総合トップ>SS一覧>SS No.1-079
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カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
無題 |
ヴァルク氏 |
チェスター×アーチェ |
2003/08/17 |
- |
アーチェとチェスターが結婚してから一ヶ月が過ぎた。
それは、彼らが幸せに過ごしていたある日。
チェスターはキッチンからの朝食の匂いで目が覚めた。
ただし、それはひどい匂いだったが。
「あー……、あいつまたやりやがったな…。」
呆れてキッチンに向かうチェスター。
「おいアーチェ、今度は何を…っ」
ただならぬ異臭に言葉が詰まってしまうチェスター。
一方アーチェは、あはは…と苦笑いしながらその異臭の元の前に立っていた。
「あは…またやっちゃった…」
「あは、じゃねえ!まーた鍋焦がしやがったな!」
いつものごとく料理に失敗し、調理器具を駄目にしてしまったアーチェ。
そんな彼女に怒ってみせるチェスターだが、異臭のせいかどこか力がこもっていない。
「だって、今日は上手くできそうな気がしたんだもん…」
「その根拠のない自信はどっからくるんだか…」
そんなやりとりをしているうちに異臭はどんどん広がっていき、二人はさっと近くの窓を全開にする。
「はぁ〜…死ぬかと思ったぞ…」
「ま、まぁ、こういうこともあるわよ。明日はきっと…」
未だ懲りていない彼女にチェスターは言った。
「そう言って毎朝失敗してるのはどこのどいつだ…?」
「あはは…」
笑ってごまかそうとする彼女をキッと睨みつけるチェスター。
二人が結婚してからというもの、アーチェは料理は自分がする、と言って聞かなかった。
なぜなら、自分が作った料理で彼に「美味い」と言わせたいというアーチェの密かな野望があるためだが、彼はまだそのことを知らない。
「で、結局朝飯は俺が作る事になるわけだな?」
「ごめーん…」
渇いた声で言うチェスターにアーチェは小さい声で謝った。
「ったく、最初からこうしてりゃ…」
ブツブツ言いながらもチェスターは手際よく料理をしていく。
数十分後、ようやく朝食を取る二人。
「やれやれ。しかしまぁ、よく毎朝続くよな…こんなことが」
「だから、ごめんって言ってるでしょ?」
不穏な空気が部屋を包むが、チェスターがそれを打ち破る。
「ん、そうだな。じゃあ、今夜サービスしてくれたら許してやるよ」
突然の彼の言葉に驚くアーチェ。
「なっ、何よそれ!」
「ははっ、冗談だよ。ほら、さっさと食っちまえ」
軽く笑って彼は自分の食器を片づけ始めた。
「あ、待ってよ〜!」
急いで彼女は自分の分を平らげる。
口一杯に頬張って飲み込もうとするが、やはりむせてしまう。
ごほごほ、と苦しそうにする彼女にチェスターは水を差し出して言った。
「一気にかっこむからだ。ほら、水飲め」
水を飲んで口の中の物を流し込むと、彼女はふうっとため息をついた。
「ごめんね…おいしいお料理作れなくて…」
「なに、いいってことよ。なんならこれからずっとでもいいぜ?」
チェスターの言葉にアーチェはぼそりと反論した。
「さっきと言ってることが違うじゃない…」
そういえばそうだ、と苦笑する彼にアーチェは言った。
「ねえ、私にも作れる料理、なにかない?」
「そうだな…おにぎりなんてどうだ?これならお前でも作れるはずだ」
それを聞いたアーチェは言った。
「そうね…うん、やってみる」
早速作ろうとする彼女だが、チェスターに止められてしまう。
「確かに作るのは簡単だけどよ、ちょっとコツがいるんだ…見てろ」
そう言うとチェスターはおにぎりを作り始めた。
数分後、二つのおにぎりができあがる。
「ただ作るのとおいしく作るのとは訳が違うんだ。そこを教えとこうと思ってな」
彼の作ったおにぎりを頬張りつつ、アーチェは感心した。
「ふーん…そうなんだ。ありがと♪」
彼女の嬉しそうな顔を見つつ、チェスターは言った。
「ま、頑張ってくれ。俺は仕事に行くからな」
「うん。いってらっしゃい」
出勤に行く夫を見送るアーチェ。
だが、忘れ物をしているのに気づく。
「チェスター!何か忘れてない?」
「ああ、悪い悪い。」
チェスターはアーチェの口にキスをし、改めて言った。
「じゃ、行ってくる」
「はーい♪」
チェスターを送り出し、アーチェは彼の言った「コツ」を探してみることにした。
「見てる分には、何も特別なことはしてなかったよね…自分でやってみれば分かるかな」
とりあえず作ってみることにした彼女。果たして、「コツ」を見つけるのだろうか。
▽ ▽ ▽
そして夜。
チェスターが帰宅すると、エプロン姿のアーチェが迎えてくれた。
「お帰り〜。ご飯できてるよ。」
「……何かイヤな予感がする」
「大丈夫。ちゃんと自分で味見したもん」
どうしてもイヤな予感が拭えないチェスターは、キッチンへ行ってみた。
そこには、沢山のおにぎりが。
汁物らしきものも並んでいたが、異様な色している。
「やっぱりか……」
彼のイヤな予感が的中した。
「こんなことだろうと思ったぜ……」
チェスターがうなだれていると、アーチェが言った。
「チェスターのためにたくさん作ったんだから、ちゃんと食べてね?」
「ああ、分かってる…」
山になっているおにぎりの中から一つ手にとり、食べてみた。
「……うまい」
「ふふふ〜。そうでしょそうでしょ〜。私だってこれくらいできるもん♪」
もう一つ口にしてみると、具が入っているのが分かった。
しかもそれは彼の好物の具で、彼女がそれをどこで知ったのか不思議だった。
「へえ、よくできてるじゃないか。どんな魔法を使ったんだ?」
「ふふっ、内緒。さ、食べて食べて!」
二人はおにぎりをすべて平らげた(汁物には手をつけていないが)。
チェスターは満足した様子で言った。
「ふう、食った食った。まさかお前がこんなに美味いもの作れるとはな…」
「ふふっ、良かった。そんなに喜んでくれるなんて思わなかったな♪」
「でも、毎日は勘弁してくれよ?また料理教えてやるから」
彼女ならやりかねない、とチェスターは今から釘をさしておいた。
分かってる、とアーチェは上機嫌な様子で答えた。
彼女の嬉しそうな表情を見てチェスターは思った。
(よっぽど嬉しかったんだろうな。あんな顔は見たことがない…)
チェスターは彼女の様子を見て、ふっと自然に笑みがこぼれた。
すると、アーチェが言った。
「ねぇ、チェスター?…その、私も、食べてくれるよね?今夜はサービスするからさ♪」
チェスターはフッと微笑して言った。
「何言ってんだよ。お前さえよけりゃいつでも食ってやるぜ?」
「もう、チェスターのえっちぃ…」
「どっちがだよ」
そんなやりとりをしつつ、二人は寝室へ向かった。
寝室に入ると、アーチェはいきなり服を脱ぎ全裸になった。
驚いたことに、彼女は服を一枚しか着ておらず、下着も着けていなかった。
「全く、スケベはどっちだよ」
チェスターは呆れつつも服を脱ぎ、ベッドに横たわった。
アーチェは相変わらずにこにこしたまま彼の隣に横たわった。
向かい合うと、自然に唇が重なる。どちらからともなく舌をいれ、深いキスをした。
「んっ…ん、ふ…んん…」
唇の間から、彼女の甘い声が漏れる。
続けて胸を触ろうとすると、手で押さえられてしまった。
「?」
「今日は私からさせて…」
そう言ってアーチェはチェスターに跨り、彼の分身に触れた。
さわさわと分身を撫でつつ、アーチェは言った。
「言ったでしょ?今夜はサービスする、って」
続けて彼女は分身を軽く握って擦り、先端にキスをした。
「うふっ、おっきくなってきた…」
アーチェは妖艶な笑みを浮かべ、剛直を舐め始めた。
「うっ……」
いきなりの奉仕にチェスターは呻いてしまう。
アーチェはそれで気を良くし、剛直を咥えて唇で擦った。
「んっ…んっ…んふ…」
情熱的な奉仕に、声を上げてしまいそうになりつつも彼は言った。
「ふう…う…いいぜ、アーチェ…」
咥えながら目で笑むアーチェ。
不意にアーチェは奉仕をやめた。
「アーチェ…?」
「お楽しみは、後にとっときましょ…ね?」
それに、と彼女は付け足して言った。
「やっぱり、私にもしてほしいから…」
多少物足りなさを感じつつ、チェスターは愛撫を開始した。
まずは首筋にキスをし、小振りな乳房を愛撫する。
「ん…」
続けて彼は乳首を指でこりこりっと弄ぶ。
「あんっ…」
そこを弄びつつ、チェスターは言った。
「お前、少し胸でかくなったんじゃないか?」
「んっ…、チェスターが、いつも揉むからぁ…」
喘ぎつつ反論するアーチェ。
片方を続けて弄びつつ、チェスターは乳首にキスをした。
「あんっ…ん…」
チェスターは乳首を弄んでいた手をするすると降ろし、彼女の秘部に触れた。
ゆっくりとさするようにし、強い刺激を与えないようにする。
「あっ…、んぁ…ん…もう、焦らさないで…」
「それはこっちの台詞でもあるんだが?」
と、彼は弱い刺激を続ける。
「んっ…ごめん…お願いだから…焦らさないでぇ…」
「分かればいいんだ。ここだろ?」
そう言ってチェスターは小さな秘豆をつまみ上げた。
「んあぁっ!…そう、そこ…はぅんっ!」
すっかりびしょびしょになったそこを舐め、溢れだしている愛液を掬うようにした。
「ひゃうっ!はぁっ、あぁっ…」
なおもチェスターはそこを舐めまわす。
「あぅん…ね、チェスター…もう、ちょうだい…」
彼女の要求に、彼は意地悪く言った。
「ん?何が欲しいんだ?」
「だからぁ…チェスターのおっきぃの…」
「そうだな…それで許してやるか。…俺もたまんねぇし…」
チェスターはさきほどの奉仕で生殺しにされていた剛直の先を、アーチェの膣口に充てた。
「一気にイクぜ…」
「うん…きて…」
チェスターは言葉通りに一気に突き入れた。
「あふっ!はぁ…チェスターの、おっきくて…すてき…」
「お前の膣も、キツキツで…最高だぜ…」
完全に根本まで入れると、激しく腰を打ちつけ始めた。
「うくっ!うぅん…はぁっ、激しすぎ…」
「お前に焦らされたおかげでな…抑えが効かないんだよ…!」
ピストン運動を続けるうちに、強烈な快感がチェスターを襲う。
「っ…だすぜ…」
「うんっ……きてっ…きてっ!」
許しを得ると、チェスターはさらに腰の動きを早め、彼女の膣に白濁液を注いだ。
「あぁ……でてる…熱いのが…」
恍惚とした表情でアーチェは呟いた。
二人とも息を荒くして寄り添うように寝転がっていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…気持ちよかった…」
「ふっ…そう、だな…」
二人とも満ち足りた表情で言った。
ふと、アーチェが聞いてきた。
「ねえ…おかわり、いる?」
「いや…今日は、なんか眠いんでな…」
「あはっ…あたしも…」
普段なら何回かする二人だが、この日に限ってはすぐ眠ってしまった。
すぅすぅと寝息をたてる二人。
二人の様子は、幸せそのものだった。
翌日の朝、二人は気持ちよく目覚めた。
「おはよ…チェスター」
「おう。おはよう」
まだ服を着ていない状態で、二人は朝の挨拶をした。
アーチェがちゅっ、と軽くキスをすると、チェスターは胸の方へ手をやった。
「あん…だめだよ…」
「ああ、分かってる。ちょっとしたジョークだ」
「もう…」
彼の冗談に呆れつつも、彼女はふと思いついた。
「そうだ。今日裸エプロンしてあげよっか?あんた、そういうの好きでしょ?」
彼女の提案に彼は言った。
「そういえば、見たことなかったな。頼む」
「んっふふ〜♪私も興味あったのよね〜」
早速キッチンに行ってエプロンを着けてみるアーチェ。
「どう?似合う?」
「そうだな…もうすこし胸があれば完璧だが。まぁ、上出来ってとこだな」
その返答に彼女は拗ねたように言った。
「ふーん。あらそう。そういうこと言う人には、もう二度としてあげないんだから」
う、とチェスターは困った顔して言った。
「まったく、こいつはすぐ冗談を本気にしやがる…似合ってるに決まってるだろ?」
チェスターの言葉を聞いたアーチェは感激した。
ホントはちょっと恥ずかしかったけど、喜んでくれて良かった、と。
「ほんとに?ほんとに似合ってる?」
と何度も聞き返され、チェスターは呆れた。
「あーあー、似合ってるよ。そんなに嬉しかったのか?
まったく、女ってのはわかんねえな…」
そんな彼の言葉を気にせず、アーチェは言った。
「ねえ、お料理教えてくれるんでしょ?何を教えてくれるの?」
すごい剣幕で聞かれたため、チェスターは驚いた。彼はゆっくりと服を着て言った。
「そう焦るな。ゆっくり教えてやるからよ」
そう言うとチェスターは彼女の隣に立って料理を教えた。
こうして、二人は平和で幸せな朝を迎えた。
(これからもこんな日が続くといいな…)
アーチェは秘かに思っていた。
二人はこれからも幸せな日々を送っていくことだろう。きっと…。
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