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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 400氏(3スレ目) すず×クラース 2003/03/09 -

クラース=F=レスター氏は大きな悩みを抱えていた。
それも、自らの知識では到底解決できなさそうな程大きな悩みを。

***

クレス達一行は忍者の里ですずを仲間に迎えた後、装備品や道具を揃える為にアルヴァニスタに寄った。
「アルヴァニスタには、祖父に連れられて数度来たことがあります」
と言ったすずであったが、いわゆる『観光』経験は皆無だったらしく、クレスやアーチェが半ば引きずるように
「ここがねー、サクラバさんのいるバーなんだよ。もーすっごい綺麗なピアノ聴かせてくれるの♪」
「アルヴァニスタ城内も見てみるかい?」
などと買い物ついでにあちこちを案内すると、無表情の中にも微かに嬉しそうな風情を漂わせていた。
当初はすずがパーティに打ち解けられるかどうか不安を感じていたクラースだったが、彼女なりに打ち解けたよ
うな、そんな表情を見てほっと胸を撫で下ろしたのであった。

その日の夜。
やや早めに食事をとった後、クラースを除く5名はクレスの部屋で何やら雑談を始めた。
おそらくは一同の自己紹介やら今までの旅の話やらをすずに聞かせているのだろう。
が、一方のクラースは「疲れているから」と言ってさっさと部屋に戻った。
宿のはからいで全員に一人部屋があたったので、久しぶりに自分の時間をゆっくりととりたかったのである。
アイテムや図鑑の確認をしてからシャワーを浴び用意されていた酒を軽く喉に流しこむと、クラースはローブを
羽織ったまま木の椅子に腰掛け、おもむろに召喚術の研究書を開いた。
部屋に入るとき何気なく確かめたが、ここの宿はそれなりに防音ができているようである。
その証拠に、クレスの部屋での騒ぎもまったく聞こえて来ない。
静かな部屋の中で自らが本をめくる音だけをBGMに、いつしかクラースは時を忘れて研究に没頭していた。

どれくらいの時がたっただろうか、クラースはふと視線を上げ息抜きに一つ伸びをした。
首と肩を軽く揉み、凝りをほぐす。
飲み物でも取ってこようと立ち上がりかけたその時、隣室でなにか物音がするのに気がついた。
部屋の配置は階段側から順にクレス、チェスター、クラース、通路を挟んで向かいがアーチェ、ミント、すずと
なっている。
と言う事はチェスターがもう部屋に戻って就寝準備でもしているのかもしれないな、と思っていたのだが。
「…っ!」
壁の向こうから微かな人の声がした。
防音ができているこの部屋で隣室の声が聞こえると言うことは、壁の近くで、それなりに大きい声で、誰かが何
かを叫んでいると言うことである。
興味がわいてきたクラースは椅子に座りなおすと、耳を澄ませる。
「…ふあっ!!」
少しして、また微かに声が聞こえてきた。
今度は声質もはっきり聞いて取れる。
やや舌足らずで子供っぽい、よく通るソプラノの声。
アーチェだ。
さらに興味を引かれてなおも耳をそばだてると、耳が慣れてきたのか少しづつ声がはっきり聞こえてくる。
「…やだあ…っ!!」
「…だろっ?……」
「…っさいっ………ひゃあうんっ」
チェスターの声もする。
そして、声と声の合間に微かに響く、何かが軋む音。
「…ほう」
声と音の正体に見当のついたクラースは微かに眉を上げた。
互いに好意を持っているのは容易に見てとれていたが、ここまで仲が進んでいたとは思わなかった。
彼自身は別に結婚するまで純潔を守れとか何とかと固いことは言うつもりはないのだが、ただ…。
「この壁を通して聞こえるってのは、いったいどんな絶叫をしているんだ?」
かすかに苦笑しながら立ち上がり、そっと廊下に通じるドアを開けてみる。
もし廊下に声が漏れていたら…と危ぶんだのであるが、しかし廊下は静まり返っていた。
どうやらチェスターの部屋のベッドとクラースの部屋の机が壁を挟んで隣り合っているが故に聞こえているよう
だ。
また音を立てないよう部屋に入ったものの、やはり声が気になる。
しかし、黙って聞いているのは覗き見をしているようでちょっと気が引けてきたのも事実である。
クラースは気分転換にもう一度シャワーでも浴びようとして立ち上がりズボンを脱いだその時だった。
ちょうど二人の声がクライマックスを迎えるらしい昂ぶりを帯びて漏れ聞こえてきた。
「…やっ、……やあんっ!!」
「……チェっ…」
「あっ…だ…めえっ!!」
思わず服を脱ぎかけた手を止めてしまう。
やや低いチェスターの声はほとんど聞こえず、アーチェの声だけが聞こえてくるのがまた想像力を掻き立てられ
る。
とりおり壁が鈍い音を立てるのはアーチェの足でもぶつかっているのだろうか。
いつしかクラースは耳を壁に当てんばかりにして二人の営みを聞いていた。
「もうっ…だめぇっ、あたしっ…!!」
「…俺もっ……もうっ…!!」
「やあっ、イっちゃうよおっ!!!…やだっ、やっ…」
「あああっ!!!」
「ひゃあうんっ!!!」
クライマックスらしい一際大きな二人の叫び声がしたかと思うと、それきり全ての音が止まった。
暫くするとはっきりしない声のようなものが聞こえ、少ししてから隣のドアが微かに開くような音と、小さな足
音が聞こえてきる。
どうやら、アーチェが『誰にもばれないうちに』自室に戻ったらしい。
クラースは今度こそ音が静まったのを確認してふうと一息つくと、中腰になっていた腰を椅子に預けた。
そして、そっと視線を落とす。
ただでさえ長旅で欲望を処理する機会に恵まれていなかった上、二人の声を聞いた事ですっかり興奮している。
視線の先、ローブの中では自身がそそりたっているのが見て取れた。
ふと脳裏にミラルダの姿が浮かぶ。
焼きたてパイを持って微笑んでいる姿が浮かび、すぐに一糸まとわぬ裸の姿に変わる。
慈母の様な優しい表情と淫魔のような妖しい表情、豊かで柔らかい胸の感触、ぽってりとした唇の感触、そして
何より柔らかで温かく彼の全てを受け入れた秘唇。
さまざまな記憶が蘇り、いつしかクラースは右手をローブの中に滑り込ませ、自身を慰めるように擦りあげてい
た。
「…っ、くっ」
よみがえる記憶の渦とともにリアルな興奮の波も高まり、それとともに手の動きも早まる。
このまま絶頂を迎えるか、と思った時だった。
こんこん…
不意に、控えめな音でクラースの部屋のドアをノックする音がした。
「!!!」
行為に集中していた為飛び上がる程驚愕したクラースであったが、あわてて椅子を引き、なおも収まらぬ剛直を
机の下に隠すと本の適当なページを開き、今まで読んでいた風を装ってから
「…どうぞ」
と告げた。
夜もずいぶん更けているのだから寝たふりをすればよかったのだろうが、とっさの事でそこまで気が回らなかっ
たらしい。
そんな彼の動揺をよそにそっとドアを開けて入ってきたのは、すずだった。
「失礼します」
ぺこんと音が聞こえそうな風情で一礼すると部屋に入りドアを閉める。
そのまま机の脇に歩み寄り、本を見ると申し訳なさそうな表情をみせた。
「…勉強の最中だったのですね、すみません」
「ああ、別にいいよ。」
本を閉じて見せ、微笑みかける。
彼自身は幼い少女に欲情する趣味はないので襲うとかいう心配はない。
が、それでも万一今のそそりたった剛直を見せてしまっては…精神的には誰よりも大人だからこそ、ショックを
与えるかもしれない。
そう思い、努めて興奮を抑えながらクラースは尋ねた。
「…で、何か困ったことでもあったのかい?」
「あの…実は、わたしの修行にお付き合い戴きたいと思いまして」
何事にも熱心そうな彼女らしい申し出である。
その姿と表情にクラースは思わず笑みがこぼれた。
「ああ、勿論さ。でも今日は遅いし、明日でいいかい?」
と明るく応じたのだが、しかしすずは軽く頭を振った。
「いえ、今お願いしたいのです。」
「今?みんな寝静まった頃だし、精霊を召喚するのはちょっと迷惑かと…」
「あ、修行というのは、戦いの修行じゃありません」
「え?」
意外な言葉に少し戸惑う。
「それ以外って…ええっと、スイトンとかカトンとかいうやつ?」
「いえ。」
乏しい知識を拾い上げて出した単語にも頭を振られる。
「じゃあ、どんな修行なんだい?私で手伝えそうな事ってのは…」
「性技です」
「せっ…せいぎって…?」
予想外の言葉にうろたえ、思わず鸚鵡返しに聞いてしまうクラース。
しかしすずは動揺した風もなく返した。
「セックスの技術、と言ったほうがわかりやすいですか?」
「いや、意味はわかるのだが…なんでそんな事を…その、修行なんてするんだ…?」
「はい。機密文書などを国から国へ届ける際の妨害方法として用いたり用いられたりする場合もありますし、情
報収集の有効な手段として使われる場合もありますから。
いわゆる『身体に聞く』というものです。」
「…は、はあ。」
「武術や幻術などはほぼ会得したのですが、そちらの技術はまだ修行不足していますので鍛錬が必要なんです」
眉一つ動かさず説明するすずの雰囲気に思わず流されかけたクラースだったが、そこまで聞いてはたと我に返った。
「って、ちょっと待った!!すずちゃんはまだ子供だろう!?まだそ、そんなこと…」
「幼い内から覚えることでよりしっかりと会得できますから。それに、子供を性的対象として見る方も意外と多
いですし。」
もう、ぐうの音も出ない。
「…」
「という訳で、お願いします」
と一礼するすずを押しとどめて、クラースはさらに質問を浴びせた。
時間稼ぎのつもりらしいが、はっきり言って意味は余りない。
「い、いや、ちょっと待て。なんでクレスでもチェスターでもないんだ?」
「お二人はあまり経験があるように見受けられませんでしたから」
「えっ…」
「クレスさんは見たところまったく女性経験がなさそうですし、チェスターさんもせいぜい一人か二人、そんな
に豊富なようには感じませんでした。そのような男性であれば多少拙い技術でも容易に篭絡することができます
。しかし、それでは修行の意味はありません。
より高い技術を身につけるためにも経験豊富な方に指導してもらった方が効率的です」
さすが忍の観察眼とでも言うべきか、以前彼が酔わせた勢いで聞いた情報とまったく相違ない。
と妙なところで関心しながら唸った。
「…で、俺を選んだと。」
「はい。少なくとも三人の中では一番経験豊富そうとお見受けしましたから。」
「いや、まあ年から言ってもそうだろうが、しかし…その、俺はだね」
「大丈夫です。以前筋がいいと褒められましたから。」
誰に、何をだ。
そう突っ込みを入れる間もなく、すずはクラースの前にかがみこみ、小さな手をローブの隙間から差し入れた。
制止する間もなく彼の雄の部分が引き出される。
「…!」
盗み聞きの興奮が完全に収まりきっていなかったそこは、やや硬さを失いながらもまだそそりたち、血液の脈動
と共に微かに揺れている。
先端からは興奮の余韻である幾筋かの透明な液が流れ、茎を濡らしていた。
「…あ、あの、これはだなあ…」
思わず耳まで赤くし何やら弁解を始めようとするクラース。
が、すずは一瞬眉をわずかに上げただけで何も聞かず、
「…それでは、失礼します。」
と言うなりクラースのそれを口に含んだ。
「…っちゅっ…」
唐突な快感に思わず大きく身を硬くするクラース。
「っ!!」
すずはその姿を上目遣いで視認すると、まずは先端だけを軽く口で含み、裏の接合部を舌先でくすぐった。
そのままゆっくりと喉の奥まで差し込み、そのまま顔を往復させる。
幼い口に全てを含む事はできていないが、それでも先端から十分過ぎる程の快楽が全身に広がる。
「っ、はあっ…」
思わず女性のような喘ぎ声を漏らし、身体を震わせる彼の様子を確かめるように唇で吸い付き、舌先でくすぐり
、頬の裏側でこすり上げる。
親指と人差し指で挟むようにして茎を擦り、同時に袋を口に含んで軽く吸い上げる。
それらは男の快楽の引き出し方を十分に心得ている動きであり、クラースはその快楽に抵抗する気力が奪われる
のを感じた。
更にすずは先端と茎の境目をなぞるように舐めあげ、裏側を指の腹でねぶる。
「っ!!!」
特に敏感なところを責められる度、クラースの身体が大きく跳ねる。
その姿からポイントを確かめ、なおも口と指でまさぐり続ける。
「ちゅっ、ちゅくっ…」
「くはっ……んっ、ふうっ」
「…こちらも失礼します。」
やがて彼の動きに合わせるかのように器用に足を広げさせると、さらに裏側から足の付け根を舌先で伝い、後方
の菊座まで這わせた。
唾液で十分濡れたのを確認すると、中心に指先を差し込む。
「なっ…」
経験した事のない行為に動揺したクラースが思わず腰を引きかけるより早く、より強い快感の波が襲う。
「あっ!!」
「この辺りでよろしいですか?」
痙攣と見まがうほど激しく身体を振るわせるクラースの反応を冷静な目で見ながら、何かを確かめるかのように
指先を動かす。
同時に陰茎に吸い付き、袋を空いた手で揉みしだく。
「ま、待てっ…」
その快楽に思わず女のようなか細い声で抵抗するも、少女は手を止めるどころかなお熱心に奉仕を続ける。
すでにその剛直は反り返る程に猛り、自身の内から出る液とすずの唾液を幾筋にも滴らせながら大きく脈打って
いる。
しかし、それでもクラースは最後の理性を振り絞っていた。
相手は出会ったばかりの、しかも年端もいかぬ少女である。
その少女に…そう、愛しい女性との愛の営み以上の快楽を感じてしまったとなっては申し訳が立たない。
クラースはそう自分に言い聞かせながら強く唇を噛み、襲い来る絶頂感を必死に押さえ込もうとしていた。
その様子を感じ取ったすずは諦めたかのように内側を愛撫していた指を抜き、もう片方の手も離して舌先だけを
ちろちろと先端に這わせはじめる。
触れるか触れないかの微妙な感触が小波のようにクラースの脳をゆるく刺激する。
「…ふう」
これで諦めてくれればとクラースが思わず全身の緊張をとき、小さく息を吐いた瞬間。
すずがいきなり陰茎を強く吸い込み、勢いよく前後に顔を動かした。
同時に菊座と陰嚢も強く刺激する。
緊張が解けきっていた身体に強い快感が襲い掛かり、それは堪えきれないほどの射精感となって一気に彼を襲う
。
「っ!!待っ…くっ…あああっ!!!」
クラースは絶頂の痙攣と共に勢いよく腰を引いた。
思わずすずの口から剛直がすぽんと音を立てて抜け出る。
刹那、白濁液が勢いよく飛び出して二度三度と放物線を描き、少女の顔を、髪を、服を汚していった。

「すっ…すまん!!」
激しい快楽に一瞬意識が遠のいたクラースだったが、ふと我に返り上半身が自身の白い液にまみれたすずの姿を
見ると思わず青ざめた。
「いえ、お気になさらず」
慌てて紙を手に取ろうとするクラースを制止すると、すずは動じた様子もなく白濁液を指先で掬い取って、口先
に運ぶ。
思わずあっけにとられている間にそのまま全ての液を舐め取り、今度はクラースの陰茎を丁寧に擦りあげ、残っ
ていた白濁を搾り出してこれも舐めとった。
その後懐紙で軽くふき取って後始末をする。
「…あ、あのだな、すずちゃん…」
「結構溜められていたみたいですね。味が濃厚で量も通常より多いみたいでした」
昼間と同じ調子で冷静に分析を開始する。
「…あ、ああ」
「…しかし…その割には最後まで至るのに時間がかかってしまいました」
「いや、それは…俺が…その…」
「やっぱりあそこであそこをああ…いや、それともこう…それからこうすれば…ぶつぶつ」
クラースが何やら言おうとするが、すずは既に聞いていない。
「あの…すずちゃん…?」
「もう少し早く終わると思ったのですが…私の精進がまだ足りないようですね」
「だから、そんな事は…」
「私もまだまだ精進が必要なようですね。頑張ります!クラースさん、ごちそうさまでした!!」
クラースの言葉が耳に入っていないすずは軽く口元をこぶしで拭うと最後に一礼し、ぱたぱたと部屋を出ていっ
た。
「…いやあの、ごちそう、なのか…?」
そして後には、下半身を出しっぱなしにした情けない姿のままで呆け、よくわからないツッコミをひとりごちる
クラースだけが残されたのであった…。

***

クレスに声をかけられ、クラースは我に返った。
すずの両親について、とりあえず情報を集めるため乗った船の上である。
「どうしたんですか?黙り込んじゃって…」
「具合でも悪いのでしょうか?一休みした方が…」
「どーせ精霊をだまくらかして契約結ぶ方法とか考えてたんだろうからほっといていーよ、ミント」
「アーチェお前なあ…『だまくらかす』ってお前じゃねーんだから」
「何であたしなのようっ!!」
「事実だろーっ!?」
「まあまあ、二人とも…」
「うふふ…」
わいのわいのと騒ぐ4人を透かして、そっとすずの姿を見やる。
微かに口元をほころばせる表情はやや大人びているものの、十分子供らしいあどけなさを残している。
少なくとも、昨日の媚態など露ほども感じられない。
クラースは思わずふうっとため息をついた。
「…全く、わからんもんだな。」
「いかがなされましたか?」
「!!!」
気がつくと、右下方からすずが顔を覗き込んでいた。
思わず動揺し、顔が赤くなる。
「いっ、いや、何でもない…みんなは?」
「もう船室に入られました」
「そうか…じゃあ行こうか」
慌てたクラースが顔を隠すように帽子をかぶりなおし、一歩前に踏み出したその時である。
「そういえば昨日言い忘れたんですけど…」
「…え?」
「今晩から当分の間、修行のお相手よろしくお願いしますね!」
「えっ!!」
腋の下にじんわりと汗をかきながらクラースがすずの方を見やると、彼女は先ほどとは打って変わってきっとした表情を見せ、さらに瞳の奥には爛々と炎まで宿している。
「私は確かに修行中の身ではありますが、それでも素人の男性に対してあれだけ時間がかかったのは初めてだっ
たんです。」
どうやら夕べ絶頂を理性で押さえ込んだ事が、すずのプライドをいたく刺激したらしい。
「あのな…」
「なので、クラースさんをすぐに至らせられるようになれば、きっともの凄い技量を身につけられると思うんで
す。ですからぜひお付き合いください!!」
「おーい、二人ともご飯だよー!?」
船内にの入り口からクレスが呼んでいるが、クラースにとってはそれどころではない。
「その、俺はだな…」
「あ、毎晩はきついですか?でしたら忍の里秘伝の精力増強剤『紅まむし』をご用意しますので」
「あの…」
「とにかく私、負けませんから!!」
すずはきっぱりとそう宣言すると、くるりと踵を返した。
彼の言葉は全く耳に入っていないらしい。
『打倒クラース』という文字が彼女の背中からにじみ出ている感さえある。
クレスの元に追いつくその後姿を目で追いかけながら、クラースは
「…参ったなあ」
そうつぶやき、深く深く、船もろとも海の底に沈みそうなほど深いため息をついたのであった。


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