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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
比翼連理 -少年- 五四〇一氏 ロイド×コレット 2003/09/13 -

明後日には町を出て、再び野宿が続く日々となる。
自分の部屋でコレットは先日の戦いで傷ついたチャクラムや、昨日補修から戻ってきた
防具の手入れをしていた。チャクラムをくるくる回し、危なくない程度に振って特に問題
がないことを確認すると荷物と共にしまう。日は完全に落ちてから数時間がたっている。
すでに寝巻きに着替えているのでランプを消そうと立ち上がると、ドアの外から声がかけられた。
「コレット、起きてるかい?」
「どうぞ。起きてますよ。」
音もなくドアがあけられ、仲間のしいなが姿をあらわす。
両手にクッキーとカップが乗ったトレイを持ち、カップからは湯気が立ち上っている。
「おいしそう!どうしたの、これ?」
「えーっと、クッキーは野宿用の非常食を作る時に、ジーニアスと一緒に余った材料で
作ってみた。コップの中身は、暖めた牛乳にほんの少しリキュールを混ぜたやつ。
リキュールはリーガルが選んだものさ。まあ野宿用の食料のお試しだね。
ちょっと持ってくるのが遅くなったけど、明日でかまわないから感想をおくれよ。」
リキュールのにおいが廊下にほのかに漂っている。
「いいにおい…。ありがとう。」
「そうだ。ロイドに持っていってくれないかい?」
そういうと右手に持ったトレイを渡す。その上にはカップが二つ乗っていた。
「ロイドに?」
渡されたトレイを受け取るときょとんとした表情で聞き返す。
「ああ、まだリフィルに渡してないんだ。それにさ、ロイドと少し話でもしてくればいいじゃん。」
「でも・・・。」
「ほらいいからいいからさ。」
空いた右手でコレットの背中を押すと、ロイドの部屋の方向へ押し出し扉を閉めてしまう。
自分は反対の方向を向き、リフィルの部屋がある方へと足を進める。ちらりと振り返ると
ロイドの部屋に入るコレットの姿がうつった。自分で誘導したのに思わず足を止めてしまい、
扉の中へ消えてしまうのを見つめた。

「いいのかしら、それで」
「うわ、びっくりしたあ。突然出てくんなよ!」
階段の影から銀髪の女性が現れ、振り返っていたしいなに声をかける。
手にはこの町に居る知り合いから借りたものと思われる本を持っていた。
「あら、あなたが気がついていなっただけよ。で、本当にいいの?」
「いいの、って。」
「ロイドの事よ。」
「みてたのかよ。…そっか、気付いてたか。…でもロイドと一緒に居るコレットも、
 コレットと一緒に居るロイドもすごく幸せそうでさ。確かにあたしはロイドが好きさ。
 でもあたしはコレットの幸せも望んでいるんだよ!コレットだって大切なんだよ…。」
「…二律背反ね。確かにあの二人が話していると、その中に後から入って行くのはむずかしいものね。
 …しいな、後悔だけはしないようにしてね。恋愛で後悔するのは、結構つらいわよ。」
「深いこというね。リフィル先生は。」
そういうと左手にもっていたトレイを差し出す。
「まあ、一応大人ですから。色々あったもの。」
しいなからトレイを受け取り、軽く本を持った手をあげると自分の部屋へと戻って行く。
その姿を見送ると廊下に一人残されたしいなはさびしそうにつぶやいた。
「わかってるさ、そんな事。でもね…本当に…。」
先ほどまでやっていた細工物の練習を中断し、部屋にきたコレットを招き入れる。
もってきたジーニアスとしいなお手製のクッキーを食べて、飲み物を飲んで話をしているうちに、
リキュールの効果なのか体が温まり、眠くなってくる。
二人そろって小さくあくびを漏らしたのを合図に、立ち上がった。
「じゃあ私そろそろ部屋に戻るね。お休みなさい。」
「ああ、おやすみ、コレッ…ト。」
去ってゆくコレットを見送ろうと顔を向けると、一瞬呼吸が止まった。
入り口にあるランプの光を通して薄手の寝巻きの下にある彼女の華奢な体が長い髪の間から
うっすらと透けて見える。目の前から去って行くその姿はとてもきれいで、扇情的で、
同時に極上の工芸品を見ているような感覚におちいった。
思わずごくりとつばを飲み込み手を少しだけ上げる。その音が聞こえたのか、くるりと振り返ると
柔らかい、いつもの笑みを浮かべる。
「ロイド?」
手を下げる事も、声を掛けることも忘れてじっとその笑顔を見つめる。
コレットは不思議そうに首をかしげ、帰りかけていた足を戻す。それでも動く事が出来ず、
近くへよってくる顔を見つめ続けた。
ロイドの目前まで来ると足を止め顔を見上げる。それでも何の反応もしない事に疑問を持ったのか、
もう一歩踏み出して彼の懐に入り、手を伸ばしてロイドの頬をぺちぺちと軽く叩く。
「おーい、どうしたの?止まってるよ?」
その無防備な行動に腹の底からカッとしたものが一気に昇ってくるのを感じ、
感情の高ぶりのままに目の前の彼女の手を掴むときつく抱き寄せた。
「…ロ、ロイド。苦しい、よ。」
細い声が苦しげに耳朶に響く。さらさらとした髪の毛が背中に回した手に絡み、ふわりと花の香りが届く。
苦しさから逃れようとする動きで柔らい体を感じたところでわれに返った。
弾ける様に抱きしめていた腕を放して開放すると、バランスを失ったコレットの体が後ろへぐらりと傾いた。
「コレット!」
反射的に足元をしっかりと固め、手を伸ばすと転びかけた体をすくい上げる。
コレットも手を伸ばして差し出された腕にしっかりとしがみついた。
「大丈夫か?」
「うん、なんとか。」
短く言葉を交わし、二人そろって軽く息を吐き出した。ロイドは腕に力を入れて体勢を立て直させると
体に回した腕を放し、コレットから目をそらす。コレットの方は逆にしがみついた腕は放さぬまま、
じっとロイドを見ていた。
「ごめん、苦しかっただろ。俺、えーっと、その、本当にごめん。」
「…うん、びっくりした。でも、抱きしめてくれたのあの時以来だね。ちょっとうれしかった。」
ロイドがそらしていた顔を戻す。その顔はリキュールのせいだけではないくらい赤くなっていた。
「あの時、って三つ目の封印をといた後の事?」
コレットは恥ずかしそうにはにかむとうなずいて肯定する。
「そう。あの時は触れている事はわかっていても、熱さも、冷たさも、痛さも、
何もかも感じることが出来なかった。でもね…。」
そういうと掴んでいた腕を放しロイドの体へとまわして抱きしめた。肩に頬を寄せるとつぶやく。
「今はわかるの。今私が抱きしめている感触も、さっきロイドが私を抱きしめてくれた力強さも。
 そして暖かさも。それがすごくうれしい。」
恐る恐るロイドが背中へ触れると、背筋に力が入ったことがわかるが、すぐに抜けてゆく。
背中に流れ落ちている髪に指を滑らした。
「ありがとう。ジーニアスと一緒に追いかけてきてくれて…。本当はこんな事言ったらいけないんだろうけど。」
「あんな事がなければ、俺も、ジーニアスも今ここにはいなかった。村の人が死んで、
 追い出された事でこのゆがんだ世界を知った。知らなかったらコレットは今ここにはいなかった…。」
悲しそうにつぶやく。それはロイドが旅の中で何回も何回も自問自答し、感情の限界を超えた時に仲間に向かって
力なくつぶやいている思い。
「俺は何にもできてない。コレットを解放するために作ったはずの要の紋で、むしろ症状を悪化させた。
 ほかにも何か行動を起こす度に必ず何かが失われていって、後悔ばかりが残ってる。」
小さかった声がだんだん大きくなってゆく。
「でも、止まる訳にはいかない。止まったらそれで終わりだ…。
 色々な人の思いと後悔を知っているのに、それだけは嫌だ!」
大きくなった声が力強く、でもかすれるように響く。ふわりと泣きそうな笑顔を浮かべると、
きゅっとコレットの腕に少しだけ力が入り、離れる。胸板に両手をあててロイドの顔に視線を向けた。
「本当にロイドは強いね。私はいつも口ばっかり。口ではみんなの為なんて言ってるけど、
 心の中ではいつも怯えてた。」
「そんなことない!本当にそうなら、封印の時や救いの塔で結果は出ていた。」
言葉を続けようとするロイドをさえぎって語りかける。
「それにね、あの誕生日のプレゼント本当にうれしかったんだよ。ペンダントがなかったら、
 ずっと意識が封印されていたままだった。その事で悩まないで。」
「…ありがとう、コレット。次こそちゃんとしたアクセサリー、プレゼントするよ。」
「うん、たのしみにしてるね。…私、ロイドが居てくれて本当によかった…。これからも一緒に居てくれる?」
「もちろん。約束する。」
「約束、だよ…。」
コレットの瞳に自分の姿が映りこんでいるのがわかる。その姿は徐々に揺らめいていった。
背中に回していた手を顔に添えると、それまでじっと見つめていた青い瞳が閉じ、少し開いた唇から声がこぼれる。
「ロイド…。」
心臓が頭の中で早鐘のように鳴り響き、今までの戦いの中では考えられないほど体に緊張が走る。
硬い動きで顔を近づけると、目を閉じてそっと唇を重ねた。
その感触は手が触れている頬よりも柔らかくて、心地よかった。


一回離れた唇がもう一度かさなる。
もう一回、もう一回と続けてゆくうちに止まらなくなり、重ねている時間が長くなる。
お互いになれていないから、空気を求めて呼吸する吐息を感じてさらに夢中になる。
「ふ、あ…。」
名残惜しそうに唇が離れ、コレットから切なげな声がもれる。
先ほどまでピンク色程度だった顔は赤く染まり、瞳は潤んで艶めいていた。
その体を軽く抱きしめると耳元で囁く。
「コレット…抱いても、いいか?」
「うん。いいよ…。」
夢見心地のままつぶやき、うなずく。
その返事を聞くとその軽い体を抱き上げ、ゆっくりとベットの上へ横たえた。
額や頬や鼻先に軽くキスをするとくすぐったそうにコレットが笑う。
それに自分も笑顔を返して、再び唇へキスをすると今度は軽く舌で唇をなぞる。
ふわりと隙間が出来ると中へとすべりこませた。
中でゆっくりと動かすと、コレットの舌にあたる。
びくりと反射的に奥へと引っ込むがそれを追いかけて絡ませた。
最初はおずおずとした小さな動きだったものが次第に大胆になってゆく。
流されるままだったコレットの動きが、自分からロイドの舌を求めるように動き始めた。
キスを続けながら手が首筋から胸元へと下りてゆき、胸を手ですっぽり包み込む。
ふくらみに添えた手に少しだけ力を入れると程よい弾力が帰ってくるのがわかる。
唇を離し、首筋にキスを落とす間も寝巻きの上からやわやわと刺激を与え続けた。
「あ・・・ん・・・はあ。」
次第に中心が硬くなっているのを手のひらで感じると、そこを弾いたりつまんだりする。
そのうちに布の上からでは我慢できなくなって、コレットの寝巻きのボタンをはずして
上半身を空気にさらす。柔らかい双球が見えると両手を使ってゆっくりとその弾力を楽しんだ。
すぐにそれだけでは物足りなくなると、腰の後ろに手を当てると下半身を覆っていたズボンも
ぬがそうとする。腕に力を入れるとコレットが首に抱きつき、わずかに自らの腰を上げる。
するりとズボンを足からに抜き取ると、もう一度コレットの体を寝かせた。
枕もとのランプの明かりの中に浮かび上がる姿は、ほんのりと赤みを帯び、華奢で神秘的ですらあった。
思わずじっと見入ってしまう。幾度か服の下の体を想像した事はあったものの、実際に目の当たりにすると、
明らかに自分とは違う柔らかな曲線と吸い付くような肌は思考を麻痺させるのには十分だった。
「どうしたの?」
ぽーっと見つめていると、心待ちにしているような声に我に帰る。
胸元を隠すように置かれていた手とってキスをすると、あらわになった胸の頂へと口付ける。
コレットから軽い悲鳴が漏れるがお構いなしに舌で転がす。
手は胸からわき腹、下腹部へと滑り、ぴったりと閉じられた太ももに届く。
ゆっくりとなでると力か抜けていき、わずかな隙間が出来た。
その隙間に腕を差し入れると、再び太ももに力が入り、腕をはさみこんでしまう。
それでも指を動かすと下着の上から足の間をすっとなで続けるとかすかに湿った音が耳に届きはじめた。
「ロイド!そんなとこ触らないで…。」
コレットがロイドの頭に手を当てるとぐいっと押す。その間も愛撫を続けていると下着が明らかに
湿ってきたのがわかった。
「そうは言われても、腕が動かないし。」
「そんなあ…。」
指を止めて顔をあげ、半泣き状態になっているコレットと目をあわす。
「…コレットが嫌なら、やめるよ?」
「う…、嫌じゃない。嫌じゃないんだけど。」
その視線に恥ずかしさを感じたコレットがロイドの服に手をかける。
「私だけ裸なのは、恥ずかしいよ…。」
そう言うと寝巻き代わりのTシャツの下から手を入れ、少しだけたくし上げようとしたが
すぐに引っかかってしまう。
「あのさ、まず腿から力を抜いてもらえないかな?この体制じゃあ脱げないよ。」
「…わかった。」
そっと力を抜くとロイドの腕がすっと引き抜かれる。
特に何かした訳でもないのに反射的に震えてしまい、コレットは恥ずかしさでかーっとなってしまった。
その間にシャツを脱ぐと、日ごろの戦闘で鍛え上げられた体がランプに照らされる。
普段から前衛に立ち、常に大怪我の危険にさらされている為がっちりと防具に覆われてしまっている事。
普段着も露出している部分が余りない事を思い出して、じーっとその体を見つめてしまう。
恥ずかしいのかそっぽを向いて脱いでいる姿が妙におかしくて、手を伸ばして抱きしめると頬にキスをする。
それに驚いて一瞬脱ぐ手を止めるが、すぐに裸になるとお返しとばかりに正面を向いて
コレットを一気に抱きしめた。

抱きすくめられながら、下半身にあたっているものを感じて下を向く。
「こ、こんな風になるんだ…。」
視界に入った途端驚きで顔を覆ってしまうが、恥ずかしそうにちらちらと視線を送りながら
先のほうに少しだけ手を触れる。その途端にロイドの背筋に快感が走って声をあげそうになる。
ぐっとこらえると、好奇心に駆られたのか先ほどより大胆に手が動き始める。
そのたびに頭の中にくらくらするほどの気持ちよさに襲われて、耐えられなくなってくるのがわかった。
「もういい、…もういいから。これ以上触られると、まずい。」
触れている手を無理やりはがすために上半身を抱き上げて膝立ちにさせると、胸元に軽くキスをする。
コレットは少し残念そうに唇を尖らせていたが、今度は彼女のほうから深く口付けてきた。
そのまま背中にあった手を下げると、お尻をゆっくりとなで、下着を下げる。
驚いたコレットが唇を離すが、何か言葉が出る前にしっとりと濡れたクレバスに指を進めた。
くすぐる様に軽く動かすとそれだけで奥から愛液が漏れてくる。
軽く広げてさらに動かしていると、つぷりと中指が中へと入り込んだ。
「…!く、あ、ああ。ロ、ロイド…、いい、の。」
ゆるりと中で指を動かすとコレットからくぐもった声がもれてくる。
少し動かし方を変えるだけで違う反応が返ってくるのがかわいくて、さらに続ける。
「ん…、んん…ふうん…。」
あふれてくる愛液で指がすべり、中に入れる指を増やす。
だんだんと動きを大きくしていくと、声が抑えきれなくなって部屋へと響いてゆく。
中への刺激を続けつつ、別の指をそっと前の方へ這わせると硬い部分を軽く掠めた。
とたんにコレットの腰が軽くはね、膝が軽く浮いて力が入るのがわかる。
指を止めるとその隙に足に残っていた最後の下着を取り去ってしまった。
「あ…、やめて…そこ、変なの。変になりそうで怖いの…。」
「…ここが、いいんだ。」
止まっていた動きを再開し、硬い部分に触れるか触れないかのところで何回も引き戻す。
「ふぁ、あん!や…やん。」
ロイドの肩にぎゅっと抱きついて必死に耐えているコレットの声と、自分の荒い息が響いていることが、
どこか遠い事のように思える。不意に、それまで外していた場所を今度は強くはじいた。
「ひゃあ、あ、んん!」
先ほどとは比べ物にならないほど力が入り、入れていた指がきゅっと締め付けられる。
体から力が抜けるまで待つと指をゆっくりと引き抜く。
「あ…。」
引き抜かれた瞬間体がふるりと震え、足が体を支えていられなくなったのか、
ベットの上にぺたりと座り込んでしまう。
「ごめん、大丈夫か?」
「うん…。ねえ、手、握って。」
そっと指を絡めると、足を伸ばして幸せそうにコレットが笑う。
こつんと額をあてて笑顔を返す。
両足の間に体を割り込ませると、そっと体重をかけて押し倒した。
膝を立てさせ、足の間を少し広げると、自身のモノをあてがう。
触れ合うだけで達っしそうになるのをぐっとこらえて腰を進めると、コレットの中に埋まってゆく。
少し入ったところで抵抗を感じて止まり、いつのまにか閉じていた目を開いた。
苦しそうに眉根を寄せる姿が目に入る。
「…痛いか?ごめん、俺…。」
(何を当然なことを)と思いつつも思わず声をかけてしまう。
「痛くない、って言ったら、嘘になるよ…。でもお願い、そのまま、進めて…。」
途切れ途切れながらも返事が返ってくる。
知識として知ってはいても、とても痛々しい願いで、愛しさとほんの少しの征服欲で心が満たされてゆく。
「わかった。一気にいくぞ。」
そう言うとずれないように肩を押さえ、体ごと前に進める。
ふっと抵抗がなくなった感じがして、それまでとは逆に奥へと導かれるような不思議な感触に包み込まれる。
「う…。ぐ…。」
かすかに声が聞こえるがそれを無視して、中の感触に逆らわずゆっくりと深くへ埋めていった。

これ以上無理というところで動きを止めると、息をはきだす。
コレットの瞳から溢れ出す涙にキスを落とすと、きゅっと握った手に力が入る。
「あ…ロイド。なんか変な感じ…。すごく、熱い。」
「俺も。…ただこうしてるだけなのにすっげえ気持ちいい。」
「…少し落ち着いてきたから、大丈夫だよ、動いて。」
「でも…。」
「お願い。私、ロイドが好きだから。大好きだから。痛くても、うれしいの。」
「コレット!」
その言葉に答えて、ゆっくりと体を動かし始めた。
ぎりぎりまで引き抜いてまた埋める。
それだけでも痺れる様な快感が体を駆け抜けてゆくのを感じる。慎重に何回も繰り返す。
「ん…、う…。」
「はあ、ぐ…。」
自分の声とコレットから漏れる呼吸が重なって響く。
それは甘い吐息というより、痛みを表に出さないようにこらえているのがわかって、少し辛い。
握っている手とは逆の手がシーツをぎゅっとつかんでしわがよっているのも目に入る。
自分だけが快楽をこの華奢な体から受け取っているのに、痛みを感じているコレットに申し訳なくて、
少しでもましになってくれればと、口付け、胸を優しく愛撫する。
そんな思いとは裏腹に体の方は刺激を求めて徐々に動きが激しく、大きくなっていった。
「あ…ああ、ふあ、ああん…ロイド、ロイド…」
次第に思考力が麻痺し、コレットの声に甘く求める声がが混じってきているのに気付かない。
部屋の中に体がぶつかる乾いた音と、湿った音が同時に響く。
「は、ぐ…コレッ…ト…。」
コレットの細い腕が体にに絡みつき、ロイドはそれに答えて深く深く口付ける。
限界が近いことを悟ると真っ白になっている思考の片隅に、コレットの穏やかな笑顔が浮かぶ。
細い体に力が入り、ぎゅっと強く抱きしめられると同時に中に入っているモノを体の外へ引き抜いた。
快楽が一気に弾け、コレットの体を白く染めてゆく。
それを呆然と見つめていたが、快楽から開放された体と思考は、急速に現実へと引き戻される。
収まらない荒い呼吸のまま、恍惚とした表情で横たわっているコレットを抱き上げると
乱れた髪を軽く手櫛ですき続けた。
次第にコレットの瞳にも思考の光が戻ってくる。
手を伸ばして指で軽くロイドの頬をなでると、にこりといつもの表情でわらう。
それに笑顔で答えると、改めて真剣な顔でコレットの青い瞳を見つめた。
「好きだ。俺、コレットのこと大好きだ。」
まだ伝えていなかった思いを言葉に乗せる。
「ずっと一緒にいたのにね。時間、かかっちゃたね。」
ロイドの頬に置いていた手を唇へ移動させてそっとなぞる。
その手をぎゅっと握ると触れるだけの長い、長いキスをした。


    ※         ※         ※


二日後、一行は町を出て旅の日々へと戻った。
ちなみに出発の前日にロイドがゼロスに絡まれて徹底的にからかわれるのと、
コレットがプレセアに微妙な変化を突っ込まれて慌てるのはまた別なお話。


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