総合トップ>SS一覧>SS No.2-005
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ゼロイドの野望〜しいな編〜 |
623氏(6スレ目) |
ゼロス(ロイド)×しいな |
2003/09/29 |
- |
「さて、ロイド達と合流できたことだし、今度こそは絶対にミトスを倒してやらないとね!」
・・・間違いない。
このしいなは・・・俺が知ってるしいなだ。
「それにしてもコレットがあそこで、あ、それ、わたしです、って言ってくれれば完璧再現だったのになあ。」
「え・・・だってあたしは神子じゃなくてロイ・・・ゼロスのどれ」
「しいな、ちょっと二人きりで話したいことがある。」
俺はコレットを静止してしいなにそういう。
「ん、なんで二人っきりな必要があるんだい?」
「コレット達が絡むとちょっとややこしいことになるんだ。」
「よくわかんないけど・・・分かった、じゃあそこの奥の茂みで。」
俺はコレット達にここで待つように言ったあと、しいなを追った。
「・・・それじゃあ・・・あのときの記憶が残っているのはあたし達だけなのかい・・・?」
「ああ、そうみたいだ。」
しいなは俺が救いの塔で死んだあの後、穴に落ちて死んだらしい。
そして・・・俺と同じく気がついたらコレットに神託が下る数日前だったそうだ。
今、テセアラにいたのはただ単純にシルヴァラントに行かずに俺たちを待ってただけの話のようだ。
「・・・そういえば、クラトスはともかくジーニアスはどうしたんだい?さっきいなかったじゃないか。」
「ああ、あいつは無理やり村に残らせた。」
「じゃあ・・・あいつ、は・・・?」
しいなは急に切なそうな顔になった。
「・・・ゼロスのことか?」
しいなは、無言でコクンと頷いた。
俺はメルトキオの広場であったことの一部始終をしいなに伝えた。
しいなは・・・とても、悲しそうな顔をした。
「あのとき救いの塔で、あいつの存在は消えちまったのかな・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ねえロイド・・・なんであいつ、あんなことしたんだと思う・・・?」
しいなは今にも泣き出しそうだ。・・・くそっ!こんなしいな見てらんねえ!
・・・わかってる、俺のせいだ。俺がこいつを裏切ったんだ。しいなを・・・俺の、恋人を・・・。
しいなが隠したがってたからロイド達には言ってねーが、実は俺としいなは恋人同士だった。
付き合い始めたのは今から大体一年前だったと思う。
俺が口説いたんだと思っただろうが、自分でも意外なことに告白は向こうのほうからだった。
それで散々ヤったんだろうと思っただろうが、こちらも意外なことに何もしてない。キスすら。
まあ俺はあいつと一緒にいるだけで楽しかったし、向こうも同じみたいだったからいい関係だったんだけどな。
・・・もっとも、その関係も俺が裏切っちまったんだが。
「・・・ごめんロイド・・・一人にして・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺は・・・何も言えずにその場を立ち去る。
俺は今さら自分勝手な自己満足のために死んだことを後悔していた。
(何が間違えて生まれてきた、だ。しいなの気持ちも考えずに・・・。)
(・・・ゼロス・・・。)
ロイド達には会えた。でもあたしの心は真っ暗だった。
ゼロスがいない・・・ただそれだけのことでだ。
「あたしが・・・あいつのことをもっと理解してやっていれば・・・。」
「ねえしいな。」
唐突に話し掛けてきたのは人工精霊のコリンだ。
「・・・なんだいコリン。」
「ちょっと、話があるの。」
「・・・?」
ちょっとナーバスになったりもしたが、なんだかんだ言って
ひさしぶりにしいなに会ったことで俺は随分と心が休まっていた。
あいつは俺の好きなしいなのままだったし、何より俺のことを覚えていてくれた。
あいつの存在は・・・やっぱり俺にとって数少ない居場所だった。
・・・いっそのこと、しいなには本当のことを言ったらどうだろうか?
俺が、ゼロスだってことを・・・。
「ゼロス・・・。」
「ん、誰だ?」
俺をゼロスなんて呼ぶのはもうあの三人しかいない。そのうちの誰かだろう。
声の主が姿をあらわす。
「・・・しいな!?」
しいなは嫌に険しい顔をしていた。
「あんた・・・ゼロスだったんだね。」
・・・・・・なっ、
「何を言い出すんだよ突然。」
内心の動揺をおくびにも出さずにそう言う俺。
「その上、コレット達にあんなひどいことを・・・許せない。」
「俺が・・・コレット達に何をしたって?」
「怪しい術をかけて・・・淫らな行いを無理やりしたんだろ?」
「・・・馬鹿馬鹿しい。何を根拠に・・・。」
ボフン!
「嘘ついてもだめだよ、コリンはお見通しだから!」
煙と共に現れたのは人工精霊のコリンだ。
「コリンには人の心の中を覗く力があるんだ。なんたって後の心の精霊ヴェリウスだからね。」
「うん、だから素直に白状したほうがいいと思うよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・ごまかしは、効かねえか・・・。
「・・・おまえらの言うとおりだ。俺さまは、ゼロス・ワイルダーだよ。」
俺は・・・演技を止めた。
俺としいなは森の脇の草原で対峙していた。
しいなは・・・俺との決闘を望んだ。
俺を殺すことで全てを清算するつもりなのだろう。
(かつての恋人と一対一で殺し合いとはな・・・。これもロイド達を裏切った報いか・・・。)
「・・・リフィル、あれ取ってくれ。」
「は、はい・・・。」
リフィルに持ってこさせたのは一本の直剣と盾だ。
もう、ロイドのカモフラージュする必要も無い。
俺は腰に刺した二本の曲刀を捨てる。
代わりにリフィルに持ってこさせた直剣と盾を手に握る。
ワンソード&ワンシールド。俺さま本来の戦闘スタイルだ。
やるからには本気でいく。手加減はしない。
「さあ、俺は準備OKだぜ?」
「コレット達の準備はいいのかい?あんたがコレット達を使っても別にあたしは構わないよ。」
「・・・へっ、しいなのくせに馬鹿にしてくれるぜ。」
「あっ!」
「えっ!?」
「うっ・・・。」
俺はコレット達の首筋に次々と手刀を叩き込み、コレット達を気絶させる。
「俺さま正直者だからな、正々堂々一対一でいかせてもらう。」
「・・・ふん、余裕だね。後で後悔するんじゃないよ!」
しいなは言うなり、ものすごいスピードで突っ込んでくる。
「やっ!はっ!たあっ!」
札による連続攻撃を俺は盾で受け止める。
「どうしたどうした!その程度の攻撃、俺さまにはかすりもしねえぞ!」
素早く反撃に転じる俺。
「くっ!」
俺さまの流れるような連続攻撃をなんとか札で受け流すしいな。
「そこだっ!」
トリッキーな動きから鋭い突きを繰り出す。
「はっ!」
しいなは素早く飛び上がってよけると、空中から札を放つ。
「あめえ!閃空衝裂破!」
「!!!」
周囲に発生させた衝撃波で札ごとしいなを吹き飛ばす。
「うあっ!」
木に激突してぐったりするしいな。結構ダメージは深そうだ。
「わかったかしいな、所詮おまえは俺さまには勝てねえんだよ。」
つかつかとしいなの元へ歩み寄る。
「まあ、このまま大人しく降参するならそんなにひどい目には・・・。」
「生吸符!」
「う、うおおっ!?」
突然貼り付けられたしいなの札に、俺の体力が吸われる。
「や、やべえ!」
慌てて距離をとる俺。
しいなはゆっくりと立ち上がる。
「ありがとうゼロス、体力を分けてくれて。」
「こ、この野郎・・・!」
逆上して切りかかる俺。
「散力翔符!」
「ぬあっ!?」
俺は進路をふさぐように投げつけられた札をまともに食らってしまった。
(・・・力が・・・はいらねえ・・・。)
「どうだい?あたしのお札の味もなかなかのもんだろう?」
「く、くそ!」
このままじゃまずい、距離をとって回復を・・・。
「・・・ヴォルト!」
「!」
しいなの声と共に雷の精霊が電撃を撒き散らしながら俺の元へ突撃してくる。
「・・・ちぃっ!」
回復魔法を中断して攻撃魔法に切り替える。
「イラプション!」
小爆発に巻き込まれ、ヴォルトの姿は消えた。
「蛇拘凄符!」
「おわっ!?」
俺がヴォルトの相手をしている間に死角に回りこんだしいなは、強力な札を俺に直接貼る。
(か、体が言うこと聞かねえ・・・。)
まるで、札から腕が伸びて身体をつかまれてるような感覚だった。
「こ、この・・・!」
しいなは俺がやぶれかぶれに振り回した剣を冷静にかわす。
「炸力符!」
「ぐああっ!」
隙だらけの脇に貼られた札が俺を吹き飛ばす。
「どうしたんだいゼロス?いきがってる割にはたいしたこと無いじゃないか。」
「てめえ・・・もう謝っても許してやんねえからな。」
「・・・こういうことになっても同じ台詞を吐けるのかい?」
しいなは不意に三枚の札を全然関係ないところに投げた。
「なんだってんだ?」
・・・いや待てよ、そこには気絶したコレット達が・・・。
・・・まさか!
「操冥符!」
札を張り付けられたコレット達はゾンビのように立ち上がる。
「あんたがそういう態度なら・・・あたしもあんたのことを許さない。」
コレット達は、しいなを守るように武器を取る。
「て、てめえ!それは汚ねえだろ!」
「これは戦う前にあたしがあんたにあげた権利だよ。使わなかったのはあんたじゃないか。」
「この野郎・・・最初からここまで計算してやがったな・・・!」
しいなは俺に向けて指を向ける。
「せいぜいコレット達の痛みを思い知るんだね。行きな三人とも!」
しいなの号令と共に、三方向から俺を攻めてくるコレット達。
「リミュエレイヤー!」
「ちっ!」
チャクラムの群れをなんとか後ろに飛んでかわす。
「爆砕斬!」
「なぬっ!?」
待ち受けていたプレセアちゃんの斧が俺めがけて振り下ろされる。
「ぐおおっ!」
直撃は免れたものの、数え切れない数の石つぶてが俺を襲う。
「ホーリーランス!」
「!」
四方から俺に光の槍が襲い掛かる。
「粋護陣!」
とっさに精神力の壁を作り出し、なんとか防ぐ。
「風刃縛封!」
「!!!」
防御のために動きを止めたこの一瞬を、しいなは見逃さなかった。
一度捕まれば逃げようの無い風の檻が俺を閉じ込める。
身動きが取れなくなった俺を取り囲む四人。
「・・・最後に言い残すことがあったら聞いてあげる。」
「・・・ば〜か、悪人が最後にウダウダ御託並べても格好悪いだけじゃねーか。」
そうさ・・・俺みたいな人間の末路はこれがお似合いだ。
「・・・そう・・・ゼロス・・・さようなら・・・。」
パーン、と俺は空高く打ち上げられる。
コレット達が俺に止めを刺すために宙に舞う。
コレットのチャクラム、プレセアの斧、リフィルの杖が同時に俺を襲う。
・・・ま、愛した女達にいっぺんに止めを刺されるなんて、なかなか乙な最期じゃねえの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・な〜んて言うとでも思ったか?
「スペルリベンジ&チャージ!」
「!?」
俺さまは素早く体制を立て直し・・・。
「サンダーブレード!」
あらかじめ溜めておいた、必殺の魔法を放つ。
「「「きゃあああああっ!」」」
天から飛来した雷の剣がコレット達に強力な電撃を浴びせる。
もうこれで痺れて体が動かないはずだ。いくらしいなの符術でも動けない人間は動かせまい。
「・・・くっ!」
しいなは素早く距離をとる。
「逃がすか!紅蓮剣!」
「!!!」
強大な火炎弾がしいなを襲う。
「うわあああああああっ!!!」
しいなは派手に吹き飛んで・・・今度こそ気絶した。
「・・・好きにしな。奴隷にでもなんでもなってやる。」
眼を覚ましたしいなの第一声がそれだった。
「そうだな、じゃあもう一回俺と恋人になってくれ。」
「・・・わかった。」
そういうとしいなは服を脱ぎ始める。
「あー、ちょっと待った。前はいきなりこんなことしたりするような関係じゃなかったはずだが。」
キッ!としいなの眼が俺を見た。
「いまさらふざけるんじゃないよ!どうせあんたはあの時もあたしの身体目当てなだけだったんだろ!?」
「やれやれ、俺さま信用されてねえなあ・・・。」
ぽりぽりと頬をかく。
「俺はおまえが望まないんだったら抱く気はこれっぽっちも無いぞ。」
「嘘をつくな!それが本当だったらなんでコレット達にあんなことを・・・!」
「反省してる。もう二度とあんなことはしない。」
「そんなこと・・・いまさら信じられるとでも・・・。」
しいなは目を伏せる。しいなは・・・泣いていた。
いまさら俺のことは信じられない。だが、本当は俺のことを信じたくて仕方がないのだ。
俺は、しいなを無理やり振り向かせて俺と眼を合わさせる。
「しいな・・・俺を信じろ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
しいなは、涙に濡れた複雑な目で俺を見た。
「・・・ははっ、何言ってんの?裏切り者のあんたの言うことなんて・・・信じられるわけ、無いじゃん・・・。」
しいなは俺から目を反らす。これ以上俺の眼を見たら信じてしまいそうだと思ったのかもしれない。
「・・・そうか。」
俺は黙ってしいなから離れ、その辺の木に寝っころがる。
「・・・な、なんのつもりだい!?」
「寝る。おまえも早いとこ寝とけよ。」
「・・・ふ、ふざけるな!あたしはあんたを憎んでるんだよ!?縛りもしないで寝首をかかれるとか思わないのかい!?」
「ん〜、かかれたときは素直に死ぬさ。俺はおまえに殺されるだけのことはあるからな。」
「・・・う、嘘だ!あんたなんか、あんたなんか・・・信用できるもんかっ!」
しいなはそれだけ言い残すと、どこかへ走り去っていってしまった。
しいなは翌日になったらまたどこからともなく現れた。
その眼には、また新たな決意が込められているように感じられた。
「・・・ゼロス、あんた昨日言ったよね?」
「・・・何を?」
「あたしが望まなければ、抱いたりしないって・・・。」
「・・・ああ。」
「それってつまり、あたしさえ望めば抱くって事?」
「まあ・・・基本的には。」
「じゃあ・・・今、抱いてよ。」
「・・・何?」
「あたしをあんたの好きなようにしてみなって言ってるんだよ!」
しいなは顔は羞恥のためか赤かったが、その眼は本当に俺を求めているわけではなさそうだった。
「・・・おまえ、何考えてるんだ?」
「いいから抱けって言ったら抱きな!」
しいなは自分から草むらに大の字で寝転ぶ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・仕方ねえ、ここまでされてヤらないのも難だな。
俺はそっとしいなに寄り添い、顔を撫でた。
しいなは一瞬ビクッ、とするが、なされるがままだ。
俺はゆっくりしいなの顔に自分の顔を近づけ・・・。
チュッ。
「いやっ!?」
しいなは驚いて俺を突き飛ばす。
派手に吹き飛んで木の枝に頭をぶつける俺。
「い・・・いって〜・・・。」
見るとしいなは口を手で覆ってうつむいていた。
「なんだよ、軽いキスぐらいでこんな拒絶反応するんなら最初からこんなこと言うんじゃねえよ・・・。」
「・・・縛って。」
「・・・は?」
「逃げられないようにあたしを縛ってって言ってんの!」
「おまえなあ・・・本当にこれでするのか?」
しいなの指示通りに俺はしいなの両手両足を後ろで縛って、完全に身動きの取れない状態にした。
「す、するっていったらするんだよ!」
少し声は震えていたが、しいなはあくまで強気だ。
「じゃ・・・いくぜ。」
俺はしいなの上をゆっくり脱がしつつ優しく肩を撫でる。
「く、くすぐったい・・・。」
「くすぐったいのは感じ始めの証拠だよ。もっと盛り上がっていいぞ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
そのまま前を開きつつ段々下に降りて来て・・・。
「うわっ、やっぱおまえのでけえな・・・。」
あらわになったしいなの爆乳はとんでもない大きさだった。
やっぱまず爆乳有り。故にしいな有り。みたいな。
「あ、あんまり見ないで・・・。」
「な〜に言ってんだ、こんな立派なもん持っといて。それに恋人に見られてんだから幸せじゃねーか。」
そういって俺は手に余るほどのしいなの爆乳を揉む。
「うう・・・。」
しいなは嫌悪感が先にたち、あまり快感を感じていないようだ。
(う〜む、いまいち心身ともにほぐれてないな・・・身体の方からほぐすか・・・。)
とりあえず俺はしいなの下を剥く。
「!!!本性を表したねゼロス!!!」
しいながなんか言ってるがとりあえず無視する。
わずかな陰毛を掻き分け、陰部全体を掌で包み込むように優しく触れる。
「えっ・・・?」
しいなは拍子抜けしたような声をあげた。
「なんだ?濡れてないアソコに無理やり俺のモノを突き込まれるとでも思ったのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
しいなは無言で俺から眼を反らす。
「・・・ま、いいや。」
俺はそのまま手で触れているだけで、他には特に何もしない。せいぜい軽くゆするぐらいだ。
それでもしばらくそのままでいると、徐々にしいなの体温が上がってきた。
「どうだ?そろそろさかってきたんじゃねえか?」
しいなは慌ててブンブンと首をふるが、眼が大分発情した雌の眼になってきてる。
それに・・・決定的な証拠もあった。
ニチャ・・・。
「これな〜んだ?」
俺はしいなの陰部に当てていた掌をしいなに見せる。
そこには半透明なネバネバとした液体がついていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
しいなは恥ずかしさのあまり声も出ない。
「・・・かわいいぜ、しいな。」
「うぅっ!?」
再びしいなの唇を奪い、それと同時に胸も攻める。
「ふぅ、ん・・・はあ、ん・・・。」
やはり一度発情させれば一気に感じ始めるようになる。
「ぷ、は・・・。」
口を解放かれたしいなは一息つく。
「しいな、そろそろ入れてやろうか?」
「・・・あんたの好きにしな。さっきもそういったはずだよ。」
口ではそういいながらも、上気したしいなの顔は次の行為を期待してるように見えた。
「じゃ、ゆっくり入れるから駄目そうだったら言いな。」
しいなの眼は、快楽と・・・それとは全く別の何かを期待しているようだった。
俺は自分のモノをしいなの秘所にあてがい、ゆっくり入れる。
「く・・・。」
しいなは少し苦しそうだ。そう言えば処女だったな、こいつは。
「・・・あんまり辛いんだったらやめるぞ?」
「いい。やめなくていい。」
しいなはあくまで強情を張る。
俺は・・・ゆっくりと一番奥まで入れた。
「・・・い、たあ・・・。」
しいなはやっぱり辛そうだ。
「どうする?やっぱり抜いた方がいいか?」
俺は何気なくそう言っただけなんだが・・・。
「・・・なんで・・・。」
しいなは・・・突然涙をこぼした。
「わわっ!どうしたってんだ!?」
「・・・なんでいまさら・・・・こんなに優しくしてくれるんだよ・・・。」
「な、なんでって・・・。」
「あんたがあたしをもっと無理やりに犯してさえくれたら、あたしは迷うことなくあんたを憎むことが出来た。それなのに・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺は黙ってしいなを抱きしめる。
「・・・やっぱり、駄目・・・。やっぱりあたしは・・・ゼロスのことが・・・好き・・・。」
しいなは、少しだけ安心したような顔をした。
その後、紆余曲折はあったが、結局俺たちはミトスを倒して世界を結合させる戦いに再び挑むことになった。
ロイドの不在など、色々不安要素はあったが、まあなんとかなるだろ。
「ねえ・・・あたしたち本当にあのミトスを倒せるのかな・・・。」
「な〜に、このゼロス・ワイルダーに任せておけって!」
しいなは急に合点のいかなそうな顔をした。
「ゼロス・ワイルダーって・・・何?」
・・・何を言い出すんだ?しいなの奴・・・。
「その問いにどう答えりゃいいんだ?ゼロス・ワイルダーは俺さまの名前です、とでも言えばいいのか?」
「どういうこと?あんたはロイド・アーヴィングだろ?」
・・・ちょっと待て・・・。
「おまえ、それ・・・冗談だよな?」
「・・・言ってる意味がわからないよ。ゼロス・ワイルダーって何なのさ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
嘘をついてる眼じゃあ・・・無いな。
(・・・どういうことだ?)
おかしい・・・なんでいきなり俺のことを忘れちまったんだ?
さっきまでは確かに俺のことを覚えていたはずだよな・・・?
・・・突然原因不明の記憶喪失に?
・・・ちがう、そんなわけねえ。
いくらなんでもこんな不自然な記憶喪失があるわけねえ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
最初っからおかしいと思ってたんだ・・・。
俺がロイドになるなんてこと、誰かの陰謀でもなければ起こる筈がねえ。
俺さまの存在だけさっぱり消え失せるなんてあるはずがねえ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
誰かが・・・誰かが俺をハメてやがるんだっ!
きっとどこかで俺のことを嘲ってやがるんだっ!
「誰だっ!こんなナメた真似しやがったのはっ!
返せッ!俺さまの居場所を・・・存在を返せっっっ!!!」
突然・・・俺さまの意識はそこで途絶えた。
「・・・ここは?」
見覚えのある部屋だ。外は雪が降っている。
「フラノールだよ。ちなみに日付は救いの塔突入前夜だ。」
「!!!」
「ひさしぶりだな、ゼロス。」
「ロ・・・ロイド・・・。」
そこにはロイドが立っていた。エターナルソードを携えたロイドが。
「どうだった?おまえが望んだ世界・・・おまえが存在しない世界は。」
「・・・ま、まさかロイドおまえっ!?」
「そう、あの世界は俺がエターナルソードによって創り出した幻の世界。現実には存在しない世界だ。」
「・・・あの世界は・・・現実じゃ、なかったってのか・・・?」
俺がロイドになったのも、セレスが神子になったのも、俺の記憶を持ったしいなも、みんな幻だったのか・・・?
俺は思わず自分の身体を見回す。
シャレたピンクの服に、長い赤い髪・・・。俺さまの・・・本当の体?
どういうことだ?あのとき俺の体は確かにロイドの剣に貫かれて死んだはず・・・。
・・・まさか!
「・・・お、俺さまが死んだのは!?俺がおまえに殺されたあれも幻だったのか!?
いや、そもそも今俺がここにいて、おまえがそこにいるのさえもしかして現実じゃ無いのか!?」
「いや、どちらも現実だ。間違いなく、な。」
そういうロイドはどこか悲しげだった。
「じゃ、じゃあ、この身体はどこから・・・。」
突然ロイドは小さなオレンジ色に光るエクスフィアを放り出すと、空中で真っ二つに切った。
エクスフィアは激しい光を放ちながら拡散し、塵に帰った。
「・・・おい、今のまさか!?」
俺は胸元のクルシスの輝石に手をやる。
浅い、キズがあった。
あのとき・・・俺が救いの塔でロイドと戦ったときについたキズだ。
「ロイド・・・まさかおまえ、俺の意識を持ったクルシスの輝石を過去の時間の俺へ・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ロイドは無言でエターナルソードをかざす。
ロイドの姿が徐々に薄くなっていくのがはっきりわかった。
「ま、待てロイド!おまえは帰るのか!?おまえが俺を殺した現代(いま)に・・・!」
「・・・新たな時間を創っても、今まで作られた時間は消えない。俺は・・・俺の時間から逃げるわけには行かない。」
「だ、だったらなんでこんなことを!俺にどうしろっつうんだ!?」
「・・・俺たちを裏切った天使ゼロスは死んだ。これからは新たな時間で生きるんだ、ゼロス・・・。」
「ま、待てロイド!!!ロイドッ!!!」
ロイドの姿は宙に消えた。
「・・・・・・・・・・・・。」
俺は・・・俺はどうすれば・・・。
「結論は出たのか?」
「うおっ!?」
感傷に浸ってる俺さまの元に突然立体映像が送られてきた。
「ク、クラトスか・・・びっくりさせんなよ。」
・・・現実ではなかったとはいえ、このオッサンの事ぶっ殺しちまったからな。なんか気まじぃ。
「結論は出たのかと聞いている。」
「・・・何の話だっけ?」
「忘れたとは言わさんぞ。アイオニトスをクルシスに潜り込んで奪ってきて欲しいと前に頼んだだろう。」
「・・・ああ、そうだったな。」
「それで結論は?」
・・・前はここで断ったんだよな。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・教えてくれロイド・・・俺は、どうするべきなんだ?
俺に・・・おまえ達と共に戦う資格があるのか?
「俺は・・・。」
「はあ、まったくついてないねえ・・・。」
あたしは木の枝に足を絡め取られた状態でかろうじて崖に捕まっていた。
「・・・あたしの馬鹿・・・なんであそこで素直にロイドに助けを求めなかったんだろう・・・。」
でも、もういいんだ。きっとロイド達ならコレットを助けてこの世界を平和にしてくれる。
・・・あのアホ神子のことだけは気がかりだけど・・・。
かろうじて崖に捕まっていた手からゆっくりと力を抜く。
あたしはそのまま木の枝に引っ張られ、底があるかも分からない闇に落ちていった。
(もう一度だけ・・・ゼロスの笑った顔が・・・見たかったな・・・。)
あたしが最後に見たあいつの顔はとても邪悪な顔だった。
(・・・なんで今更そんなこと考えてるんだろう。)
あいつはあたし達を裏切ったんだし・・・あたしは・・・もう死ぬのに・・・。
でも、あれが死ぬ前に最後に見たあいつの顔だなんて・・・嫌だ。
(・・・ゼロス・・・。)
「ファイアーボール!」
「・・・!」
突然下から飛んできた火球があたしに巻きついた木の枝を焼き切った。
それに・・・今の声・・・!
「よっと!」
ドスン!
あたしの身体は誰かに受け止められた。
「ご無事ですか?お姫様。」
「ゼロス・・・!?」
あたしをお姫様だっこ状態で受け止めたのは、あたし達を裏切ったはずのゼロスだった。
しいなは俺にお姫様だっこされたまま、まるで恋人の幽霊でも見てるような眼で俺を見ていた。
「あんた・・・あたし達を裏切ったはずじゃあ・・・。」
「ば〜か、作戦に決まってんだろ?敵をあざむくにはまず味方から、ってな。」
「ゼロス・・・この馬鹿・・・!」
しいなは感極まった様子で、抱きかかえられたまま俺に抱きついてきた。
「わ〜!待て待てとりあえず一旦降りろ!このままじゃかっこつかねえ!
つーかおまえ重てえ!胸に栄養ためこみすぎだっつうの!」
「・・・このアホ神子!」
(カーン!)「ぐうぉっ!?」
こ、この野郎!降ろした瞬間に思い切り俺の股間に蹴りいれやがった!
「て、てめえ!」
「あんたって奴は感動の再会シーンぐらい真面目にやれないのかい!?」
「だからって蹴ることねえだろ!」
俺さまは痛みをこらえて立ち上がる。
「本当に・・・本当に心配してたんだから・・・。」
改めて俺に抱きついてくるしいな。
胸に触れるしいなの爆乳が心地よい・・・。
「ああ・・・すまなかったな・・・。」
俺の方もしいなをやさしく抱き返す。
しいなの体・・・あったけえ・・・。
しばらくはそのままゆっくりと時間が過ぎた。
「・・・口惜しいがいつまでもこうしてらんねえ。ロイド達を助けにいかなきゃなんねえからな。」
「・・・そうだね。」
俺たちはゆっくりと身体を離す。
と、不意にしいなは俺の顔を引き寄せて唇を合わせた。
「ゼロス・・・助けてくれてありがとう。」
「・・・お、おう・・・。」
しいなの顔は、赤かった。・・・多分、俺さまの顔も。
「さ、とっとといくよ!」
照れ隠しのようにそういうしいなの声は、妙に色っぽかった。
・・・そういえばこのしいなにとっては今のがファーストキスか?
(・・・ま、三度目の人生ぐらい正義と愛に生きてみるのも悪くないかもな。)
正義と愛は、必ず勝つ!・・・ってか。
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