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無題 |
6氏(3スレ目) |
スタン×ルーティ |
2003/01/15 |
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「ディムロス、今まで…本当にありがとう。」
「こちらこそだ、スタン」
口に出したのはほんの短いやり取り。
しかし、こころの中ではそれ以上の言葉が行き交っていて。
脳裏には様々な光景が映し出されていて。
そして。
全てが終わった後クレスタに戻ったルーティを迎えたのは、無残に焼け爛れ、跡形もなくなった自分の故郷だった。
そして、同じように跡形もなくなっていた孤児院と、シスターや子供たち。
正直な事を言うと、その時のことをルーティはよく覚えていない。
何か叫んだような気もする。暴れまわったような気もする。
叫んだのも暴れたのも夢の中の話で、ずっと意識を失っていたような気もする。
とにかくクレスタの惨状を噂で聞きつけたスタンが彼女の元に駆けつけて来るまで、ルーティは完全に正気を失っていた。
しかしスタンによる必死の看病により、彼女の意識は混沌から抜け出したのである。
街の人々も同様にスタンの呼びかけによって徐々に自らのやるべき事を掴み、少しづつ復興に向けて歩みだした。
そのスタンの姿をみてルーティは感じた。
今まで彼に感じていた淡いとらえどころのない感情とは明らかに違う「想い」を。
彼を、はっきりと、愛していると。
しかし、同時に彼女は感じていた。
今の彼には自分を愛する余裕などないであろう事を。
そして一年後。
「ふう…」
ルーティは大きな袋をどさっと地面に下ろし、小さく息をついた。
程よく日焼けした首筋や額ににじむ汗を鬱陶しげに手で払う。
まだベルクラントの傷跡が残る港は、しかし活気であふれている。
ルーティは周囲をまぶしそうに見回し、それから慌てて帽子を目深に被った。
実は最初に英雄と呼ばれだしたのはスタンではない。
賢王ウッドロウ=ケルヴィンと司祭フィリア=フィリスである。
彼らが外殻落下直後それぞれの国に戻り、
「ヒューゴ・ジルクリストによる世界征服の野望は潰えた事を我々が確認した」
と発表した事こそが英雄と呼ばれる発端となったのだ。
最初に二人の力で世界が救われたという話が爆発的に広まり、生き残った人々の証言によって同行者がいた事が明らかにされ、そしてウッドロウとフィリアによってスタンとルーティの名が明らかにされると人々は熱狂して二人を祭りあげることとなる。
一国をつかさどる高貴な者でもなく、神に愛されし神聖な者でもなく、ただの一平民から『英雄』が生まれたことは
「自分も少しの勇気と力を持てば、未来を変えられるかもしれない」
という自信と希望に繋がり、また親近感を与えたのだ。
ルーティも戸惑いつつ、その熱狂を快く受け入れていた。
人々のその想いこそが街の復興につながり、世界の復興につながるのならそれも悪くないと。
しかし、今日ばかりは話が別である。
人口の多いこの街で「英雄が来た!」などと騒ぎになると今日これからの行動が全て台無しになってしまうからだ。
だからこそ慣れない帽子を被って変装を試みたのだが、折からの晴天でつい帽子をとってしまった為に周囲の数名は素顔を認めてしまったらしい。
帽子の下の顔を見た人々の動きが止まり「英雄…」という単語が漏れてきたのを聞きとめると、ルーティは早足で街の外に向かった。
街から少し離れた森の中にはすでにスタン以外の全員がそろっており、挨拶もそこそこに歩き出した。
地理に明るいコングマンを先頭に道中適度に近況報告をしながら歩くと、ほどなくリーネの村に着いた。
久しぶりに皆で会おうとスタンが言い出し、折角だからと全員がこの山奥の村に集まったのだ。
相変わらずの牧歌的な光景に一行は頬を緩ませ、すぐに村の奥にあるスタンの家に向かう。
「…おう、ルーティよぅ」
スタンの家の前に着いた時である。不意にコングマンがルーティに呼びかけた。
「ん?」
「お前、屋根の上に乗れ」
「…ははーん。了解」
旅の途中、二人でよくスタンにいたずらをした仲である。ルーティは一瞬で意図を理解し、笑った。
久しぶりに愛しい男に会う照れもあったのかもしれない。
とにかくウッドロウやフィリアの制止を振り切ってルーティが玄関のすぐ上の屋根に乗り、ジョニーがリリスを呼ぶ。
リリスがスタンをたたき起こして、寝ぼけたスタンが出てきて、ルーティが屋根から不意打ちをして、スタンが下敷きになったまま目を回して、皆で笑って…。
時の流れを全く感じないやり取りに、ルーティはこっそりと目に滲んだものをぬぐった。
その夜。
「…久しぶりね」
「ん、久しぶり…だね」
リーネから程近い海を見下ろせる崖にスタンとルーティはいた。
なんとなく距離をとって、座っている。
皆が眠りについた頃、突然スタンがルーティを誘い出したのだ。
そのまま二人でここに来たものの、先のやり取りを幾度と繰り返したまま、それ以外はなにも言い出せずにいる。
ルーティはそっとスタンの顔を盗み見た。
以前会った頃からまた少し大人びた顔になった気がする。
きっと、二つの村と街の復興で苦労したのだろう。
自分が一つの街を建て直すだけでも随分大変な想いをしたのだから。
「…ん?」
ルーティの視線に気づいたスタンが首をかしげてこちらを見た。
慌てて目をそらす。
「…別に。」
頬が熱くなるのを感じてルーティはぶっきらぼうに答えた。
「あ、あのさ…俺が発つ前の晩の事なんだけど」
そのまま暫く無言でいると不意に、スタンが切り出した。
冷静な言葉にルーティが横を向くと、スタンは身体をすこし動かしてすぐ横に来ている。
少し手を伸ばせば抱きしめられるほど側に。
「あの時は多分、ルーティも色々あって、大変だったろうなってのは感じてたんだ。その上にだったから…ごめん」
スタンがクレスタを発ちリーネに戻る前の晩も、夜中に突然スタンがやってきたのだった。
そして驚くルーティを抱きしめ
「ルーティ、…愛してる」
と囁いたのだ。
突然の告白をルーティは夢見心地で聞いていた。
そのままベッドに押し倒される自分の身体も、ルーティは我が物でないように感じていた。
しかしスタンの熱い唇が自分に押し当てられ、自らの服を剥がされ、逞しい手や柔らかい舌が自分の肌を這いずり、熱い怒張が自分を初めて貫いてもまだ、彼女は自分がされている事を理解できていなかった。
理解できたのは全てが終わって
「…ごめん」
とスタンが呟き、抱きしめてからであって、その時彼女が出来た事はただひたすら泣き続ける事だけであった。
「…あの時泣いたのはさ、別にあんたに何かされたのが嫌だからって訳じゃないのよ」
ルーティはあの時の自分を思い返しながら言った。
「あたしさ、全部終わってクレスタに着いて、街とか孤児院とか見て…暫くふぬけてたじゃない?
そんな時にあんたが来てあたしを正気に戻してくれて街を建て直すの手伝ってくれて…凄く、嬉しかったんだ。
元々…そう、ずっと前からあんたの事は何ていうか…気になってたんだけどさ、あの時自分で全部やらなきゃ、でもどこからやればいいんだろうってパニックになってたのを助けてくれて、今までもあの時も一番つらい時に側にいてくれたって事に気づいて…
そんでさ、わかったの。
あたしはあんたを好きだって事。」
「ルーティ…」
「だから、あんたにあの晩好きだって、愛してるって言って貰えた事が凄く嬉しくて。
しかもホラ、この性格じゃない?今まで好きになった男にその…告白されたってのがなかったからさ。どーでもいい奴ならたまにいたんだけど。
で、それを考えたらもうどうしようもなくて…やだなー。思い出したらまた泣けてきちゃった。」
涙をぬぐってルーティは笑った。
「ま、そんな訳。だから、あの時あたしが泣いたからって別にあんたが責任を感じる必要はないのよ」
「でも…」
「でももへちまもないっ!!」
そういうとルーティは一度立ち上がり、腰を下ろした。
スタンの膝の上に。
「でだ。何かもうよくわかんなくなっちゃってるんだよね」
「なっ、何が…?」
突然のルーティの行動に戸惑うスタンと、その表情を見て恥ずかしそうに笑うルーティ。
「初めて…してくれた時の事」
「そ、それとこれは何の関係が…」
「決まってるじゃない。…思い出させてよ、あの時の事。」
言うや否やルーティはスタンの唇に自分のそれを重ねた。
「んっ…!?」
そのまま軽く唇を舌でなぞり、間を舌でつつく。
口が少し開いたのを確認すると舌を差しこみ、嘗め回し、絡ませた。
「んふっ…」
暫くたってから名残惜しそうに唇を離すと、ルーティは囁く。
「…ダメ?」
「い、いや、俺は…ルーティがよければ…その…」
「相っ変わらず変なところ優柔不断ねえ」
そう言うとくすりと笑う。
「たまにはバシっと決めてよ…あの時みたいに」
スタンはその言葉に促されるように、ルーティを草の上に座らせるともう一度抱きしめ、耳元で囁いた。
「ルーティ…愛してる」
「あたしもよ…スタン」
一度お互いに顎を引き目と目を合わせて互いの気持ちを確認すると、再度唇を重ねる。
最初はついばむように、やがて舌を絡ませ、やがて頬や、瞼や、額に唇を落とす。
ルーティをゆっくりと草の上に寝かせると、スタンはそっとその上に覆いかぶさった。
「重くない?」
「ん、大丈夫…」
あくまで自分のことを心配するスタンがたまらなく愛おしく感じ、ルーティは背中に回した腕に力をこめた。
しかしその唇がやがて自分の耳朶や、首筋を伝うとルーティの身体から力が抜け出す。
「…んっ…ふぅ…」
その間にもスタンの手はそっとルーティの服の間から手をしのばせる。
柔らかい双丘とその上の突起に彼の手が触れると、ルーティは
「…はぁっ」
と身体を震わせた。
大きな掌がやわやわと胸をもみしだき、親指が先端を擦り上げ、やがて唇が指に追いつく。
唇で舐られ、舌で突付かれ、転がされる。
その一つ一つが彼女の心を熱く蕩かしていく。
「ん…ふぅっ…あっ…」
「ルーティ、気持ちいい?」
「やだっ…そんな事言わせないのっ」
不安げなスタンの表情にルーティは微笑み、唇を合わせながらそっと右手をとった。
そのままホットパンツの中に彼の手を滑り込ませる。
下着の中はすでに熱く潤い、太ももまで濡らすのではないかというほどである。
「…ね?」
指先の感触に思わず息を呑んだスタンにルーティはそう囁き、少し腰を浮かせた。
そのまま下着ごとホットパンツを脱がせると、スタンは身体を動かす。
唇が胸から腰へ、そして更に下へと移動する。
「えっ、ちょ、ちょっと待って…」
「ごめん、待てない。ルーティのが見たい。」
一瞬戸惑うルーティを構わず、スタンは彼女の膝を開き、顎を引いて見つめた。
星明りの下、彼女の全てが露わになる。
淫蕩な液で塗れぼそった彼女の花弁は程よく焼けた彼女の肢体と相まって眩暈がしそうな程の官能を引き出していた。
「すごい…綺麗だよ」
そう言いながらスタンが花弁に指を滑り込ませるとぴちゃ…と小さな水音がした。
「音までしてる…」
「恥ずかしいから言わないでよっ」
照れるあまり怒ったような口調になるルーティ。
しかしスタンが花弁の先端を指の腹で擦り、つまみ、また秘孔に指を滑り込ませ、中をかき回すと一瞬で表情が変わり、息遣いが荒くなりだした。
「あっ…やだ…ふ…ああっ…」
秘孔からはちゅくっ…ちゅくっ…という水音と粘性を帯びた液体が溢れ出す。
それは太ももを濡らし、地面の草さえも淫猥な滑りを帯びたものにしていた。
さらにスタンが唇をよせ、先端に舌で触れると
「ふああっ!!!」
ルーティの身体がひときわ大きくのけぞった。
細い腰と豊かな胸が大きく揺らぐ。
そのまま唇で花弁に触れ、舌で舐めまわす。
秘孔の奥も舌と指で愛撫する。
その度にルーティは
「ああっ…はっ…ふあっ…」
と艶かしい声をあげた。
時折ひときわ高い声を上げる部分が感じるのだろう。
スタンはそう判断し、感じる部分を攻め立てる。
「やだっ…!だめえっ…あっはあうっ!!」
一気に高ぶり、高い声を出す。
その姿を見たスタンの腰のものはこれ以上ないというほどに怒張し、息苦しいほどになっていた。
一度手を止め、荒っぽく服を脱いだ。
ルーティも手伝い、ズボンを脱がせる。
ルーティ自身が脱ぎきっていなかったものも取り去ると、二人は生まれたままの姿になる。
再度抱き合い、唇を重ねる。
ふとルーティが目を落とすと、逞しいものが目に入った。
血管が太く浮き出たそれは身体に付きそうなほどそそり立ち、先端から透明な液が溢れ出している。
「もう…限界?」
息を弾ませながらも軽く嬲るように聞くルーティにスタンは
「うん。…いい?」
と自らも荒い息で答える。
ルーティが無言でうなずくとスタンはルーティの膝を抱え、怒張を花弁に添えた。
軽くさぐるように二、三度擦り、ゆっくりと沈める。
「あっ…ふああああっ!!」
ルーティの身体がまた大きくのけぞった。
折れてしまうのではないかと言うほど弓なりになったその身体をスタンが強く抱きしめる。
強く咥えこみ、締め上げるルーティの秘孔の感触に早くも気が遠くなりながら、スタンはゆっくりと身体を動かし始めた。
ちゅっ…ちゅくっ…と更なる水音が響く。
ルーティも熱く太いものが自分の身体を貫く感覚に我を忘れていた。
ひたすらスタンにしがみつき、動きにあわせて大きく身体を振るわせる。
「スタン…やだっ…すごっ…く…ああっ!!」
「ルーティ…俺…ダメかも…」
早くもこめかみに汗をにじませたスタンが囁くと、一気に腰の動きを早めた。
自分の内奥を突き上げる快感になす術もなく翻弄されるルーティ。
「あ…ああっ…やだあっ!!」
「う…うわあっ!!」
スタンはひときわ大きくルーティを突き上げると、その中に自らの白濁を注ぎ込んだ。
「…ごめん」
一息つくと、スタンは口を開きルーティに口付けした。
「ん…何に対して?」
まだ繋がったまま答えるルーティ。
「いや…その…中で…しちゃったし……えっと…先に…」
「悪いと思ってる?」
スタンの下で小悪魔の微笑を見せるルーティ。
「うん」
「じゃあ…」
しょぼんとした顔のスタンを見上げると、不意にルーティは内奥を締め上げた。
突然の快感に顔をゆがめるスタンと、表情とは裏腹に一瞬で怒張をみなぎらせる自身。
「わっ…わわっ…」
「ちゃんと最後まで付き合ってくれる?」
今度は自分が緩やかに腰を動かしながらルーティが言った。
言葉の端はしに早くも艶かしい息遣いが混じり始める。
「わかった…風邪引かない程度に付き合うよ」
「よろしい…」
数ヶ月後。
旅に出ていたスタンがリーネに戻ると、ルーティから至急クレスタまで来るよう手紙が届いた。
何事かと慌てたスタンは取るものもとりあえず飛び出し、気もそぞろでクレスタに駆け込む。
そのまま街の再奥にあるルーティの家に飛び込むなり叫んだ。
「ル、ルルルルーティ誰半殺しにしたあっ!?」
言うと同時にフライパンの一撃を食らうスタン。
「だあーれが誰を半殺しにしたですってええっ!?」
というルーティの声。
クリティカルヒットを食らったスタンが頭をさすりながらルーティの姿を見ると。
そのまま、目と口が大きく開かれた。
「る、ルーティ…?」
「ん?」
「ずいぶん…太ったね」
「まあ太ったっちゃ太ったけど…違うのよ。」
「へ?」
ぽかんとした顔のスタンをじろりと一瞥し、真っ赤な顔で続けるルーティ。
「…のよ」
「え??」
「だからあっ、できちゃったのよあんたの子供がっ!!!」
「えええええっ!?」
へたり込んだまま後方にずりさがるスタン。
「だっだって…」
「だってもへちまもないのっ!!あんた以外に考えられる人はいないんだからっ!!」
「お、俺…どうしよう…」
「どうしようも何もないでしょー!?手紙を出しても返事は来ない、行方を捜しても杳として知れず、そうこうしてるうちにお腹はどんどん大きくなるわだし…」
と、ここで一息つき、赤い顔のままぷうと頬を膨らまして続ける。
「で、どうするのっ?」
「どうするのって…」
スタンはここまで来てようやく我に返った。
ふうと大きく息をつくと立ち上がり、ゆっくりとルーティに歩み寄る。
少し目立ってきたお腹を軽くなで、ルーティを抱きしめると言った。
「折角だから、結婚しよう」
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