・・・あ、ううん。ちょっとビックリしちゃったケド、別に全然怒ってないからっ。」
「そっか。よかったよかった。じゃ、リアラこっち向いて。」
カイルに言われてリアラが振り返る。
リアラの眼にカイルのモノが映る。
普通の女の子ならば家族の裸位しか見たコトがないものだが、
家族さえもいないリアラは殆ど初めて見たに等しかった。
「・・・・////」
リアラにまじまじとみつめられて恥ずかしいのだが、先程恥じらっていたリアラに制止を掛けて
結果的に辱めてしまった手前、カイルはそこを隠すワケにもいかず困っていた。
「リアラ、さっきの続きしようよ・・・・。」
「あ、うん・・・・・。」
二人は再び横になり、
枕元のランプだけが、二つの影が愛し合う様を映し出していた。
「そこ・・・・触っていいかな・・・・。」
「・・・・う、うん・・・・その・・・優しく触ってね・・・・・?」
カイルの指がリアラの秘部にそっと触れる。
「あ・・・・・」
まだ気持ちいいワケではないが、ソコを自分以外の指に触れられたコトに思わず声が漏れる。
少し触れただけなのに、カイルが指を離そうとすると愛液が淫らな糸を引いた。
「すごい・・・・・リアラもうこんなに濡らしちゃってるんだ・・・・・・」
いくら指を遠ざけても切れない糸を見て、カイルがつぶやく。
「うああ・・・・言わないで・・・・カイル・・・・!!////」
カイルの素直な感想に、リアラの羞恥は煽られ続ける。
「俺、リアラがこんなエッチな体してるなんて知らなかった・・・・・・。」
蜜壷から溢れかえる愛液が、黒い茂みをを濡らしている。
「やぁ・・・・私そんな・・・・・・っ!!カイルの方が・・・・」
エッチだ、と言おうとしたが、カイルがソコに触れる度に鳴り響く水音にリアラは唇を閉じた。
くぱっ・・・・。
カイルが指で秘唇をこじ開けると、中は淫らに濡れ輝き、カイルを求めるかのように厭らしく動いていた。
「あ、あああっ!!だめ、だめぇ!!あ、や・・・・・カイル・・・!!そこは・・・・・っ!!」
「そこは・・・・何なんだよ?感じるのか?」
女の子の体の構造をあまり知らないカイルは、とりあえず指で内側に触れてみる。
「んああ!!」
「ご、ごめん・・・痛かった?!」
「ち、違う!!やめないで・・・・!!」
カイルは指を離すが、リアラはそのカイルの指を掴んで自分の秘部にまで持ってくる。
「痛くなったら言えよ?」
そう言いながら、カイルは愛撫を再開する。
「・・・・ふあ、あ、んはぁ・・・・そ、そこいい・・・・・!!いいよぉ・・・!!」
「ん?ここがいいのか?」
リアラの反応を見ながら、愛撫を続けるカイル。
「あぁあ・・・・カイルぅ・・・・好き・・・・・・・大好き・・・・。」
こんなに艶っぽいリアラを見たのは、これが初めてだった。
「・・・・ん・・・・そ、そこもいいんだけど・・・・・」
同じ場所ばかりをせめられ続けて刺激に慣れてきたのか、リアラは自ら動いてカイルの触る場所をずらしている。
「随分と気持ちよさそうだね・・・・・・ん?何だコレ?」
リアラの淫腔を弄んでいる内に、カイルの手に何か丸い物が当たった。
「コレ何なんだろ・・・・?」
「ひゃああんっ?!ふあっあああ!!」
これでもかという程の嬌声がリアラの唇から漏れる。
「お、おい?!・・・って、どう見ても痛そうには見えないし・・・・感じてるのかな?」
カイルは豆の様な形をしたソレを指と指で挟んでみた。
「んあん!!や、はあっひああっ!!そこ、そこ・・・もっとぉ!!」
狂った様な快楽の波に押し寄せられ、リアラはしなやかな肢体を踊らせた。
「自分からそんなコト頼むなんて・・・・・さっきまでとは大違いだねリアラ?」
口端から涎を垂らして快感に喘ぐリアラを見て、カイルはからかってみたくなった。
「だ、だって・・・あん!!・・・こんなに・・・気持ちいい・・・・から・・・っ!!」
すっかり思考回路が麻痺してしまったリアラは、それでも真っ白になりかけている頭で必死に答えようとするが、
その行動はただカイルの興奮を促進させてているだけだった。
「もっともっと感じていいんだぜ・・・・・俺がいくらだって触ってあげるからさ・・・・・・!!」
カイルは指先で豆の様な形をしたソレ━━クリトリス━━を弾いた。
「やあんんっ!!あ、ああっ私・・・・っ!!おかしくなっちゃうーーーー!!!」
リアラの腰が沈んでは浮き、忙しく跳ね回る。
その反応から絶頂が近づいているコトを悟ったカイルは、
膨らみきったリアラのクリトリスにトドメの一撃(笑)を食らわした。
「やん・・・っ!?わ、私・・・・・わた・・・・・はぁっ!!も・・・・ダメ・・・・・!!んあ・・・・・あ、イっちゃう・・・・っ!!!
ふああ・・・あっ・・・あっ・・・あっ・・・・」
カイルの腕を握るリアラの指に思わず力が入る。
「あ・・・・カイル・・・・・」
ビクビクと跳ねたかと思ったら、リアラはすぐにぐったりと動かなくなった。
達したコトを確認し、カイルが指を抜き取ると、だらしなく開いたリアラの蜜口から大量の愛液が溢れた。
「気分はどう?」
ぼうっと空中の一点をみつめたまま口を半開きにしているリアラにカイルが声を掛ける。
「うん・・・・・平気よ。ただ・・・・なんか頭がぼーっとする・・・・・」
「俺なんかの下手な触り方でも、ちゃんと感じてくれてよかったよ。
リアラ初めてなのに・・・・・・・。」
カイルが胸を撫で下ろして言うが、リアラはそんなカイルの言葉を聞いてか、
なぜか恥じらうかの様にうつむいていた。
「・・・カ、カイルの・・・別に全然下手なんかじゃなかったよ・・・・?
・・・それに・・・・じ、実は・・・・その・・・・あの・・・・・初めてじゃないし・・・・・・////」
独り言でも言っているみたいに、カイルとは眼を合わさずにリアラは言った。
「ええっ?!初めてじゃないっ?!相手は誰だ?!・・・・・・ロニか?!ロニなんだなッ!!
どうして・・・・そんなコトもっと早く俺に・・・・!!」
「いや・・・だから・・・・ロニとかじゃなくって・・・・・・////」
リアラの頬はますます赤くなる。
「じゃ、じゃあ誰が・・・・?!他のヤツなんだな?!一体ドコのどいつだッ!!俺のリアラによくも・・・・!!」
カイルの暴走は止まるコトを知らない。もとい、カイルの辞書に『STOP』の文字はない。
「あ、あのさ・・・・・////」
カイルの勝手な勘違いのせいで、リアラはすっかり『自慰』だなんて言えなくなってしまい、
困ったような泣きたいような顔でカイルの暴走をただ聞いていた。
「お・・・・お願いだからちょっと静かにして・・・・!!」
「え?」
リアラの掛けた制止に、すっとんきょうな顔をするカイル。
「・・・・・私は別に誰かとなんてしてないよ・・・・・・!!カイルが初めてだから安心して・・・・・・。」
「な〜んだ。俺で初めてかよ〜。よかったよかっ・・・・・・って!!じゃあ一体・・・・?!」
ため息をついたのも束の間、カイルは眉をひそめた。
「・・・・・・・・自分・・・・・////」
リアラが小さな声で言う。
「え?今何か言った?」
どうやら聞き取れなかったらしい。
「だ、だからその、自分・・・・・」
「自分?自分が何だって言うんだよ?」
あまりの無神経さに、腹立たしささえ覚えそうになるリアラ。
「・・・・自分で・・・・自分で触ったに決まってるでしょ・・・・っ?!・・・・カイルのバカっ////」
リアラは頬をふくらましてカイルと眼をそらす。
「あ・・・・そうだよな、リアラが他のヤツなんかとするワケないよな!!
ゴメン・・・・恥ずかしいコト言わせちゃって・・・・・・・」
「・・・・わかってくれれれば・・・いいよ。」
もう怒っていないコトの証明かリアラはカイルにもたれ掛かるように抱きついた。
リアラの硬くなった乳首がカイルに押し付けられ、カイルのモノが硬度を増す。
「・・リ、リアラ・・・・・?そのさ・・・・・そろそろいいかな・・・・?」
「うん・・・・・・もう大丈夫みたい・・・・・。」
一度は達したものの、カイルと話したりしている内にリアラのソコは再び元気を取り戻していた。
「・・・・本当に私のココにカイルのソレが入るのかな・・・・・・?」
リアラは疑問に思いながらも、確認する様に自らの手を秘唇に当ててみる。
くぱっ・・・・
愛液にまみれた秘唇が、糸を引きながらゆっくりと開かれる。
「でも・・・・さっきから私ばっかり気持ちよくなって・・・・・・私のココでカイルが気持ちよくなれるなら・・・・・
私頑張ってみようかな・・・・・。」
リアラの濡れきった淫腔は、ランプの光にぬらぬらと輝き、カイルを誘っている様にも見えた。
「無理・・・・してないか?」
欲望を何とか抑えたカイルの理性がリアラを気遣う。
「無理なんかしてないわ・・・・・・。
それに、少し位無理しないとダメだったとしても・・・カイルに私の初めてになってもらう為なら・・・・・!!」
リアラの決意は固いようだ。
「・・・・・・じゃあ・・・・・入れるよ・・・・!!」
カイルのモノは、この時を待ち望んでいたかの様にリアラの秘唇に喰いついた。
「ん・・・・ダメ・・・入らない・・・・!!」
「もっと力を抜いて・・・・俺に任せていいから!!」
男らしいカイルを見て、カイルになら自分の全てを任せてもいい、とリアラは思った。
「こ・・・・こう・・・・・・?・・・・・・あんっ?!」
言われたままにリアラが力を抜くと、カイルのモノは満たされた愛液に滑り、
奥へと吸い込まれた。
「はぁ・・・・んあ・・・・ひああ・・・・っ!!カ、カイルが・・・そこまで来てる・・・・・!!」
膣口にカイルを感じ、カイルと一つになれたと実感させられる。
「どう?まだ痛くない・・・・?」
「まだ・・・・大丈夫みたい・・・・。もっと奥入れたいでしょ・・・・・?私のコトは構わないでいいから・・・・・・。」
その先に痛みがあるとわかっていても、それでも刺激を求めるリアラ。
今のリアラの顔は、紛れもなく雄を求める雌のソレである。
「だ、大丈夫なんだな・・・・・・・よしっ!!」
リアラによるきつい締め付けと、官能の昂ぶりによってついにカイルも雄と化した。
ズプ。
カイルのモノがリアラの奥を目指して動き出した。
「・・・・あ・・リアラの中あったかい・・・・・ん?」
その時。
「・・・はうっ?!」
急にリアラが悲鳴をあげる。
「リ、リアラ?!」
カイルのモノはそこでつかえ、それ以上はどうにもきつくて進みにくそうだった。
「痛かったのか?!」
「・・・うん・・・・・ちょっとだけ・・・・・・」
『ちょっとだけ』と言うリアラの顔は辛そうだ。
「ちょっとだけって・・・・・・ホントに大丈夫か?女の子の初めてって、すごい痛いって聞いたコトあるケド・・・・」
苦しそうなリアラの顔を、カイルが不安そうに覗き込む。
「・・心配しないで・・・・・。確かにちょっと痛いケド・・・・それは別に異常とかじゃなくて当たり前のコトだし・・・・・・
私の気持ちは・・・・カイルと一つになりたいってだけだから・・・・!!」
「・・・・・わかったよ。リアラがそこまで言うなら、このまま続けるよ・・・・・・!!」
リアラの揺るがぬ意志を聞き、カイルはリアラだけの存在になるコトを心に誓った。
「リアラ・・・・・・絶対に力抜いとけよっ!!」
そう言うと、リアラを安心させるかのように手を握り、カイルは一気に貫いた。
「・・・!!あ、ああああっ!!」
「は、入った・・・・・・うあ・・・・きついな・・・・・」
カイルを襲う窮屈な快感に、カイルは思考回路が停止してしまった。
「・・・・・あ・・・・くっ・・・・・・・・ん・・・・・!!・・・あぐ・・・・・・・んん・・・・・・・・っ!!」
「リアラ?!大丈夫か?!おいリアラ?!」
リアラの漏らした苦しそうな声に、カイルが正気に戻ってリアラを見ると、
接合部からは処女の証である鮮血が愛液に混じって流れ出ていた。
「リ、リアラ・・・・・」
血という物を見て、カイルはなぜか罪悪感と似たものを感じた。
「・・・・ど、どうだ・・?抜いた方がいい?」
「ううん・・・・今更・・・抜いても・・・・一緒だから・・・・。」
「そっか・・・・。動かない方がいいだろ?馴染むまでは・・・・・」
早く快感の中に身を投じたい気持ちも無きにしも非ずだったが、
リアラの体のコトを考えると、カイルは馴染むまでは動かないでおこうと思った。
「・・・・・馴染んできた感じするか?」
カイルがリアラを貫いてから、少し時間が経っていた。
「ん・・・もう、そんなに痛くないかな・・・・・動いて・・・・・いいよ・・・・。」
「ホントに?また無理言ってるんじゃ・・・・・」
「ホントのホント。それに・・・・頑張って痛いの耐えたのに・・・・気持ちよくなれないなんて嫌だもん。」
ぬちゅり・・・・
リアラが少し腰を動かしてみる。
「あ!!あ、んああ!!」
カイルのモノが媚肉を突き、リアラは先程までの痛みは忘れたみたいに嬌声をあげた。
「もう・・・感じてるんだ・・・・・。」
カイルは初めて自分によって相手を感じさせられるコトの悦びを知った。
もちろん、手で感じさせた時もそうなのだが、
やはり『一つになって』というのとは同じ悦びでも度合いが違う。
「ああ・・・・・!!リアラの中きつい・・・・!!あったかくて・・・・気持ちいい・・・」
カイルは腰を動かしながら、下半身から広がる快感に酔う。
「ん・・・あん!!私も・・・気持ちいいよぉ・・・・っ!!カイルのが・・・・カイルのが私を・・・・・・はぁん!!」
リアラは女としての悦びに心と体を震わしていた。
リアラが感じる度に、それに反応してリアラはカイルをきつく締め付け、
締め付けによる気持ちよさでカイルは再びリアラを突く。
そしてまたリアラが感じ・・・・・
ループする快感。
終わるコトなき官能の昂ぶり。
そんな中、二人はお互いの体をむさぼりあった。
「カイル・・・・カイルぅっ!!あ、ん、あは!!すごいわ・・・・・っ!!」
「うあ、あ・・・・・っ!!いい・・・気持ちいいよリアラ・・・・!!」
今や二人を突き動かしているのは、ありあまる欲望と本能だった。
ぬちゅ・・・
リアラのの腰が沈む度に奏でられる、厭らしくも美しい水音。
「ああんっ!!はん、あ、やぁっ!!だめぇ・・・・・や、そんなに突いちゃ・・・・私・・・!!」
聖都に構えられた宿。その一室の暗がりの中で、二人は確かな時を愛し合っていた。
ベッドには既に、淫らな染みがいくつもできていた。
「・・・・!!お、俺もうダメだ・・・・ッ!!リアラ・・・・出すぞッ!!」
カイルは押し寄せる熱に、絶頂の時を悟った。
「カ、カイル・・・・!!あ、はん!!わ、私も・・・・・もう・・・・・あ・・・・イク・・・・っ!!」
リアラの絶頂の瞬間の締め付けによってカイルが達したのか。
それとも、カイルの放った熱にリアラは絶頂へと押し上げられたのか。
二人が達したのは同時だった。
「ん・・・あう・・・・・カイルのが・・・私の中に出てるわ・・・・・。」
悦に満ちた表情で熱を放つカイルを、リアラは嬉しそうに見守る。
ズプ。
カイルがリアラからモノを抜き取ると、半開きになった淫腔から愛液と精液がとろとろと垂れる。
秘唇の周りの可愛らしい茂みは、二人のミックスジュース(笑)によって白い裸体に貼り付いていた。
「リアラのココから・・・・俺達の垂れてる・・・・」
カイルはそんな様子をまじまじとみつめる。
「いや・・・やめてよ・・・・・////なんか、そんな風に言われると恥ずかしいよ・・・・・・」
カイルに熱を放たれてなおヒクヒクと淫らに動くソコを、リアラは恥ずかしげに手で覆い隠した。
「なんだよ今更・・・・?さっきまですごいコトしてたのに・・・・・・」
感じる度に喘いでいた先程までのリアラとの変わり様に、カイルは首をかしげる。
「・・そ、それはそれ!!さっきしてたコトだって・・・・・カイルとだから嬉しかっただけなんだから・・・・・!!」
「・・・・まぁいいケド。それより・・・・・これなんとかしなくちゃな・・・・・。」
カイルは、シーツに広がる『リアラの跡』を指差していった。
「・・・////」
急に静かになるリアラ。
初めての夜に、二人でせっせと後処理をする姿は微笑ましいものだった。
そして・・・・・
「カイル、お待たせ。」
テーブルにコーヒーの入ったコップを置きながら、リアラはカイルの隣に腰掛ける。
「悪いな、俺の分まで。」
「ううん。今日は・・・・・楽しかったよ、カイル。」
軽く頬を染めて言うリアラの姿は、先程までの妖美な風ではなく、いつもの純真さを取り戻していた。
「ああ・・・・。また・・・・こんなコトあるかな?」
カイルが期待の念を込めて聞く。半分位は誘ってもいるようだ。
「・・・もちろんよ。近いうちに・・・・・ね♪」
あっさりと誘いに乗るリアラ。
「あ、そうだ!!はじめて記念に乾杯しようぜ?」
「コーヒーで?」
カイルの提案に、リアラは笑って言う。
「そんなトコどうでもいいの!!大事なのは、初めて記念ってトコ!!」
カイルが説明する。
「あはは、カイルらしくていいわね。やりましょ!」
「「乾杯〜♪」
そう言った瞬間、自然と二人から笑みがこぼれる。
「ところでさ〜、このコーヒー激甘なんだけど。」
「え?」
「リアラ砂糖何個入れたんだよ〜!!」
カイルが顔をしかめる。
「・・・・そ、そんなトコはどうでもいいの!!大事なのは一緒に飲めるってトコなの!!」
「何だよそれ〜!!」
それからも二人は、笑ったりふざけたりしながら、しばらくの間語り合った。
「じゃあ、私もう部屋戻ろうかな。」
スッと立ち上がると、リアラはドアのノブを握った。
「え〜?!普通この流れからいってさ、一緒に寝るのが王道ってモンだろ〜?!」
不満そうな顔をするカイル。
「ダメよ、ロニに見つかっちゃう。」
「・・・・そっか・・・・。」
「カイル、また明日。」
納得したカイルに、リアラは軽く手を振りながらノブを回した。
「ああ!明日はフィリアさんの所に顔出してから、ウッドロウさんのいるファンダリアに向けて海の旅か〜!!
ワクワクするぜ〜!!」
「ふふ。やっぱり英雄が好きなのね。」
久しぶりに子供らしいカイルを見て、リアラは何だか懐かしく感じてホッとした。
「そりゃあそうさ!!なんてったって、俺は今に英雄になるんだからな!!
英雄ってのを積極的に学ばないと・・・・・!!」
「あれ?カイルはもう英雄になったでしょ?」
未来の自分の姿に瞳を輝かせているカイルに歩み寄るリアラ。
「へ?」
思わぬリアラの言葉を聞いて、とぼけたような声をあげるカイル。
「おやすみ。リアラの英雄さん♪」
ちゅ。
リアラはカイルの頬に軽くキスをすると、カイルの部屋を後にした。
「リアラ・・・・・////」
最後にされたキスとリアラの残り香に、カイルは酔う様にポーッと天井を見上げていたが、
リアラとの初夜に疲れたのか、少しすると布団も着ないまま寝息を立て始めた。
「・・・・本当はリアラ『だけ』の英雄だけどね♪」
カイルが眠ったコトを確認してから、リアラはドアにもたれてつぶやいた。
月明かりの下で・・・・・・・。
〜END〜
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