総合トップ>SS一覧>SS No.1-014
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作品発表日 |
作品保管日 |
家族という存在 byリフィル |
コソーリ投下氏 |
クラトス×リフィル |
2003/10/20 |
- |
「ふう・・・。」
私、リフィル・セイジは木陰で座ってロイド達の様子を見ていた。
ここはとある湖のほとり。今は世界再生の旅の途中の、ほんの僅かな休憩の時間。
「食らえジーニアス!」
「あっ、やったなロイド!おかえしだっ!」
「なにおっ!負けるか!」
ロイドとジーニアスの二人は湖でバシャバシャと水を掛け合っている。
「ふふっ、ロイドもジーニアスもがんばって!」
その横で楽しそうに二人を応援しているコレット。
・・・強い子だ。自分の運命を知っているはずなのに辛そうなそぶりをほとんど見せない。
ふと、自分の方に向かってくる人物に気がついた。
「そろそろあなたは休んではどうだ?」
話し掛けてきたのは傭兵のクラトス。
「休みたいところだけど、あの子たちから目を離すわけにはいかないわ。」
再びロイドたちの方に眼をやると、二人の水の掛け合いは激しさを増していた。
「まいったかロイド!まいったならやめてあげるよ!」
「馬鹿言え!そっちこそまいってるんじゃないか!?」
ロイドとジーニアスはいつまでも意地を張り合っている。
「・・・全く、いつまでも子供ね、あの子達は・・・。」
「フ・・・あなたは教師と言うより、まるでロイド達の母親のようだな。」
「あら、そういうあなたこそまるで父親みたいだわ。特にロイドの。」
「・・・あの子達は私が見ておくからあなたは休んではどうだ?」
クラトスは痛いところを突かれた様子で、無理やり話を変える。
「いいえ、私はあの子達の引率者として監視する義務があります。」
「心がけは立派だが、無理をして倒れては元も子もあるまい。」
まるで子ども扱いされたような感じがして少々むっと来たが、確かにクラトスの言うことは正論だった。
「・・・そうね、あなたの言うとおりだわ。でもそういうあなたは大丈夫なのかしら?」
「問題ない。」
そういって湖の脇にある岩にどっかりと座ってロイド達を見張り始めるクラトス。
「それじゃあ・・・任せるわ・・・。」
急に私の体を激しい睡魔が襲う。
自分でも気がつかないうちに疲れを溜めていたのだろうか?
そのまま・・・私はウトウトと眠りについてしまった。
(リフィル・・・。)
私に目の前には、私のお母さまが立っていた。
(リフィル、あなたは・・・どうしてまだ生きているの?)
な、なにを・・・。
(おまえは生まれてきてはいけない子だったのよ。)
そ、そんなの勝手な言い分だわ!だったらなんで私を産んだりしたのよ!
(あなたは望まれて生まれてきた命じゃないの。だから生きていてはいけないの。)
わ、私だって・・・望んで生まれてきたわけじゃ・・・。
(・・・さようなら、生まれてはいけなかったリフィル。)
そういうと、お母さまは私に背を向けて歩き出した。
ま、待ってお母さま!
私は慌ててお母さまの背中を追った。
だが、いくら必死に追いかけてもお母さまとの距離は開くばかりだ。
待って、お願い待って! 私を・・・リフィルを置いていかないで!!!
「・・・う・・・ん・・・。」
私が眼を覚ましたとき、日はとうに落ちて真っ暗だった。
「どうした?うなされていたようだが・・・。」
話し掛けてきたのは寝ずの番をしていたクラトスだ。
「・・・夢を、見たの。」
「夢?」
「・・・心配かけてごめんなさい。たいしたことじゃないの。」
「そうか。何にしても大事で無いようならばそれでいい。」
クラトスは必要が無い限り他人の詮索をしたりはしない。
彼自身にも触れられたくない過去があるのだろうか。
「・・・ロイド達は?」
「そこで寝ている。」
クラトスが指差したところを見ると、三人とも実に気持ち良さそうに仲良く並んで寝ているのが見えた。
「・・・本当にこの子達は仲がよいわね。まるで兄弟みたい。」
「そして我々が彼らの父親と母親というわけか?」
「ふふっ、そうね・・・。」
私は改めて三人の顔を見渡す。
三人の寝顔は見ているだけで癒されていく気がした。
「・・・本当に・・・彼らの家族になることができたらいいのに・・・。」
「なればいいではないか。彼らは本当にあなたを慕っているのだから。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・どうした?」
「・・・えっ・・・。」
自分でも気がつかないうちに私の頬は涙で濡れていた。
「・・・う・・・ううっ・・・。」
そのことを意識した途端、私の奥底から溜め込んでいた感情が涙とともに溢れ出してきた。
グシャグシャになった顔を隠すように私はクラトスから顔を反らす。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・ふわっ。
「!」
クラトスはそっと私に近づいてきたかと思うと、突然包み込むように私の頭を抱えた。
「何か辛い思いがあるのなら吐き出してみることだ。私でよければ受け手になろう。」
「わ、私は、家族がほしい・・・。でも・・・家族を持つのが、怖いの・・・。」
「何をそんなに怯えることがある?ロイド達があなたを拒むとでも思うのか?」
「た、確かに拒まれるのも怖いわ。でも、それ以上に・・・いつか私が彼らを拒んでしまいそうで、怖い・・・。」
「・・・どういうことだ?」
「私には・・・子を捨てる親の血が流れているの・・・だから・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
クラトスは私の眼を見た。
「・・・リフィル、私はどうなのだ?」
「えっ・・・?」
クラトスは・・・唐突に私の唇を奪った。
「どうだ?今、私を拒んでしまいそうか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
彼は私を優しく抱きしめる。
不思議と嫌悪や拒絶といった感情は浮かんでこなかった。
それどころか私は彼に抱きしめられることでとても安らいでいるのに気付いた。
とても心地よい・・・ずっとこのままでいたい・・・。
しかし、徐々に燃え上がり始めた私の中に潜む獣欲が、それを許しはしなかった。
「クラトス・・・。」
私は目で彼に訴えた。その先の行為をして欲しい、と
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
彼は返事をしなかったが、行動によってそれに答えた。
クラトスは大きな手で私の身体全体を包むように撫でる。
「はあ、ん・・・。」
彼の手が服越しに肌に触れるたびに、その場所に電流が走る。
だが、その感覚はやはり弱い。
「クラトス・・・お願い・・・。」
次の段階を求めていることを知らせるため、私は自ら下を脱いで濡れきった秘所に彼の掌を導いた。
「・・・わかった。」
彼が下を脱ぐと逞しくそそり立った男根が現れる。
「ああ、すごい・・・早く頂戴・・・。」
行為に飢えていた私はそれを見ただけでたまらなくなり、両足を開いて彼にねだる。
彼の男根を秘所にあてがわれると、それだけで身体のおくから熱いものがほとばしるのが感じられた。
「では、いくぞリフィル・・・。」
「・・・はい・・・。」
彼の男根が徐々に私の中に埋没していく。
「はあああああああ・・・。」
彼の男根が完全に私の中におさまる。
ふと目をあけると、間近にクラトスの顔が見えた。
「クラトス・・・。」
いつしか私の中の獣欲は弱くなり、私は彼を近くに感じることだけを考えていた。
私は強く彼の身体を抱きしめる。
それに答えるように彼の腕が優しく私を包み込む。
「はあ・・・あったかい・・・。」
私はまるで母の胎内にいる様な錯覚を覚えていた。
「リフィル・・・。」
「はむ・・・。」
クラトスが再び私の唇を奪う。
その行為は雛にエサをあげる親鳥のように優しかった。
「そろそろ出すぞ・・・。」
「くだ、さい・・・。」
ドクン、ドクン。
私の中に精子を注ぎ込む行為すら、彼は優しかった。
「いい・・・きもちいい・・・。」
彼の精子で私の中は一杯に満たされていく。
「お父・・・さま・・・。」
いつしか私は彼に父の姿を重ねていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
クラトス・・・父は優しく私の頬を撫でた。
父の手を頬に感じながら、私は安らかな眠りについた。
「ねえ・・・ロイド、コレット・・・。」
「ん、なんだい先生?」
「どうかしたんですか?」
再開した再生の旅の途中、不意に私はロイドとコレットを呼び止めた。
「私・・・この旅が終わってもあなた達と一緒にいてもいいのかしら?」
ロイドとコレットは私の言葉にキョトン、としていた。
「何で突然そんなことを?俺は先生は家族みたいなもんだから一緒にいて当たり前だと思ってたぜ。」
「あ、わたしもです〜。」
「ロイド・・・コレット・・・。」
私は湧き上がる涙を隠すために顔を伏せた。
・・・でも、私には自分の子供を捨てた親の血が入っている。
そんな私に、この子達の家族を名乗る資格が本当にあるのだろうか・・・。
「おまえたち、そろそろいくぞ。」
クラトスが私たちを呼んだ。
「おっと、クラトスが呼んでる。早く行こうぜ二人とも。」
「うん!」
「・・・ええ。」
私は二人とともにクラトスの背中を追った。
「・・・自分に自信をもてリフィル。おまえはおまえを捨てた両親とは違う。」
そっとクラトスが私に耳打ちする。
「・・・はい。」
この人なら・・・きっと私を裏切らない。私もきっと・・・受け入れることができる。
そう・・・もう、迷うことなんて無いんだ・・・。
私は一心にクラトス・・・父の背中を追った。
クラトスが私達を裏切ったのは、それから六日後のことだった。
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