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名探偵キールの復活? |
サザム氏 |
プリムラ×キール |
2003/02/26 |
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「事件よ、事件、事件なのよ…」
私は、小さく呟きながら、学生寮の廊下を早足で進んでいた。
あ、私の名前は、プリムラ・ロッソ。
インフェリアの英知の殿堂たる、このミンツ大学で、探偵部の部長をしている。
数ヶ月前の、試験問題流出事件を見事に解決したことで、探偵部の名声はうなぎ昇りになっていた。
でも、有名になれば、それだけ逆恨みや妨害も受けやすくなる。
現在、我が探偵部は、存続の危機にさらされているのだ。
でも、こんな時、私には頼りになる人が存在する。
彼の部屋の前に辿り着くと、私はノックをする暇も惜しんで、扉を思い切り開いた。
「キールっ、力を貸してっ!」
「うわあぁっ!」
私が部屋に飛び込んだ途端、彼は手にした本を取り落とし、椅子から飛び上がった。
彼の名前は、キール・ツァイベル。
『連鎖的世界崩壊仮説』なんて怪しげな学説を唱える変人だけど、助手としては割と有能。
…なんだけど、何か様子が変ね?
「どうしたの、キール?」
「どどど、どうしたも何も! 鍵を掛けておいたのに、どうやって入った!?」
「へ? カギ?」
そー言えば、ドアノブを回した時、なんか「ガリッ」って音がしたような…。
「あはは、どうやら、鍵が壊れていたみたいね…」
「言葉は正確に使え! 『壊れていた』ではなく、『壊した』だろうが!」
「あはははは、そ、そうとも言うわね…」
この話を続けていると、体勢が悪くなるばかりのようだ。
私はさりげなーく、話題を変える事にした。
「でもキール、あなた、何をそんなに慌ててるの?」
「なっ、ななな、何の事だ? ぼっ、僕は別に、あ、慌ててなんかいないぞ!」
激しくどもりながら、キールはぜんぜん説得力の無い台詞を吐く。
弁解しながら、先程まで読んでいたらしい本を、私の目が届かないように、こっそりと背後に隠した。
「…ねぇキール? 何か隠してない?」
「な、何も隠してないぞ! そ、それより、力を貸して欲しいと言ったな。
僕に出来る事なら、何でも手伝うぞ。さ、さぁ、詳しく話を聞かせて見ろ」
「…あやしい…」
あの事件から後は、何だかんだと言って手伝ってくれなかったくせに、今日は妙に愛想がいい。
あの本があやしいわね。よし、じゃあ、フェイントをかけて…。
「例えば、そこの本棚!」
「…えっ!?」
横の本棚を指差すと、不意を衝かれたキールは、思わずそちらを向く。
そのすきに、私はすすすっ…とキールの背後に近寄った。
「…もらったぁ!」
「わっ、こら、プリムラ、返せっ!」
キールの手から本を奪い取り、私はそれをペラペラッとめくる。
「え…これって…」
参考書のカバーが掛かっている本の中身を見て、私は思わず絶句した。
扇情的な格好をした女性の裸やスケベな体験談、それに官能小説…。いわゆる、「Hな本」だ。
私は、硬直しているキールの顔を、横目で冷たーく見詰めた。
「へー。キールも、こーゆー本、持ってたんだ…」
「いやっ、ご、誤解するなよ。僕はだな、単に女性心理の研究資料としてだな…」
この期に及んで、下手な言い訳をするキールを見て、私は少しイジワルをしたくなった。
「えーと、なになに…『フィリアはコングマンに衣服を剥ぎ取られ、白い裸身を晒した』…」
「わっ、ばか、プリムラっ、声に出して読むなっ!」
官能小説を読み上げてあげると、キールは真っ赤になって照れる。
「えー? だって、研究資料なんでしょ? だったら、恥ずかしくなんか無いわよねー。
ふむふむ、『力まかせに太腿を開かれ、まだ男に触れられた事のない、薄桃色の花弁が』…」
「やめろと言ってるんだ! こら、返せ!」
「ふふーんだ、捕まらないわよ♪」
唐突に、キールの部屋の中で、私と彼の追いかけっこが始まった。
だけど、探偵部でいつも駆け回っている私に、運動不足のキールがついてこれる訳が無い。
蝶のように華麗に避ける私の動きに振り回され、キールはすぐに息が上がってきた。
「はあっ、はあっ…。プ、プリムラ、止めろって、言ってるだろ…」
「ふふーん、もう降参す…きゃあっ!?」
「うわっ!」
後ろに飛び退いた拍子に、私は何かにつまずいて、バランスを崩してしまった。
そこにキールがぶつかり、私達は折り重なってベッドに倒れこむ。
「あ、あいたたた…。 えっ!?」
顔を正面に向けた途端、至近距離でキールと目が合って、私の胸がドキン、と高鳴った。
しかも、激しい息をつくキールの片手が、私の胸をしっかりと掴んでいる。
おまけに、私の太腿に、キールの…、その…、何だか硬いものが(やん、やん!)当たっている。
私は、自分の頬が一気に熱くなるのを感じた。
「キ、キール…、手、どけて…」
「え? わっ、うわわわっ!?」
私が言うと、キールはやっとその感触に気付いた様子で、慌てて私の上から飛び退く。
そして、ベッドの端に腰を降ろすと、顔を背けて弁解し始めた。
「ごっ、ごめん、プリムラ! わ、わざとじゃ無いんだ、信じてくれ!」
「キール…」
私は、激しい動悸を感じつつ、ゆっくりと上体を起こした。
私の胸には、キールの手の感触が、スタンプを押されたように、くっきりと残っている。
そこに重ねるようにして、自分の手をそっと胸にあてがってみる。
痺れるような快感が走り、乳首が次第に盛り上がっていくのが分かった。
ドキドキしてるのがキールに聞かれるんじゃないかと思うと、更に動悸が激しくなる。
沈黙に耐え切れなくなって、私はもう一度キールに声を掛けた。
「ねえ、キール…?」
「な、何だ?」
呼び掛けても、キールはこっちを向こうとしないけど、彼も私の事を意識してるみたいだ。
長い髪から覗いているキールの耳は、真っ赤になっていた。
…お、女の子の方から言い出すなんて、はしたないわよね。
でも、堅物のキールから、求めてくることなんて、出来そうにないし…。
ええいっ! 女は度胸!
私は思い切って、こっちからきっかけを作る事にした。
「ねぇキール、女の子のこと、知りたい…?」
「え…?」
い…、言っちゃった…。
私の言葉に、キールは怪訝そうな表情でこちらを向いた。
こうなったら、もうとことん迫りまくるしかない。
私は、ベッドの上を伝って、キールの方ににじり寄りながら言った。
「私で良かったら、教えてあげてもいいよ、女の子のこと…」
「ばっ、莫迦なことを言うな、プリムラ!」
キールは、壁に貼りつくようにして、ズサッと後じさった。
でも、もうスイッチが入っちゃった私は、そんな言葉じゃ止まらない。
「キールは、私の事、キライ? それとも、私って、そんなに魅力無い?」
「うっ…。そ、そういう訳じゃ…」
自分でも、すごくエッチな声になっちゃってるのが分かる。
問い詰める私に、キールはさらに顔を真っ赤にして、動きを止めた。
「だったら、ねぇ、キールぅ…。 きてぇ… お・ね・が・い…」
「………っ!!」
思いっ切り甘えた声で耳元に囁くと、キールはガバッと私の肩を掴み、ベッドに押し倒した。
◇ ◇ ◇
「プリムラ…。僕は、僕はっ…!」
「あっ、ちょっと待って、キール…」
服の上から胸を触ってくるキールを、私はちょっと押しとどめた。
「今更なんだ! そっちから誘っておいて…」
「そうじゃなくて。このままじゃ、制服にしわが出来ちゃうじゃない」
キールの鼻をちょん、と突いて、私は身体を起こした。
キールには、私が余裕があるように見えるかもしれないけど、実は私も、そんなに経験がある訳じゃない。
ましてや、自分からこんな風に男の子を誘うなんて、初めての経験だ。
でも、(おそらく)チェリーなキールに任せてたら、制服がぐちゃぐちゃになっちゃう。
声が震えそうになるのを押さえ込み、ちょっとお姉さんぶってキールに微笑みかけた。
「まずは、私の服を脱がせてくれなきゃ…。はい、キール」
「うっ…。あ、ああ…」
私が差し出すように胸を突き出すと、キールはおずおずと制服のボタンに手を伸ばした。
慣れない手つきで、一所懸命にボタンを一つずつ外していく。
…くすっ。なんだか、キール可愛い…。
いつもの冷静さからは想像も出来ないキールの姿に、私は何だか可笑しくなる。
全部外してもらった所で、私はするっと袖から腕を抜き、上着を軽く畳んでベッドサイドに置いた。
「はい、じゃ次は、ローブのファスナーを下ろして…」
「わ、分かった…」
ベッドから降りて背を向けると、後ろ髪を掻き上げて、キールにお願いする。
キールは戸惑いながら、ジジジッ…とファスナーを下まで下ろした。
「う、んくっ…」
僅かに覗いた私の素肌に、キールが小さく息を呑むのが聞こえた。
軽く肩をずらすと、ローブはストンと私の足元まで滑り落ちる。
私は、気をもたせるように、ゆっくりとキールの方に向き直った。
「あ…。プ、プリムラ、何と言うか、その…。き、綺麗だよ、とっても」
私の下着姿を見て、真っ赤になりながらも、キールはそう言ってくれた。
たまたま今日は、一番お気に入りの下着を着けてて良かった。
私はこの幸運を、普段は信じてもいない神様に感謝したい気分だった。
「ふふっ…。ありがと、ちゅっ!」
不器用なキールの精一杯の褒め言葉に、私は微笑みながら首に手を回し、彼の頬に軽くキスをする。
「あっ…。あのその、僕は…」
たったそれだけで、いつもはクールな彼が、面白いぐらいに狼狽した。
「じゃあ、キールも服、脱いで…。それとも、私が脱がせてあげよっか?」
「いっ!? い、いい、いいよ! じ、自分で脱ぐからっ!」
キールは、私の腕から逃げ出すと、背中を向けてあたふたと服を脱ぎ始めた。
…ちぇ、ちょっと残念。
恥ずかしがるキールを解剖するのも、面白そうだったのに。
余裕の出てきた私は、ベッドにうつ伏せに寝転がり、両肘を立てて、組んだ両手の上にあごを乗せる。
爪先をパタパタと動かしながら、じっくりとキールのストリップを眺めた。
ローブを脱ぎ捨てると、キールの色白な素肌があらわになる。
すね毛もあんまり濃くないし、ちょっと見には女の子に見えるぐらい、華奢な身体をしている。
私は、筋肉ムキムキの男臭いのより、こんな感じに少しなよっとした男の子の方が好みだ。
思わずエッチな笑い顔になりそうなのを、ほっぺたを押さえて堪える。
キールは、最後の一枚に手を掛けた所で、ピタッと手を止めて、こっちを振り向いた。
「…プリムラ、これも脱がなきゃ駄目か…?」
「脱がなきゃ出来ないでしょ? 男の子なんだから、覚悟を決めなさいよ」
「う…。そ、そうだな…」
この期に及んでためらうキールに、私はそうはっぱをかける。
キールは軽く深呼吸すると、一気にパンツ(ちなみに名前は書いてない)を引き下ろした。
そして、隠したい気持ちを表すように、腰の辺りで手をワキワキさせつつ、体を振り向かせる。
け…けっこう立派…。
キールのモノは、細身の体格に似合わず、太くて大きかった。
と言うか、私が今まで見た中で(何人のを見たかはヒ・ミ・ツ)、間違いなくナンバーワンだ。
興奮と期待に、早くも私のあそこがじゅんっ…と濡れるのを感じた。
◇ ◇ ◇
「キール、いいよ、来て…」
「あっ、ああ…」
私が仰向けになって招くと、キールはぎくしゃくした足取りでベッドに上がり、私の上に馬乗りになった。
「プリムラ、キ、キスしても、いいかな…?」
「んもぉ。聞かなくっても、いいよ…。 んっ…」
戸惑うキールに、私は目を閉じて、軽くあごを突き出す。
少しして、遠慮するように、キールの唇が私の唇にそっと触れた。
「んっ! んーっ、んむっ…」
「むぉ! むむぅ、むももむっ、むっ…!」
私は、すかさず両腕でキールの頭を抱え込んで、彼の口の中に舌を伸ばした。
驚いたキールは、呻きながら顔を離そうとしたが、そうはさせない。
キールの舌を探り当て、自分の舌を絡めるようにして捕まえる。
…ふむ、私の推理によると、キールの夕ご飯は学食のBディナーね。
そんな事を考えつつも、私はキールの口の中を存分に堪能した。
「…っぱぁ! ぜぇ、ぜぇ…。 プ、プリムラ、何て事を…」
「んふふ…。これが、女の子とする、本気のキスよ…」
私は目を細めながら、唾液に濡れた自分の唇をちろっと舐める。
私の仕草に、キールのモノがぴくんと反応するのが、視界の端に写った。
「ね、次は私のブラを、外してくれない?」
そう言って私は、軽く上半身を起こした。
「う、うん…」
すでに、キールは私の言いなりだ。
私の言葉に素直に頷くと、私の背中に手を回して、ホックを捜し始めた。
「んっ…、あ、あれ…?」
「あ、キール、そっちじゃなくて、前…」
「ま、前? 前って、どう言うことだ?」
…あ、そっか。
朴念仁のキールが、フロントホックなんて知ってる訳ないよね。
私は、ブラの中央に手を伸ばした。
「これはね、ここを、こうするの…」
自分でプチッとホックを外してから、再び手を体の脇に戻す。
「はい。あとは、キールが脱がせて…」
「ごくっ…。う、うん…」
そう促すと、キールはシーツで手のひらの汗を拭ってから、緊張に震える手でブラの肩紐をずらす。
彼の目の前に、私の二つの膨らみがあらわになった。
自慢じゃないけど、私は胸には少し自信がある。
きれいなお椀型で、ブラを外されても、ほとんど型崩れしない。
乳首の色は、ほんのりと色付いた桜色だ。
初めて目の前で女の子の胸を見たらしいキールは、今にも鼻血を噴き出しそうな顔をしていた。
「ほら…。触っても、いいんだよ…?」
「うっ、うん…」
私がそう言うと、キールは恐る恐ると言った感じで、私の胸に触れた。
キールの手が、その感触に驚いたように、ぴくっと硬直する。
しかし、すぐにゆっくりと、確かめるような感じで、優しく揉み始めた。
「んっ…。ねえキール、どんな感じ…?」
「ど、どんなって…。温かくて、柔らかくて…、上手く言えないよ…」
でも、興奮してきてるのは、確かみたいだ。
息が荒くなってきてるし、だんだん指使いが大胆になってくる。
「はっ、はぁっ…。んっ…」
「あんっ!」
いきなり乳首にキスをされ、私は思わず体をくねらせた。
「あっ、ごめんプリムラ! つい…」
「ううん、いやじゃないよ。ちょっと驚いただけ…。だからもっと、いっぱいキスして…」
謝るキールに、私はそうせがんだ。
「そっ、そうか? じゃ…」
「んんっ、ふうっ!」
キールは、私の要求通りに、両方の乳首に代わる代わる唇を寄せた。
甘い感触に、私は鼻にかかった吐息を洩らす。
胸の先っぽの方から、じんじんするような疼きが、私の身体を駆け巡った。
◇ ◇ ◇
「プリムラ…。し、下も、脱がせていいかな?」
「んっ…。うん、いいよ…」
キールに求められて、私は再びベッドに仰向けになる。
脱がせ易いように軽く腰を浮かせると、キールはするすると私のショーツを脱がせていった。
「へぇ…。女の子のここって、こんな風になってるんだ…」
下着を足から抜き取ると、キールは少し顔を寄せて、私の股間をまじまじと見詰める。
感心したようなキールの声に、今更ながら恥ずかしさが込み上げてきた。
「あっ、キール…。あんまり、じろじろ見ないで…」
「え? あ、ああ、ごめん。…ん? これは…」
「やんっ!」
敏感な突起に触れられて、私の身体がピクンと震える。
そこを指先でこねるように弄ってから、キールはつるんっ、と周りの皮を剥いだ。
「ひゃっ!?」
「ああ、やっぱりそうか。男性器が変形して、こんな形になっているんだ…」
そう呟くと、キールは剥き出しになったそこを、爪で軽く引っ掻いた。
「つうっ! キ、キール、あんまり乱暴にしないで…」
「あっ! ああ、すまない…」
私が痛みを訴えると、キールは我に帰ったように、そこから指を離した。
「…女の子のそこは、とってもデリケートなんだから…。もっと優しく、撫でるように…ね?」
触り方を教えながら、私はキールの手を取って、再びそこに誘導する。
「こ、こう…かな?」
「んっ! あ…そう…」
指の腹で軽く撫でられた途端、私の口から甘い叫びがこぼれた。
何度も撫でられるうちに、私のあそこからエッチな汁がこぼれて、お尻の方に伝っていく。
垂れる雫の、虫が這っている様なムズムズした感触が、ぞくぞくする感じを盛り上げた。
「あ…。女の子が『濡れる』って、こう言うものなのか…」
「んもう、そんな事、いちいち言わないで! …恥ずかしいじゃない!」
と、文句を言いつつも、感じてきてる事を彼に指摘されて、実はけっこう興奮してたりもする。
…私、露出趣味のケは無いはずなんだけどな…。
「プリムラ、これは、君が気持ちいいと言う証拠なんだよな…?」
「んんっ…。だ、だから、言わないでって…ふうんっ!」
私の気持ちを知ってか知らずか、キールは尚も言いながら、入り口の辺りを指でなぞった。
慣れない手つきで、輪郭を確かめるように、つつっ…と指を滑らせる。
もどかしいような、くすぐったいような愛撫に、私の身体がピクピクと反応した。
「あぁん…、んっ、くっ、ふぅん…」
決して上手な訳じゃ無いけど、これはこれで、とってもイイ感じだ。
いつの間にか、私の口からは、甘えるような喘ぎ声が洩れ続けていた。
◇ ◇ ◇
「んあっ…。あれ、キール、どうしたの?」
いきなり指が離れたので、私は意識をキールの方に戻した。
するとキールは、何かを耐えかねた様子で、がばっと私の上に覆いかぶさった。
「プリムラ、僕は、僕はもう…」
キールのモノは、すでに先端がぬるぬるした液体に濡れ、ビクビクと別の生き物のように脈打っている。
どうやら、私のあそこを触っている内に、キールの我慢が限界になっっちゃったみたいだ。
「…うん、いいよ、入れても…。私も、キールのが、欲しくなっちゃった…」
キールの顔に掛かった髪を掻き上げてあげながら、私はそう答えた。
私が許した事で覚悟を決めたように、キールは腰を前に動かす。
「あ…、あれ…?」
だけど、キールは初めての行為に、どうも勝手が分からないようだ。
キールの先端は、私の中には進めず、入り口の表面をつるりと滑った。
「くそ、おかしいな…。くっ、あれっ、入らないぞ…」
「キール、焦らないで…。落ち着いて、もうちょっと下…」
私が言葉で誘導しても、キールはますます焦るばかりで、うまく中に入ってこない。
キールのモノは、私のあそこの上を、何度も空しく滑るばかりだった。
「キール? あ、あのね、腰だけで入れるんじゃなくて、その、片手で、ソレを押さえて…」
焦れてきた私は、もう少し具体的に、やり方を説明しようとした。
でも、やっぱりちょっと恥ずかしいので、結局はアレとかソレとか、そんな言い方になる。
…もう、何を言わせるのよ、キールってば!
しかも、興奮したキールは、そんな私の説明も、耳に入ってないみたい。
ただがむしゃらに、いきり立ったモノを私の下腹部に押し付け続けた。
「うっ…くっ…、あっ!」
「えっ…?」
いきなり小さい叫びと一緒に、キールは少し黄ばんだ白い液体を、私のお腹の上にぴゅぴゅっとばら撒く。
突然の事に、私も思わず目を丸くした。
えーと、これはその…。いわゆる、「暴発しちゃった」ってやつですか?
ちょっとがっかりしたのが、表情に出てしまったのだろう。
キールはションボリとした様子で顔を逸らすと、背中を向けて座り込んでしまった。
「あ、あの、キール? そんなに気にしなくても…。は、初めてだったんでしょ、仕方ないよ!」
「…いいんだ。僕はどうせ駄目な奴なんだ…。放っておいてくれ…」
慌ててフォローする私に、キールは暗い声で答える。
…あらら。すっかりイジケモードに入っちゃったみたい。
今にも床にめり込みそうなぐらいの、えらい落ち込みようだ。
プライドの高いキールにとっては、女の子の前で醜態をさらしたのが、よっぽどショックだったらしい。
でも、こんなキールを放っておいて、「はいサヨナラ」なんて言える訳が無い。
私はキールを元気付けるように、彼の背中にギュッと抱きついた。
「もう…。私はそんな事で、キールのこと、笑ったりしないよ?」
「あ…。ちょ、ちょっと、プリムラ、その、胸が…」
背中にふにゅっと押し付けた胸の感触に、キールが慌てる。
「それに…、ほら。キールのここ、まだこんなに硬いままじゃない…」
「あっ…」
片手をキールの股間に回して、熱く脈打っているソレを優しく握ってあげる。
キールはまるで、女の子みたいな可愛い声を出した。
「言ったでしょ…。女の子のこと、教えてあげるって…」
「…うわっと!」
キールの肩を掴んで仰向けに寝かせ、今度は私が馬乗りになる。
キールのモノを片手で押さえると、もう一方の指で、あそこの入り口をちょっと広げた。
「プ、プリムラ…?」
「誤解しないでね…。こんな事してあげるの、キールだけなんだから…」
意外そうなキールの顔に、思わずそんな言い訳めいた事を囁いた。
キールの先端をあそこに宛がい、彼の瞳を見詰めながら、ゆっくりと腰を下ろしていく。
あっ…。熱くて硬いモノが、私の中に入ってくる。
その感触に、私は軽くイッてしまった。
「うっ、うわわわっ!?」
初めての、女の子の中の感触に、キールは目を白黒させている。
「んっ、ふっ…。…んっ!」
キールの大きなモノを受け入れるのは、思ったよりもキツかった。
私のあそこが、限界まで突っ張っているような感じがする。
私は鋭く息を吐くと、一気に根本近くまで、自分の中に咥え込んだ。
「あっ…あはっ、キール、チェリーボーイ卒業、おめでと…」
「あっ…あ、うっ…」
私がそう囁いても、キールは照れる様子も無い。…というか、快感に我を忘れているって感じだ。
その証拠に、キールのモノは、私の中でピクン、ピクンと脈打っている。
お腹いっぱいに膨れ上がっているソレの熱さに、痺れるような疼きが背筋を駆け抜けた。
「キール…、動くよ…?」
「うっ、うあっ!」
私が腰をくいっと引くと、キールは苦痛にも似たうめきを洩らした。
キールの大きく張り出した傘の部分が、私の中を引きずるように刺激する。
生々しい感触に、私の腰もぷるっ、と震えた。
そう言えば、ゴムを付けてない相手とするのは、これが初めてだ。
でも、薄いゴム一枚が無いだけで、こんなにも気持ちいいなんて、思いもしなかった。
それとも、キールの事が本気で好きだから、こんなに感じてるんだろうか?
頭の片隅で、そんな事を考えながら、私は少しずつ腰の動きを早めていった。
「プッ、プリムラっ! 僕っ、こっ、こんなの、初めてで…、おかしく、なりそうだっ…!」
「んふふっ…、いいよ、キール…。 いっしょに、おかしくなっちゃお…?」
可愛い事を言うキールに、私は嬉しくなって、キールの首筋にスッと舌を這わせた。
その途端、キールの身体がビクッと硬直し、私の中のモノがくいっと更に反り返る。
…あっ、これ、いい…。
それが気持ち良くて、腰を前後に振りながら、私は指先でキールの性感帯を探し回った。
弱い所に触れるたび、キールの身体は、面白いぐらい素直に反応する。
へぇ、男の子も、乳首を触られると、気持ちいいんだ…。
そこをくりくりと弄っているうちに、私の乳首も、痛いぐらいに尖ってきた。
「あっ…ねぇ、キール、胸が、胸が切ないのぉ…、触ってぇ…」
「ああっ…ああ、こう…かい?」
私の求めるままに、キールは下からすくい上げるようにして、胸を揉み始める。
腰の動きに揺れていた私の胸が、キールの指に掴まれて、ぐにぐにと形を変えた。
「んっ…、そう、もっと強くぅ…」
私が更にせがむと、キールは先端をきゅうっと摘み、ぐっと指先に力を入れた。
時折走る鋭い痛みも、却って気持ち良さを際立たせる。
私は、前後の動きに、円を描くような動きも取り混ぜて、キールの感触をむさぼった。
「あっ! あっ! キール、いいっ…! 気持ち、いいよぉっ…!」
「うっ、くっ…! プリムラ、ぼっ、僕もだっ…!」
もう、自制心なんて、カケラも残ってない。
私は、感じたままの事を、大声で叫んでいた。
キールも、潤んだ目をしながら、負けないぐらいの大声で答える。
小さい快感の波が幾重にも重なって、私の意識を真っ白にしていった。
私達の繋がった所から、湿った泥を掻き回すような、大きな水音が響き渡る。
ああっ…! 私ってば、こんなエッチな音立てて、エッチな事ばっかり言ってる…!
そう思うと、却って気持ち良くなって、音も声も動きも大きくなる。
そうする内に、キールのモノが、刺激に堪えかねたようにヒクヒクと震え出した。
「あっ、ねぇ、キール、イクの? 出しちゃうの?」
「ううっ…。うん、ご免っ、プリムラ、もうっ…」
小刻みに腰を振りながら尋ねると、キールが息も絶え絶えといった感じで答える。
「んっ、いいよ、イッて、出してっ、中にっ…!」
「だっ、駄目だ、プリムラ! そんな…」
キールは股間に力を込めながら、私の腰に手をやり、どかそうとする。
だけど、私はキールの胸にぴったりと抱きつき、もっと激しく腰を動かす。
キールは私のそんな動きに驚きながら、何とかこらえようとするけど、そう簡単に止まるワケが無い。
私の中のモノはぐっと一回り大きくなり、射精の前兆が、直に触れたお腹の中から感じ取れた。
「もっ、もう、だめだっ…くっ!」
「やはぁっ…ああぁんっ!!」
キールは、一際大きな声を上げて、わたしの中に熱い雫を解き放った。
奥の方に飛び散る熱い液体に、私も一気にイッてしまう。
キールの上で背中を丸め、脱力した私は、彼の胸の上にドサッと倒れ込んだ。
「あっ、はぁ…。キールの、熱いのが、まだ出てるぅ…」
初めて直接、中に出された充実感に、私は寝ぼけたような声で呟いた。
「はぁっ、はぁっ…。プリムラ…」
キールは、私の名前を呼びながら、慈しむように、そっと背中を撫でてくれる。
ああ、何だかすっごく、女の悦びを感じるわ…。
子猫のように喉を鳴らしつつ、私はキールの手の平の感触を味わった。
だけどそのうち、私の心の中に、もっとキールを感じていたいって気持ちがこみ上げる。
私は、ゆっくりと身体を起こすと、キールの顔を覗き込みながら、甘えた声で囁いた。
「ねぇ、キールぅ…。もういっかい、しよ…?」
「え…、えええっ!?」
私の提案に、キールは何故か驚いた顔をする。
…んもう、照れちゃって。ほんと、キールってば、可愛いんだから。
私は、天使の(と自分では思う)微笑みを浮かべつつ、キールを諭すように言った。
「今のは、キールに教えてあげたんだから、練習みたいなものでしょ…?
今度は、キールの方から、私を気持ち良くして…?」
「そ、そんな事言われたって、そんなにすぐには…、あっ、ああっ、あ!」
まだ躊躇しているキールの、縮み始めたモノを咥えたまま、私はぐりぐりと腰を動かしてあげる。
そうすると、言葉とはうらはらに、キールのモノはたちまち硬さを取り戻した。
…くすっ。こっちの方が、口よりも正直みたいね。
今夜はどうやら、長い夜になりそうだった。
…あれっ? 何か、大事なコトを忘れているような…?
◇ ◇ ◇
「うう…。た、太陽が黄色い…」
「ほら、キール! しっかりして!」
ふらふらと杖を突いて歩くキールを、私は横から支えていた。
あはは、結局あれから、ひーふーみー…、何回したんだっけ?
ノリまくってしまった私は、あれからもう一回、もう一回とキールにせがんでしまった。
おかげで目を覚ました時には、もうお昼過ぎ。
私は、一夜ですっかりやつれたキールを連れて、朝昼兼用の食事をする為、学食に向かっている所だった。
「…? 何だか今日は、やけに視線を感じるわね?」
「…そうか? 気のせいじゃないか?」
キールはそう言うけど、周りの人達の視線は、確かに私達の方を向いている。
何人かのグループが、こっちを指差して笑ってたりもする。
…何だか、ヘンな雰囲気。
そう考えた瞬間、私達の目の前に、むやみに元気な女の子が、マイク片手にいきなり出現した。
「どーもー♪ 新聞部の、ルナリアでぇーす!」
「うわぁっ!?」
「きゃっ! あ、あなた、どこから湧いて出たのよっ!」
尻餅をついたキールに引きずられて、地面にへたり込みながら、私は彼女に文句を言った。
「まぁまぁ、そんな事は、どうでもいいじゃないですか!」
「そ…そうかなぁ…」
彼女は、新聞部の名物リポーター。押しの強さと神出鬼没さは、捜査してる時の私と、互角以上だ。
この子もけっこう、あなどれないわよね…。
「それよりっ! 探偵部の部長と、変わり者の名物男との、ただれた関係っ!
一説では、『無貌の盗撮者』を捕まえる為の囮捜査とも言われていますが、そこの所、どうなんでしょう!?」
「な、何だと!?」
「へ? え? ど、どうなんでしょうって…、え?」
混乱する私達に、ルナリアはきょとん、とした顔で問い掛けた。
「あれ? もしかしてお二人とも、あの掲示板、見てないんですか?」
「掲示板?」
彼女が指差した掲示板には、大きな人だかりが出来ている。
「…キール、行くわよっ!」
イヤーな予感がして、私はキールの腕をひっ掴むと、掲示板の方に駆け出した。
「ちょっと、すいません! と、通してください!」
人ごみを掻き分けて、私とキールは掲示板の前へと進む。
何故か、私達が近づくと、周りの人は奇妙な表情をしながら、道を空けてくれた。
その表情は、さっき通りすがりに指差していた人達と、よく似ていた。
段々と、イヤな予感が大きくなってくる。
程なくして、私達は、掲示板の真ん前に飛び出した。
そして、そこに貼られているモノを見て、私は思わず頭を抱えて絶叫した。
「なっ…、何よコレぇ〜〜〜っ!!」
掲示板の一面にベタベタと貼ってあるのは、昨夜の私とキールの、その、…してる所の盗撮写真だった。
一枚ひっぺがして見ると、二人の恥ずかしい場所も、はっきりくっきり映っている。
へぇ…、私って、こんなエッチな顔してたんだ…って、感心してる場合じゃなーい!
そ、そういえば…。
昨夜、キールの所に行ったのも、元はと言えば、この『無貌の盗撮者』の件を相談するためだったっけ…。
ミンツ大学の学生を狙った、無差別盗撮事件。
撮られた写真は、学内だけでなく、裏で好事家達の間にも高値で売りさばかれているらしい。
学校側の依頼を受けて、その捜査に乗り出した途端、相手は探偵部の部員を狙い出した。
こうして恥ずかしい写真を公表することで、捜査を止めさせるつもりらしい。
実際、オナニーしてる所を盗み撮られた部員の女の子は、泣きながら退部届を出してきたりもした。
今では、部員はみんな怖気付いて、この件から手を引こうと言い出す始末。
探偵部始まって以来のこの苦境に、キールの知恵を借りるつもりだったのだ。
それにしても、素早いというか、何というか…。
「…うおおぉぉっ!」
「きゃっ!? キ、キール!?」
私が回想していると、キールは突然半泣きで叫び出し、すごい勢いで、全ての写真を剥ぎ取った。
そして、ぐしゃぐしゃと一まとめに丸めると、地面に叩きつけて、いきなり晶霊術を唱え始める。
ちょ、ちょっと、それって…。
周りにいた人は、詠唱が始まった時点で、みんな悲鳴を上げて逃げ出している。
「…ファイヤーボールっ!!」
少し暴走気味の炎の中で、その写真はあっという間に消し炭と化す。
ゼェハァと荒い息をつくと、キールはギラッとこちらを振り向いた。
「プリムラっ! 行くぞっ!」
「え、えっ? 行くって、どこへ?」
キールの意気込みに気圧されて、私は間抜けな声で問いかける。
「こんな事をした犯人を、捜しにいくに決まっているだろ! ぐずぐずしてると、置いていくぞ!」
「あっ、ちょっと! 待ってよ、キール!」
そう言って、いきなり駆け出すキールの後を、私は慌てて追いかけた。
まあでも、結局こうして、キールもやる気を出してくれたし、彼と公認(?)のカップルにもなれた事だし。
犯人さんにも、ちょっとだけ感謝、かな?
私は、持っていた写真をポケットに仕舞いつつ(証拠よ、証拠!)、キールに明るく声を掛けた。
「キール! いつもの、いくよ!」
「なに!?」
「…真実を得るためならばっ!」
最初のフレーズで、キールの顔にも笑みが浮かぶ。
「私はっ!」 …そう言いながら、キールに手を差し伸べる。
「僕はっ!」 …応じながら、キールは私の指に指を絡めて、ぎゅっと握る。
私は拳を振り上げて、思いっきりジャンプしながら、キールと一緒に決めの台詞を叫んだ。
「「戦うっ!!」」
…うんっ! やっぱり、こうでなくっちゃね♪
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