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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
双子のスキンシップ サザム氏 カーレル×ハロルド 2003/02/03 -

「ハロルド、お邪魔するよ」
「んーっ、兄貴、いらっしゃーい」
自分の部屋を訪れたカーレルの声に、ハロルドは机から顔を上げぬまま、気の無い返事を返した。
「どうした、また詰まっているのか?」
「『また』は余計よ。ちょっとねー、レンズの集積回路の構築が難航してるのよ」
ハロルドは背中を椅子にもたれ掛けると、咥えたペンをひょこひょこと動かした。
「少し、気分転換でもしたらどうだ?」
「んー、そーねー。 あ、兄貴もサラシ取って楽にしたら?」
「そうだな、そうさせてもらうよ」
頷くと、カーレルは上着を手早く脱ぎ始めた。
シャツを脱ぎ捨てると、男性にしては華奢な体に、幾重にもサラシが巻きつけられていた。
サラシを解き始めると、その下から柔らかな膨らみが現れる。
裸の胸についていたのは、小振りながらも形の良い、女性の乳房であった。
「胸、またちょっと、大きくなったんじゃない? カーリィ姉さん」
首を後ろに反らしたハロルドは、逆さに見えるカーレルの胸を見ながら、ふざけた調子で言った。
「こら、二人きりの時でも、その呼び方は止めろと言っただろう?」
昔の呼び方をされて、カーレルは苦笑しながらたしなめた。
彼(彼女)の本当の名は、カリーナ・ベルセリオス。
ハロルドとは、一卵性の双子の『姉妹』であった。
「はいはい。全く、変な処で徹底的にこだわるんだから。誰に似たのかしら?」
「ふふっ。お前がそれを言うのか?」
再び上着を羽織りながら、カーレルは妹に笑いかけた。
元々、地上軍に入る際に、カーレルに男装することを提案したのは、この妹だった。
カーレルの軍師としての才能は、妹の贔屓目無しに見ても確かである。
しかし、一般の兵士には、女性に指揮されることを快く思わない者もいるであろう。
そう考えたハロルドは、カーレルの喉に変声機を仕込み、男として入隊したらどうかと言い出したのだ。
双子なだけに、本質はハロルドと同様に悪戯好きなカーレルは、それは面白そうだと賛成した。
そして二人の、地上軍全てを相手にした、大芝居が始まったのだった。
「しかし、これ以上大きくなられても、正直、邪魔なだけなんだがな」
カーレルは、形のいい胸を軽く持ち上げながら、そう呟いた。
「あのねー、世の女の人が聞いたら、怒るわよ、それ」
「大丈夫さ、間違っても他の女性の前では言わないからな」
その言葉に、ハロルドは何かを思い出したように、ポンと手を打った。
「そーだ、女と言えば兄貴、この間、新しく入った女性兵に、言い寄られてなかった?」
「…ああ、あの子か。丁寧に断ったつもりだったんだが、泣かれてしまってね。まいったよ」
思い出して、カーレルは軽く肩をすくめた。
「まったく、女ったらしなんだから。これで何回目?」
「おいおい、女たらしはひどいな。私は一度も、自分から声を掛けたことはないぞ」
とはいえ実際、普段のカーレルは、中性的な美貌を持つ美青年にしか見えない。
特に若い女の子達には、汗臭くない凛とした雰囲気が素敵、とファンクラブまで出来る有様であった。
「まったく、そんな事ばかり言ってるから、ヘンな噂が立つのよ。
 『実はホモだ』とか、『故郷に恋人がいるんじゃないか』とか…」
「仕方ないだろう? 深い仲になって、正体を知られたりしたら、それこそ大騒ぎだ」
そう答えると、カーレルは座っているハロルドの背中に、軽くもたれかかる。
「それに、恋人がいるというのは、あながち嘘ともいえないしな…」
「あっ…ちょっと、兄貴…?」
胸元にスルッと滑り込んだカーレルの手に、ハロルドは顔を赤らめた。
「私には、生まれた時から一緒の、最高の恋人がここにいるからね…」
ハロルドに妖しい流し目を向けながら、カーレルはゆっくりと指を蠢かせた。
双子のもう一つの秘密。
それは、二人が肉体関係を含む、倒錯した愛情を抱き合っていることであった。
「やっ…兄貴、何を…んっ!」
くりっと乳首を擦られて、ハロルドは小さく息を呑んだ。
「何をって、可愛い妹の気分転換を、手伝ってやろうと思ってね…」
「はっ…ん、そんな事言って、自分がしたいだけのくせに…」
カーレルの愛撫に息を荒くしながら、ハロルドは反論する。
「お前がいやだって言うなら、止めるけど…?」
悪戯っぽい笑みを浮かべたカーレルは、そう言うと、指の動きを止めた。
「…さあ、どうする?」
「あっ、兄貴の、いじわるぅ…」
ハロルドは、甘えるようにすねながら、カーレルの胸に寄りかかった。
              ◇  ◇  ◇
カーレルは、ハロルドの身体を抱き上げると、ベッドの上にそっと座らせた。
そして自分は立ったまま、ベルトを外してズボンを脱ぎ捨てる。
アスリートのように引き締まった白い両足が、明るい照明を照り返す。
自分と違い、筋肉質なカーレルの身体に、ハロルドは今更ながら疑問を覚えた。
「昔はそっくりって言われてたのに、何でこんなに体型が変わっちゃったのかしらねー」
「そりゃ、お前が部屋で研究している間、私はずっと、外で身体を鍛えていたからね」
妹の疑問に、カーレルは身体にそぐわぬ男らしい声で、そう答えた。
昔のハロルドは病弱で、(今では信じられないが)引っ込み思案な少女だった。
いつも部屋で本ばかり読んでいるような子供で、しょっちゅう近所の悪戯小僧どもから苛められていた。
カーレルが身体を鍛え始めたのは、そんな妹を守ってやりたいがためであった。
「…ねぇ、久しぶりに、兄貴の本当の声が聞きたいな、わたし」
「ああ、いいとも。…んっ、ん…」
そう答えるとカーレルは、喉仏に見える部分を触り、何かを操作するように指を動かした。
「あ、あー。うーん、何だかもう、こっちの声の方が、違和感があるわね…」
そうして洩れた声は、大分ハスキーなのを除けば、ハロルドの声に瓜二つだ。
声が変わると同時に、カーレルの言葉遣いも、自然と女言葉になっていた。
「ふふふ…。わたしは、こっちの声のほうが好きだけどな」
「ハロルド、それは遠まわしに、自分の声が好きだって言ってるのと同じよ」
カーレルは、笑うハロルドの額を指でちょん、とこづいた。
「だって、兄貴の喘ぎ声は、こっちの方が可愛いんだもん」
「あっ、こら…んっ…」
いきなり両方の乳首を軽く摘まれて、カーレルの頬が桜色に染まった。
「…ほら、やっぱり可愛い」
「やっ、はん…。ず、ずるいわよ、不意打ちなんて…んんっ、あん!」
「さっきの仕返しよ」
先程とは攻守を変え、今度はハロルドがカーレルの乳房をこね回した。
ツボを心得たハロルドの愛撫に、カーレルの肌から薄く汗が滲んだ。
「もう…。弱い所を知ってるのは、こっちも同じなんだからね…」
「んっ、やっ、兄貴、そこは…!」
口調が女に戻ると共に、普段は隠している、カーレル本来の性格が顔を出す。
背中に回されたカーレルの指が、ショーツに潜り込んで尻の割れ目をなぞり、ハロルドはピクッと反応した。
カーレルの指はそのまま、菊座と花弁の間を往復し、両方をくすぐるように刺激した。
いくらも経たないうちに、ハロルドの股間から、サラサラとした熱い雫がしたたり始める。
雫はカーレルの指を濡らし、ショーツの中央に染みを広げていった。
「んんっ、それ、駄目だって、知ってる、くせにぃ…」
「あらあら、もう終わり? 仕返しするんじゃなかったかしら?」
自分の胸に顔を埋めて震えるハロルドに、カーレルはからかうように声をかけた。
「もぉ! いつもいつも、主導権を握れると思ったら、大間違いよ…!」
その言葉に負けん気を引き出され、ハロルドは上体を伏せて、カーレルの股間に顔を寄せた。
そして、こちらも薄く湿り出している、カーレルの下着を横にずらし、秘部をあらわにする。
既に濡れ光る花弁の上の、小さな突起に狙いを定めると、ちゅうぅっ、と音を立てて吸った。
「やああぁぁっ!?」
「んふっ、今度は、兄貴の指が止まってるよ…?」
甲高い声を上げるカーレルに囁くと、ハロルドは舌と唇で肉芽を弄びながら、中指を花弁に差し入れる。
中で指を曲げ、腹側の内壁を擦るように動かすと、カーレルの腰がビクン、と跳ねた。
「やっ、いやっ! やめっ、やめてっ、ハロルドっ…!」
「んちゅ…ふふっ、『もう降参』って言ったら止めてあげるよ…」
長い髪を振り乱して悶えるカーレルの顔を見上げながら、ハロルドはさらに動きを激しくした。
自分に良く似た顔が快楽に乱れる様は、ハロルドに熱い興奮を呼び覚ました。
「もっ、もおっ…! 負けないわよっ…!」
「ひあんっ!?」
カーレルは、尻に回した手の人差し指と中指で、ハロルドの花弁を深く抉った。
そしてもう一方の手を腹側から滑り込ませ、ハロルドの勃起した肉芽を摘む。
挿入した指を痙攣するように震わせ、摘んだ突起を軽いタッチで素早く擦りたてた。
「んっ、くうっ、ハッ、ハロルド、早く、イッちゃいなさい…!」
「ぬちゅっ、むっ、あ、兄貴こそ、さっさと、降参、しなさいよぉっ…!」
二人は、幼い姉妹がくすぐり合うような調子で、互いの快楽を引き出しあった。
部屋の中に、二人の陰部が立てる、淫らな水音が響き渡る。
性技の応酬は、どちらが優勢とも言えないまま、次第に白熱してゆく。
だが、結局先に屈したのは、ハロルドの方だった。
「んっ、だめっ、だめえっ…、あん、ん………っ!!」
背中をふるふると痙攣させると、ハロルドはくたりとシーツに倒れ込んだ。
カーレルは、妹の中から指を引き抜くと、淫蕩な笑みを浮かべる。
「ふふっ…。今日も、私の勝ちみたいね…」
指に絡んだ蜜を舐め取ると、カーレルはベッドの下から箱を取り出し、中の物を物色し始めた。
              ◇  ◇  ◇
「んっ…。あ、兄貴?」
「あら、もう気付いたの?」
濡れたショーツを引き剥がされて、ハロルドは寝ぼけたような声を出した。
既に全裸になっているカーレルは、ショーツをハロルドの足から抜き取ると、傍らに置いたモノに手を掛ける。
口元に寄せ、黒光りするそれをゆっくりと舐め回しながら言った。
「んちゅ…ん…。今度はこれで、可愛がってあげるわ…」
「やっ、兄貴、それっ…!」
やっと目の焦点が合ったハロルドは、カーレルが舐めているものを見て、少し怯えた声を発した。
それは、黒いラバー製の、双頭のディルドーであった。
男根を模した先端は大きく笠を開き、反りのある幹の部分には、至る処に大きなイボが並んでいる。
以前それで責められた時の事を思い出し、ハロルドは後ずさった。
「やあっ、それいやっ! いつものにしてよ、兄貴ぃ!」
「あら、どうして? 前に使った時は、あんなに悦んでいたじゃない」
不思議そうに言うカーレルに、ハロルドは駄々っ子のように首を振った。
「だからいやなのっ! わたし、あの後しばらく、腰ガクガクで動けなかったんだからぁっ!」
少し涙目で訴えるハロルドに、カーレルは嗜虐心を刺激された。
「だったら尚更、こっちでしたくなっちゃうわね…んんっ!」
カーレルは眉を寄せながら、自分の唾液で濡らした方を、自らの花弁に押し込んでいった。
突き立った張り型は大きく反り返り、カーレルの股間から直接生えているかのように見えた。
「さあ、こっちはあなたが準備するのよ…」
カーレルは立ち上がると、もう一方の先端を、ハロルドの目の前に突き出した。
「もう…。兄貴のいじめっ子…んっ…」
そう言いながらもハロルドは、張り型にゆっくりと舌を這わせた。
こんな時だけは、ハロルドは昔のように、従順な態度を見せる。
それが嬉しくて、カーレルは妹の髪を優しく撫でてやった。
「そうよ…。自分の中に入るものなんだから、しっかりと濡らさないとね…」
「んっ…、むぷっ、ふむっ…」
男に奉仕するように、ハロルドは懸命に張り型をしゃぶり続ける。
その姿にカーレルは、作り物の男根に神経が通っているような錯覚を覚えた。
「もう充分みたいね…。さ、ハロルド、横になりなさい」
「は、はあい…」
ハロルドは、しおらしげな態度で、ベッドに仰向けになった。
大きく足を開き、カーレルの前に、濡れきった秘所をあらわにする。
カーレルは、開いた足の間に腰を割り込ませ、張り型の先端をハロルドの入り口に宛がった。
「じゃあ、入れるわよ…」
「うっ、うん…。だけど、ゆっくりね…」
ハロルドの求めに応じ、カーレルは静々と腰を進めていった。
「あっ、あっ! は、奥まで、入ってくるよぉ、兄さんっ…!」
「ふふふっ…。やっと、『姉さん』って言わなくなったわね。えらいわよ、ハロルド」
カーレルは、満足げな表情で、ハロルドの頬を優しく撫でた。
ついこの間まで、ハロルドは感極まると、思わず「姉さん」と呼んでしまっていた。
しかしそれでは、とっさの時に口走り、周囲に怪しまれてしまうかも知れない。
そこでカーレルは、ハロルドが性交中に「姉さん」と呼ぶ度に、愛撫を止めることにしていた。
ハロルドがどんなに欲しがっても、しばらくは動かず、「兄さん」と呼び直すように何度も言い聞かせる。
快楽と共に、言わば身体から叩き込む事で、カーレルは妹の呼び掛けを「調教」したのだった。
「さあ、それじゃあ、動くわよ…」
「やっ、兄さん、ちょっと、ちょっとだけ、待って…」
中央近くまで埋め込んだカーレルが、早速動き出そうとするのを、ハロルドは足を腰に絡めて止めた。
カーレルがかすかに動く度に、張り型のイボが、ハロルドの肉襞を刺激する。
ハロルドはその刺激に慣れようと、大きく何度か深呼吸をした。
「…はぁ。うん、もういいよ、動いて…」
ハロルドの許可を得て、カーレルは自分の秘洞にぐっと力を込め、ハロルドの中を往復し始めた。
「んっ、ふっ、やっ、かっ、んっ…」
「んっ、く…。可愛いわよ、ハロルド…」
顔に掛かった自分の髪を耳まで掻き上げつつ、カーレルはハロルドに囁いた。
強く締め付けた自分の中のモノはあまり動かない為、カーレルは自分が本当に男になったような気になる。
偽りの男根で、悶えるハロルドの中を、貪るように突き続けた。
「はっ、激し過ぎるよ、兄さんっ…んっ!」
「あんっ!?」
小さく叫ぶと共に、ハロルドが自分の中の張り型を強く締め上げた。
より強い締め付けの為、張り型が今度はハロルドの方に固定され、カーレルの中をぞるり、と動く。
先端の笠と幹の部分のイボが、カーレルの内壁を掻き、女の快楽を与えた。
「ああ、ハロルド、いいわ、いいのっ、私…んっ」
「んふぅっ、んっ、わたしもっ、すごく、いいよぉっ、兄さ…むうっ」
腰の一振りごとに、交互に張り型を固定するようにしながら、姉妹は舌を絡める濃厚なキスを交わした。
時折こすれ合う乳首と、深く重なった時に触れる相手の下腹部の感触が、二人の理性を奪う。
双子は、下半身から互いに溶け合い、一つになってゆくような一体感を感じていた。
「んっ…。はぁ、そろそろ、スイッチを入れるわよ…」
「やっ、だめぇ…。これいじょうされたら、へんになっちゃ…やああっ!?」
カーレルが中央のスイッチを入れた途端、張り型は強く振動しながら、中を抉るようにぐねぐねと動き出す。
激しい刺激に、ハロルドの口から、泣き叫ぶような悲鳴が洩れた。
「だっ、だっ、だめっ、にいさん、これ、わたし、おかしく、なっちゃ…」
「んっ、いっ、いいのよ、わたしも、もう、いきそ…っ」
二人は互いをきつく抱きしめながら、息の合った動きで腰を動かした。
振動と回転に、前後の動きが加わって、二人の頭の中が悦楽で真っ白になる。
「「やっ、もう、いくっ、…あっ、あああぁぁっ!!」」
メゾソプラノとアルトの寸分違わぬ叫びが、協奏曲のような和音となって響いた。
              ◇  ◇  ◇
「…ふっ、んんっ…よっと。んくっ…ふう。…っはあ、はあっ…」
絶頂の余韻に酔いながら、カーレルは張り型のスイッチを切り、ハロルドの中から抜き出した。
そのままハロルドの横に仰向けに寝転ぶと、自分の股間から張り型を取り出す。
それをベッドの脇に放りだすと、片腕で両目を押さえ、しばらくの間、深呼吸をして乱れた息を整えた。
「はぁ、はぁ…。久しぶりに、思い切り燃えちゃったわね、ハロルド」
「………」
ハロルドの返事が無いのをいぶかしみ、カーレルは目を塞いでいた腕をどけ、目線を動かした。
「…ハロルド?」
「…すぅ…くぅ…」
「ふふっ。もう寝ちゃったか…」
寝返りを打ち、可愛い息を立てる妹の寝顔を見詰めながら、カーレルは愛しげな笑みを浮かべた。
「ほら、そんな格好で寝てると、風邪ひくわよ」
「むっ…むーん…」
頬を指でつついても、唸るばかりで、目を覚ます気配が無い。
「もう、しょうがない子ね…よいしょっと」
カーレルは起き上がると、腰にきた様子で少しふらつきながら、バスルームに向かった。
濡らしたタオルで自分の身体をざっと拭うと、それを洗って固く絞り、ベッドへと戻る。
そして、眠っている妹の身体を、丹念に優しく拭き清めた。
更にナイトローブを着せ掛け、布団を肩までしっかりと掛けてやる。
そこまでしてから、カーレルは服を身に付け、普段の格好に戻っていった。
(でも、いつまでもこんな関係を続けていて、いいのかしらね…)
カーレルは、気だるげな表情を浮かべながら、そんな思いに駆られた。
いくら身体を慰め合っても、女同士では、何かを生み出すことも出来ない。
本当に妹を大事に思うなら、似合いの男性と愛を交わしたほうがいいのではないか。
暗い顔で爪を噛んでいると、ハロルドが寝返りを打ち、幸せそうな寝顔がカーレルの方を向いた。
「んんっ…にいさん…だぁいすきだよ…」
自分の不安を打ち消すようなハロルドの寝言が聞こえ、カーレルはくすっと笑う。
ハロルドの額に軽く口付けて、小さく囁いた。
「私もよ、可愛いハロルド。 …おやすみ、良い夢を…」
カーレルは部屋の明かりを消すと、自分の部屋へと戻っていった。


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