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作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
メルディの目覚め |
サザム氏 |
キール×メルディ |
2003/03/17 |
- |
セレスティアとインフェリアを股にかけて旅をするようになり、しばらく経ったある日の夜。
キールは森の開けた場所に張ったテントの中で、晶霊術に関する文献を読んでいた。
リッドとフォッグはすでに眠っており、風に揺れる葉擦れの音がやけに耳につく。
しかし、キールが本に没頭できないのは、他に理由があった。
(…まったく、メルディの奴、一体どうしたと言うんだ?)
最近のメルディは、少し様子がおかしかった。
やけに塞ぎ込み、ふとした拍子にぼーっと何かを考え込む。
リッドやファラが気を使って尋ねても、「何でもない」としか答えない。
最初は、シゼルと戦う事に関する悩みかとも思ったが、妙な点は他にもあった。
キールが声を掛けると、わざとらしく他の仲間に話しかけたりと、妙に避けるようなそぶりを見せるのだ。
何かメルディの気に障る事をしたのかと思い返してみても、心当たりはない。
おかげで数日前から、キールの胸の中にも、もやもやとしたものが溜まっていたのである。
「…別に、気にする事はないさ。むしろ、うるさく付きまとわれることも無くなって、気楽なぐらいだ」
自分に言い聞かせるようにそう呟いても、胸のしこりは消えない。
目は本の文字を追っていても、その内容はほとんど頭の中に入っていなかった。
「ん? 人の気配が…」
その時、下草を踏みしめる足音が聞こえて、キールはテントの外に顔を出した。
(…メルディ!)
キールの目に入ったのは、足音を忍ばせて近くの茂みに踏み込んでいく、メルディの後姿だった。
思い切って声を掛けようか、と悩んでいるうちに、メルディは木立の中に姿を消す。
ぶつける所の無い苛立ちに、キールは小さく舌打ちをした。
(多分、用を足しにでも行ったのだろう。別に話なんて、明日でもいい訳だし)
彼女の姿を見たことで、さらに揺れ動く自分の心をそうやって誤魔化しつつ、キールはテントの中に戻った。
◇ ◇ ◇
(メルディの奴、ずいぶん遅いな…)
もう気にするまいと思ったはずなのに、キールは気が付くと、再びメルディの事ばかりを考えていた。
出会って最初の頃は、彼女の奔放さと常識の無さに、キールは本気で苛ついていたはずだった。
しかし、メルディの芯の強さや、安らぐような笑顔を見ているうちに、その感情は徐々に変化していった。
そして今では、メルディの何でもないような行動さえ、一々気に掛かる。
誰かに指摘されれば赤面して否定するだろうが、今のキールはすっかりメルディに惹かれているのであった。
(一体、トイレ一つに何分かけているんだ?)
本を広げてはいても、先程から一行たりとも読み進んでいない。
キールは膝を指で弾きつつ、誰が見ている訳でもないのに、本を読む振りをしてメルディの帰りを待っていた。
(…! まさか、森の中でモンスターに襲われているんじゃ!)
その内、ふとその可能性に思い至り、キールはビクンと顔を上げた。
一旦そう考えると、今度は想像が悪い方に、悪い方にと傾いてゆく。
モンスターに囲まれて、血を流して倒れているメルディの幻影が、鮮明にキールの脳裏をよぎった。
「…ええぃっ! 全く、世話のかかる奴だっ!」
小声で叫ぶと、キールは傍らに置いてあった、杖とクレーメルケイジを掴み取る。
そして、寝ている二人を起こさないように、静かに、しかし素早く、テントの外に抜け出していった。
◇ ◇ ◇
(確か、こっちの方に歩いていったよな…)
キールは明かりも持たずに、そろそろと森の中に踏み込んでいった。
明かりを灯し、大声で呼びながら探した方が、見つけ易いのは確かである。
しかしそうすれば、却ってモンスターを呼び寄せる事にもなりかねない。
まして、用を足しにいっただけなのなら、そう遠くに行くはずがない。
リスクとメリットを素早く計算した結果、キールは静かに探した方が、危険が少ないと判断したのだ。
(どこだ、どこにいる、メルディ…)
キールは、焦る気持ちを抑えつつ、森の中を極力音を立てないようにしながら、メルディを探した。
月に雲がかかり、更に辺りが暗くなるが、懸命に目を見開き、彼女の姿を求める。
その甲斐あって、いくらもしないうちに、キールはメルディの姿を見つけ出した。
メルディは、ちょうどキールの正面を向き、一本の木に寄りかかっている。
どうやらモンスターに襲われたのではないと分かり、キールは安堵の溜息をついた。
(…しかし、あいつは一体、何をしてるんだ?)
安心した途端、キールの頭に、メルディの不可解な行動に対する疑問が沸き上がる。
キールは、メルディに気付かれないよう、茂みに身を隠しながら、彼女に近寄っていった。
(ん…。暗くて、良く判らないな…)
メルディのすぐ近くの茂みから覗いてみても、暗い森の中では、今ひとつ判別できない。
しかしその時、月に掛かっていた雲がサッと途切れ、メルディの姿が月光に浮かび上がった。
(…えっ!?)
メルディのしている事を理解し、キールは危うく驚きの声を洩らしかけた。
月の光の下、メルディは自分で自分の身体を慰めていたのだ。
片方の手は、服の上から自らの胸の膨らみに宛がわれ、ゆっくりとさするように動いている。
そしてもう一方の手は、スカートの中に割って入り、股間に当てられているようだった。
白いショーツは膝までずり下げられ、褐色の肌との対比が目に眩しい。
キールの位置からでは、スカートの中は覗けないが、もぞもぞと動くスカートの布を見れば、想像はつく。
メルディは目を固く閉じ、時折り耐えかねたように、軽く唇を噛んでいた。
(まさか、メルディがこんな事をしてるなんて…)
キールの頭の中は、驚きと興奮が混ざり合い、混沌とした状態になっていた。
キールとて、女性が自慰をする事もあると言うことは、知識としては知っている。
しかし、普段は子供っぽいメルディと、こうした性的な事柄とは、結びつけて考えられなかったのだ。
ついこの間まで、抱きつかれてキールが真っ赤になって照れても、メルディはきょとんとした顔をしていた。
だからこそ、キールは今まで、メルディにそうした行動は取らなかった。
幼い女の子が、自分に懐いているようなものだと、無理やり自分を納得させていたのだ。
だが、こうして自分を慰めているメルディは、十分に女としての成熟を遂げているように見える。
キールの耳は、草擦れの音に混じる、彼女のかすかな喘ぎ声を捕らえた。
風に乗って届く、メルディの甘い吐息は、キールの快楽中枢を否応無しに刺激する。
メルディのスカートの裾が動くたびに、小さな水音までが聞こえるような気がする。
見てはいけない、などと言った考えは、欠片も浮かばない。
キールは、全神経を目と耳に集中し、メルディの自慰を食い入るように見詰めていた。
◇ ◇ ◇
「んっ、ふぅん、んんっ…」
キールが茂みの影から見ている事にも気付かず、メルディは鼻に掛かった吐息を漏らし続けていた。
ぎこちない手つきで、自分の胸の膨らみを、ゆるやかに揉みほぐす。
最後に胸の頂点をくりっと弄ってから、手をもう一方の膨らみに移動する。
それを何度も繰り返し、両方の胸を代わる代わる愛撫していた。
「くぅん、んふっ、ん…」
一方、股間に潜り込んだ手は、ゆったりと同じ調子で、上下に動いていた。
次第にスカートがめくれ上がり、キールの目に、ちらちらと中の様子が見え始める。
どうやら、揃えた指を秘所にかぶせるようにして、表面を撫でているだけのようだ。
だが、そんな単調な動きでも、メルディは快感を得ているらしい。
太腿を伝った快楽の証が一滴、月光にきらめきながら零れ落ちた。
(メルディ…)
その様子をしっかりと見詰めながら、キールは荒くなりそうな息を、懸命に殺していた。
乾いてきた唇を舐め、大きく喉を鳴らして唾を飲み込む。
下半身のモノは、すでに耐え難いほど張り詰め、脈打っている。
衝動を堪えるように、キールはローブの上から、硬くなったソレをぎゅっと握り締めた。
布越しにも、まるで燃え上がったような熱さが、キールの手に伝わる。
無意識のうちに、キールは服の上から、自分の強張りをさわさわと撫で始めていた。
(メルディ、メルディ…)
キールの頭の中に、このまま飛び出して行って、メルディを滅茶苦茶にしたいという衝動が湧き上がってきた。
しかし同時に、劣情から仲間に襲い掛かるなど許される事ではないと、理性がそれに歯止めを掛ける。
更に、メルディの事は大切にしてやりたいが、彼女と愛し合いたいのも確かだ、という真情も顔を出す。
けれど、それで拒絶されたらどうするのだと、臆病な自分が指摘する。
キールはまるで、何人もの自分が、頭の中で議論をしているような気になった。
そして、最後に原始的な欲求が、議論を力ずくで押さえ込もうとした時。
「んっ…、キールぅ…」
「…なっ!?」
メルディの口から、いきなり自分の名前が飛び出し、キールの頭は真っ白になった。
しかも、少しでも近くで見るために、大きく身体を乗り出していたものだから、ひとたまりも無い。
呆気なくバランスを崩したキールは、茂みをなぎ倒しながら、メルディの目の前に転げ出てしまった。
◇ ◇ ◇
「バイバッ! キッ、キールっ!?」
いきなり眼前に飛び出したキールに、メルディは驚きつつ、サッとスカートの裾を押さえた。
脅えた顔で、今までの行為を隠すかのように、自分の身体を抱き締める。
キールは急いで起き上がると、目の前の何かをかき消すように、両手を左右に振った。
「いっ、いやっ、メルディ、誤解するなよっ! ぼっ、僕は何も、最初から覗くつもりだった訳では…」
膝立ちになったキールは、混乱した頭を駆使して、何とか言いつくろおうとした。
「キール…。いつから見ていたか?」
「だ、大分前から…あわわっ!」
しかし、メルディに訊かれて、つい本当の事を言ってしまう。
その途端、メルディの大きな瞳の端から、じわっと涙が浮かんできた。
「ふっ、ふぇっ…」
「わ、わっ、メルディ、ちょっと待っ…」
キールが止める間もなく、メルディはペタンと女の子座りをすると、顔をくしゃくしゃに歪める。
そして、小さな子供のように、大きな声で泣き出してしまった。
「ふええぇぇぇっ! メルディが秘密、キールに見られたよぉ〜!」
「わわわっ! メルディ、その、あの…!」
メルディの泣き声の大きさに、キールはあたふたと辺りを見回した。
何しろ、仲間達が眠るテントから、そう遠くに離れている訳ではないのである。
あまり大きな声を出されては、彼らの耳に届く可能性があった。
この状態をはたから見れば、どう考えても、キールがメルディを襲ったようにしか見えない。
特に、ファラが駆けつけて来たら、問答無用で鉄拳制裁を喰らうことは間違いないだろう。
キールは、かすかに生命の危機すら感じつつ、泣き続けるメルディをなだめた。
「いやっ、メルディ、悪かった! あ、謝るから、頼むから、泣かないでくれっ!」
おろおろしながら謝るが、泣いているメルディの耳には届いていないようだ。
声は小さくなったものの、なおもぐずぐずと泣きじゃくっていた。
「ふえぇ、キールに見られちゃったよぉ…。もうメルディ、キールに嫌われちゃったな…」
「…はぁ!?」
メルディの不可解な言葉に、キールは耳を疑った。
普通こういった場合、女の子は「お嫁に行けない」などと言うのが定番だ。
間違っても、「覗いた相手に嫌われる」とは言わないだろう。
どうも根本的な所で、意識の食い違いがあるように思われる。
キールは、泣き崩れるメルディの傍に歩みより、彼女の肩に軽く手を置いた。
「メルディ…?」
「…っ!」
その途端、メルディはピタッと泣き止み、身体を強張らせる。
その様子は、貞操の危険を感じているというより、むしろ叱られることを怯える子犬のような態度だ。
メルディは上目遣いにキールの顔を見上げ、恐る恐るといった感じで口を開いた。
「キール…、怒ったか? メルディが事、キライになったか?」
「いや、だからな…。その、何で怒られると思ったんだ?」
途方に暮れたキールが問い返すと、メルディは再び、じわっと涙を滲ませた。
「だって、メルディ悪いコトしてたな…。だから、キール怒ると思たよ…」
しかしそれだけでは、キールには事情がさっぱり理解できない。
溜息をついて、小さな子供に言い聞かせるように、丁寧に聞き直した。
「確かに誉められたことじゃ無いが、別に悪い事でもない…と思うぞ、多分。
ともかく、僕は怒ってなんかいないから、どうしてそう思ったのか、最初から順序良く説明してくれないか?」
「ホントか? ホントにキール、怒ってないか?」
キールの言葉に、メルディの表情が少し明るくなる。
そしておずおずと、事の次第を説明し始めた。
◇ ◇ ◇
「んとな、最初は、ちょっと前の夜だったよ。
キールが事考えてて、眠れなかった時、股の所がムズムズしたのな。
それでな、お布団を足に挟んで、グリグリッてしたら、メルディ、気持ち良くなったよ」
「ちょ、ちょっと待て。まさか、それまで知らなかったのか?」
戸惑うキールに、メルディはこっくり頷いた。
「はいな。ガレノスにもこんな事、教えてもらってなかったよ。
それからな、何度もグリグリしてたら、お洩らしみたいに、何だかぬるぬるしてきて…。
指で触ったら、もっともっと気持ち良かったよ」
どうやら、何も知らないというのは、本当らしかった。
もし知っていたら、男の前で、こうもあからさまに話せる筈がない。
考えてみれば、メルディは幼い頃に母親と別れ、男手ひとつで育てられたのだ。
彼女は一般の教育機関とも縁が無さそうだし、そう言った知識を欠いていても不思議ではない。
そう考えながら、キールはメルディの告白を聞き続けた。
「でもな、何だかメルディ、いけない事してるような気がして、この間チャットに訊いてみたよ。
そしたらチャット、『そんな事を人前で言ってはいけません!』って、真っ赤になって怒ったな。
だからメルディ、やっぱり悪い事なんだって思ったよ…」
「はぁ…」
メルディの勘違いに、キールは思わず頭を抱えたくなった。
おそらくチャットは怒ったのでは無く、単に照れていただけであろう。
いきなり年上の女の子に、オナニーの話題を振られては、動揺するなと言う方が無理というものだ。
その状況を想像し、キールはチャットに同情した。
「だからメルディ、キールが事、考えないようにしてたよ。
キールのそばにいると、またムズムズするから、あんまり近づかないようにもしたよ。
でもな、そうすると、胸の中がきゅうっ、て切なくなったな。
それでな、今日は我慢できなくなって、キールが事考えて、でも、ファラ達に気づかれたくなくて…」
「………」
ここ最近の、メルディの行動の理由が判り、キールは心のつかえが取れた思いだった。
要するにメルディは、目覚めたばかりの性の昂ぶりに戸惑い、よそよそしくなっていただけなのだ。
しかも、メルディの言葉から察するに、目覚めるきっかけは、自分に対する想いらしい。
キールは、自分に想いを寄せる少女の、いじらしさと可愛らしさに、胸が熱くなった。
「…やっぱりメルディ、悪いコか? それとも、どっかおかしいのか?」
黙っているキールに不安を覚えたのか、メルディは瞳を潤ませて問い掛ける。
キールは、そんなメルディの頭をそっと撫でながら、優しく言い聞かせた。
「メルディは、悪くもおかしくも無いさ。 …僕の事を好きだから、そうなったんだろう?」
「うん、メルディ、キールが事、大好きな。 …でも、好きになると、こんな風になるか?」
あどけない顔で尋ねるメルディに、キールは自分の欲望が、再び鎌首を持ち上げるのを自覚する。
小さく咳払いをすると、メルディの傍に少しずつ体を寄せていった。
「コホン。ああ、そうだよ。だから、メルディの今の状態を治せるのも、僕しかいないんだ…」
「バイバッ! キール、メルディのコレ、治せるか!? すごいな、キール!」
「うっ…うん、まあな…」
素直に感心するメルディに、キールは少し罪悪感を覚えた。
(べっ、別に、ウソをついている訳ではないし…。好きだと言ってくれてるんだから、い、いいよな…?)
自分の良心を誤魔化しつつ、キールはメルディの肩に両手を掛ける。
「だから、少しの間だけ、僕の言う通りにしてくれるか…?」
「はいなっ! メルディ、キールが言う通りにするよ!」
一抹の後ろめたさを感じつつも、キールはメルディの華奢な体をそっと抱き寄せた。
◇ ◇ ◇
「あっ、キール、何する…んっ、んむっ?」
メルディの言葉を遮るように、キールは彼女の唇を奪った。
そしてそのまま、伸ばした舌でメルディの唇を割り、口腔を探る。
メルディは、まるで分かっていない様子で、目を見開いたまま、されるがままになっている。
舌で歯茎をなぞり、メルディの舌をもてあそぶように絡めてから、キールは唇を離した。
「んぱっ! キ、キール、何でメルディの口の中、舐めたか?」
少し顔を赤らめて、メルディはキールに尋ねた。
「これも、メルディを治すために必要な事なんだ。…いやだったか?」
「ううん、いやじゃないけど…、でも、変な気分になるよ…」
行為の意味が分からなくても、身体はしっかりと反応しているらしい。
メルディは少しトロンとした目つきで、キールの問いに答えた。
「じゃあ、しばらくじっとしていてくれ…」
「んっ! わっ、分かったよ…」
キールが耳元で囁くと、メルディはピクンと反応してから、力無く応じた。
(…もしかして、耳が弱いのか?)
キールはそれを確かめる為、メルディの耳にふっと息を吹きかけた。
「んんっ!」
思った通り、メルディは更に顔を紅潮させ、大きく身体を震わせる。
キールは片手をメルディの背中に回し、もう一方の手を胸に伸ばしながら、耳朶に舌を伸ばした。
「やあっ! だめっ、キール! それっ、んっ、くすぐったいよっ…!」
メルディは身体をくねらせて逃げようとするが、抱き止められている為、キールの舌から逃れられない。
しかも、宛がわれたキールの手が、すでに昂っている未成熟な膨らみを愛撫する。
同時に与えられる、くすぐったさと快感に、メルディの意識は混乱した。
「だめなっ、キールぅ…。胸さわられると、メルディ切なくなるな…」
「大丈夫。心配ないから、僕に任せるんだ…」
「ふうっ、くぅん!」
安心させるように背中を優しく撫でながら、キールはメルディの耳を軽く甘噛みした。
そうしながら、服の上からでも分かるほどしこった乳首を、摘むように刺激する。
メルディの身体を胸に抱え込むように抱きながら、二つの膨らみを交互に揉みしだく。
しばらくそれを続けられるうちに、メルディのくすぐったさは、徐々に痺れるような快感に変わっていった。
「やっ、あっ、おかしいよ…。メルディ、あたまクラクラしてきたよ…」
メルディは、キールの腕の中でふにゃっと脱力し、弱々しい呟きを洩らした。
間近にあるキールの肉体の感触が、耳に掛かる吐息が、敏感になったメルディの肌を熱くさせる。
未経験の快楽に、メルディはほとんど夢見心地であった。
◇ ◇ ◇
キールは、崩れそうなメルディの身体を木の幹に寄りかからせ、少し身体を離した。
「じゃあメルディ、今度は、スカートを自分でめくるんだ」
「バッ、バイバッ!? な、何でそんな事しなくちゃいけないか!?」
キールにそう囁かれて、メルディは驚きの声を発する。
しかしキールは、真剣な瞳をメルディに向け、諭すように告げた。
「そうしないと、続きが出来ないんだ。僕の言うことを聞くって言っただろう?」
「うっ…。わ、わかったよ…」
羞恥心よりも、もっとキールに触れて欲しいという欲望が勝ったのであろう。
メルディは頬をリンゴのように赤らめながら、おずおずとスカートの端を持ち上げていった。
「キール…。このくらいで、いいか?」
「いや、まだだ。もっと上の方まで持ち上げるんだ…」
「ううっ、メルディ恥ずかしいよぉ…」
そう言いながらも、メルディはスカートをぎゅっと握り締め、さらに上へと持ち上げる。
キールの目の前に、メルディの秘所から臍にかけての、滑らかな下腹部の曲線が晒されていった。
(んんっ、メルディ、変だよっ…! 恥ずかしいのに、キールにもっと見て欲しいって思うよっ…)
相反するはずの感情が交じり合い、メルディの思考は乱れた。
目を瞑っていても感じる、股間に集中するキールの視線が、堪らなく熱い。
その視線を遮るように、メルディは両膝を立て、太腿を重ね合わせた。
「駄目だ、メルディ…。隠さないで、ちゃんと見せるんだ…」
「あっ、ダメなっ、キール!」
キールは、膝に絡まっていたショーツを引き下ろし、メルディの足から引き抜く。
それからメルディの両膝に手を掛け、優しく股を開いていく。
一度も異性の手が触れた事のない幼い淫裂が、キールの視線に射抜かれた。
「ここをこんなに濡らして…。可愛いよ、メルディ…」
「だっ、だって…。キールがメルディが胸、触るからだよっ…」
メルディのそこは、すでに水を被ったかのように濡れ光り、入り口はキールを誘うようにひくついていた。
ごく薄いライトバープルの茂みは、溢れた蜜で肌に張り付き、一見すると無毛のようにも見える。
すえたチーズのような、乙女特有の秘所の香りが、キールの鼻腔をくすぐる。
その香りに誘われるように、キールはメルディの秘密の花園へと、顔を近づけていった。
「キッ、キール、何するか…?」
何をされるのか分からず、メルディは不安げな視線をキールに投げかけた。
「いいから、じっとしてるんだ。…ちゅっ」
「ひうんっ!」
キールはメルディの股間に顔を埋め、ついばむようなキスを秘唇に与える。
メルディは小さな叫びを上げ、身体をビクンと震わせた。
「メルディ、いい子だ…。んっ、ちゅぷっ、ぴちゅ…」
「やっ、ふっ、だめなっ! キール、そこ、おしっこする、ところなっ…! きっ、汚いよっ…!」
キールは、花弁の下端から豆のような突起まで、何度も撫でるように舌で舐め上げる。
メルディは、キールの舌が引き出す快感に身体を跳ねさせながらも、その行為を咎めた。
「んっ…。そんな事無いさ…っちゅっ。メルディのここ、綺麗だよ…んんんっ…」
キールはそう言いながら、固くした舌先で、メルディのしこった突起をくりくりと弄ぶ。
「やあぁっ! だっ、だめ、なっ…。んっ、きたない、よぉ…、だめだよぉ…」
うなされたような言葉とはうらはらに、メルディの身体は確実に悦びに支配されていった。
「んっ、どうだメルディ…? 自分でした時より、気持ちいいか…?」
「ああぁっ、だめっ! ふぁっ、メルディ、あたま、ふわふわしてっ、んっ、わかんないよぉっ…!」
舌で突起をいじりながら、キールは花弁の入り口に中指を当て、細かく左右に揺する。
圧倒的な快感に、メルディは激しく頭を振りながら、キールの頭を抱え込んだ。
◇ ◇ ◇
「っぱぁっ! ふぅ、もうこの位でいいかな…」
十分にメルディの準備を整えると、キールは顔を上げ、あごに垂れたメルディの蜜を手の甲で拭った。
「ふぁ…あ…。キール、もう終わりか…?」
すでに目の焦点を失ったメルディは、どこか名残惜しい様子でキールに問いかける。
そんなメルディに、キールはローブの裾をたくし上げながら答えた。
「いいや、これからが本番だ。少し痛いかも知れないが、我慢するんだぞ」
「…ふぇ?」
キールは自分の下着を足首まで引き下ろし、赤黒く充血した巨大なモノを取り出した。
しかし、先程までの愛撫で半分失神しているメルディの目には、その姿が写らない。
キールは、脱力して大きく開かれたメルディの足の間に、自分の腰を割り込ませた。
「じゃあ、入れるぞ…」
「な、何するか…?」
状況を把握できないでいるメルディの入り口を軽く指で開き、キールは己の先端の狙いを定める。
そして、メルディの中に侵入する為、ぐっと腰に力を入れる。
だが、十分に濡らしたはずのメルディの中は、先端が半ばも入らないうちに、強い抵抗を示した。
「いっ…痛あいっ!!」
それと同時に、メルディの口から、鋭い苦痛の叫びが漏れた。
反射的に逃げようとするが、背後の木が邪魔をして、それ以上後ろに動けない。
「メルディ、ごめん、ちょっとだけ我慢してくれ…」
そう言いながら、キールはグッ、グッと腰を前に出そうとする。
けれど、メルディの狭い入り口は、頑ななまでにキールの侵入を拒んだ。
「痛い痛い痛いっ! キール、やめるよっ! メルディがお腹、裂けちゃうよっ!」
「うわっぷ! ちょ、ちょっとメルディ、暴れるなってば…!」
メルディはじたばたと足を暴れさせながら、キールの頭をポカポカと殴った。
メルディの拳は大して痛い訳では無いが、こうも嫌がられては、とても続けられない。
何度か挿入を試みた後で、キールはすごすごと腰を引いた。
「ひどいよキール…。どうしてメルディが事、いじめるか…?」
「いっ、いや、別に苛めた訳では無いんだが…」
気まずげに言い訳するが、両の拳を口元に当て、うるうると瞳を濡らすメルディの様子に、語尾が小さくなる。
これほど痛がるとは思っていなかったキールは、途方にくれた様子でメルディに問いかけた。
「メルディ、こうしないと収まらないんだが…。少しだけ、我慢できないか?」
「でもでもっ、無理だよっ…! メルディ、壊れちゃうよぉ…」
指すら入れた事のないメルディの秘所には、キールの大きなモノは荷が重いらしい。
処女の相手をするのは初めてなキールにとって、この状況は複雑な方程式よりも難解な問題だった。
「うぅん、どうしたものか…」
「キール、どうしてもしなきゃ駄目か? しなくちゃ、メルディ治らないか?」
メルディは、注射を怖がる子供のような様子で、ぐずぐずと顔を歪める。
こんな顔をするメルディを、無理やり押さえ込んで襲うことなど、気弱なキールに出来る訳がない。
しかし、キールの昂りは、すでに我慢の限界まで張り詰めている。
「…そうだ!」
しばらく考えた末に、キールはお互いの熱を鎮め、メルディに痛みを与えない方法を思いついた。
少し萎えかけたモノを、再びメルディの秘所へ近づける。
メルディは、また痛い事をされると思い、慌てて叫んだ。
「やだやだやだっ! キール、もう痛いのヤダよっ!」
「…大丈夫だよ。今度は、痛くしないから…」
キールは優しく答えながら、怒張の先端ではなく、幹の部分をメルディの入り口に押し当てる。
そして、怒張の腹でメルディの花弁を擦るように、ぐいっと腰を動かした。
「あっ…!?」
「ほら。痛くないだろう…?」
舌よりも熱くて硬い肉棒に敏感な部分を擦られて、メルディは驚いたような声を上げる。
緊張の解けたメルディの身体の上で、キールはゆったりと腰を使い出した。
「あっ、なっ、なに、これっ…。キールぅ、メルディがそこ、じんじんして…、んんっ!」
メルディの濡れ切った花弁は、優しく咥えるように、キールの怒張の幹にまとわりつく。
先端から漏れた先走りと、秘所から溢れる快楽の雫が、二人の間で混じり合う。
キールが腰を前後に揺する内に、メルディの意識は熱い疼きに支配されていった。
「んっ、くっ、ふっ…」
「だめぇ、だめな、キール…。そんなに、ぐりぐり、されちゃ…、やあっ!」
キールは、怒張をメルディの恥骨に押し付けるようにして、腰を左右に細かく振った。
敏感な場所をごりごりと刺激され、メルディは甘い喘ぎを上げる。
花弁の正面に来ると、くきゅっとキールの幹の腹が半ばまでめり込み、奥まで快感が走る。
一人遊びでは到達した事の無い快感の高みに、メルディは我を忘れていった。
「メルディ…、こっちに来るんだ」
「えっ!? なっ、何かっ!?」
自身も昂ってきたキールは、メルディの腰を掴むと、膝でずりずりと後じさった。
快楽に溺れたメルディは、されるがままに身体を引きずられる。
メルディのワンピースが更にめくれ上がり、胸の辺りまでが露わになった。
仰向けに寝そべる体勢を取らせると、キールはメルディの両足を脇に抱え込む。
そして、両手でメルディの太腿を閉じさせ、内股で自分のモノを挟ませる。
そのまま、僅かに開いた隙間に突き入れるように、激しく腰を前後に振った。
「くっ…、んっ、んっ、んっ!」
「ひうんっ! やっ、だっ、これっ、すごいよっ…!」
キールが腰を入れる度に、先端が最も敏感な肉芽をかすめ、メルディは悦楽に震えた。
持ち上げられた爪先がビクビクと痙攣し、メルディの官能を表現する。
素肌の背中をちくちくと刺す下草の感触さえ、今のメルディには心地良かった。
「メルディ、可愛いよ…」
キールは、メルディのブラの下に手を伸ばし、その下の柔らかな素肌に指を這わせた。
腰の動きに合わせ、もにゅもにゅと両の乳房を揉みしだきながら、太腿に舌を伸ばす。
「だめ…っ! あっちも、こっちも、されたらっ、メルディ、わけっ、わかんなく、なるよっ…!」
余りの快感に、メルディは途切れ途切れの声を漏らした。
しかし、言葉とうらはらに、メルディは太腿でキールのモノを締め付け、僅かに腰まで使い出す。
それは稚拙な動きではあったが、キールの衝動を高めるには十分である。
キールは、メルディの動きに力を得たように、更に腰の動きを早めていった。
「あっ、キールっ、メルディ、なにか来るよっ…。怖いよ、キールぅ…」
メルディは、間近に迫った絶頂の予感に脅え、キールの首に両手を廻した。
キールの頭を引き寄せるように力を込め、ぎゅっと目を瞑る。
「怖い事なんてないさ…。そのまま、その感覚に身を任せるんだ…」
「だめなっ、怖いよっ、キール、キールぅ…」
縋るように自分の名を呼ぶメルディへの愛しさに、キールの快感も一気に絶頂へと登りつめる。
メルディの耳元に顔を寄せ、最後の一押しを求めて小刻みに腰を振った。
「うくっ、いっ、いくぞ、メルディっ…!」
「だめなっ、来るっ、来ちゃうよっ、キールっ…!」
互いの名を呼び合いながら、二人はガクガクと身体を震わせる。
「うっ、うあっ…!!」
「だめえぇぇっ!!」
キールが低くうめくのと同時に、メルディは爪先をピィンと突っ張った。
絶頂に反り返るメルディの腹部に、キールの快楽の証が撒き散らされる。
褐色の肌の上に、白濁の液が鮮やかなコントラストを添えた。
「ふぁっ…、これ、何か…?」
メルディは、腹の上に飛んだ一滴を指先で拭い、そのまま口に含む。
「んっ…。なんだか、変な味するよ…」
そして、放心した状態のまま、キールの精液を飲み下した。
◇ ◇ ◇
「おっはようなー、みんな!」
「おっ、メルディ、今日はやけに元気だな」
「はいなっ! メルディ、今朝は元気もりもりなっ!」
しばらく見ていなかったメルディの満面の笑みに、リッドは意外そうな顔をした。
ここしばらく様子がおかしかったのが、今日はいきなり以前通りの調子に戻っている。
無理に問い詰めるのもまずいと思っていたリッドは、安心しつつも、急な変わりように驚いていた。
「どうやら、心配いらなかったみたいだな。…もしかして、夕べ何かあったのか?」
そう尋ねると、リッドの横にいたキールが、ビクンと肩を震わせる。
そんなキールの反応を気にも留めず、聞かれたメルディの方は、晴れやかな笑顔で頷いた。
「はいな! メルディ、夕べキールに…」
「わー! わー! わーっ!!」
「うわっ!? 何だよキール、急にでっかい声出して?」
メルディが言いかけた途端、キールは大声で叫びながら、慌ててメルディの口を塞ぐ。
リッドは耳を押さえながら、いぶかしげにキールを横目で見やった。
「なななっ、何でもないっ! そ、そうだメルディ、大晶霊の入れ替えについて、大事な話があるっ!
じゃあ、そう言う訳で、失礼するぞ、リッド!」
「まみまっ? みーむ、まみむむま?」
「あっ、そ、そう…」
キールはメルディの口を押さえたまま、ずりずりと引きずるようにして森の中に入っていく。
リッドはその様子を、あっけにとられて見送った。
「…なぁ、ファラ。キールの奴、どうしたんだと思う?」
しばらくして、リッドは朝食の準備をしているファラに、そう問いかけた。
「ふふふっ、さぁねー。きっと、『二人だけの秘密』ってやつなんじゃない?」
ファラは、まるで何もかも分かったような顔をして、リッドの質問を受け流した。
「がっはははは! リッドおめぇ、ありゃあ、アレよ。アレを、アレしたってコトよ!」
フォッグはいつもの調子で、リッドにはさっぱり分からない事を言いながら、豪快に笑う。
「まったくもう、こんな朝っぱらから…。お二人とも、不潔ですっ!」
チャットは、顔を赤らめながら、不快そうに顔をしかめる。
「…はぁ???」
仲間達のリアクションが理解できず、リッドは一人、首を傾げていた。
一方、約一名以外にはもろバレしているとは知る由も無いキールは、森の中で荒い息をついていた。
やっとキールの手から解放されたメルディは、きょとんとした顔で、そんなキールに声を掛けた。
「キール、何をそんなに慌ててるか?」
「何を、じゃ無くて! 夕べの事は、みんなには秘密にしろと言っただろう!?」
キールがそう言うと、メルディは思い出したように、ポンと両手を合わせて微笑んだ。
「ああ、すっかり忘れてたよ! メルディ、うっかりさんな♪」
「忘れるなっ!!!」
キールは力の限り怒鳴ると、ずるずると地面に腰を降ろした。
(ああ、どうして僕は、こんな奴に惹かれてしまったんだ…)
キールが自分の気持ちに疑問を抱いていると、頭の上からメルディの甘えるような声が降ってきた。
「それよりキールぅ。今夜も、メルディに気持ちイイこと、してな?」
「え゛…?」
メルディの可憐な笑みに、キールは抵抗する術を知らない。
どうやら、キールの受難は、これからが本番のようであった。
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