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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
DARK MIND マイナー志向氏 ディオス×メルティア 2004/02/24 -

戦闘の報告などの雑務を終え、戻った自室には先客がいた。
「メルティアか・・・研究の方はどうしたんだ?」
「お帰り、ディオス」
俺のベッドの上で本を読んでいたメルティアは、俺に気付き声をかけてきた。
「今日で大体終わり。細かい調整とかで実用まで後1日かかるんだけど、後は簡単な作業だから主任は休んでくれって」
俺は上着を脱いでベッドに腰掛ける。メルティアも身を起こし、俺の隣に座る。
「・・・こっちは今日3つの部隊が全滅した・・・パレスセダムの連中、数だけは多いからな」
俺はパレスグドラの一将軍として、メルティアは国家の兵器研究開発の主任として、隣国パレスセダムとの民族紛争の戦火に身を投じていた。
戦況は思わしくない。パレスセダムの兵力は、パレスグドラを大きく上回っていた。
だが、メルティアの開発した兵器が明日、この戦況を大きく変えてくれるだろう。
「・・・でも、またこれで多くの人が死んじゃうのかな・・・」
「・・・ああ・・・でも、これで終わりだ。1度アレの威力を知らしめれば、後は抑止力としてで十分だ」
(ただ、あいつが何と言ってくるかだがな・・・)

あいつ・・・俺達の養父であるバンディ将軍は、軍部きっての強硬派だ。ダオスからの両国の停戦要求を伝える使者を殺して送り返した。
あの国がその気になれば、両国をまとめて壊滅させることすらできるのにも関わらず、だ。
あいつは、路頭に迷っていた幼い俺たち姉弟を拾って、国に尽くすよう徹底的に教え込んだ。
俺を、敵を殺すための道具として育て、争いの嫌いなメルティアを無理やり人殺しの道具を作らせる仕事に就けた。
何度後ろから斬り殺してやろうかと思ったか分からない。
だが、自分の感情のままに行動すれば、俺だけでなくメルティアまでが不幸になる。それだけは何としても避けなければならなかった。

しばしの沈黙が流れた後、メルティアが口を開いた。
「明日は早いの?」
「ああ、早朝から作戦がある」
「・・・あのさ、ディオス、その、ここの所ご無沙汰だったから・・・もし疲れてなかったら・・・」
「・・・そのつもりで俺の部屋に来たんだろ」
俺は肩に手をかけてメルティアをベッドに押し倒し、唇を奪った。
「ひゃっ・・・はぁうっ!!」
僅かな前戯だけで蜜を溢れさせたそこを指で割り広げ、少し乱暴に突き入れた。
熱いくらいのメルティアの体温が、俺とメルティアを溶かしてひとつにしようとしているようだった。

――初めてメルティアと関係を持ったのは、俺が軍人として初めて実戦に出た日の前の夜だった。
死の恐怖に怯えていた俺を、メルティアは自分の体で慰めようとした。俺もそれに甘えた。
だが、メルティアもまた、死の恐怖に怯えていた。
本当の親の顔も知らず、唯一の肉親である俺も戦場に出ていつ死ぬかもしれない。メルティアもまた、俺に慰めを求めていた。
そんな恐怖を、肌の重なりが忘れさせてくれた。互いの温もりが、俺達の繋がりを感じさせてくれた――

ずちゅっ・・・ずちゅっ・・・
殺風景な俺の部屋に、淫靡な音が響く。
メルティアの膣内が、俺を搾り取るように蠢く。俺に、できる限りの快楽を与えようとする。
俺も、メルティアにできる限りの快楽を与える。大きめで形のよい胸を揉みしだき、耳を甘噛みしてやる。
緩急をつけてメルティアに出し入れする。互いに限界はすぐそこまで来ていた。
「ディオ・・・ス・・・んんっ!!」
イク間際に強く抱きしめてくるのがメルティアの癖だ。俺の一番好きな瞬間でもある。俺も鼓動が伝わるほどに強く抱きしめ返す。
「んあっ、あああっ!!」
最後にコツンと突き当たる一番奥まで突き入れ、そのままメルティアの膣内に全て吐き出した。

後始末を終え、メルティアはいつもの、研究室でよく見かける白衣姿に戻った。
「ディオス・・・明日も、来ていいかな?」
「戦争さえ終われば、いつだってしてやるさ」
「うん・・・・・・おやすみ、ディオス」
「ああ、おやすみ、メルティア・・・」
静かに部屋の扉を閉めるメルティアを見送り、俺はまどろみの中に身を投じた。

最前線にいた俺の部隊に、知らせが届いたのは昼のことだった。
「・・・王城が奇襲を受けただと!?」
全身の血液が凍りつくような気がした。すぐに部隊に退却命令を出した。適当な理由をつけて、数名だけの部下を連れて王城へ急いだ。

通りに倒れる民間人の死体の山を尻目に、豪華な外装を誇った王城の見るも無残な姿もよそに、城の地下の兵器研究所に向かう。
道を塞ぐパレスセダム兵を何十人と斬り殺し、祈るように研究所に飛び込む。そこには数体の研究員の死体と、そして・・・・・・
「メルティア!!」
俺はコンソールに突っ伏したメルティアの体を抱き起した。腹に受けた刀傷からごぽっと血が流れる。
「ディオス・・・」
「しっかりしろ、メルティア!!」
「ディオス・・・私・・・何の・・・為に・・・分からな・・・ううっ・・・」
焦点の定まらない眼で俺を見つけると、メルティアは涙を流し、そして、事切れた。

「・・・て・・・ろせ・・・ほろ・・・せ・・・」
扉の方から、蚊の鳴くようなか細い声が聞こえた。振り向くと、床を這うあいつ・・・バンディ将軍がいた。
生きている事がおかしいほど傷は深く、既に正気を失っていた。
「・・・撃て・・・殺せ・・・滅ぼせ・・・敗北者に、未来など・・・無い・・・パレスセダムは・・・我が国を皆殺しに・・・するつもりだ・・・
 ・・・ディオス・・・これは・・・上官として・・・そして、父親と・・・して・・・お前に与え・・・る、最後の・・・命令だ・・・
 ・・・撃て・・・殺せ・・・滅ぼせ・・・があっ!!」
不意に、通路の陰から現れたパレスセダム兵に胸を貫かれ、あいつはあっけなく死んだ。
そのままこちらに向かってきた兵士を、俺は首に剣を突き刺し殺した。
・・・俺の頭の中にあいつの言葉が響く。『・・・撃て・・・殺せ・・・滅ぼせ・・・』『・・・撃て・・・殺せ・・・滅ぼせ・・・』
俺の中で何かが音をたてて壊れた。
「・・・もう、この国は・・・おしまいだ・・・
 ・・・・・・・・・俺に与えられた、最後の命令・・・『憎しみ』という弾丸を込めて・・・奴らを・・・撃つ!!」
「システムチェック」
――MAINSYSTEM READY SUBSYSTEM READY――
俺の音声入力に反応し、システムが機械的な音声を発する。
「システムが・・・生きている・・・奇跡か、それとも・・・悪魔の仕業か?」
パレスセダム兵の駆けつける足音を聞き、部屋にロックをかける。時間稼ぎにはなるはずだ。
この星、デリス=カーラーンの命の源である『マナ』を糧に絶大な力を発する『魔科学兵器』。
10%に固定されていた出力を120%に上げる。どうせ一発で終わりだ。後はどうなってもいい。
――TARGET CHECK IS OVER――
――LASER OPERATION SYSTEM IS ALLCLEAR――
爆発音と共に、扉が吹き飛んだ。扉を破壊した魔術師が叫ぶ。「生き残りだ、殺せ」と。
数人の兵士が無防備な俺の背中に剣を突き立てる。だがもう遅い。
コンソールから突き出た引き金に、冷たくなったメルティアの指と俺の指を重ねる。
――AT THE READY・・・――
「吹き飛べ!!!」
俺は、ためらう事無く、引き金を引いた。
部屋を蒼い光が飲み込んでいった。メルティアの冷たい体を、強く強く抱きしめた。
・・・そして、俺の意識はそこで途絶えた。

――自らの滅びと共に、全ての死を選んだか・・・何という事を・・・
・・・マナを・・・マナを失った世界・・・我が星にとって、『死』を意味する・・・
我が星に、新たなる命を芽生えさせる希望、『大いなる実り』・・・
急がねばならぬ・・・全てが滅びる前に・・・・・・――

・・・・・・決して、輝いてはいけない蒼き光・・・それは、破滅の光・・・・・・
『魔科学兵器』は、敵、味方の区別無く・・・兵士、民間人の区別も無く・・・15万余りの人を消し去った・・・
そして、マナを失ったデリス=カーラーンは、滅びの危機を迎える・・・
・・・・・・決して、輝いてはいけない蒼き光・・・それは、憎しみの光・・・・・・


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