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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
誰にも内緒☆ サザム氏 チェスター×すず 2003/01/27 -

ここは、アルヴァニスタの都。
クレス達一行は、ルーングロムにダオスの居場所を聞くため、この街にやってきたところであった。
しかし、着いた頃にはもう夕方であった為、今日は宿屋に一泊する事にした。
そして今、その宿屋の廊下を、チェスターが一人で歩いていた。
(全く、アーチェの奴、人をいいようにこき使いやがって…)
チェスターの手には、買ったばかりのグミの袋が下げられている。
チェスターは、アーチェが店の中に忘れてきたそれを、わざわざ取りに行かされたのだ。
「ほら、アーチェ! 取ってきてやったぞ!」
大声で言いながら、チェスターはノックもせずに、女性陣の部屋の扉を勢い良く開けた。
「…え?」
「…へっ?」
部屋の中に入ったチェスターは、目を見張って硬直した。
チェスターの正面には、くノ一の少女、すずが立っていた。
ただ問題は、ちょうど着替えの最中だったらしく、彼女はショーツ一枚の半裸であったのだ。
チェスターの目に、やんわりと膨らみかけた、すずの可愛らしい双丘が焼き付く。
ぴったりとしたショーツの股間に、割れ目に沿ってスッと立て筋が入っているのさえ、克明に見えた。
「…アミィ…?」
その幼い肢体に、チェスターは思わず、今はもういない最愛の妹の名を呟いた。
「…チェスターさん?」
脱ぎかけた上着を羽織り、冷静に問いかけるすずの声に、チェスターはハッと我に返った。
「いっ、いやっ、何でもない! 悪い、すず! 俺はただ、アーチェにこいつを…」
片手で顔を覆うと、チェスターは赤面しながら、グミの袋を差し出した。
その言葉に軽く頷くと、すずはチェスターに歩み寄り、それを受け取った。
「アーチェさんとミントさんは、お風呂に行っています。
 私も今から行くところだったのですが、後でお渡しすれば良いですか?」
半裸を見られたことなど気にもしていない様子のすずに、チェスターはますます狼狽した。
「あっ、ああ、それでいいからっ!…じゃあ、ホント御免っ!」
バタン! ドタドタドタッ、ガラガッシャーン!
チェスターが慌てて飛び出すとすぐに、扉の向こうから、何かをなぎ倒すような騒音が響いた。
「…?」
目の前で激しく扉を閉められて、すずはキョトンとした顔で、首を傾げていた。
そして、段々と事情を理解した表情になると、うん、と小さく頷いた。

              ◇  ◇  ◇

その深夜。チェスターは寝付くこともできずに、延々と寝返りを打ち続けていた。
「くそっ、眠れねぇ…」
チェスターはムクリと寝台から起き上がると、ガシガシと頭を掻き毟った。
既に街の灯りもまばらになり、今は満月の明かりだけが、部屋の様子を照らし出している。
あれからクレス達には、様子がおかしい事をさんざん問い詰められたが、チェスターはだんまりを決め込んだ。
しかしチェスターの頭には、今も悩ましい想いが渦巻いているのであった。
チェスターは、横のベッドで寝ているクレスの顔を眺めながら、小さく呟いた。
「いくらこいつにでも、言えねぇよな…。
 今日のことも、それに、アミィとのことも…」
チェスターは、もう遠い過去のように感じられる、アミィとの生活を思い出していた。
クレスは今でも、チェスターとアミィの間にあったのは、兄妹としての情愛だけだと思っているだろう。
しかし実際は、二人は男と女の関係でもあったのだ。
最初のきっかけが何であったのかは、チェスターも覚えていない。
ただ、幼い兄妹たちが一人で耐えるには、世間の風は冷た過ぎたのだ。
二人は子犬がじゃれあうように睦み合い、いつしか互いの身体を慰めあうようになったのである。
チェスターは、互いにその意味が分からないような頃から、妹と肌を重ねていた。
そして、自分達の行為の意味を知ってからも尚、二人はその関係を続けていたのだった。

              ◇  ◇  ◇

「お兄ちゃん、今日も、アミィの中に、いっぱい出したね…」
「あ、ああ…」
行為の後の気だるい空気の中で、チェスターは彼の腕枕に頭を乗せている、アミィの声に答えた。
アミィの顔は、こんな時にだけ見せる、大人びた表情を浮かべている。
暫くして、アミィはふと眉を歪めると、少し心配そうな口調で問いかけた。
「ねえ、お兄ちゃん…。今ので、赤ちゃん出来てたら、どうする…?」
「………」
アミィは数ヶ月前に、初潮を迎えていた。
前に聞かれた時は、チェスターは『子供が出来ても構わない』と言い切った。
アミィも同じ気持ちだったのだが、急に不安がぶり返したのだろう。
薄く涙を浮かべながら、身体を震わせていた。
「今までは隠してこれたけど、赤ちゃんが出来たら、みんなにバレちゃうよね…。
 わたしはいいけど、お兄ちゃんだって、きっと酷いこと言われて、いじめられちゃうよね…。
 そんな事になるぐらいなら、わたし…」
「…アミィ…」
チェスターはたしなめる様に、優しくコツンと額同士をぶつけると、自分の唇でアミィの口を塞いだ。
アミィは一瞬目を見開いたが、やがてゆっくりと身体のこわばりを解していく。
妹の震えが止まったのを確かめると、チェスターは真剣な目をして、最愛の妹の瞳を覗き込んだ。
「アミィ、そんなに兄ちゃんが信用できないか?
 お前が辛い思いをしてるのに、兄ちゃんが黙ってる訳ないだろ。
 …そうなったら、この村を出て、誰も俺たちを知らない所に行くさ。
 そこで今度は、俺たちは夫婦として、ずっと一緒に暮らすんだ…」
「…ふう…ふ…? わたしと、お兄ちゃんが…?」
思い掛けない言葉に、アミィは驚きを隠せなかった。
「そうさ。ちょっと若すぎる夫婦だけど、周りの目なんてどうでもいいさ。
 …クレスとも二度と会えないのは、さすがに厳しいけど…。
 けど俺は、お前さえ一緒にいて、いつも笑っていてくれれば、それだけで良いんだ…」
「…お兄ちゃんっ!!」
アミィは喜びに跳ね起きると、チェスターの身体の上に激しく抱きついた。
「おっ、おい、アミィ…」
「わたしも、お兄ちゃんが一緒なら、どこに行ってもいいよ…。
 クレスさんも好きだけど、やっぱり一番好きなのはお兄ちゃんだから…」
「いや、その、アミィ。そんなに抱きつかれると…」
柔らかい肉体の感触に、チェスターは先程出したばかりの陰茎が、むくむくと大きくなっていくのを感じた。
硬い肉棒が少女の下腹部に当たり、アミィも顔を赤らめた。
「あ…お兄ちゃんのエッチぃ…」
「しっ、仕方ないだろっ!? お前が抱きつくから…」
恥ずかしがるチェスターに笑いかけながら、アミィは愛する兄の頬に手を伸ばす。
「ふふっ、いいよ…もう一回しても…。
 そのかわり、約束して…。絶対、いつまでも一緒だって…」
「…ああ、いつまでだって一緒さ、アミィ…」
それは、突然の襲撃によって、トーティスの村が壊滅する、ほんの数日前の夜であった…。

              ◇  ◇  ◇

ヒュウッ…カシンッ! カン、カラカラ…
「ちっ…」
的を外れ、石壁に跳ね返った矢に、チェスターは舌打ちを洩らした。
結局、寝付けそうもないと思ったチェスターは、弓矢と的を持ち出し、宿屋の裏に来ていた。
体を動かせば、少しは気も紛れるかと思ったのだ。
しかし、放れた矢は、チェスターの心そのままに揺れ動き、半分は的の端にすら当たらなかった。
チェスターは構えを解くと、石畳に散らばった矢を拾い始めた。
(…でも、すずの身体、綺麗だったな…)
ふっと気を抜いた途端、チェスターの脳裏に再び、夕方に見たすずの姿が浮かび上がった。
目が合った瞬間の、少し戸惑った表情。
軽く手を伏せれば隠せそうな、まだ熟れ切っていない小さな乳房。
その先端には、薄桃色の突起がぽつんと鎮座し、なだらかな膨らみにアクセントを添えている。
華奢な腰に張り付いた小さな布地は、その下に隠された秘密を、うっすらとした陰影で仄めかす。
すずの顔を、身体の下で悶えていたアミィの姿に重ねようとした所で、チェスターはハッと我に帰った。
そして拳を固めると、自分のこめかみに何度も何度も叩き付けた。
「くっ…! この、馬っ鹿野郎が…。
 こんなの、アミィとすずを、両方とも汚すようなもんだぜ…」
「…私が、どうかしましたか?」
「どわあぁっ!」
いきなり背後から掛けられた声に驚き、チェスターは拾い集めた矢を、辺りにばら撒いた。
慌てて振り返ると、そこには薄い襦袢を身に付けた、すずの姿があった。
「どうしたのですか…?」
「いっ、いや、何でもないっ!
 …それより、お前こそ、どうしてここに…?」
チェスターは、満月の光に透ける、か細い体のシルエットにどぎまぎしつつ、問い返した。
「部屋の外で、弓の音が聞こえたので、気配を断って様子を見に来たのです。
 それで、しばらく見ていたら、チェスターさんが自分の頭を殴り出したので、気になりまして…」
「あっ、ああ…そう」
見ると、遠くにある部屋の窓が開いており、カーテンが風になびいている。
どうやら、窓を音も無く開け、チェスターの背後まで忍び寄ったようであった。
「起こして悪かったな。…ちょっと、寝付けなくてさ。
 …もう片付けるから、お前も早く寝な」
チェスターはすずに背を向けると、ばら撒いた矢を再び拾い始めた。
しかし、矢を拾い終わり、的を片付けようとした時にも、背後の気配はまだそこにあった。
不審に思って振り向くと、困惑した表情のすずが、チェスターに問いかけた。
「…妹さんのことを、思い出していたのですか…?」
「…っ!!」
ガラン!カラカラカラ…
不意を衝かれ、チェスターの手の中から、外した的が転がり落ちた。
「チェスターさんは、妹のアミィさんを、女性として愛していたのですね…」
「なっ!? お、お前…」
どうしてそれを知っている、と目で問うチェスターに、すずは済まなそうな顔をして答えた。
「すいません、立ち入った事だとは思ったのですけど。
 昼間のチェスターさんを見て、気付いたのです。
 …私に向かって『アミィ』と呟いた時の、声色と表情で…」
忍びの里の次期頭領なだけあって、すずの観察力は人並外れたものだったらしい。
ほんの一瞬の、強い感情の閃きだけで、チェスターの心の奥底までを読み取ったようであった。
「私の裸を見て、妹さんとの情事を思い出してしまったのでしょう…?
 だからそんなに、心を乱している…」
「………」
次々と暴かれていく秘め事に、チェスターは言葉も出ない。
衝撃に動けずにいるチェスターに歩み寄りながら、すずは帯の結び目に手を掛けた。
「私には、こんな事しか出来ませんけど…」
しゅるっ…。
「えっ…!?」
衣擦れの音を立て、襦袢の帯を解いたすずに、チェスターは驚きの声を上げる。
「それで少しでも慰められるのなら…私を、抱いてください」
「…!」
いきなりの申し出に、チェスターの身体は凍りついたように息を止めた。

              ◇  ◇  ◇

満月の青白い光の下で、すずの幼い裸身は、はだけた襦袢よりもなお、白く輝いていた。
頂点の蕾こそ隠れているが、膨らみかけた二つの胸は、月光に陰影を強調されている。
可愛らしい臍の下にある、柔らかそうな下腹部は、全くの無毛である。
無防備に曝け出された幼女のクレヴァスは、妹との蜜月を否応無しに思い起こさせる。
チェスターは、ぎちぎちと音を立てるように、自分のモノが起き上がるのを感じていた。
「いや、駄目だ…。
 …俺なんかの為に、お前を傷つける訳には…」
欲望を何とか押さえ込み、チェスターは喉に絡んだような声で、すずの申し出を制止した。
しかし、すずは寂しげな微笑みを浮かべたまま、尚も歩み寄って行った。
「大丈夫です。私も、初めてではありませんから…」
「え…」
意外な言葉に、チェスターは戸惑いの声を上げた。
「私は、忍びの里の次期頭領です。
 女であることで、判断を曇らせたり、敵に屈したりすることは、決して許されません。
 その為、10歳になってからは、性的な訓練も徹底的に受けてきたのです。
 だから、チェスターさんが気に病む必要は、無いのですよ…」
そう呟くと、すずはチェスターの足元に跪いた。
そして、チェスターのズボンを解き、下着ごと引き下ろす。
抑えていた布が無くなり、チェスターの怒張は、真っ直ぐ天を指すようにそそり立った。
「あっ…。チェスターさんのって、思っていたより大きいのですね…」
「うっ…」
冷静なすずの声に、チェスターは恥ずかしげな声を上げる。
すずは、脈打っている幹に手を添えると、鈴口に吸い付く様なキスを加えた。
「ん…ちゅっ」
「うあっ!」
先端に走った快感に、チェスターは大きく腰を震わせる。
すずは、まるで作業をするように無表情なまま、本格的に愛撫を開始した。
小さな口で剛直の半ばまでを咥え込むと、ぐるぐると渦を巻くように、舌を使う。
音を立てて啜り上げたかと思うと、ナメクジが伝うように、そろそろと先端から根元まで唇を這わす。
根元まで辿り着く間も、時折ちろちろと舌を覗かせ、チェスターの反応する所を探り出す事は忘れない。
根元に顔を埋め、細い指でしゅく…しゅく…と、幹全体を上下にしごく。
指で幹を刺激しながら、睾丸を一つずつ頬張ると、口の中で皺を伸ばすように、丹念に揉み解す。
その熟練した性技に、チェスターはビクビクと身体を痙攣させるばかりであった。
「あっ…俺、もう…」
「…ふむっ…っぱぁ。…もう、いいのですか?」
チェスターの限界が近いことを悟り、すずは股間から顔を離し、すっと立ち上がった。
「…すず?」
そして、チェスターの問い掛けには答えぬまま、街の外壁の前に立つ。
そこでくるりと振り返ると、ひんやりとした石壁に、軽く背を預ける。
先程の自分の行為に照れた様子も無く、整ったその顔は感情を表に出さない。
軽く脚を開き、チェスターの前に全てを晒すと、招き入れるように両手を差し出して、言った。
「じゃあ今度は、私の方の準備をしてくれますか…?」
すずの口技に魅了されたチェスターに、その誘いを拒否することは、もはや出来なかった。

              ◇  ◇  ◇

「…ちゅちゅ、ふっ…」
「ふ、ん、んっ…。あ…」
上下の唇を軽く挟み、最後に優しく唇全体を擦るようなキス。
その途端、すずの冷静な表情に変化が起き、瞳が軽い驚きに見開かれる。
ポッと顔を赤らめると、すずは人差し指で、己の唇をそっと撫でた。
「キスは、嫌だったか…?」
「いいえ、そうではなくて…。
 こんなに優しい接吻は、初めてで…。ちょっと、驚きました…」
里で受けた訓練では、快楽を引き出す為の、深く執拗な口付けしか、した事が無かった。
互いに全てを吸い尽くすようなそれは、正に戦いの一種であったと言っていい。
そんなすずにとって、労わるようなチェスターの唇の動きは、未体験の感触であった。
一方チェスターは、娼婦も顔負けの技を持ちながら、変な所でうぶな少女の反応に、不意に可笑しくなった。
チェスターはただ、いつも妹にしていた様に唇を重ねただけだ。
だが、自分で普通だと思っていた行為が、すずにとっては新鮮に感じるらしい。
チェスターはすずに対し、妹に感じていたものと良く似た、保護欲混じりの愛しさがこみ上げるのを感じた。
「じゃあ、触るぜ…」
「んっ…ふぁ…」
チェスターは、耳元に優しく囁きながら、すずの胸に手を伸ばした。
膨らみ始めたばかりの乳房は、強く触ると痛がるという事は、妹との交わりで知っている。
崩れやすいゼリーを扱うように、そっと手の平全体で愛撫する。
慈しむような手の動きに、すずの口から、寝ぼけたような吐息が漏れた。
「かわいいぜ、すず…はむっ」
「ん…、ふぅん、んっ…」
チェスターは中腰になると、顔をすずの胸の高さに合わせた。
大きく口を開けて膨らみを頬張ると、舌の腹で先端の突起を何度も舐め上げる。
小さな突起は、ゆっくりと充血し、硬いしこりへと変わっていった。
(あっ…。お、おかしいです、私。こんな事ぐらいで…)
すずは、チェスターの愛撫にこうも容易く反応する自分に、戸惑いを覚えていた。
チェスターの動きは、すずの訓練の相手をした上忍たちに比べれば、はるかに稚拙と言っていい。
だが、感情の篭ったチェスターの愛撫は、すずに不思議な安らぎを与える。
その安らぎが、すずの心の冷静な忍びの部分を、強く揺さぶっていた。
「ん…んむっ…んっ…」
「あっ…ふ! いや、チェスターさん…くすぐったいです…」
チェスターは、両方の胸をじっくりと味わってから、すずの足元に跪いていく。
小さく突き出した舌をゆったりと這わせ、辿り着いた臍の窪みを舌で探った。
その途端、すずの口から、身悶えるような声が出る。
だが、言葉の内容とはうらはらに、その口調には隠しきれない媚態が含まれていた。
「ちゅ、はぁ…。すず、お前の大事な所、見てもいいか…?」
「え…あ、はい…」
平常心という仮面を失ったすずは、チェスターに翻弄されるがままになっている。
要求に答え、細い足を更に開いて、その奥を晒した。
ぷにゅっと下腹部の肉を寄せて作ったような、単純な割れ目。
だがその中央には、すでに女であることを主張するように、ピンク色の襞がかすかに顔を覗かせている。
その妖しさは、大人の女とは違う、この年代特有の色香を強烈に放つ。
特に、妹の肉体しか知らないチェスターにとっては、新鮮であると同時に、どこか懐かしい香りだった。
「すず…ふもっ…ん…」
「あっ!…ふぅんっ…チェス、ター…さ、んっ…」
チェスターは、小さい割れ目全てを塞ぐように、すずの下腹部に吸い付いた。
そして、無毛の肌の滑らかさを確かめるように、舌を上下に動かす。
甘く疼くような快感を覚え、すずは途切れ途切れにチェスターの名を呼んだ。
(うそ、嘘です…。これだけで、こんなに感じるはずは…)
訓練では、媚薬を飲まされた上、前後の穴を同時に攻められたことさえあった。
そんな時でさえ、すずは決して、いつもの自分を見失いはしなかったのだ。
だが、チェスターの手にかかると、身体だけではなく、心の底まで愛撫されているような感覚が溢れる。
自分が自分でなくなるような気がして、すずは軽い恐怖を覚えた。
「ふむっ…むっ、ふうっ…む…」
「ああっ…あっ…。チェ、チェスターさん…」
チェスターの舌は、すずの理性を舐め溶かすかのように、入り口付近を何度も往復する。
その緩慢な動きに、すずの身体の芯から、更なる刺激を求める気持ちがどうしようもなく湧き上がる。
すずは思わず、チェスターの頭に両手を添えると、秘部へ押し付けるように力を込めた。
「むっ…むっ…むうっ…むっ…」
「んんっ…違う、違うのです…。欲しいのは、もっと奥…」
すずの口から、深い挿入を求める、甘い懇願が漏れた。
だが、チェスターは舌先に力を入れず、なおも入り口付近を執拗に攻め立てる。
上下に舌を往復させながら、じれったいほど慎重に、少しずつ奥に進む。
とうとう我慢出来なくなったすずは、チェスターの頭を抱え込むように身体を丸めた。
そしてそのままの体勢で、片足をチェスターの肩に掛ける。
すると蠕動した襞が、チェスターの舌を吸い込むようにして、奥に引き込んだ。
ずるっ…。
「…むっ!?」
「ああっ、そう、そこです…」
欲しかった場所にやっと届いた舌の感触に、すずは背筋を震わせて囁いた。
その表情は、冷静な忍びの顔でも、幼い少女のそれでもない。
心を許した男に見せる、『女』の顔だった。

              ◇  ◇  ◇

「ぬむっ…ちゅるっ、ちゅるちゅるっ…」
「んくんっ! あ、駄目です、吸っては…んんっ!」
チェスターは、すずの中で、自分の舌をストローのように丸めた。
そして、奥から溢れてくる甘い蜜を、軽い音を立てながら吸い込む。
ずるずると内壁を這いながら吸い出される液体の感触に、すずの腰が震えた。
その快感に、更に愛液が湧き出し、やがて吸いきれない雫が、チェスターの顎を伝う。
しばらくして、チェスターが舌を抜いた時には、すずの膝の辺りまでが、溢れた蜜で濡れ光っていた。
「…っぱぁっ! ふぅ…。すず、そろそろ、いいか…?」
「っはぁ、はぁ…。はい、私も、チェスターさんが、欲しいです…」
十里を駆けても息切れしないはずのすずは、快楽に燃える息をつきながら、チェスターを求める。
丸めていた背を再び壁に預け、チェスターの肩に掛けていた脚を下ろす。
中腰に立ち上がったチェスターは、逆の脚を小脇に抱え込み、すずの秘部が良く見えるようにした。
そしてそのまま、片手で抑えた昂りの先端を、ゆっくりと小さな亀裂に埋めていった。
ぬぷっ、ぬぷぬぷっ…
「ふうんっ、んっ…あ、奥まで、入って、きます…」
「くっ…きっつ…」
十分に濡れてはいても、狭い少女の秘洞は、侵入する強張りを強く圧迫する。
鍛えられた下半身の締め付けは、挿入だけで絶頂を迎えそうなほど、絶妙だった。
射精の衝動を堪えながら、チェスターは腰を進める。
逞しい怒張の根元近くまで埋まった所で、亀頭がすずの最奥まで到達した。
「あくぅっ…あ、チェスターさん…これ以上は、入りません…」
「大丈夫、全部入ったぜ…」
奥を突かれて、少し苦しげなすずに、チェスターは安心させるように答える。
「じゃあ、動くぞ…」
「ん! んんっ!」
チェスターはそう囁くと、そろそろとすずの中を往復し始めた。
優しく愛しむような腰使いに、すずの口から甘い息が漏れる。
訓練では感じた事の無い、身体を通して伝わる柔らかな感情に、すずの胸の奥から温かいものがこみ上げた。
「あっ…そんなに、優しく…しないで、ください…」
「お前が、あんまり可愛いから…優しくなるんだよ…」
「えっ…!?」
そう言うとチェスターは、すずの背中に手を回し、ふわりと胸元に抱き寄せる。
愛情の篭った抱擁に、すずは驚きの声を上げた。
(チェスターさんの胸、広くて、暖かい…)
チェスターの胸の鼓動を感じながら、すずはかつて無い穏やかな気持ちになった。
記憶にある限り、父母や祖父にも、こんな風に抱かれた事は無い。
非情を旨とする忍者の里では、そんな愛情表現は不要とされていたからだ。
だがこの人は、そんな自分を、普通の女の子の様に扱ってくれている。
次期頭領としての自分は、そんな扱いを、侮辱だと言って拒絶しようとする。
一人の少女としての自分は、安らぎに身を任せ、もっと優しくして欲しいとねだる。
いつもなら押し殺せるはずの少女の部分が、今だけは理性のたずなを振り払っていった。
「ああっ、チェスターさんっ…! もっと、もっと抱きしめて下さい…っ!」
すずはそう叫ぶと、チェスターの胸にすがりついた。
教わった技も忘れ、ただ本能のままに、チェスターの動きに合わせて腰を振る。
チェスターは、すずの求めに応じて、細い身体をきゅっと抱きしめた。
強く抱き締めながら、すずの高まりに従うように、次第に突き上げる速度を早める。
すずはあっと言う間に、絶頂近くまで追い立てられた。
「すいません、チェスターさん…。私、もう、気をやってしまいそうです…」
潤んだ瞳で見上げながら、すずが小さく囁く。
きゅくきゅくと小刻みに締め付ける感触とその声に、チェスターも急速に昂りを覚えた。
「ああ、俺もいきそうだよ…。外に、出した方がいいか…?」
「いいえ、私、月のものはまだですから…。大丈夫です、中に…」
すずの許しを受け、チェスターは深く結合したまま、更に動きを激しくした。
うねるような快楽の波に、すずの意識は飛びそうになる。
「すいません、すいません、わたしっ、もうっ…いってしまいますっ…」
「大丈夫っ、おれもっ、すぐにっ…」
必死で耐えるすずに追いつこうと、チェスターも快感に神経を集中させる。
「あっ…あ、もう、駄目、だめっ…んっ、あぁん………んっ!!」
「くっ…くうっ!」
すずが絶頂を迎えるのに少し遅れて、チェスターも大量の精液をすずの中に吐き出した。

              ◇  ◇  ◇

「あふ…はぁ、はぁ…」
「ふぅ…はっ…はあっ…」
二人は抱き合ったまま、しばらく快楽の余韻に浸っていた。
チェスターは、妹との時のくせで、すずの髪を優しく撫でていた。
子供扱いするようなそんな仕草も、今のすずには何故か心地良い。
すずは息が整うと、今まで考えもしなかった事を口走った。
「チェスターさん。…良かったらこれからも、私が妹さんの代わりになりましょうか…?」
「え…?」
チェスターは一瞬驚いた顔をすると、すぐにプッと噴き出した。
「おいおい、この間と、言ってる事が正反対だぜ?」
「えっ? 私、何か言いましたか?」
本気で忘れている様子のすずに、笑いながらチェスターは答える。
「この前は、『私はアミィさんではありません』とか言ってたじゃねえか」
「あっ…それは、あのときは…」
自分の言動を思い出し、すずは恥ずかしそうに下を向いた。
チェスターは、そんなすずをたしなめるように、コツンと額をぶつけて囁いた。
「俺の答えは、前の時と一緒だよ。
 お前はお前だ、アミィじゃない。
 アミィの代わりになんか、なれない…ならなくたって、いいんだよ…」
「え…? チェスターさん…?」
震えるような最後の声に、すずはふとチェスターの顔を見上げた。
チェスターは、こみ上げるものを耐えるように、目に涙を浮かべていた。
「でも、でもさ…。ちょっとだけ、今だけでいいから…。
 …あいつの代わりに、お前の胸で泣かせてくれないか…?」
「…ええ、いいですよ、『お兄ちゃん』…」
『お兄ちゃん』という呼び掛けが、チェスターの最後の枷を破った。
「う、ううっ…!
 うあああぁぁっ! アミィ、アミィっ!!
 ごめん、ごめんな、アミィ…!
 兄ちゃん、お前との約束、守ってやれなくてっ…!!」
チェスターは、妹の名を呼びながら、すずの胸に取り縋って号泣した。
すずは、初めて見る男の泣き顔に戸惑いながらも、それを愛しく感じる自分に気付いていた。
優しくチェスターの髪を撫でながら、気が済むまで泣かせてあげようと考える。
そんな二人の姿を、月の光が優しく照らし出していた。

              ◇  ◇  ◇

「ふうっ…」
窓から再び部屋に戻ったすずは、小さく溜息をついた。
ミントとアーチェは、外で何があったのかも知らず、すやすやと眠っている。
アーチェの安らかな寝顔を見て、すずは少し罪悪感に駆られた。
(アーチェさんにも、チェスターさんにも、悪いことをしてしまいました…)
チェスターの悩みを癒してあげたかった、というのも半分は本当である。
しかし、理由の半分は、これが修行の一環であるからだった。
旅立つ前に、すずは祖父でもある現棟梁の乱蔵から、幾つかの課題を出されていた。
その一つが、「くノ一の術で、仲間の一人を篭絡すること」だったのである。
『くノ一の術』とは、文字通り女の武器を駆使して、男性を虜にする術である。
相手を自分の身体で骨抜きにしてから、情報なり、命なりを奪うのだ。
幼女に欲情する人間は、多いとは言えないにせよ、相当の数が存在する。
次期頭領として英才教育を受けたすずは、一年ほど前からこの術も学んでいた。
そして、外部の人間での、最初の実地訓練の為に、チェスターを相手に選んだのであった。

「でも、駄目でしたね…。結局チェスターさんは、私の虜にはならなかった訳ですし…」
そう言いながらも、すずの顔には、何故か嬉しそうな表情が浮かぶ。
「それどころか、私の方がチェスターさんに惹かれてしまうなんて…。
 ふふっ、私もまだまだ、修行が足りませんね」
すずは顔を赤らめ、悪戯っぽくチロッと舌を出して微笑んだ。
それは、まだ誰にも見せた事のない、年相応の可憐な笑顔だった。


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