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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
フィリア巡恋歌 丼兵衛氏 スタン×フィリア 2003/04/06 -

ミクトランとの決戦を控えた前夜、ダリルシェイドにある高級ホテルの廊下では、

何やら話し合っている二人の男女の姿があった。

「ルーティ、俺は………」
ハリネズミのような金髪の青年が黒髪をショートカットにした女性を自分の肩に
抱き寄せた。
「スタン、アタシもアンタの事が………」
黒髪の女性は青年の逞しい胸版に体を寄りかからせ、二人は寄り添いながら同じ部屋
に入っていった。

…丁度その時、廊下の隅から二人に気付かれない様に覗く影があった。
<フィリアや、これで良いのだな?>
「はい…、クレメンテ様」

フィリアと呼ばれた女性は、丸縁眼鏡の奥にある瞳をそっと閉じた。

―数日後―

上空を覆っていた「外殻」はもはや存在せず、青々とした空が広がっていた。
だが、そのような颯爽とした陽気とは裏腹に、薄暗いホテルの一室に引きこもって
物思いに耽る一人の女性がいた。
世界を破滅の危機から救った英雄の一人、ストレイライズ神殿の神官でソーディアン
マスターであったフィリア・フィリスその人である。

彼女は道中を共にしていたスタン・エルロンにほのかな想いを抱いていた。
しかし、当のスタン自身はルーティ・カトレットと感情を通わせつつあり、フィリアは
二人の幸福の為にあえて自ら身を引く事にしたのであった。

しかし、以前から密かに暖めてきた想いを簡単には消せる訳でもなく、彼女の心は今だに
身を裂くような葛藤に責め苛まれていた。



37 名前:丼兵衛 投稿日:03/04/05 00:28 ID:TWyohjmD
(これで…、これで最後に………)

フィリアは眼鏡を外して腫れぼったい眼を手で拭い、椅子から腰を上げると寝台に
乗った。丁度、膝で足を曲げて立っている格好である。

(アタモニ様、私の罪をお許し下さい…)

いつの間にやら右手に持っていたリキュールボトルを一気に飲み干した。空になった
瓶を手元に置くと神官用のローブのボタンを外し、白いスカートの裾を捲し上げた。
すべすべとした太股と純白のショーツが露わになる。
フィリアは、ショーツの当て布の部分に右手の人指し指と中指を当てがい、割れ目に
食い込ませた。

(これが…、スタンさんだったら…どんなに良い事か………)

左手の方はホックが外されたブラウスの襟に滑り込ませ、右の乳房を掴んでいる。

「あ…、ふ…ふぅ………」

ショーツの割れ目にあてがった指を動かす度にくぐもった音を立て、少しづつ蜜が
溢れ出してきた。掌の中で乳房は自在に形を変え、彼女に更なる快感を伝えた。

「うう…、ん………」

指の動きが激しくなると共に、彼女の吐息も段々と荒くなる。
もはや、ショーツの布地は秘所から涌き出る蜜の為に半透明となり、薄い恥毛に
覆われた秘所の割れ目の形をくっきりと浮かび上がらせていた。
上半身はブラウスの裾をずり下げたので彼女の白い乳房が丸出しとなり、
体を動かす度にゆさゆさと揺れている。

「はっ…あ…、スタン…さん………」

ショーツの中に手を直接入れ、直に割れ目を擦り始めた。彼女の視線は宙をさ迷い、
眼鏡は今にもずり落ちそうである。

フィリアの脳裏には、彼女に爽やかな笑みを投げかけるスタンの姿があった。

…スタンの逞しい腕がフィリアを抱きすくめ、彼女の服をゆっくりと脱がしていく。

恥らう彼女に口付けを交わすと、彼女を気遣いながら優しく秘所に剛直を当てがう。

そして、ゆっくりとフィリアの身体を刺し貫き、一つとなってゆく。

(あぁ、スタンさん………)

「ああっ、ふあぁぁ!!」

快楽が絶頂に達したのか、フィリアは大きな嬌声を上げて寝床に崩れ落ちた。

(私…、まだスタンさんの事が………)


フィリアは寝床に倒れ込んだまま、朦朧とした意識で快楽の余韻を味わっていた。
彼女の顔と上半身は赤く火照って白い肌を桜桃色に染め上げていた。
スカートも大きくまくられ、M字に開かれた肢体はいつの間にかショーツも半脱ぎ
となり、蜜に塗れた秘所も一糸纏わぬ形で露わとなっている。
普段の神官としての高潔で清廉な姿とは余りにもかけ離れた姿であった。

少し時間が経ってから、意識が戻ってきたフィリアは身支度を整えようと身を起こした時、
眼中に写る光景を見て、瞬時に上気した全身から血の気が引いた。

…開け放たれた扉の前に、本物のスタンと旅の仲間のマイティ・コングマンがメドゥーサ
に睨みつけられたかのように硬直していたのであった。
「あ………」
あろう事か、自分の痴態を想い人(プラス一名)に見せ付ける格好となり、フィリアの
顔は純白を通り越して青白くなった。

(あぁ、何て事………)

一方、スタンも少なからず衝撃を受け、声も出ない有様であった。
隣室から苦しそうな声を聞き付け、フィリアの具合が悪いのかと思い、心配して部屋に
入ってみれば、『純潔』を絵に描いたような少女が肢体を丸出しにして自慰に耽って
いる。驚かない方が不思議である。
もっとも、コングマンの方はもっと悲惨であった。
彼も、旅の途中から清廉で心優しいフィリアに引かれ、密かに想いを抱いていたのだが、
当のフィリアはスタンの方を向いている事に気が付いた。
いっその事思い切って告白しようとも考えたのだが、先の理由に咥えて余りにも年の
差があり過ぎた。せめて、フィリアを見守ろうと決心したのだが、スタンはルーティ
と恋に落ち、傷心を抱えながら尚もスタンの名を呼びつつ自慰をするフィリアの姿を
目撃する羽目になったのである。彼の精神的ダメージは計り知れなかった。

「………フィ……フィリア……さん?」
やっとの思いでスタンが口を開くと、フィリアはようやく我に返った。
「ス…スタン…さん?、きゃあっ!!」
即座にスカートの裾を降ろし、両手で自分の恥房を隠して縮こまった。
「フィリア…、どうして俺の名前を………?」
スタンは縮こまって動かないフィリアに向かって歩み寄ろうとした時、突然横から
図太い腕が突き出し、スタンの動きを止めた。

「コ…、コングマン?」
「スタン、お前って奴は!!」
コングマンはスタンの上着を引っつかむと、そのまま壁際へ押し付けた。
「なっ、何をするんだ!?」
「スタン…、お前にフィリアちゃんの気持ちが分かるか!?」
「気持ちって…」
「決まってるだろ!、フィリアちゃんはお前の事が好きなんだよ!!」

「え………?!」

スタンは何が何やら分からない、といった表情をしているが、コングマンは真剣な
眼差しでスタンを見つめ、尚も話を続けた。

「この際だから言っておくがな、俺様はフィリアちゃんの事が好きだった。
遊びで女と付き合った事はあるが、フィリアちゃんは違った。俺様は告白しようか
本気で迷った位だ。結局、フィリアちゃんはお前の事が好きだと分かってからは
俺様は潔く身を引こうと思った。フィリアちゃんの気持ちを考えてだ。
ところが、お前はフィリアちゃんを無視して別の女と懇ろになっちまいやがった。
フィリアちゃんがどんな思いでお前の事を見ていたか分かるか!!」

「!?」

スタンは余りの衝撃に言葉すら出なかった。
「コングマンさん…」
フィリアの方も、コングマンの思わぬ告白に少なからず驚いた様である。
「…で、俺は一体どうすれば………」
「決まってるだろ、お前がフィリアちゃんを慰めるんだよ」
「…どうやって?」
「数日前にお前がルーティにしたのと同じ事だ」
「え?!」
スタンは顔を真っ赤にした。
「そ…そんな恥ずかしい事…、フィリアに出来る訳が…」
「できねぇと言うなら、俺様がお前のをへし折って使えねぇ様にするまでだ」
コングマンの左手がスタンの白いズボンの中心部を鷲掴みにした。
「ひっ…!!、や…やめろ!!」
スタンの顔が恐怖の余りに引きつった。
「フィリアちゃんを更に悲しませる様な事をしたら、俺様が絶対に許さねぇ」
スタンの返答次第によっては本当に握り潰しかねない勢いである。
流石にフィリアも止めようとしたが、コングマンの表情の真剣さに口を閉め
ざるを得なかった。
彼女とスタンの為に、敢えて汚れ役になり切ろうとしているのが痛い程に
伝わったからである。

(コングマンさんは私の為にこんな事を…)

「…わ、分かった」
ようやく、スタンはコングマンの丸太の様な腕から解放されて床にへたり込んだ。
「…で、コングマンは一体どうする気なんだ?」
「俺様はここでお前がちゃんとフィリアちゃんを慰めるかどうか見届ける。
これは俺様がフィリアちゃんにしてやれる事だし、俺様も納得出来ねぇしな」
「え…?」
「間違えるな。俺様はフィリアちゃんの心に惚れてるんであって、身体が目当て
じゃねぇ。じゃぁ、俺様は部屋の外にいるから、しっかり頑張るんだぞ!」
「コングマン…」

「スタンさん………」
フィリアは服を脱ぎ、一糸纏わぬ姿でスタンの前に立っていた。
「フィリア…とっても綺麗だ…」
スタンも筋肉質の肢体をフィリアの前に晒し、フィリアの裸体を眺めている。

「んっ………」
スタンはフィリアの唇に自分の唇を重ね、ゆっくりと吸い上げる。
フィリアもスタンの唇の動きに合わせて唇を動かす。
「ん………んぅ………ふぅ」
スタンは唇を離すと、真っ白なフィリアの乳房に顔を埋め、桜桃色の乳首を含んで
愛しげに唇で吸ったり舌で転がしたりした。
「あ…、んっ…、スタン…さん………」
フィリアもスタンの愛撫に反応したのか、顔を桜色に染めて息使いを荒くしながらも
自分の想い人の名を呼んだ。
「フィリア…、ごめん………」
「いいのです。今はスタンさんに愛されていますから…」

スタンもフィリアの求めに答える様に右の乳房を持ち上げ、指で軽く押さえ、左の乳房
は唇で転がし、舐めまわしている。数日前の情事の時にルーティに『一番気持ち良い
姿勢』と教えられたものである。

「あ…、い…イイです…もっと…来て…下さい」
「フィリア、行くよ………」
スタンはフィリアの下半身を愛しむ様にさすり、臀部に顔を近づけた。
うっすらと茂った恥毛の奥に形の整った秘所が見える。
「フィリアのココ、とっても綺麗だ………」
「そ…そんなに見られたら…恥ずかしいです………」
フィリアは顔を真っ赤にして手で覆い隠している。
スタンはフィリアの秘所に唇を付け、割れ目に沿って舌を這わせた。
「ああっ!」
フィリアは身体を振るわせ、身体を硬くして悶えた。
「フィリア…、とっても可愛いよ」
スタンは秘所から蜜が溢れ出て、顔が液体塗れになるのも省みずに愛撫を続けた。
「あ………あぁ………あ………」

スタンが顔を上げると、フィリアは息も荒く、度重なる愛撫の為にぐったりと寝床
に横たわっていた。
「フィリア…大丈夫?」
スタンが蜜塗れの顔でフィリアの顔を覗き込むと、フィリアは疲れた様子であった
がスタンの顔を見るとにっこりと微笑んだ。

「スタンさん…、私の中に…下さい」

「フィリア………」
スタンはフィリアの頬に口付けすると、彼女の均整の取れた身体に重なった。

「ん…っ、ちょっとキツイかな…」
「い…痛い…痛いです………」
スタンは自分の剛直をフィリアの秘所に当ててゆっくりと挿入したが、割れ目が
広がらないのか先端ですら中々入らない。

(そう言えば、ルーティの時も大変だったな…)

数日前の事の最中にルーティの膣へ入れようとした時、スタンの剛直が太すぎた
のかルーティが『痛い!!』と言い出して大騒ぎとなった。
スタンは危うくお預けを食らう所であったが、この時は何とか済ませる事が出来た。

(やっぱりアレを使うのかなぁ…)

スタンはベッドから起きると、部屋の隅に置いてあったフードサックの中身を調べ、
中から何かを取り出した。
フィリアが何をするのかと思い、スタンのいる方を向いていると、彼は手にキュウリを
持って寝台へと戻って来た。
「それは…」
「きっと始めてだろ?、だからこれで慣らしておいた方が痛くないと思うんだ」
スタンはキュウリをフィリアの割れ目にゆっくりと挿入し始めた。
「んっ………」
「大丈夫?」
スタンは挿入しつつも注意深くフィリアの様子を伺っている。
「これなら何とか…」
キュウリ自体も普通の大きさであったので、フィリアの秘所は半分近くを咥え込んだ。
「動かすよ、痛かったら言って」
スタンはゆっくりとキュウリを持つ手を動かした。
「ふぁ…あ………、あぁ!!」
キュウリを慎重に動かしたり出し入れした為か、秘所は大した出血と痛みも無く開発
され、徐々に口を広げてゆく。スタンもなるべくフィリアに快感を与える様に片方の
手で胸とうなじに愛撫していた。

「ス…スタン…さん…、私の中に…来て…下さい………」

スタンはフィリアの応じに答えてキュウリを秘所から抜き出し、代わりに自分の剛直
を割れ目に押し当てた。今度は何とか入りそうである。

「フィリア、行くよ………んっ!!」
「あぁ!!」

スタンの立派な剛直がフィリアの秘所に沈み込んだ。とはいえ、それでも太い剛直は
割れ目を一杯に押し広げていたので、スタンはフィリアの身体を労わる様にゆっくりと
体を上下させた。

「んぅ…フィリア…、とっても…イイ………」
「わ………私もです………んぁ………」

フィリアもスタンの大きな背中に腕を伸ばし、硬く抱きしめる。
こうして、スタンはフィリアの身体を壊さない様に少しづつ彼自身の楔を打ち込んで
いった。

「フィリア…もうそろそろ…外に出すよ……」
スタンは限界に達しようとしていたのでフィリアの秘所から剛直を抜き出そうとした
時、フィリアがスタンの腰を掴んだ。

「スタンさんの………欲しい………」

「フィリア?!、あ…うぁぁ…!!」

フィリアはスタンの下半身に顔を突き出すと、剛直から吐き出される白濁液を口で
受け止め、そのまま喉へと嚥下した。口からはみ出した白濁液はフィリアの白い顔や
丸縁の眼鏡に半透明の筋を描き込んでいった。

「気持ち悪くなかった?」
事が終わり、スタンはフィリアの顔と首筋をタオルで拭いていた。
「スタンさんのなら…、それに、スタンさんはとっても優しかったですわ」
「無理してフィリアを傷付けるのは嫌だったから…」
スタンはタオルを握り締めると、フィリアの横に座った。

「俺…、コングマンの言う通り、フィリアの気持ちに全然気付いていなかったんだ。
世界を救う程の『英雄』なのに傍で苦しんでいる仲間の事も気に掛けられなかった。
全く、聞いて呆れるよな…」
フィリアがスタンの顔を見ると、彼の蒼い瞳から大粒の雫がこぼれていた。
「…俺、『英雄』なんかじゃない。馬鹿な田舎者のおのぼりだ………」

「スタンさん、私はスタンさんの事を『英雄』だと思いますわ」
「フィリア…?」

「今ならずとも、私が困難の前に何度も挫けそうになるのを、いつもスタンさんが
私の事を気遣って助けて下さいました。それに、私が貴方を好きになったのは、
スタンさんが誰をも信じて助ける、その優しさで数え切れない人を救ったからです。
だから、スタンさんがルーティさんと孤児院を立て直すと聞いて、ルーティさん
がスタンさんに相応しい人だと想って諦める決心をしたのです」

「………」

「コングマンさんも、スタンさんの『英雄』の素質に気付いていたからこそ、
スタンさんにああいう風に振る舞ったのでしょう。
つまり、彼にも、私にとってもかけがえの無い『英雄』なのです。
だから…、スタンさんはその涙を流せる心を決して忘れないで下さい…」

フィリアはそっとスタンの頬にこぼれた涙を拭くと、スタンの身体を自分の胸元に
抱き寄せて愛しげに抱くのであった。
                 *
「うぐ…えっぐ…うぅ…そうだよ…フィリアちゃぁん………」

廊下では、身の丈が2mはあろうかといういかつい大男がドアの前に聞き耳を立て、
滝の様な涙を流してはホテルの廊下に大きな水溜りを作っていた。
「あの、お客様…、絨毯を汚されては………」
「うるせぇ、今は大事なトコだ!」

コングマンに見事に裏拳を決められ、哀れなボーイは廊下の端で伸びる羽目になった。


<エピローグ>

―18年後のストレイライズ大神殿―

「フィリアさん、気になったことがあるんで聞いて良いですか?」

父親譲りのとんがった金髪と、母親譲りの中性的な顔立ちを持った少年が神殿の
司祭らしき女性に尋ねている。

「はい、私に答えられる事でしたら」
司祭は丸縁の眼鏡の奥から優しい笑みを少年に投げかけた。

「どうして、ここの部屋にキュウリがあるんですか?」
ほんの僅かだが、司祭の表情が赤くなった様に見えた。
「それは…貴方のお父様の事を思い出す為の物です」
少年の傍にいた銀髪の青年がある事に気が付いたのか、少年の肩を掴んだ。
「そうですよねぇ、思いがけない物に大切な思い出があったりしますから、ははは」
心なしか、青年の笑みは引きつっていた。
「ロニ、思い出って?」
「そりゃあ、スタンさんと一緒に食べたあの味が忘れられないとか、そういう事だ」

(『夜のお供』なんて言える訳ねぇだろ、この馬鹿!)

「ふうん…、それで、その時の味はどうだったのかなぁ?」
「『忘れられない程美味かった』に決まってるだろ。ほら、さっさと行くぞ!」
「きっとそうだよね、ロニ!。所でさ、僕もこの間リアラと食べた…」

青年の手に引かれながら去ってゆく少年と、その脇にいる少女の姿を見送りつつ
フィリアは少年の姿に、かつて自分が愛した人の面影を垣間見ているのであった。

(スタンさん………)


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