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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
銀色の空と大地のもとで サイン氏 チェルシー×ウッドロウ 2004/05/11 -

白銀の国・ファンダリア。
ファンダリアの王都・ハイデルベルグには賢王と呼ばれ、
民から慕われる人物が居る。
かつて世界を救った四英雄の一人でもあり、
千年の栄枯盛衰を繰り返したファンダリアを統べ、
世界最強と呼ばれた兵器・ソーディアンの
マスターでもあったその人物の名を、
『ウッドロウ・ディル・ファンデリアス・ケルヴィンU世』と言う。
この国に『四季』と言う概念は存在せず、人々は黒く重たい雲と、
その雲から零れ落ちる雪に覆われ、日々の営みを続けている。
それでも、雲が晴れ、雪雲の無い天候が続く時期がある。
四季の在る国の民に言わせればそれは『夏』と言えるのかも知れない。
その日の謁見を全て済ませた賢王の元に
桃色の髪を持つ活達な少女が表れたのは、
そんな快晴が続く日の夕刻になった時だった。

「お久し振りです、ウッドロウ様。 御健勝の痲(ミギリ)、お喜び申し上げます」
片膝を着き、恭しく礼をするチェルシーに、ウッドロウは少し驚いたようだ。
「驚いたな…。昔はいきなり私に抱きついてきたりしたモノだが…」
「意地悪ですね、ウッドロウ様。 私ももう分別をわきまえる年ですよ」
少し頬を膨らませ賢王に抗議する少女。 大人に近づいたその顔立ちでも、
その仕草はとてもチャーミングだった。
「ハッハッハ…。 すまないな、チェルシー。
 また子供扱いになってしまったな」
ふてくされたような仕草でチェルシーは言い返す。
「い〜え、気にしていませんから良いですよ〜。
 きっとお優しい賢王陛下はこの後、傷ついた少女をなぐさめる為に
 夕食を御馳走してくれるでしょうし〜」
語尾が上がり口調の催促にクックッと笑みを堪えながら、
「本当にすまなかった。 お詫びと言っては何だが、夕食を一緒にどうかな?」
と、ウッドロウはその催促に乗る事にした。
「では、お言葉に甘えます♪」
その笑顔は、かつての幼い少女の頃と、何ら変わらないものであった。

     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

夕食を済ませ、そのまま自室にチェルシーを誘ったウッドロウは、
ここ数年のハイデルベルグの復興状況・経済状況・個人的な事件などを
チェルシーに話していった。
チェルシーも自分がどのように暮らしていたか、そして見て回ってきた
ファンダリアの各地方都市の状況をウッドロウに伝える。
話が事務的な物から私事に及んだ辺りで、スタン達の話題になった。
「チェルシーにはまだ言っていなかったな。 実は先日
 スタン君達から手紙を貰ってね、 二人の子供が生まれた、との事だ」
「わあ! そうなんですか〜! それで、ドッチなんですか!?」
この『ドッチ』とは、性別の事を聞いているのだな、と理解したウッドロウは、
「男の子らしい。 名前は『カイル』と名付けた…と書いてあったな」と答える。
「そっかあ〜…。 チェルシーも子供、欲しいなぁ………」
「その発言には別の意味も含まれる事を理解していないのかい?チェルシー」
「エヘヘ…。 別にそんな深い意味を持たせたかった訳では…」
照れ笑いを浮かべながら頭をポリポリとかくチェルシー。
ふと、笑顔を消して真面目な表情になりながら、
チェルシーは外の景色に視線を移し、つぶやく。
「あれからもう、3年になるんですね…」
「ああ…。 もう3年になる………」

神の眼の騒乱。グレバムの手によりファンダリアは国王を失い、占領された。
グレバムを倒し国家再建を始めた矢先、今度はヒューゴによって
世界が崩壊する危機に立たされた。
空中都市郡を破壊した時に、地上に降り注いだ無数の外殻の残骸。
世界の殆んどが、今なお復興の途中にある。
「あの時はチェルシーにも随分と助けられたな」
「そんな…。 私は、スタンさん達の進む道を作る事しか出来ませんでした…」
あの時、ダイクロフトに突入したスタン一行は、
ソーディアンを持つ四人をミクトランの元へ向かわせ、
チェルシー・マリー・ジョニー・コングマンの四人は
襲い来る機械生命体であるガーディアンの群れを
神の眼の間に近付けないよう戦った。
スタン達がミクトランとの戦いに集中出来たのも、
大量の雑魚をチェルシー達が防いでいたからである。
「いや。あの時チェルシーやマリー殿が居なければ、
 我々は大量の敵とミクトランを
 同時に相手にしなければならない所だっのだ。
 十分に役に立ったと誇るに然るべき、だと私は思うが」
「ありがとうございます、ウッドロウ様…」
少女の瞳は、少し潤んでいた。
「…? どうしたんだい、チェルシー?」
「い、いえ…。何でも無いです…。 そうだ、ウッドロウ様。
 今夜は天気も良いですし、外に出てみませんか?」

     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

寝室の窓辺にあるバルコニーに2人は足を踏み出す。
空は雲一つ無く、満天の星空が二人を照らす。
「綺麗ですね〜…。 見慣れてる景色なのに、
 初めて見るような気になってしまいます……」
「確かに美しいな…。 ここ迄の晴天は過去、私も見た事が無い…」
二人は、暫し無言でその風景を見つめていた…。
「…ウッドロウ様………」先に沈黙を破ったのはチェルシーだった。
「ウッドロウ様は、どうしてまだ王妃を迎えないのですか?
 正室を迎える気は無くとも、側室だけでも…と、国民は心配していますよ」
「その話題は周りの者からも言われているよ。
 だがこの件に関してだけは、
 私は世継ぎを作らなくてはならない王族の身に生まれた事を嘆いているよ」
バルコニーの手摺りに背中を預け、チェルシーは続ける。
「つまり、子作りや国の為だけの婚姻は嫌だと?」
「ああ…。 どうにも私の恋愛観は王族としては失格らしい」
「それは………」
少し強い風が、チェルシーの髪をはためかす。
そして静かに目を伏せ、聞き間違えの無い、良く通る声で問いただした。
「マリーさんの事があるからですか?」
「…! チェルシー…」
「『知っていたのか』って顔ですね。
 むしろ気付かれてないと思っていたんですか? ウッドロウ様」
顔をバルコニーに向け、ふふふ、と笑う。
その笑いが調子外れに聞こえたのはウッドロウの幻聴だろうか。

チェルシーの質問にはあえて答えず、遠くの空を見やりながら
ウッドロウは、まるで独白するかのように声を発する。
「…一度は、ダリス殿を助ける事が出来たのにな…。
 どうして全てが終わった後に、マリー殿にあんな仕打ちが……」
マリーの夫であるダリス。
一度は命を取り留めた彼は、外殻崩壊によりサイリルの町ごと押し潰された。
地上に戻ってきたマリーの呆然とした表情を、
愛する夫を今度こそ失ってしまった涙を、
ウッドロウも、チェルシーも鮮明に覚えている。
「すまなかった、チェルシー。 埒も無い事を言ってしまった…」
「そんな愚痴を聞いてくれる妻を、早くお迎えになったらいかがです?」
ふと、チェルシーの瞳が潤み始めた。
『言っては駄目』と思う心と『このまま勢いで』と思う心がせめぎ合う。
「……例えば、私とか……」
「………!!! チェ、チェルシー……?」
ウッドロウは瞳を見開く。 予想もしていなかった言葉を聴いたからだ。
チェルシーは後悔した。 だが一度言ってしまった以上、もう止められない。
「…私では、駄目ですか……?」
聞かなくても分かっている。 ウッドロウ様がどう答えるかなんて…。
「…チェルシー、私は…『言わないで!!』
チェルシーはウッドロウの拒否の声を遮った。
そしてそのまま駆け出し、ウッドロウの胸に飛び込んだ。

「マリーさんの事を諦めきれないのは知っています。
 そして私はウッドロウ様にとって妹でしかない存在だって事も…。
 ですが、私のこの思いを、せめて無下にしないで下さい……」
ウッドロウは思わずチェルシーを抱きしめる形になってしまった。
華奢な身体なのに、柔らかく、暖かい。
未熟な少女ではなく、完熟への階段をのぼる途中の、アンバランスな魅力…。
ウッドロウが一人の女性だと意識するのに十分だった。
「…チェルシー、良いのか?」 ウッドロウは彼女の想いに応える。
「チェルシーがそう言うなら、私は君を抱けるよ。
 だが、そんな本当の愛情の無い行為で、君は満足出来るのか…?
 後で後悔するのなら、後で傷付くだけなら、
 こんな事をしても無意味ではないのか?」
「……大丈夫ですよ」 チェルシーもウッドロウを見上げて応える。
「私はそんな事で傷付く程、弱くはありませんよ。 それにウッドロウ様は、
 抱いてくれるその時だけは、私を世界一愛してくれるでしょう?
 抱いている最中に無心でいられる程、
 薄情になりきれない人ですからね、ウッドロウ様は………」
チェルシーの瞳には、涙が浮かんでいた。
その涙を見て、ウッドロウは強く抱き締める事で応えた。
互いに純粋だから、不器用だった。
互いに屈折してるから、想いは真っ直ぐだった。
「寝室へ…」
どちらが促したか、互いに分からなかった。

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衣服を脱ぎ、ニーソックスだけをつけただけのチェルシーは
大きなベットに仰向けに横たわった。
その体は、少し震えていた。
この国特有の肌寒さだけではない、
別の意味で震えている事に気付いたウッドロウは
「どうしたんだい?」と、聞く。
「別に…。 ただ、少し恥ずかしくて…」
そう言いながら頬を染め、視線を逸らす。
「私も経験は無いに等しいが、可能な限り優しくするよ…」
ウッドロウはチェルシーにソッと口付けをする。
唇と唇が触れ合うダケのKiss。
そしてチェルシーの瞼(マブタ)に、頬に、耳たぶに…。
触れるか触れないかの微妙な加減でキスをしてゆく。
興奮と羞恥心で敏感になっている肌に、
例えるなら指先でなぞらえる様なキスをされ、
チェルシーの体は幸福な快感に覆われてゆく。
首筋から鎖骨へ…。 そして脇の下へ…。
ウッドロウはチェルシーの体にキスをしながら、体を密着させてゆく。
少しずつ大きくなっていたウッドロウのソレが、
チェルシーの下腹部に押し充てられた…。
「あ…。お腹の下の方で…ビクビクしてます…」
「恐いかい?」
「す、少しダケ…。 でも、続けて下さい…」
まだ発育の余地を残した乳房を揉まれ、乳頭を口に含まれ、
未開の恥丘に手淫を施されていく内に、
異性を受け入れるための潤滑剤が溢れ出してゆく。

やがてウッドロウに両足を広げるよう言われ、その通りにしながら、
おしめを替えられる赤ん坊のようだな、
とチェルシーは場違いな感想を抱いた。
「充分に濡れたようだね…。 そろそろ、大丈夫かな?」
竿のように丸みを帯びた先端があてがわれる。 チェルシーは息を飲んだ。
ムニュ、と左右に盛り上がった秘唇を分け入り、先端がめり込んでいく。
開かれていく部分が火傷しそうなくらいに熱く、
自分の一部とは思えない程柔らかく蕩ける(トロケル)ようだ。
チェルシーの心音は加速度的に早くなっている。
狂おしいほど心臓が踊る中、うず、と奥が疼いた。
「は、初めてだから……優しくして下さい……」
自分からお願いしておきながら情けない。
いざとなったら怖くて、緊張して、どうしようもなくなっていた。
「もっと、身体から力を抜くんだ。そうしないと、かえって痛くなるよ」
ウッドロウの気遣う、優しい声に幾分安心したチェルシーは、
苦労しながら身体の力を抜く。ウッドロウはチェルシーの両足を抱え込み、
優しく、そして力強く腰を前進させた。

「今、自分がどうなっているか、説明出来るかい?チェルシー」
「は、はい…」
戸惑いながら、チェルシーは行為の1つ1つを確認するように説明してゆく。
「あ、あたってます…。 ウッドロウ様のものが、私のナカを圧迫して…。
 窄まりを押し広げられて…何だか、耳たぶを思いっきり
 引っぱられたような… 異様に突っぱった…感覚が……あっ…!
 ふ、ふぅ……!!」
「続けて…」
「わ、私の、膜が、抵抗してて…。あ…もうダメ…ダメですぅ……
 これ以上は…。はぁあんんっ…! あっ、は…っ、はひ……っ、弾け…!!」
膜が弾ける感触がした…と言おうとしたが、肉を拡張しつつ
ズル、ズル…と侵入してくる感覚に、それどころではなくなってしまった。
カッと真っ赤に上気した顔に、
まるで身体が裂かれていくような感覚と、大量の汗が噴き出していた。
「あ…は、入った……凄い…凄いですぅ……」
背を仰け反らせ、お腹で浅く息をする。平らな下腹部がへこみ、
膣道の部分だけが相反して盛り上げっている。
奥まで挿入されて、疼きが止まった。

「…まるで、口の中いっぱいに…されたような、そんな気分、です……」
涙で瞳を潤ませるチェルシーに、
「痛くないかい?」 と、心配そうに尋ねるウッドロウ。
「少しだけです…。 けど、痛いから泣いているんじゃないですよ…。
 ウッドロウ様と、1つになれた事が、嬉しいから泣いてしまったんです……」
「そうか…。 …しかし、チェルシーの中は凄く気持ちが良いな…」
ウッドロウの表情には、結構余裕が無くなっていた。
「え…? そ、そんなに気持ち良いんですか?」
両手で口元を隠しながら、頬を染めて聞き返すチェルシー。
イタズラ心を刺激されて、ウッドロウにも現状を説明するよう促す。
「そ、そうだな…。キツくて、熱くて、ヌルヌルしていて、
 私のが千切れてしまいそうな程ギュウギュウ締め付けてきて…ッ……!」
注送してる訳でもないのにウッドロウは射精感を刺激させられているようだった。
「ウッドロウ様…動いて下さい…。 もっと、ウッドロウ様を感じたいんです…」
気持ち良いと言われて嬉しかった。大好きな人の為なら、
私はいくら痛くても我慢できます…。 そう、瞳が訴えていた。
破瓜直後の身体を気遣いながら、ウッドロウはゆっくりと腰を揺すり始めた。
「あぅぅ…。 はっ、あくっ」
男女の交わりが、こういうものだと初めて理解した。
それ程痛くは無いが、みっちりと膣を埋められて、苦しく、そして切ない。
それでも、自分の上で懸命に動くウッドロウが愛しかった。
玉の汗を滲ませ、息を乱しながらこすり付けて来る。
その仕草に一瞬、可愛いと思ってしまったのは母性の成せる技かどうか、
チェルシーには判断がつかなかった。

「んっ、んんっ、あっ、あっ、あはっ」
初々しい粘膜を刺激されながら、
膣内の愛液が分泌量を増している事に気が付く。
まだピリピリと痛みは走るが、全然気にならない。
それどころか、段々と気持ち良くなっている自分に少し驚く。
(私…初めてでこんなに感じて……。 実は結構インランなのかな……?)
小刻みに灼熱の棒が出入りしている中、
そんな事を考える余裕があるのにも驚くチェルシーだが、
陰唇をめくり、巻き込み、どんどん硬くなって往復する剛直に、
絶頂の域まで押し上げられていく内、次第に何も考えられなくなっていった。
「くっ…!」
ウッドロウの快楽中枢が悲鳴を上げ、急に抑制を失い、
狂暴な衝動に任せて腰が叩きつけられた。
「はっ…、うわあぁぁぁぁぁ…!!」
がくがくと身体を揺さぶられ、伸びやかな両足が宙で不規則に暴れる。
「あっ…!中で、もっと膨れ上がって……ああっ!!」
最後の嬌声は胎内に熱い飛沫を受けた瞬間と、ほぼ同時だった。
「あ………。 いっぱい、流れ込んで…きて……」
男根の先端から勢い良く放出される液体の感覚に、チェルシーは陶酔した。
2人は暫らく繋がったまま、荒い息を整えるのに終始した。
「………大丈夫かい? 痛くは無かったかい?」
先に声を発したのはウッドロウだった。
その優しい言葉を聞きながら、
チェルシーの表情は急にかげりを帯びていった…。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…もう終わり? ううん、ウッドロウ様に不満なんて無い…。
初めての私にこんなにも優しくしてくれて…
今だって、私を気遣ってくれて…。
でも、でも…。ウッドロウ様の優しさが辛いの…。
多分、きっと、もう二度とこのお方とこんな事は出来はしない…。
こんなにも好きなのに、こんなにも恋焦がれているのに、
こんなにも愛しているのに、もう終わりなんて、そんなのイヤ!
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「ウッドロウ様…」
処女の紅い印しと混ざり合う白濁液を狭い入口から滴たらせたまま、
チェルシーは上体を起こそうとする。
ウッドロウは不思議に思いながら、自分の足を動かしつつ、
結合が解けないように座位の格好にした。
「チェルシー、どうしたん…」 言い終わらぬ内にチェルシーに突き飛ばされ、
騎乗位の格好になってしまった。
「………」
「チェ、チェルシー…?」
無言のまま微動だにしないチェルシーに声をかけるウッドロウ。
刹那、チェルシーは懸命に腰を揺り動かす。
「んっ…くぅあっ…」
初めて絶頂を迎えたばかりの肢体には快感よりも苦悶の感覚が襲ってきたが、
それでもチェルシーは動きを止めなかった。
もっと一緒にいたい。もっと繋がっていたい。もっと愛して欲しい。
例え仮初めの愛でも、今はこの瞬間を忘れない程に、
身体に刻み込んでおきたいから…。

いきなりのその行動に、ウッドロウは疑問と驚愕を混ぜ合わせた表情をした。
「チェルシー、な、何を…」
一度放出した男性自身は、持ち主の意思を無視して、
再び開始された刺激に反応して硬度を取り戻す。
チェルシーは動きながら、ウッドロウの耳元に口を寄せ、
聞こえるか聞こえないか…とても小さな声で、
「私のすべてで、もう一度…」そこで一度言葉が切れ、
頬を真っ赤に染めながら、
「もう一度、感じて下さい……」そう、呟いた。
その言葉でウッドロウの股間に、もう一度血が集まりだす。
そんな恥ずかしい言葉を紡ぐのに、チェルシーがどれ程の勇気を出したのか、
ウッドロウには良く分かったから。

     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

「あっ、あっ、あっ、あっ…。 ああっ」
体全体を襲う刺激に喘ぐチェルシー。
ウッドロウは両手で2つの乳房を揉みしだき、唇や舌先で胸の突起を弄ぶ。
それを続けながら、腰を跳ね上げるように動かし、
ようやく馴染んできた秘唇を絶え間無く刺激し続けた。
チェルシーはもっと胸をいじって欲しくて、
前かがみになりながら、自らも腰をくねらせる。
「はあぁ…、あう…、ああっ……!!」
チェルシーの中から溢れ出る愛液は、
先程ウッドロウが放った精液と混ざり合い、
2人の律動に合わせてクチュ、クチュ、と淫靡な音色を奏でていた。 
再び絶頂へと駆け上がる意識の中、身体の動きをそのままに、
チェルシーはとろけきった瞳でウッドロウを見つめた。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
雪国の王に相応しいこの銀の髪…
鍛え抜かれた精悍な肉体、形の整った美しい顔…
その1つ1つが情事による汗で光り輝いている………。
ああ、どうして…。
どうしてわたしはこの人を自分の物に出来ないのだろう?
ううん。独占欲なんて出しては駄目。
わたしはこの人の傍に、少しの間居られればそれで良い。
そう決めたじゃないの……。 そう、自分で決めたじゃないの………。
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「あっ…ウッドロウ様…ウッド、ロウ様…ああ…はっ、あっ、あっ!」
2度目の絶頂を至近に感じながら、チェルシーは快楽神経に集中した。
突き上げられる衝動に瞳から涙が零れ、口から涎が溢れ、
身体全体から汗が噴き出していた。
「チェ、チェルシー…。 ……………っ!!……」
限界の、最後のひと突きがチェルシーを再び絶頂へと飛翔させ、
一瞬の間を置き、ウッドロウも限界を突破した。
2度目の放出にも関わらず、勢いは弱まる事無く、
数刻前まで未踏であった深奥へと流れ込んでいった…。
「ウッドロウ、さま…」
そのまま力なくウッドロウの胸板に横たわったチェルシーは、
「だいすき、です……」
そう言って、ひと際大きい涙を流した………。

     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

大抵の初心者はそうだが、行為が終わった後に衣服を着る時、
何故か気恥ずかしさと照れが出てしまうものだ。
お互いが一言も喋らず、衣擦れの音だけが響くと余計である。
「…チェルシー。 やはり、私は…」
「言わなくても分かりますよ。 予想はついてましたし」
「あ、いや…」
衣服を着終えて、ベットの端に座るような格好をするチェルシー。
「もう、お城へは来ません。 それにわたし、やりたい事が出来たんです」
「やりたい事…?」
「本当は今日ここに来たのは、
 ウッドロウ様からその許可を頂きたくて来たダケだったんですけどね」
チェルシーは舌をチョロッと出し、
いたずらを見つかった子供のように照れて笑った。
そして真剣な眼差しで一言、「ジェノス復興の許可を下さい」 と。

「ジェノスの…復興?」
ウッドロウは復唱し、そして表情を硬化させた。
「し、しかし…。 ジェノスはサイリルと同じように
 外郭の直撃を受けて壊滅したのだぞ。 しかもその所為で地盤は緩み、
 常に雪崩を起こしかけない状態だ。
 ジェノスの復興はとてもじゃないが…」
「お爺ちゃんの為でもあるんです」 遮り、チェルシーは答える。
「…そうか、そうだったな…。 あの山には…アルバ師匠も…」
ジェノスだけが外郭の直撃を受けた訳では無い。
ジェノス近辺の山や遺跡にも、外郭は等しく降り注いだ。
考えてみればマリーも、チェルシーも、失った存在こそ違え、
大切な人を失ったのは同じなのだ。
「大丈夫ですよ。 実際に再建するのはもう少しふもとの位置にしますから…」
「………いいだろう。 復興の支援が出来る状態では無いが、
 ジェノスへの民の誘致ぐらいは何とかなるだろう」
「良かった…。 これでもう、安心して行けます。
 ………けれど最後に1つ、お願いしても良いですか?」
チェルシーはベッドから立ち上がると、寝室の片隅に置かれていた
素朴な、だが洗練された偉匠の作ったものと連想させる物に手を触れる。
そして俯きながら、ウッドロウと目を合わせないようにしてつぶやく。
「これを…。 この鎧を……。 わたしに頂けませんか………?」
その鎧は、かつてウッドロウが流浪の旅に赴いた時、
そして神の眼の騒乱時に最後まで愛用した青磁の鎧だった。

チェルシーの声は震えていた。
その言葉が永遠の別れを決意したものだったから。
今彼の目を見てしまったら、彼女はもう、涙を堪え切れそうに無かった。
ウッドロウはそんな彼女を見て、
何だか達観したような態度で深く息を吐いた。
「それは君に預けておこう」
「ウッドロウ様…?」
チェルシーはウッドロウが何を言いたいのかが分からず、彼の方を見やる。
その時のウッドロウの表情が、祖父の山小屋で初めて出会った時と同じ、
優しく、慈愛に満ちた表情だったのだ。
「その鎧は私の大切な思い出の品だ。 君の復興の励みになるなら
 喜んで貸し出そう。 但し、復興が成されたその時は………」
ウッドロウはそこで一度、間を空けて言う。
「私がその鎧を取りに行く。 いいかね?その時は必ず返して貰うよ」
チェルシーはウッドロウが何を言おうとしているのか理解した。
今はまだ、チェルシーの想いに応える余裕が無い。だが、
更に時を重ねた時、改めてチェルシーの想いに応えよう。
そう言いたいのだと……。
「ウッドロウ様………」
ウッドロウの優しさに胸を打たれ、
チェルシーは涙を流すまいとしたが、その試みは呆気無く失敗し、
チェルシーは鎧を抱きしめながら涙をポロポロと流し、
「ッ…。 あ…ありがとう…ヒック…ございます………」
顔をクシャクシャにして笑った。

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それから12年の月日が流れ、
スタンの息子と名乗る少年が賢王の元を尋ねてきた。

「初めまして、賢王・ウッドロウ陛下。おr…ジャナカッタ、私の名前は
 カイル・デュナミスと言います。 御目通りを許して頂き、光栄です」
次いで黒みのかかった銀髪の青年が膝をつき、恭(ウヤウヤ)しく言葉を発する。
「私の名は、ロニ・デュナミスと申します。
 旅に出る前は、クレスタで商いの見習いをしておりました」
最後に、カイルの斜め後ろに控えていた色白の少女が、
スカートの裾を両の指先で摘みながら優雅に礼をする。
「リアラ・デュナミスです、初めまして。
 今はカイル、ロニと共に世界を旅して回り、
 見聞を広げている最中にあります」
三人の若者の挨拶を受け、賢王は破顔した。
「堅苦しい挨拶は抜きにしようじゃないか。
 スタン君の息子なら私にとっても息子だ。
 これからは『陛下』など付けずにウッドロウと呼んでくれれば良い。
 私も、以後君の事をカイル君と呼ばせて貰おう」
「あ、ありがとうございます!陛k…ジャナクッテ、ウッドロウさん!」
いかにも恐縮、とゆう感じで少年は頭を下げた。
「そろそろ夕食の時間だな…。 どうだろう、
 今日は私と一緒に食事を摂らないかね? 三人の分も用意させるが」
「ヤリィ! カイル、ここはお言葉に甘えるとしようぜ」
「うん、そうしよう!
 お城の料理なんて…どんな物が出てくるのか楽しみだよ!!」
「もう!二人とも遠慮って言葉を知らないの?」

食堂に移動し、豪華料理に舌鼓をうっているカイルに、賢王は質問をした。
「ところで…カイル君達は次の目的地は決めてあるのかね?」
「え? いえ…別に……」 唐突の質問に戸惑うカイル
「私達はこれから暫らくこの街に逗留しようと思ってまして…」と、リアラ。
「だから、それからの予定はまだ立てていないんですよ」と、ロニが続ける。
「そうか。ならば明日、私と共に行かないか?」
「行く…って、何処にですか?」
「初の視察としてジェノスに行く事になっていてね」

     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

8日後、カイル達はウッドロウと共にジェノスの街に到着した。
「うわ〜! おっきな街だな〜!」
「ハイデルベルグ程じゃあ無いが…。
 こんなに大きな街はそうそう無いぜ…!」
「カイル、ロニ、見て!! 広場に街の人が集まってるみたい!!」
街の人々は、初めての賢王視察の報に沸き立ち、
まるで祭りの様な騒ぎになっていた。
そんな中、街の広場が一望出来る家屋の3階で、
ウッドロウは、ジェノス市長であるチェルシーと2人になっていた。

「君もとうとう30を越したか、チェルシー」
正確には32歳だが、ウッドロウは敢えて細かくは言わなかった。
「ウッドロウ様も、41になられたのでしょう? お互い、歳を取りましたね」
そう言って、チェルシーはふふ、と笑う。 つられてウッドロウも笑った。
「彼がスタンさんとルーティさんの?」
チェルシーが窓の外を見やる。
外の大広場では何時の間にかキャンプファイヤーが焚かれ、
その周りを囲んで踊る市民に混ざって、カイル達3人も踊っていた。
「ああ、真ん中の金髪の少年だ。 あの歳でなかなかどうして…。
 スタン君に負けず劣らずの見識の持ち主だったよ」
「賢王にそこまで言わせるとは、彼も驚くでしょうね…」
「茶化すな、チェルシー」 そう言いながら笑い、
ウッドロウはチェルシーの顔を真摯に見つめる。
「良く頑張った物だ。 かつてのジェノスより大きい街になっている…」
「まだまだですよ。 目標は『雪のノイシュタット』と言われるぐらいに
 大きくする予定なんですから」
「どうかな、私個人としては第2のハイデルベルグ…
 いや、第2のアイグレッテと言われる迄、発展しそうな気がするが?」
「流石にソコ迄は無理ですよ」
チェルシーはウッドロウの下手な冗談に笑顔で答えた。
そもそも、地理的な問題があるのだから。

「ところで…」 ふと、チェルシーはウッドロウと腕を組み、
「今宵、賢王の夜伽を務める者は誰ですか? まだお決まりでないのなら、
 わたくしめに一晩のお情けを下さいませ」
そう言ってウッドロウの顔を見上げる。 
悪戯な笑みを浮かべたチェルシーを見て、
それが冗談のオブラートに包まれた誘いだと理解したウッドロウは、
憮然とも真面目とも言えない表情で、
「そんな誘いをするものでは無い」と言い放った。
「このような女性はお気に召しませんか?」
ウッドロウの言動に続きがある事を理解したチェルシーは、
わざと悲しそうな顔をして問いかける。
「ああ、ダメだ。 そちらの方面に大らかな女性は嫌いだ。 だが…」
ウッドロウはチェルシーの顔を覗き込みながら続ける。
「だが、チェルシーなら話は別だ…」
「ウッドロウ様…」
そんな会話を自然にした2人は、互いに寄り添い、抱擁を交わした。
そして、熱い口付けを交わす。 舌と舌とを絡ませ合う、大人のキスを。
やがて窓に映る2人の影がベットに横たわっていく瞬間を、
外で騒ぎ続ける市民の誰もが、気が付かなかった……………。

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それから更に14年の時が流れたある日、
ウッドロウ・ケルヴィンは55歳の生涯を閉じた。
死因は老衰だったそうだが、
死の前日まで精力的に職務を行っていた賢王を見ていた側近達は、
その突然の死に驚きを隠せなかったと言う。

だが世継ぎも存在せず、後継者を決めずに崩御してしまった事は大問題となる。
やがて次代の国王を目指す貴族達の反目が原因で、ファンダリアは
30年の長きにわたる平和を手放し、王国全土を巻き込む内乱へと発展した。
1年の内に国力は衰え、民衆が半ば貴族達の奴隷と化していた国内において、
唯一被害を受けていなかったジェノスの市民は、
『国は国民の為に有り』の言葉を旗印に、護民軍としてジェノス解放軍を結成、
疲弊していた各貴族達の根拠地を次々と制圧していった。

その中で常に先陣に立ち、兵士達のリーダーになっていた1人の少女が居た。
歳は10代半ばのその少女は、かつて弓匠が使い、
その孫娘が愛用した由緒ある弓を右手に持ち戦場を疾駆する。
透き通るようなブルー・アイと腰まで伸ばした銀髪をなびかせ、
少女は己を省みず、ファンダリアの民の為に戦い続ける。

ジェノス解放軍の兵士達は、
その若過ぎる指導者の事を愛敬の意を込めてこう呼んだ。

『賢王の忘れ形見』と………。

                               終わり


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