総合トップ>SS一覧>SS No.1-030
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
ファラの仲良し大作戦 |
サザム氏 |
キール×ファラ |
2003/04/17 |
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「僕に近づくんじゃないっ!」
「バイバッ!?」
キールは、読書中に背後から覗き込んできたメルディを、邪険に振り払った。
ここは、モルルの村にも程近い、海辺近くの森の外れ。
キールを加え、総勢4人になったリッド達は、メルニクス語の権威であるマゼット博士の元に行く途中だった。
「ウァイディ? メルディ、イスティ・グディグン、ディオ=ステディ?」
「だからっ! 早口でメルニクス語を喋られても分からないと、何度言えば分かるんだ!」
「ティウ……」
言葉は通じなくとも、顔と口調から怒られている事は分かるのだろう。
メルディはしゅんと肩を落とし、黙り込んでしまった。
「キールっ! 何も、そんなに怒らなくてもいいじゃない!」
その代わりに、簡易かまどの前で夕食を作っていたファラが、キールに食ってかかる。
4人で旅を始めてからと言うもの、キールはメルディに対しては、いつもこの調子だった。
「仕方ないだろう? 言葉が通じないのなら、態度で分からせるしか無いじゃないか」
「それにしたって、もう少し優しくしてあげてもいいでしょう!?」
二人の口論に挟まれたメルディは、おろおろと両者の顔を見比べる。
「やれやれ、また始まったか……」
その脇で剣の手入れをしていたリッドは、いつもの事と溜息をつき、我関せずを決め込んでいた。
「何で僕がそいつに優しくしなくてはいけないんだ? そんな義理も理由もありはしないぞ」
「だって私達、一緒に旅をする仲間じゃない! だったら……」
「悪いけど、僕はこんな得体の知れない奴を仲間と思ってはいない。その理屈は当てはまらないな」
キールは、ファラの言葉を冷たく切って捨てると、再び本に視線を落とす。
その態度に、ファラはカチンときたらしく、すっくと立ち上がって問い詰めた。
「何よ、それ! じゃあ、キールはどういうつもりで一緒にいる訳っ!?」
「……前にも言ったはずだ。僕は、僕の学説を証明する為に、一緒にいるに過ぎない。
よって、そいつの機嫌を取る必要は全く無い。それが論理的帰結というものさ」
「おいおい、お前ら。その辺で止めとけよ……」
「リッドは口を出さないでっ!」
見かねたリッドが仲裁を買って出るが、頭に血が昇ったファラはそれを跳ね除ける。
激昂したファラをちらりと横目で見ると、キールは溜息をついて立ち上がり、森の方へと歩き出した。
「ちょっとキール! まだ話は終わってないわよ、どこ行く気!?」
「僕にはこれ以上、話す事など無い。ここで不毛な会話を続けるぐらいなら、一人の方がましさ」
「あっ、こら、待ちなさいってば!」
キールは杖と本を手に、ファラの呼び掛けを無視して森に入っていく。
ファラは憤慨した様子で座り込み、どん、と拳で地面を叩いた。
「もう! 昔は素直な子だったのに、どうしてあんなにひねくれちゃったのかしら!」
「しょうがねぇだろ? 何しろ、幼馴染っつったって、10年も会ってなかったんだ。
どんくさいのは相変わらすだけど、多少は性格が変わってたって、不思議じゃねぇさ」
「うん、それは分かるけど……。私は、昔みたいに3人、じゃないや、4人で仲良くしたいんだけどな……」
キールが姿を消したことで、少し頭が冷えてきたのだろう。
ファラは寂しげに眉をひそめると、腕を組んで考え込み出した。
「うーん……ねぇリッド。キールと昔みたいに仲良くなる方法って、何かないかな?」
「んー、そうだな。昔みたいかどうかはともかく、手っ取り早く仲良くなる方法はあるぜ」
「えっ、ほんと、リッド!?」
あっさりと答えられ、ファラの瞳がまん丸に見開かれる。
大して期待をしていなかっただけに、リッドの言葉はファラにとって一筋の光明だった。
「ね、教えてリッド! どうしたらいいの?」
「ああ、んじゃ、ちょっと耳貸しな」
「え? だって、メルディは言葉わかんないよ?」
「いいから、こっち来いって」
「う、うん……」
リッドに手招きされて、ファラはおずおずとリッドの横に座り込んだ。
リッドはファラの耳元に口を近づけると、ごにょごにょと小声で囁く。
しばらくすると、ファラの顔が徐々に赤くなり、最後の言葉でカーッと茹で上がった。
「ちょ、ちょっとリッド! それ、本気で言ってるの!?」
「ああ、本気も本気。それが一番手っ取り早いだろ? きっとキールも(ごにょごにょ)だけだと思うぜ」
「そっ、そりゃそうかも知れないけど、リッドはそれで平気なの?」
「別に本気にならなきゃ、俺は構わないぜ。ファラだって、たまには違う刺激が欲しいって言ってたろ?」
「ううっ、それは、確かに言ったけどぉ……」
ファラはリッドに肩を抱かれたまま、人差し指をちょんちょんと突き合わせる。
「それにだ、(ごにょごにょ)すれば、メルディへの態度だって変わるかも知れないぜ」
「そ、そうだよね、メルディの為でもあるんだもんね……」
当のメルディが不思議そうに見守る中、もじもじしていたファラは決然と立ち上がった。
「うん、リッド、私やってみる! 大丈夫、イケる、イケる!」
お得意のフレーズを呟くと、ファラはキールの後を追って、森の中に踏み込んでいった。
「がんばれよー。……さて、メルディ。あいつらは遅くなるだろうから、先にメシでも食っとくか」
リッドは、ファラの背中におざなりに手を振ると、メルディの方を振り返った。
「ワイール! メシ、メシー!」
どうやら、今までの旅の間に、メシ=食事、という単語は覚えたらしい。
さっきまで泣きそうだったメルディは、けろっと機嫌を直し、リッドの言葉に両手を挙げて喜んだ。
◇ ◇ ◇
「全くファラの奴、お節介で強引で、昔とちっとも変わってないな……」
キールは、大きな木の根元に座り込み、ぼんやりと夕陽を眺めていた。
少し先の崖の端から、茜色に染まった空と海とが見渡せる。
ホーリーボトルを使っているので、モンスターが近づいてくる危険もほとんどない。
こうして徐々に移り変わる色彩を眺めるのが、苛立った時のキールの習慣だった。
「だけど、僕の方はいつまでも昔のままじゃないんだ。そうそう言いなりになってたまるもんか。
大体、小さい頃のあの時だって、ファラに強引に誘われなければ……」
「ふふっ、やっぱりキール、ここにいたね」
キールが過去の体験を振り返っていると、背後から笑いを含んだ声と共に、人の気配が現れた。
「うわっ! ファ、ファラ!?」
丁度彼女の事を考えている時にいきなり声を掛けられ、キールは慌てて振り向いた。
近づいてきたファラは、キールの前で中腰になり、小首を傾げる。
何かを懐かしむような笑顔を浮かべながら、穏やかな調子でキールに語りかけた。
「昔っからキール、いじけるとこうやって、夕陽を眺めるのがクセだったもんね?」
「ぼっ、僕は別に、いじけてなんかいないぞ!」
どこか楽しそうに微笑むファラに、キールはむきになって言い返す。
「はいはい、分かってるって。……ねえキール、隣に座ってもいい?」
「あ……ああ、別に構わないが……」
先程の怒りを露ほども感じさせないファラに、キールは戸惑いながらも応じる。
ファラはスカートの裾を捌くと、キールのすぐ脇に座り込み、膝を抱えた。
「……さっきはごめんね。私も少し、きつく言いすぎちゃった」
「いっ、いや、分かってくれればいいんだ。僕も、その、大人げなかったと反省してるよ」
妙にしおらしいファラの謝罪に、キールは軽くどもりながら答えた。
「でも、女の子に、あんな邪険な態度を取るのは、感心しないよ? いくら照れてたからって……」
「ばっ、だ、誰が照れてるもんか! 僕は、あいつが信用できないから……」
「ふふふっ、う・そ♪ キールは昔っから、すーぐ顔に出るんだから。彼女にもそう言われなかった?」
「かかか、彼女って、どうして……!?」
赤毛の学友を思い出し、危うく『どうして知っているんだ』と言いかけて、キールは目を白黒させる。
そんなキールを、ファラは呆れた様子で眺めやった。
「あのねぇ。『彼女は出来たのか』とか言われてあからさまに動揺してたら、リッドにでも判るよ?
しかも、『淫らな事』とか言ったって事は、最後までしちゃったんでしょ? ……あれ、キール、どうしたの?」
「リ……リッドの奴……」
幼馴染の女の子から、隠しておきたい過去を指摘され、キールは勢い良く地面に突っ伏していた。
その話をした時には、ファラはそばにいなかったのだから、情報源はリッドに決まっている。
キールは地面に爪を立てながら、口の軽いリッドを心底恨んでいた。
「で、あんな山奥で女っ気が無い生活が続いていたから、溜まってるのと照れてるので、つい邪険にした、と。
男の子って大変ねー。三日も抜かないでいると、イライラしてくるんでしょう?
私も、リッドに説明されるまで、そんな理由があるとは全然……」
「ちっがーうっ!!」
立てた人差し指を振りながら平然と話すファラに、キールは顔を上げ、渾身の力を込めて否定した。
しかし、リッドに洗脳(?)されたファラは、そんなキールの言葉をまともに取り合おうとはしなかった。
「またまたぁ、照れなくてもいいってば。私達ぐらいの歳なら、そのくらい当然だよ。
でも、メルディは駄目だよ。まだ処女みたいだし、言葉が通じないから合意も出来ないし。
と言う訳で、私が代わりに相手してあげる。私なら、リッドといっぱいしてるから、慣れたもんだし」
そう言いながら、ファラは少し照れつつも、手早く服を脱ぎ始めた。
「わっ、ちょ、ファラ、何をっ!?」
10年ぶりに見たファラの肢体は、未成熟ながらも女としての曲線を描き、キールの動悸を激しくする。
ファラの健康的な色気に目を奪われつつも、キールは必死に理性を掻き集めた。
「そっ、そんな事しなくても、僕は大丈夫だっ! だ、第一、リッドが知ったら何て言うか……」
「ああ、それは平気。だって、『溜まってるだろうから相手してやれ』って言ったの、リッドだもん」
「なっ、何だって!?」
幼馴染たちの理解し難い精神構造に、キールの頭が真っ白になった。
その間に、ファラは全ての服を脱ぎ捨て、キールの目にややスレンダーな裸体を惜しげもなく晒した。
キールの脳裏に、観測所に送られる前、知り合いの少女に童貞を奪われた時と似た、緊急警報がこだまする。
「さっ、キール、早くしよっ♪」
「うっ、ううっ……」
そしてその時と同様に、キールにこの場を逃れる名案は思い浮かばなかった。
◇ ◇ ◇
「ほらほらぁ。恥ずかしがってないで、キールも早く服を脱ぐっ!」
「わっ、こらっ、勝手に脱がすなっ!」
ファラの手がローブの裾に掛かり、キールはそうはさせまいと服を押さえつけた。
「抵抗しないのっ! 昔三人でしたお医者さんごっこで、私のパンツを脱がせたの、キールだったじゃない?」
「そそそっ、そんな昔の話を持ち出すなっ! 大体、それとこれとは話が違うだろっ!?」
うろたえるキールの抵抗を軽く抑え込んだファラは、着々とキールの着衣を解いていく。
「ぶー。残念でした、ちっとも違いませんー。……へぇ、キールって昔と一緒で色白のままなんだね」
「そっ、そんなにまじまじと見るなっ!」
最初は抗っていたキールだったが、レグルス道場に通っていたファラが相手では、腕力で敵うはずも無い。
あっさりとローブを剥ぎ取られ、キールは純情な女の子のように両手で胸を隠した。
「ほんとに素直じゃないんだから。……ここをこんなにして言っても、全然説得力ないよ?」
ファラはキールのパンツを押し上げている膨らみに目をやると、下着の上からそこを優しく撫でる。
妙に手馴れた指の動きに、パンツの中のモノはピクンと跳ね上がった。
「わっ、莫迦っ! ファラ、どこ触ってるんだよ!?」
「キールのおちんちん、だけど?」
「だからっ! そう言う意味で言ったんじゃないっ! 大体、女の子がそんな言葉を使うなっ!」
あっさりと答えられて、キールはますます顔を赤らめたが、ファラはそんな事など気にもかけない。
「よっ……と。だけど、しばらく会わないうちに、キールも立派になっちゃったね」
「どっ、どこ見て言ってるんだよっ!」
とうとうパンツも引きずり下ろされ、キールは赤面しながら両手で股間を隠した。
「ちょっとぉ、そんなに抵抗しないでよ。これじゃまるで、私が襲ってるみたいじゃない」
「……もしかして、自覚がないのか、ファラ?」
口を尖らせるファラに、キールはジトッとした目つきで問い返す。
しかし、その程度のイヤミでは、ファラの心は動かなかった。
「じゃあキールは、私なんかとはしたくないって言うの?」
「そうじゃない! あ、いや、この場合のそうじゃないと言うのは、その、何と言うかだな……」
「じゃあ、問題ないじゃない。大丈夫、すぐにその気にさせてあげるから……んっ、はむっ!」
「わわっ、ファラ! なんて事を……うっ!」
怒張の先端をぱくっと咥えられ、そこから走るむず痒いような快感に、キールは小さくうめいた。
「んっ、ふっ……、ぷあっ! キールのここ、リッドよりおっきいね……んちゅっ」
ファラは、自分の行為に照れた様子も無く、ちゅぷちゅぷと音を立てて啜り、キールに奉仕する。
キールはファラの言葉通り、だんだんと『その気』にさせられていった。
「うあっ! ちょっと、ファラ、そんなに吸われちゃ……」
「んんっ……、すごーい。キールの、まだ大きくなるんだ。こんなの入るかな……」
大きさと硬さを増していくキールのモノを、手の平でしゅにしゅにとしごきながら、ファラは不安そうに呟く。
しかしその瞳は、隠しきれない期待と興奮に、潤んだ光を浮かべ始めていた。
◇ ◇ ◇
「んっ、ふもっ、むっ、ちゅ……。んん、ふむん、ちゅるっ……」
「あっ……。ファラ、あくっ、そんなこと……うううっ!」
ファラの口で執拗に責められて、キールの身体が徐々に熱を持っていった。
ファラは上目遣いにキールの反応を見ながら、特に弱い所を探り出し、そこを重点的に責める。
その淫靡な視線と、ねっとりと纏わりつくような舌使いに、キールは翻弄されていった。
「ふふっ、だいぶ素直になってきたね。じゃあ、こういうのは、どう……?」
「ふっ……くぅっ!」
怒張から口を離したファラは、軽く突き出した舌先で、キールの太腿をなぞるように愛撫し始めた。
性器を舐められるのとはまた違った快感に、キールの身体がピクンと跳ねる。
「んーっ……ちゅっ! んんっ……ちゅうっ!」
「くっ! うううっ、あっ!」
するすると唇を動かしながら、ファラは時折り、キールの腿を、膝の横を、ふくらはぎを強く吸う。
キールは、くすぐったさと快感が入り混じったその感触に、堪えきれずに喘ぎ声を上げた。
「……ねぇキール、キールは胸、感じる?」
「あっ、ああ……」
何度か両足を往復した後、ファラはキールに問いかけた。
身体を摺り寄せるように密着させている為、キールの足にファラの小振りな胸が時々触れている。
その事を指摘されたと思い、キールは正直に答えた。
「そう。それじゃ、してあげるね……」
「えっ……? んっ!」
するとファラは、キールの胸板に手を伸ばし、彼の乳首をこりっと刺激した。
どうやら、「自分の胸を感じるか」という意味ではなく、「胸を触られるのが気持ちいいか」と訊いたらしい。
自分の勘違いにキールは少し焦ったが、今更「それは違う」と言うのも、どこか気恥ずかしい。
それに、ファラのしなやかな指でそこを撫でられるのは、確かに気持ち良かったのである。
指先でくすぐるように弄られて、キールの乳首はすぐに硬く尖っていった。
「ふふっ、キールって、感じやすいんだね。そうやってると、昔のキールみたいで、可愛いよ……ちゅっ」
「あっ……! かっ、可愛いとか言うな……っ!」
ファラは、キールの胸の辺りに顔を寄せ、その小さな乳首に軽くキスをした。
そんな所を責められた経験のないキールは、文句を言いつつも、ファラの愛撫から逃れる気力を失う。
指と舌で胸板を刺激されている内に、キールの意識は雄の欲求に支配されていく。
ファラの身体に押され、自分の下腹部に当たる剛直の熱さが、キールに自身の昂ぶりを思い知らせる。
いつの間にか、キールの両手はファラの身体に回され、滑らかな背中の肌触りを楽しむように撫でていた。
「ファラ、その、僕は、されるだけじゃなくて、あの……」
とうとう我慢が出来なくなったキールがそう口篭もると、ファラは艶然とした微笑みを浮かべた。
「ふふっ、なあに? キールも私の身体、触りたいの?」
「うっ、うん……」
胸板に指を滑らせながらファラが問うと、ためらいがちにキールが頷く。
「いいよ……、じゃ、これでいい?」
ファラはそう言いながら、寝そべったキールの身体を跨ぎ越え、己の秘部を彼の眼前に晒す。
夕日を受けてオレンジ色に染まったファラの下半身が、キールの視界を埋め尽くした。
「キールの好きにして、いいよ……、んっ、ふむっ、ふっ……」
「ああっ、ファラ、ファラっ!」
再び自分の剛直をしゃぶり始めたファラの下腹部に、キールは首を起こして近づいた。
両手でくいっと尻肉を掻き分けると、薄赤い肉襞の連なりが、ひくひくと誘うように息づいている。
その芳しい香りに誘われるように、そっとそこに舌を伸ばすと、ファラの身体がピクンと跳ねる。
キールは舌を目一杯伸ばして、熱く柔らかなそこに侵入した。
「んんっ! ふうっ、ぅん、んっ!」
「んっ、ちゅっ、ファラ……、んん……っ!」
ファラのそこは狭く、肉と女の蜜とが入り混じった味がした。
キールが中で舌を動かすと、ファラは一層艶を増した鼻息を洩らしつつ、剛直を激しく吸い立てる。
舌に感じる蜜の味と、そこから漂う淫靡な香り、腹に押し付けられた双丘の感触に、ファラの甘い吐息。
充血した肉襞の艶やかさと、湿った音と共に股間のモノを駆け巡る、強い快楽。
五感の全てをファラに支配され、キールは欲望の赴くままに花弁を舐め回した。
「んっ、キール、上手だね……。どこで、こんな事、覚えたの……っ?」
「だっ……、どこだって、いいだろっ……くっ!」
熱に浮かされたような呟きを交わしながら、ファラとキールは互いの秘部を刺激し合った。
ファラが尿道に舌を突き入れれば、キールは皮に隠された小さな肉芽を探り当て、コロコロと舌で転がす。
キールが外側にはみ出した肉襞を唇でついばめば、ファラは竿の下の袋を口に含み、軽く吸う。
自分が受けた以上の快楽を相手に与えるかのように、二人は動きを早めていった。
◇ ◇ ◇
互いの舌と指で敏感な部分を責め合い、二人はすっかり準備を整えていた。
ファラの秘裂からは湧き水のように愛液がしたたり、キールの怒張の先端からは、透明な先走りが滲んでいる。
それらが更に滑らかな刺激を生み、二人の意識を痺れるような快楽が襲い続けていた。
「ぬっ……ぷうっ! ねぇキール、もう、入れちゃっても、いいよね……?」
感極まってきたファラは、陰茎から口を離してキールに問い掛けた。
彼女の目元は情欲に囚われて、夕陽の下でも分かるほど紅潮している。
「あっ、ああ……」
ファラの花弁から唇を外したキールも、もはや躊躇いのない口調でそう答える。
その口元は、舐め切れなかったファラの雫が、喉元近くまで伝っていた。
「んっ……、じゃ、ちょっと待ってね……」
そう言うとファラは、再び体の向きを入れ替え、キールの身体の上に跨る体勢を取る。
両足をキールの腰の両脇に置き、ちょうどキールの剛直の上に、小用を足すようにしゃがみ込む格好だ。
薔薇のように花開いたファラの肉襞から零れた雫が、夕陽を反射して茜色の糸のように輝いた。
「んっ……と……」
「うっ……!」
ファラは軽く腰を浮かすと、へその辺りまで反り返ったキールのモノをつまみ上げ、自分の陰裂にあてがう。
それだけで、濡れ切った二人の陰部が、くちゅり、と淫靡な音を立て、キールの口からうめきが漏れた。
「キール、入れるよ……。んっ、んんっ!」
「うあっ!」
剛直を片手で押さえたまま、ファラは一言断ってから、ゆっくりと腰を降ろしていく。
その途端、キールの敏感な亀頭を、彼女の熱い襞の連なりがきゅくっと包み込む。
ファラの狭い入り口の感触に、キールは背筋が震えるような悦楽を感じた。
「んあっ! あぁっ、やっぱり、ちょっと、きつい……っ!」
リッドとの交わりで慣れているとは言え、二回りほども大きいキールのモノは、ファラには少し大き過ぎた。
苦痛を耐えるように眉をひそめながら、つぷつぷと少しずつ、自分の膣内に飲み込んでいく。
「おっ、おい、ファラ、無理にしなくても……」
「んふぅっ、へいきっ、もうちょっと、だからっ……!」
辛そうなファラに、キールはおずおずと提案するが、彼女はきつく目を閉じたまま、腰を落とし続ける。
「んんっ、くっ……! っはあ、ほらね、キール、全部、入ったよ……」
少し涙を滲ませながらも、キールの巨根を全て納めたファラは、無理に笑みを浮かべた。
その笑みは、昔一緒に遊び回っていた頃、擦りむいた膝を隠しながら浮かべていたものとそっくりである。
昔と変わらず意地っ張りなファラに、キールも思わず苦笑いを洩らした。
「まったく……何だって、そこまでするんだ?」
「だって私、キールと昔みたいに、仲良くしたかったんだもん……」
「ファラ……」
泣き笑いのような表情で告げるファラの言葉に、キールは胸を衝かれる思いだった。
思えばミンツに移ってから、キールは周囲にいた人間と、微妙に距離を置いてきた。
赤毛の少女やほんの数人を除いて、プライベートで付き合う人間もあまりおらず、クールな仮面を被っていた。
しかし、幼い頃を一緒に過ごした幼馴染達の前では、気取る必要などないのだ。
そう思い至ったキールは、肩の荷がするりと落ちる気分だった。
「そうだよな……。お前達相手にカリカリしても、仕方がなかったよな……」
「あはっ♪ そうそう、それでこそキールだよ!」
ふっと顔を緩めたキールに、ファラも嬉しそうに微笑んだ。
「じゃ、スッキリした所で、続きしよっ?」
「えっ、ま、まだやるのか?」
「それはそれ、これはこれだよ。それに、キールもこのままじゃ収まらないでしょ?」
「うっ、ま、まあな……」
ファラのきつい締め付けの中で、キールのモノは未だに硬いまま、快楽を求めてピクピクと震えていた。
◇ ◇ ◇
「キール、いくよ……、んっ、ふうっ、くんっ!」
「あっ、ああっ、ファラっ……!」
ファラが腰をくねらせ始めると、すぐに二人は快感に意識を奪われていった。
一旦根元まで咥え込んでしまえば、ファラの中はキールのサイズに合わせるように広がっていた。
膣の中を埋め尽くすようなキールの怒張の感触が、身体の中心を貫くような快感をファラに与える。
時折り訪れる、引きつるような痛みさえ、今のファラには心地良かった。
「あああっ、すごいっ、こんなっ、お腹の中、いっぱいだよっ……」
「ううっ、こっ、こんな、こんなっ……!」
一方キールは、何度か身体を重ねた少女と、幼馴染であるファラの身体との違いに、戸惑いを隠せなかった。
学友であった赤毛の彼女とは、勢いで身体を重ねてからも、何度か逢瀬を繰り返していた。
どちらかと言えば奥手なキールは、彼女のリードで性の技巧を覚えていったのである。
当然、彼女以外の女性とそういった関係になった事は一度もない。
だが、割と着やせするタイプであった彼女と細身のファラでは、体つきも感触も、まるで異なっていた。
鍛え上げられた格闘家の身体であるファラの陰裂は、痛いほどの強さでキールのモノを咥えている。
そして、キールの上に跨ったファラは、飢えた雌豹のように躍動的な動きで、快楽を貪る。
ファラは自分で自分の胸を揉みしだきながら、キールの剛直を引き抜くような勢いで腰を動かし続けた。
「んっ、どうっ、キールっ、気持ちっ、いいっ?」
「うっ、うんっ、いいっ、いいよっ、ファラっ……」
キールは、ファラの動きにぎこちなく腰を合わせながら、彼女の太腿をさわさわと撫でていた。
ファラのそこは、優しく包み込むと言うより、きつく絞り上げると言った感じで、キールの怒張を責め立てる。
くきゅくきゅと激しく締めるファラの秘洞が上下する度に、熱い閃光がキールの脳裏に弾けた。
「あんっ!? キールの、ごつごつしてて、奥にっ……、奥に当たって……ふうっん!」
深く腰を降ろすと、キールの先端がごりっと最奥に当たり、ファラは軽く唇を噛んだ。
ファラは、くぷっ、くぷっと淫らな音を立てつつ、大きなストロークで何度か腰を打ちつけた。
すぐに絶頂を迎えそうになったファラは、今度は少し腰を浮かせて、半ばほどを飲み込んだ状態にする。
そして、そこで腰を細かく上下左右に動かし、キールの射精を呼び起こそうとした。
「んっ、キールぅ、まだぁ? まだイかないっ……?」
「うっ、うん、ごめん、まだ……」
ファラのせがむような声に、キールは済まなそうな表情で答えた。
実際のところ、慣れていない相手のせいか、充分気持ちいいとは言え、なかなか射精の予兆が訪れない。
出したいのに出せないというこの状況は、キールにとっても辛かった。
「んふぅっ、キール、もしかして、割と遅いほう……?」
「そ、そうなの、かな?」
前の相手との時はそれほどでも無かったから、これは単純に相性の問題であろう。
しかし、ファラに直接そう告げるのも、彼女を責めているようで気が引ける。
キールは神経を股間に集中し、快感を高める為に、自分のモノを咥え込むファラの陰裂をじっと注視する。
さらに、たふたふと揺れるファラの胸に手を伸ばし、その感触を興奮に変えようとした。
◇ ◇ ◇
「んっ、はぁ、んっ、くっ、だっ、だめっ……!」
小刻みに腰を動かしていたファラは、自分の方が先に果てそうになり、身体の動きを止めた。
キールの脇に両手を突き、はぁはぁと荒い息をつきながら、昂りを押さえ込む。
少し息を整えると、額の汗を拭いながら、キールに問いかけた。
「ねぇ、キールは、自分からする方が好きなの……?」
「えっ? あ、うん、まあな……」
本当は、いつも相手に主導権を握られていたので、自分からした事は殆どないのだが、それはさすがに言えない。
キールが見栄を張ってそう言うと、ファラは軽く頷いて立ち上がった。
「じゃ今度は、キールからして……」
ファラは立ち木に片手を突くと、思い切り尻を突き出した格好になり、片手の指で花弁を大きく開く。
そうして肉襞の奥まで晒すと、誘うような視線を背後に送った。
「ほら、早くぅ、キール……」
「うっ、あ、ああ……」
ファラに促されたキールは、立ち上がって彼女の背後に歩み寄った。
陽が落ちかけて、少し薄暗くなった中でも、ひくひくと求めるように蠢くファラの花びらの動きは良く見える。
キールは怒張の先端を押し下げて、ファラの入り口を探り当てると、ぐっと腰を進める。
最初の時と違い、今度は途中で引っ掛かりもせず、キールのモノはすっぽりと根元まで入り込んだ。
「うあっ、ああ! おっ、奥まで来てるよぉ……!」
「くっ、ファ、ファラ……!」
最奥の感触を亀頭に感じながら、キールは強い締め付けに顔をしかめた。
ファラの腰を両手で抱え、纏わりつく肉襞の抵抗に逆らい、ゆっくりと抜き差しを始める。
キールのモノがファラの中を往復する度に、二人の接合部からぐちゅぐちゅと湿った音が響いた。
「あっ! キール、いいっ、そうっ、そこっ、もっとっ、突き上げてっ!」
「くっ、ふっ、こっ、こうかっ!?」
ファラは、すでに声を押し殺すことを止め、甘い声でキールの動きを求めた。
キールは、股間を走る快楽より、むしろその蕩けるような声に官能を刺激される。
腰を突き出すと同時に、抱えたファラの腰をぐいっと引き寄せ、深い結合を生み出す。
子宮の天井をぐんっと押し上げるような動きに、ファラは電流を受けたように背筋を跳ねさせた。
「ああんっ、だめっ、そんなっ、つよくっ……ん、んっ!」
「あっ、ファラ!?」
その動きを何度も続けているうちに、ファラはいきなりガクガクッと膝を震わせ、くにゃっと上体を崩した。
崩れ落ちそうになるファラの身体を、キールは慌てて抱き止める。
キールがどうしたらいいか迷っていると、ファラは木の幹を両手で伝い、よろよろと起き上がった。
「おっ、おい、ファラ、大丈夫か?」
「んっ、平気、だよ……。ちょっと、イっちゃった、だけだから……。キール、続けて……」
「でっ、でも……」
「いいから……。キールも、イけないと、つらいでしょ……?」
「……うわっ!?」
ファラは、キールの方を振り向くと、自分から腰をうねうねと動かした。
一度達した事で更にぬめりを増したファラの秘洞が、キールの怒張を絶妙な力加減で刺激する。
「ほらっ、キールのここ、出したいってピクピクいってるよ……?」
「うっ……くっ! じゃ、じゃあ、続けるぞ……」
ファラの言葉と、彼女の中の甘美な感触が、ぞくりとするような色香を放つ。
キールは彼女の華奢な身体を抱きかかえながら、再び律動を開始した。
「あんっ、はんっ! いいっ、キールっ、もっと、きつく抱いてっ……!」
「ううっ、はぁっ、ファラっ……ファラっ……!」
ファラの背中に抱きつきながら、キールは腕の中の少女の名を呟きつつ、激しく腰を打ちつけた。
触れ合った肌から、ファラの興奮が直に伝わり、キールを絶頂へと導いていく。
キールの直線的な動きと、ファラの円を描くような腰使いが、めくるめく快感を互いに与え合う。
しばらくすると、むずむずとした射精の予兆がキールの根元に沸き起こり、次第に水位を高めていった。
「ファ、ファラっ、僕っ、もうっ、いきそうだっ……」
「いっ、いいよっ、わたしっ、だいじょ……ぶっ、だからっ、なかにぃっ……!」
途切れ途切れのファラの言葉に応じ、キールは深く挿入すると、奥で細かく最後の動きを始める。
ファラも二度目の絶頂を間近に控え、きつく目を瞑ってその瞬間に備えた。
「んんっ、ふううっ、またイっちゃうぅ……! キールぅ、きてっ、きてぇっ……!」
「ファラっ、いくっ、いくぞっ……くうっ!!」
「んあっ、あぁぁぁっ!!」
子宮の奥に勢い良く迸る熱い飛沫に、ファラも己の昂りを解放し、一際大きな歓びの叫びを上げた。
◇ ◇ ◇
(ぼっ、僕は、もしかして、とんでもない事をしてしまったのでは……)
事の後で唐突に理性を取り戻したキールは、自分のした事を思い返し、軽い自己嫌悪に陥っていた。
ふと視線を動かして、股間から垂れる白濁を拭いているファラを見てしまい、慌てて目を逸らす。
取り出したハンカチで自分のモノを拭うと、キールはそそくさと自分の服を身に付けていった。
「あーっ、キールずるいっ! 自分だけさっさと着替えちゃうなんて!」
「ず、ずるいって、そんな事言われても……」
まだ少しぐったりしているファラから文句を言われ、キールはたじたじになる。
ファラは物憂げに起き上がると、四つん這いでキールの足元へにじり寄り、そこでぺたんと座り込んだ。
「……だけど、キールもこれでスッキリしたから、これからは昔みたいに、仲良く出来るよね?」
「うっ、ま、まあ、そうだな。努力はするよ」
裸のままのファラに、無邪気な笑顔でそう言われると、キールとしても無下に断る訳にもいかない。
彼女の身体から微妙に目を逸らしつつ、キールはあいまいに頷いた。
キールの答えに満足した様子のファラは、まだ少しふらつきながらも、脱ぎ捨てた服を着始めた。
ファラが衣服を整え終わる頃には、もうすっかり日が落ちていた為、キールは魔法の光を杖に灯す。
すると、ファラは何かを思い出したようにポンと手を打ち、キールの元につかつかと歩み寄った。
「あっ、そうだ。キール、向こうに戻ったら、まずはメルディにちゃーんと謝るコトッ! 約束だよっ?」
「な、なんで僕が……って、痛たたたっ! ファラ、どこを握ってっ……!」
キールが逆らおうとした途端、ファラはムッと眉をひそめて、いきなりキールの股間を握り締める。
拳法で鍛えられたファラの握力に大事なトコロを潰されかけて、キールは情けない悲鳴を上げた。
「わ・か・っ・た・の?」
「はっ、はいっ、分かりましたっ!」
「ん、よろしいっ♪」
どうやら、キールの最前までの決意も空しく、二人の力関係はすっかり昔の通りに戻ってしまったらしい。
(ど、どうして僕の周りには、こう気の強い女しかいないんだ……?)
両手で股間を押さえながら、我が身の不運を一人嘆くキールであった。
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