総合トップSS一覧SS No.1-034
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
リリス頑張ります!(何を?) サザム氏 リリス×スタン 2003/07/29 -

「お兄ちゃん、起きて!」
「う〜ん、むにゃむにゃ……」
リリスの朝は、いつも壊滅的に寝起きの悪い兄、スタンを起こす事から始まる。
「起きろったら起きなさい! ……えいっ!」
「むぎゅっ!? ……すぅ、んむむむ……」
思い切り胴体に飛び乗っても、スタンは少し苦しそうにするだけで、一向に目を覚まさない。
「……やっぱり今日も、これじゃ起きないのね。じゃあ、いつものをやりますか……」
眠り続けるスタンに、しかしリリスは何故か満足げな笑みを洩らし、ペロッと唇を舐める。
一人呟くと、スタンの布団を剥ぎ取って、慣れた手つきで下着ごと寝巻きのズボンをずり下ろした。
「ホント、毎朝毎朝、ここだけは元気に起きてるのよねー……えい、えいっ」
「んむ、んむぅ……」
「ふふふ、早く起きないと、食べちゃうぞ〜?」
男の生理現象として、立派にそそり立っている剛直を指先でピンッと弾き、リリスはクスクスと笑う。
びよんびよんとオモチャのように揺れ動く度に、スタンの口からうめきが上がる。
「さーってと、いつまでも遊んでちゃマズイわよね。……それじゃ、いっただっきまーす。……あむっ」
「んっ……」
遊ぶのにも飽きたリリスは、お行儀良く挨拶をすると、スタンのモノをぱくりと口に咥える。
亀頭を包む柔らかな感触に、寝ているスタンの眉が小さく跳ねた。
「んっ……ふちゅっ……、んふ……ん……ふぅ……。お兄ちゃんが、起きないのが悪いんだからね……」
言い訳めいた独り言を呟きながら、リリスは愛しげに兄の陰茎をしゃぶる。
小さな口で精一杯それを頬張り、舌をるろるろと動かして、男の味を堪能する。
片手はスカートを割って入り、汚れないようにショーツを脱ぎ捨てた裸の下腹部を、自分で慰める。
幼い陰裂はすでにたっぷりと濡れており、ちゅくちゅくと淫靡な水音を立てていた。
「ふむっ……んっんーっ……。ぷうっ、お兄ちゃん、気持ち、いい……?」
「うう……ん、むにゃ……」
「気持ちいいんだよ、ね……? あたしも、こうやってると……んふっ、あそこが、熱くなるの……」
返事が戻らないのは承知の上で、リリスは意識のないスタンにそっと囁く。
言葉で応じてもらえなくても、鈴口からじわりと先走りを滲ませる亀頭が、快楽を得ている事を知らせる。
雁の裏に舌先を這わせ、リリスはしなやかな指でごつごつとした幹を擦り立てる。
こんな処をスタンに気付かれたら、という密かな背徳感が、リリスの官能を更に高めてゆく。
リリスの雫は膝のあたりまで垂れ、きらめく筋を内股に作り出していた。
「あ……。お兄ちゃん、出そうなんだね……。ヒクヒクって、切なそうに動いてる……」
「う……く……」
スタンの射精の前兆を敏感に感じ取り、リリスは両手の動きを速めた。
しゅにしゅにと陰茎をしごきつつ、自分の秘唇とその上の敏感な突起を、くちゅくちゅと捏ね回す。
「いいよ……出して。いつも通り、あたしが、飲んであげる……んっ、じゅぷっ……!」
リリスは自分の絶頂を追い求めながら、再びスタンの剛直にしゃぶりついた。
スタンの状態に合わせて、陰核をくりくりと刺激し、一緒に達することを求める。
「んちゅ……んっ、んんっ、────ん!!」
「う……う、くっ!」
リリスの官能が弾けるのとほぼ同時に、スタンの先端から白濁の粘液が迸った。
「ふむっ!? ……んくっ、んっ……! っぷはぁ、はぁ……」
苦味のある精液を残らず飲み干すと、絶頂の余韻に痺れるリリスは、くたりとスタンの腹に頭を落とす。
「あは……、お兄ちゃん、ごちそうさま……」
リリスの潤んだ瞳には、満たされた女の淫蕩な光が煌いていた。

              ◇  ◇  ◇

ガンガン! ガンガンガンッ!
「ほ〜ら、お兄ちゃん、起きろ〜!」
「うわわっ!? 分かったよ、リリス! 起きる、起きるから……!」
それから数分後、綺麗に痕跡を消したリリスは、秘技『死者の目覚め』でスタンを叩き起こした。
その楽しげな様子には、つい先程の小悪魔めいた雰囲気は微塵もない。
寝ている間に何をされたのかも知らず、スタンはふやふやと欠伸をかみ殺してベッドから降りる。
ボリボリと寝癖のついた頭を掻き毟りながら、フライパンとお玉を構えるリリスの前に歩み寄った。
「おあよー、リリス……。もう、朝メシ出来てる?」
「後はお兄ちゃんが来るだけよ。まったくもう、世話が焼けるったら……」
呆れたように腰に手をやるリリスに、スタンは苦笑で応える。
「俺だって、冒険の間はちゃんと起きてたさ。でも、家に帰ってくると、どうも安心してさ……」
「どうかしら? きっとルーティさんとかに、無理やり叩き起こされてたんでしょう?」
「いや……、それは、そういう事も無きにしもあらずと言うか、その……」
もごもごと口ごもるスタンを、リリスは全てお見通しとばかりに小さく笑い掛ける。
「はいはい、もういいから、顔洗って来て。今日はお兄ちゃんの好きな……けぷっ!」
言葉の途中で、リリスは可愛いおくびを洩らし、慌てて口元を押さえる。
さきほど飲み下した精液の匂いがリリスの鼻腔をくすぐり、その顔が真っ赤に染まった。
「……なんだ? お前、つまみ食いのしすぎなんじゃないか?」
どうやらスタンは気付かなかったらしく、リリスの顔を得意げな顔で覗き込む。
嗅ぎ付けられては一大事と、リリスはスタンの背後に回りこみ、その背中を押す。
「な、何でもないっ! いいから、お兄ちゃんは早く顔を洗ってくるっ!」
「お、おい! 押すなって! わかった、わかったから……」
兄妹の騒々しい足音が、二人の寝室を足早に飛び出してゆく。
今朝のエルロン家は、おおむねいつも通りのようであった。


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