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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
チェルシーの決意 サザム氏 ウッドロウ×チェルシー 2003/01/07 -

チェルシーは、降り注ぐ雪の舞をぼんやりと眺めながら、この4年間の出来事を思い返していた。
4年前の騒乱で、祖父と暮らしていた山小屋は崩れ去り、麓にあったジェノスの町も壊滅してしまった。
体を壊した祖父を抱え、途方に暮れたチェルシーを、ウッドロウは王宮へと迎え入れ、手厚い保護を与えてくれた。
さらにウッドロウは、程なく祖父が亡くなった時も優しく慰め、貴婦人としての礼儀作法なども、専属の教師を雇って教え込んだ。
城に勤める者の中には、王は彼女を王妃に迎えるつもりだ、などと噂するものもいる。
だが、そう言った目で見られてなどいない事は、誰よりもチェルシー自身が一番良く判っていた。
(ウッドロウさまにとって、わたしは今でも子供のまま…)
小さく溜息をつくと、チェルシーはカーテンに手を掛け、外の景色を遮ろうとした。
だがその時、窓の外にマントで身を隠した長身の人影が現れたのを見て、チェルシーの体はピクッと硬直した。
人影は門番と二言三言交し合うと、裏門から城下町へと歩み去る。その人影が誰なのか、チェルシーには判っていた。
「ウッドロウさま…また、あの人のところに…」
チェルシーは小さく呟くと、きゅっと唇を噛み締めた。

                    ◇  ◇  ◇

ほんの一月ほど前、同じように城下に降りたウッドロウが、酷い吹雪の為に帰ってこない事があった。
城内はちょっとした騒ぎになり、チェルシーはウッドロウの無事を祈り、一睡もせずに帰りを待ち続けた。
結局、ウッドロウは翌朝、何事も無かったかのように元気に帰って来た。
安堵したチェルシーは、人目もはばからず、ウッドロウに抱きつき、泣きじゃくった。
しかしその時、ウッドロウの体からは、他の女の匂いが漂っていたのだった。
チェルシーは、必死に動揺を隠し、次にウッドロウが出掛けるのを待つと、密かにその後を追った。
そこで見たのは、かつて共に冒険をした赤毛の女戦士と楽しげに語り合う、愛する人の姿だった。
チェルシーは強い衝撃を受け、走って城に逃げ帰ったが、その後もウッドロウは、週に一度はこうして出掛けてゆく。
城の者達は、困ったものだと思いつつ、それで連日の疲れが癒せるならば、と半ば黙認していた。
実際、マリーの許を訪れた後のウッドロウは、チェルシーの目から見ても活き活きとして、精力的に政務に取り組んでいた。
だが、そんな様子を見る度に、チェルシーの胸の奥には、暗い嫉妬の炎が巻き起こるのだった。

                    ◇  ◇  ◇

(わたしだって、4年前とは違う…もう、あの方の疲れを体で癒すことだって…出来るのに…)
勢い良くベッドに倒れこみ、天井を眺めながら、チェルシーはそんな事を考える。
だが、ウッドロウの腕はマリーの体を抱きしめ、唇はあの女への愛の言葉を囁き、さらにその指は…。
そう考えるだけで、チェルシーは倒錯的な色情に支配され、自分の手を己の胸の膨らみに這わせる。
そしてそのまま、その大きさと感触を確かめるように、ゆっくりと揉みしだいた。
「んっ、ふ…それは、あの人には…大きさでは負けるけどっ、あっ、でも、こんなに…んっ!」
寝巻き越しの刺激には飽き足らなくなり、胸元から手を入れると、直に触って更なる快楽を求める。
さらにもう一方の手を下半身に伸ばし、既に湿り始めた草叢へと指を伸ばす。
自分で引き出した刺激に、チェルシーはクルリとうつ伏せになると、少し腰を浮かせ、更に指を激しく動かした。
「んんっ、ふうん!ここだって、もう…大人なんですよぉ…ウッドロウさまぁ…」
一人だけの部屋に、ちゅくちゅくと自分で慰めるチェルシーの水音が、空しく響き渡る。
(チェルシー…)
「あっ、ああ、ウッドロウさまっ?チェルシーは、チェルシーはここですっ、んんんっ!」
ウッドロウの声が聞こえたような気がして、チェルシーは、さらに音高く己の秘所をまさぐる。
勿論、ここにウッドロウがいる筈も無い。唯の幻聴だ。
しかしチェルシーは、その幻聴を追い求めるように、指の動きを激しくした。
(チェルシー…ああ、チェルシー…愛しているよ…)
「ああんっ!わっ…わたしも…ウッドロウ…さまがっ…あっ、あいしてっ…!」
望む通りのウッドロウの声を想起しながら、自分の秘所を触っているのが彼の指だと思いながら、チェルシーは急速に絶頂へと向かう。
(チェルシー…いくよ…)
「あふんっ!あっ、きて…きてくださ…っい、わ、わたしも…むっ、むうう、むううううんっ!!」
チェルシーは、絶頂の叫びを顔を枕に押し付けて抑えると、ビクッ、ビクンと体を震わせ、崩れ落ちた。
「っはあ、はあ、はぁ…。ん…」
チェルシーは息を整えると、先程まで快楽を引き出していた手を目の前まで持ち上げ、蜜に濡れた指をランプの光にかざした。
「…はぁ、わたし、バカみたいですぅ…。やっぱり、このままじゃいけませんよねぇ…」
そのまま暫く黙考していたチェルシーは、その顔を次第に決意を込めた表情へと変えていった。

                    ◇  ◇  ◇

その翌日。ウッドロウはいつもの様に、自室に戻ってからも、様々な書類に目を通し続けていた。
街の復興はかなり進んでいたが、人が集まれば色々と新たな問題も起こり、王の裁可を求める声も多くなる。
しかし、ウッドロウはどんな小さな訴えにも熟考し、出来得る限り万民の為になる様、指示を書き込んでいった。
しばらくして、最後の報告書にサインを書き込むと、ウッドロウはペンを置き、目頭を指で揉みほぐした。
「…ふう、今日はこの位にしておくか。昨晩マリー殿にも、『少し働きすぎだ』などと言われたしな」
そう呟くと、ウッドロウは軽く背筋を伸ばし、凝りを取るように軽く首を回した。
結局、あの吹雪の夜以来、マリーと肌を重ねる事は無かった。
マリーは以前と変わらぬ態度で接してきたし、ウッドロウも、友人としての分を超えるような行動は慎んでいた。
一度きりとは言え、長年の想いを受け止めてもらった事で、心の奥のしこりは殆ど氷解している。
今では、親しい友人として、良き話し相手になってくれればそれでいい、と達観していた。
たとえ時折、耐え難い愛の炎に胸の内を焦がされようと…。
コン、コン。
「…ん、誰かね、こんな時間に?」
物思いに耽っている所をノックに遮られ、ウッドロウは少し不機嫌そうに扉の向こうに問いかけた。
「夜分遅くに申し訳ありません。ウッドロウさま、少しよろしいでしょうか?」
「チェルシー?ああ、構わないよ、入って来なさい」
「…失礼します」
思い掛けない深夜の来客に、ウッドロウは少々驚きつつも、入室の許可を与えた。
「どうしたと言うのだい?こんな夜更けに、しかもそんな格好で。まあ、とりあえず座りなさい」
ウッドロウは、ナイトガウン一枚に身を包んだチェルシーを気遣い、暖炉の脇にある椅子を勧めた。
しかし、チェルシーはウッドロウの傍に立ち尽くしたまま、硬い声で話し出した。
「今日は、ウッドロウさまに、質問があって参りました」
常に無く強張ったチェルシーの態度に、ウッドロウは違和感を感じた。
そういえば、ここ最近は忙しさにかまけて、チェルシーとはまともな会話を交わした事も無い。
この子ももう18歳であるし、異性の悩みでも打ち明けられるのだろうかなどと、ウッドロウはいささか的外れな感慨を覚えた。
「質問?ああ、私に答えられる事なら、いくらでも答えてあげよう。一体何だね?」
気軽に問いかけるウッドロウに、チェルシーは小さく深呼吸すると、意を決したように口を開いた。
「では、お聞きします。…ウッドロウさまは、今でもマリーさんの事を愛しているのですか?」
「…!!」
不意打ちに等しいチェルシーの質問に、ウッドロウは息を詰まらせた。
「どうなのです?…今でもあの人を、妻にしたいとお思いなのですか?」
「いや、チェルシー、それは…」
ウッドロウは、最初は誤魔化そうとしたが、あまりにも真剣なチェルシーの目を見ると、とてもはぐらかす事など出来そうに無い。
小さくかぶりを振ると、チェルシーの瞳を見詰め、自分の正直な思いを語る事にした。
「…チェルシー。確かに私は、今でも彼女の事を想っている。いや、愛していると言ってもいいだろう」
「…!」
半ば予想していた答えに、それでもチェルシーは小さく息を呑む。
「だが、彼女をこの城に迎え、王妃として遇するつもりは、私には無いのだ。
私にとって彼女は、雪原に雄々しく咲く雪割草の様な存在だ。雪割草は、雪の積もる野に咲くからこそ美しい。
摘み取って、城の花瓶に生けても、その輝きは薄れ、やがて萎れてしまうだろう。
私はただ、時折その傍に佇み、その姿を愛でているだけで良いのだ。…これで、答えになっただろうか?」
チェルシーは、ウッドロウの胸の内を、ガウンの襟元を握り締めながら聞いていた。
しかし、ウッドロウが語り終えると、チェルシーは顔を逸らして、小さく呟いた。
「うそ…ですわ…」
「…なに?」
チェルシーの呟きを聞きとがめ、ウッドロウは少し尖った問い掛けを発した。
それに対しチェルシーは、今度はウッドロウの顔を正面から見据え、はっきりと口に出した。
「ウッドロウさまは、嘘をついていますわ」
「チェルシー!」
自分の想いを踏み躙られた思いがして、ウッドロウは立ち上がると、今まで一度も使った事の無い、きつい口調で叱り付けた。
「いくら君でも、今の言葉は許し難い!すぐに謝罪して、この部屋から出て行きたまえ!
何を根拠にして、私の言葉を偽りと決め付けるのだ!?まだ子供の君には判らないだろうが…」
「わたしはもう、子供ではありませんっ!!」
ウッドロウの怒声を遮るように、チェルシーは城中に響くような大声で叫ぶと、ポロポロと大粒の涙を零した。
その剣幕に、ウッドロウの怒りは押さえ込まれ、ただ唖然とチェルシーを見詰めた。
「子供では無いからこそ、判ります!傍で見ているだけでいいなんて、絶対に嘘です!
本当に愛しているなら、その手で抱き締め、相手からも愛されたいと思うのが当たり前です!
いくら理屈で納得しようとしたって、相手が自分を振り向いてくれなくたって、どうしようも無いはずです!
だって、こんなに苦しいのに…こんなに切ないのにっ!」
「チェルシー…?」
まるで自分の心の奥底を代弁するかのようなチェルシーの言葉に、ウッドロウは動揺しながらも問いかける。
しかしチェルシーは、ウッドロウの声も届かない様子で、己の胸の内を告白し続けた。
「愛しています、ウッドロウさま!あなたが彼女に心惹かれる、ずっと前から!
幼い頃は、ただ亡くなったお父様のように、欲しいと思っていたお兄様のように慕っていただけでした…。
でも、何時の頃からか、あなたを一人の男性として、深く愛するようになったのです!
一緒に冒険をしたあの頃から、あなたはわたしのそんな想いを、幼い子供のたわごとと、本気にしてはくれませんでしたけど…。
でも、あの頃から、ずっとわたしはあなたに女として愛して欲しかった…抱いて欲しかったんですっ!」
するするっ、ふぁさっ。
「…チェルシー!」
そう言いながら帯を解き、肩を滑らせてガウンを脱ぎ捨てたチェルシーの姿を見て、ウッドロウは慌てた声を上げた。
チェルシーは、ガウンの下に薄絹一つ纏っておらず、全くの全裸だったのだ。
初めて見る少女の裸身に、ウッドロウの体は金縛りにあったように硬直してしまった。
「どうです、ウッドロウさま…。チェルシーはもう、子供なんかじゃないでしょう…?」
チェルシーは羞恥に顔を赤らめながらも、両腕を脇に垂らし、全てを曝け出してウッドロウに歩み寄る。
確かに4年前と比べると、チェルシーはすっかり大人の体型に成長していた。
野を駆ける子鹿のように伸びやかな四肢は、10代ならではの張りを備え、爽やかな色香を放つ。
少し小振りの乳房は、それでもチェルシーの歩みに合わせ、たふたふと悩ましげに揺れ動く。
髪と同色の薄いピンク色の茂みは、その下にあるものを隠す用をなさず、薄桃色の花弁を透かし出していた。
「ウッドロウさまの心が、マリーさんの方を向いたままでもいいんです…。
あの人以上に愛して欲しいなんて我侭も言いません…ただ、一晩だけでもいい、わたしの腕の中にいて欲しいんです…」
「…!」
チェルシーの言葉に、ウッドロウはやっと思い至った。チェルシーの思いが、あの吹雪の晩の、自分の想いと等しいという事に…。
(この子も、私と同じ…いや、それ以上に辛い思いを抱き続けていたのか…こんな小さな体に…)
ウッドロウは罪悪感と同情心に突き動かされ、チェルシーの正面に歩み寄ると、少女の体を優しく胸元に抱き寄せた。
「あっ…、ウッドロウ…さま…?」
「済まなかったね、チェルシー。そんなに辛い思いをさせているとは、気付いてあげられなくて」
チェルシーの頭をゆっくりと撫でながら、ウッドロウは言葉を続ける。
「先程も言ったように、私は彼女の事を忘れる事は出来ない。君の事も大事に想っているが、それは多分、妹に対するような愛情だ。
それでも良いと言うのなら、今夜だけは、君を女性として愛すると誓おう。…それでも、本当に構わないかね?」
「…は、はいっ、ウッドロウさまっ!…それで、それだけで十分ですうっ…」
チェルシーは、喜びに震える声を上げると、ウッドロウの胸に、泣き顔をぎゅっと押し付けるようにして抱きついた。
ウッドロウは、チェルシーの体を抱き上げると、寝台の上に横たえ、桜貝のように愛らしい唇に、そっと自分の唇を重ねた。
「ふっ、ん…。…ふみゃっ!?ウ、ウッドロウさまっ、いっ、いま、舐めませんでしたかあっ!?」
自分の唇を軽くなぞった舌の感触に、驚いたチェルシーは、子猫のような声を上げた。
「これが男と女の、大人のキスというものだよ…んっ」
「ん…これが、大人の…。ふむっ!ふみゅうん、んっ、むうっ…ん…」
戸惑うチェルシーの唇に、ウッドロウはさらに深く吸い付き、今度は舌を、歯の裏を、天井を探るように、己の舌を蠢かせる。
その刺激に、チェルシーの意識は夢見心地になり、心臓は張り裂けそうなほど高鳴った。
続けてウッドロウは、指を首筋からゆっくりと撫で下ろし、チェルシーの乳房に自分の手をふわりと包み込むように重ねた。
「チェルシー…君の胸の高鳴りが、私の手を通して伝わってくるよ…」
「くううんっ、そっ、それは…ウッドロウさまの手が、触れているからっ…んっ、んんんっ!」
ウッドロウの指がゆっくりと柔らかな膨らみを愛撫し出すと、チェルシーは軽く唇を噛み、快楽に首を振った。
さらにウッドロウは、そのまま顔を下にずらし、もう一方の膨らみを軽く掴むと、その先端を口に含んでいった。
ちゅっ、ちゅううっ…ぴちゅっ。ちゅっちゅちゅっ…こりっ。
「あっ、ウッドロウさま…そんなに吸っちゃ、あ、赤ちゃんみたいですぅ…ひあっ!?」
愛しげにウッドロウの頭を撫でていたチェルシーだったが、ウッドロウが乳首を甘噛みした途端、ピクンと背筋を震わせた。
ウッドロウは片手の指で乳房を捏ねつつ、唇をもむもむと動かし、コリッとした乳首の感触を味わい続ける。
それを暫く続けられ、焦れたように擦り合わせているチェルシーの太腿の付け根から、次第に湿った音が流れるようになっていった。
その水音に気付いたウッドロウは、胸から顔を上げると、さらに下へとずり下がり、チェルシーの股間に顔を近づけていく。
そして、軽く足を開かせると、まだ男の手が触れた事のない秘奥へと、頭を割り込ませていった。
「チェルシー…ここも、こんなに感じているのだね…」
「やあっ、ウッドロウさまぁ…そんなとこ、見ないでくださいぃ…」
口では拒否しつつも、チェルシーはその言葉とは裏腹にさらに足を広げ、ウッドロウの眼前に全てを曝け出す。
ウッドロウはそこに軽く口付けをすると、舌の腹全体を使って、濡れ光る花弁をずるりと舐め上げた。
「きゃうううん!やっ、はっ、ウッド、ロウ、さまっ、そっ、んなっ、とこっ、舐めっ、ちゃっ、んっ、いやっ…」
快楽に飛びそうな意識を、シーツをぎゅっと掴んで堪えるチェルシーの声は、ウッドロウが舐め上げる度に、小刻みに中断される。
(ああっ、嘘…。ウッドロウさまが、ウッドロウさまの舌が、わたしの…)
そう考えるだけで、自分で慰めていた時よりも、何倍も強烈な快感が、チェルシーの脳裏を駆け巡る。
チェルシーは、神経が焼き切れるような官能の嵐に、ただ翻弄されるばかりであった。
しばらくするとウッドロウは、唇を内股へと移動させ、代わりに花弁へ中指を宛がうと、細かく左右に震わせ、表面の花びらを刺激した。
濡れた肉がこすれる、じゅくっ、じゅくっという音が響き渡り、チェルシーは水揚げされた魚のように体を跳ねさせた。
「んあっ!やっ、それっ、いいっ!あっ、いいのおっ、きっ、気持ちいいのっ、ウッドロウさまぁっ!」
ぐりゅぐりゅと少し押し付けるような指使いを続けながら、ウッドロウはチェルシーの内腿を強めに吸い、キスマークを付けてゆく。
何度も繰り返す内に、チェルシーの白い肌の上には口付けの跡が咲き乱れ、まるで桜の花びらが降り注いだように彩られた。
頃合よしと見たウッドロウは、なおも太腿を舌でくすぐりながら、花弁の上に添えた中指の先に、くっと力を込めた。
ちゅく、つぷっ…。
「やっ!?あ…ウッドロウさまの指が…わたしの中へ…入って、くる…ぅやあんっ!」
もう十分濡れたチェルシーの秘洞に、ウッドロウは軽く中指を侵入させると、軽くコの字に曲げ、入り口近くの天井を探った。
そのまま掻き出すように刺激すると、チェルシーの奥底から、少し粘り気のある雫が、指の動きに誘われるように溢れ出す。
「あっふっ、やっはっ、あっ、きゅうん!?…だめぇっ、だめですぅ、そんな…っにぃ、されたらぁ…だめえぇ…」
中指を動かしながら、包皮に包まれたままのクリトリスを同時に刺激すると、チェルシーはうわ言のような力無い声を洩らす。
しかし、雄の欲望に火が着いてしまったウッドロウは、さらに舌を使って、動かしている指の周囲にはみ出た花びらを嘗め回した。
「ううっ…やっ…やあっ…。だめっ、いっ、いやあぁあぁっ!」
「なっ…!?」
泣き叫ぶチェルシーの声に、ウッドロウは驚いて顔を上げた。
見るとチェルシーは、両手で顔を隠すようにして涙を押さえ、ひっく、ひっくとしゃくり上げている。
ウッドロウは秘所から指を離し、軽く体を抱き寄せると、チェルシーの耳元に顔を寄せた。
「…済まなかった、チェルシー。君には、少し刺激が強すぎたようだね…」
「ひっ、ぐすっ…ひどいですぅ、ウッドロウさま…わたし、だめって言ったのにぃ…くすん」
「うっ…」
拗ねたように言うチェルシーの泣き顔に、ウッドロウは自分の胸がドクン、と高鳴るのを感じた。
その高鳴りは、チェルシーの事を一人の女性として、可愛く愛おしいと感じた瞬間でもあった。
「ぐす…今夜は、ウッドロウさまに女にしてもらおうと思って来たんですから、途中で終わってしまったら、何にもなりませんっ。
なのに、あんまり気持ちいいから…って、やっ、やだわたし、何を言ってるんでしょう…」
「ふっ、くっくっくっ…」
コロコロと表情を変えるチェルシーが愛しくて、ウッドロウは思わず含み笑いを洩らした。
それを見たチェルシーは、子供の様にプウッと頬を膨らませ、抗議の声を上げた。
「あーっ、ウッドロウさまぁ、またわたしの事を子供みたいって思ったでしょお?」
「ふふ…いやいや、ちゃんとレディとして見ているとも。実際、君はもう、立派な大人の女性だよ。
…では、お姫様。そろそろ契りの儀式に移っても構いませんかな?」
冗談めかしてそう言いながら、ウッドロウは己の着衣に手を掛け、チェルシーの前に肌を晒していく。
「あう…。あの、その、えっと…お、お願いしますぅ…」
ウッドロウの裸の胸に今更ながら照れて、耳まで真っ赤に染め上げながらも、チェルシーは小声で呟いた。
「えっと、じゃあ、わたしが準備して差し上げますね…」
ウッドロウが全てを脱ぎ捨てると、チェルシーは顔を赤らめたまま体を起こし、ウッドロウに近寄った。
そして、あっけに取られるウッドロウの股間に手を伸ばすと、さらに下半身に顔を寄せてくる。
「んっ…ちゅ。…はむっ」
「ちょ、ちょっと待ちなさい、チェルシー!」
そのまま亀頭にキスをし、さらにそれを口で咥え込んだチェルシーに驚き、ウッドロウは両肩を掴んでそこから引き離した。
「んぷっ!え…何です、ウッドロウさま?」
「何です、では無くてだね…。一体どこで、そんな事を覚えたのだね!?」
少し声を裏返して尋ねるウッドロウに、チェルシーはキョトンとした顔つきで答えた。
「えーと、あのー、一緒に冒険していた時に、ルーティさんから教わりましたぁ。
 『愛し合う男女はこうするのが常識』って聞いたんですけど、わたし何か間違えましたかぁ?」
(…当時14歳の娘に、何を吹き込むのだ、あの子は…)
共に冒険した黒髪の娘を思い出し、ウッドロウはこめかみがじんわりと痛くなるような気がした。
「一通り教わって、その後も時々一人で練習してたんですけど、下手でしたか?
…それとも、やっぱり愛し合ってないから、こういう事はしてはいけないんでしょうかぁ…?」
泣きそうな顔で見上げてくるチェルシーに、ウッドロウは退路を断たれる気分であった。
「い、いや、君がそうしたいと言うのなら、駄目と言う訳では無いが…」
「じゃあ、いいんですね?…ウッドロウさま、わたし、がんばりますぅ!」
(うっ…本当に、これで良いのだろうか…)
小さく拳を握り締めるチェルシーに、幼い子供を騙すような罪悪感を覚え、一人葛藤するウッドロウであった。
「ふむっ、んっ、んっ、ちゅっ…むむっ、んっんーっ…っぱぁ!…はぁ、どうです、気持ちいいですか…?」
「あっ、ああ…とても気持ち良いよ…」
練習の成果(?)か、チェルシーの奉仕は、とても初めてとは思えないほど、ウッドロウの官能を刺激した。
そのせいもあって、ウッドロウの口からは、素直な感想が漏れる。
快楽を肯定する言葉に、チェルシーは褒められた子供のように無垢な笑みを浮かべ、再びウッドロウの陰茎を愛撫し出した。
「えへっ、良かったぁ…じゃあ、もう少し続けますね…んちゅ、んっ、ふっ…」
ちゅぷっ、ぴちゅっ、ぷちゅ…。
「むうっ、ふっ、くっ…」
子犬が母犬の乳に吸い付くように、無心にむしゃぶりつくチェルシーの姿に、ウッドロウは興奮を深めた。
上目遣いで見上げながら、チェルシーの小さな唇が己の幹を上下するたび、背徳感混じりの快感が、次第に水位を上げていく。
そのうちに、ウッドロウは射精の衝動が腰の奥から湧き上がって来るのを感じた。
「チェルシー…もういい、その位で…」
「んぷっ!…え、もういいんですかぁ?ウッドロウさま、気持ち良さそうでしたのに…」
チェルシーは唇を離すと、自分の唾液で濡れ光る赤黒い怒張を、指で名残惜しげに撫でた。
ウッドロウは、そんなチェルシーの上体を引き起こすと、そのまま重なるようにして、仰向けに横たえた。
「きゃんっ!?」
「確かに気持ち良かったが、あのままでは、今度は私の方が果てそうだったのでね…。
それでは、そろそろ挿れるよ。かなり痛いとは思うが、我慢は出来るかね…?」
「あっ、それは大丈夫です、ウッドロウさま。乙女の痛みを取り除く薬、というのを飲んできましたから…」
意外な台詞に、ウッドロウは片方の眉を奇妙に歪めて尋ねた。
「…念の為に訊いておくが、もしかして、その薬も…」
「はい。先日ルーティさんから、18歳のお祝いだと言って頂きました。『がんばってね』と書いたカードと一緒に。
…本当は、ウッドロウさま用にと、即効性の媚薬も頂いたのですが、それはさすがに気が引けたもので…」
(…ルーティ君…)
ウッドロウは、顔面から布団に突っ伏したくなるような脱力感を、必死で堪えた。
「…まっ、まあ、いいでしょう。痛くは無いかもしれないが、苦しかったりしたら、すぐに言うのだよ」
そう言いながら、ウッドロウは花弁の入り口に添えた亀頭を、ゆっくりと前に進ませた。
ずにゅ…ず、ず、ず…。
「あひゃんっ!?あっ、あっ、おっきいのが、ひんっ、わたしのっ、うっ、なかにぃっ…!?」
痛みは無くとも、触感は鈍らせていない為、チェルシーは、己の狭い膣壁を掻き分けていく怒張の感触に、戸惑った声を上げた。
ブツン、と膜を破る音が中から響いた時も、かすかにチクリとくる痛みを感じるだけで済み、暴れ出す事も無い。
ウッドロウは、チェルシーの様子を見ながら静かに侵入を続け、やがて怒張の根元近くまでを、チェルシーの中に収めた。
「ふぅ…どうだね、チェルシー。つらくは無いかね?」
「あっ、はい、大丈夫です、ウッドロウさま。…でも、何だか、変な感じ…」
秘洞を目一杯押し広げる肉棒の熱い感触に、チェルシーはじんじんと痺れる様な感覚を覚えた。
それと同時に、やっとウッドロウへの想いが通じた気がして、チェルシーの胸の奥底から、歓喜がこみ上げる。
「はぁっ…わたし今、本当にウッドロウさまに抱かれているのですね…?」
「ああ、その通りだよ…今、私とチェルシーは一つになっているんだ…」
「うっ、嬉しいですぅ、ウッドロウさまぁ…」
感極まって喜びの涙を流すチェルシーの目尻に、ウッドロウは軽く唇を寄せ、流れる雫を吸い取った。
「では、少し動くよ…」
ずっ、ずるるるっ…
「あはあっ!?えっ、やっ、な、何、これぇ…っ!?」
ウッドロウが腰を引くと、肉棒に纏わり付いたチェルシーの肉襞が、ずりゅずりゅと捲り上げられる。
今まで経験した事の無い刺激を受け、痺れる様な感覚は、奥の方から少しずつ甘い快感へと変わって行った。 。
その様子を見てウッドロウは、根元まで突き込んでは、ゆっくりと亀頭近くまで引き抜くという動作を、暫く続けた。
「あふんっ、やあああっ…。ウッドロウさ、まああんっ、あっ、おなかのなか、掻き出されちゃいま、んんんんっ!」
その言葉通り、チェルシーの花弁は充血して肉襞がはみ出し、時折コプッ…と音を立てて、血の混じった薄赤い愛液が零れ落ちた。
「ウッドロウさまぁ、わたし、どこかいっちゃいそうで怖いですぅ…。お願いですぅ、抱き締めて下さいぃ…」
チェルシーは、快楽に潤んだ目を向けながら、救いを求めるように、両腕をウッドロウの方に伸ばした。
それに答えて、ウッドロウはチェルシーを貫いたまま、小柄な体を腿の上に抱き抱えるようにして、体を起こした。
そして丁度、軽く組んだ足の間にチェルシーの腰を収めた体勢を取ると、ウッドロウは小刻みに腰を突き上げ始める。
「んっ、やっ、こっ、これっ、奥に…奥に響くのぉ、あんっ、ウッドロウさまぁ、ん…」
最奥を重点的に攻められ、チェルシーはウッドロウの首筋に顔を埋め、両腕を脇下から背中に回して、しっかりと肩にしがみ付いた。
密着した硬い胸板が、突き上げる度にチェルシーの双丘を擦り上げ、更なる官能を引き出す。
一方ウッドロウも、肉の悦びにきゅんきゅんと締め付けてくるチェルシーに、射精の衝動を呼び覚まされるのを感じていた。
「チェルシー、私も限界だ、そろそろ…」
「あっ、やあっ、抜いちゃだめですぅ!…んっ、くうんっ!」
「こっ、こら、チェルシー、やめなさいっ…」
外に出そうとするウッドロウの動きに反抗し、チェルシーは両足で腰にしがみ付くと、今度は自分から腰を使った。
ウッドロウの制止の声も聞かず、決して逃がさぬとばかりに強く締め上げ、その先の絶頂へと導く。
拙いながらも激しいその動きに、ウッドロウは己の我慢が限界に来るのを感じた。
「駄目だっ、チェルシー…このままでは、中にっ…」
「いいっ、いいんですぅっ!ウッドロウさまぁ、わたしの中にぃっ…あっ、くださいぃぃ…かりっ…」
感極まって、首筋に噛み付いたチェルシーの言葉に誘われ、ウッドロウの高まりは急速に先端へと駆け上る。
「くっ、いかんっ…、私は、もう…ううっ!!」
ドクン!ビクビクッ、ドピュッ!
「んくっ、んっ、きゅうううぅんっ!」
奥に注ぎ込まれる愛する人の精液の感触に、チェルシーは背中を丸め、ぷるぷると絶頂に体を震わせた。
「っはあ、はぁ…ああっ、ウッドロウさまの、熱い…。おなか、焼けちゃいますうぅ…」
脱力して崩れ落ちそうになるチェルシーの体を、ウッドロウは優しく抱き止めた。

                    ◇  ◇  ◇

それから一ヶ月後。ウッドロウは、いつものように玉座に座り、謁見を行っていた。
あの夜以来、チェルシーはウッドロウの許を訪れる事が無く、ウッドロウは少し居心地の悪い思いを抱えていた。
城の者に聞いてみると、チェルシーは武器屋に通ったり、数日城を留守にしたりと、何やら忙しげに動き回っているらしい。
ウッドロウも、チェルシーにどう対応したら良いのか判らず、呼び出して尋ねる事も無いまま、ずるずると時を費やしていた。
(やはり、何らかの形で、責任は取るべきだとは思うのだが。一体どうしたものか…。
まったく、こんな事なら、まだ万の兵に城を包囲されたという方が、対策も立つというものだ…)
「…様、王様?…ウッドロウ陛下?」
「んっ!?ああ、済まない。次の謁見者は誰かね?」
取次ぎの兵の呼び声に、ウッドロウはハッと我に返って尋ねると、その兵士は、戸惑った様子で答えた。
「あの…実は、チェルシー様が、陛下に謁見をしたいと申しているのですが…」
「何だと?…よし、いいだろう、中に通しなさい。それと、暫く人払いをしておいてくれたまえ」
「はっ、承知いたしました」
兵士は一礼をして玉座を離れると、チェルシーを謁見の間に案内し、自分は外に出ると、そのまま扉を閉めた。
二人きりになると、ウッドロウは照れ隠しに軽く咳払いをしてから、チェルシーに語り掛けた。
「コホン。あー、チェルシー。私はあれから考えたのだが、君を…」
「ウッドロウさま。わたしは本日、お別れをするために参りました」
ウッドロウの言葉を遮るようにして、チェルシーは唐突に切り出した。
「…お別れ?一体どう言う意味だね?」
「はい。…わたしはジェノスの跡地に住み込み、あの町の再建に努めたいと思っております。
わたしの住む小屋だけは、人を使って建てましたが、この後はわたしの手で畑を耕し、井戸を掘り、人を集めていきたいと思っています」
「ちょ、ちょっと待ちたまえ…まさか一人で、町一つを再建するつもりなのかね?」
この間までの甘えた口調が微塵も残らない、しっかりした話し振りで語るチェルシーに気圧されつつも、ウッドロウは問い掛けた。
「はい。既に、必要な資金は、武器屋に弓を納める事で賄えるよう、交渉も済んでいます。小屋も出来上がったので、今日から…」
「だから、待ちなさいというのだ!」
ウッドロウは大きな声で制止すると、中腰の体勢からドサッと音を立てて、玉座に座り込んだ。
「どうして、そう言う重大な事を、もっと早くに相談してはくれなかったのだね?それに、私の話もまだ途中だ。
チェルシー、君さえよければ、私は君をこの国の王…」
「やめてくださいっ!」
ウッドロウの言葉を再び遮ると、チェルシーは落ち着いた調子で話し出した。
「ウッドロウさまはお優しいから、そんな事を言い出すのではないかと思っていました。でも、同情や責任感だけでそう言われても…。
 わたしは、マリーさんより素敵な女性になって、ウッドロウさまにそれを認められてからで無くては、いやなんです。
 以前から考えてはいたのですが、やっと決心が付いたので…これがわたしの最後の我侭です。どうか、お許し下さいますよう…」
「チェルシー…きみは…」
散々悩んだ上での決断なのであろう。チェルシーの瞳には一点の曇りも無く、その凛々しさは眩しいほどであった。
ウッドロウは大きく溜息をつくと、かぶりを振りながら答えた。
「君がそんな顔をして言い出したら、梃子でも動かないのは、良く知っているからね…。判った、許可しよう。
だが、一人でつらくなったら、すぐに頼って来てくれ。私は、いつでも歓迎するよ」
「ありがとうございます。でも、わたしは…いえ、それでは、失礼致します」
チェルシーは何かを言いかけてやめると、最後の挨拶を告げ、ウッドロウの前から退出した。
ウッドロウは、天井を見上げると、もう地上にはいない弓の師匠に向けて、そっと呟いた。
「二兎を追うものは…か。師匠、貴方の弟子は、狩人としてはまだまだ未熟なようです…」

                    ◇  ◇  ◇

暫くして、身の回りの品を手にしたチェルシーは、たった今出てきた城門を振り返ると、4年間を過ごした王宮を眺めやった。
ああは言ったが、おそらくウッドロウが自分を迎えに来る事は無いだろうと、チェルシーは感じていた。
切なげな笑みを浮かべてから、チェルシーは王宮に背を向け、己の選んだ道をゆっくりと歩き出す。
そして、下腹部に優しく手を添えながら、先程ウッドロウに言いそうになって慌てて止めた、言葉の続きを呟いた。

「でも、わたしは…もう一人ではありませんから…」


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