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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 アチェたんハァハァ氏 チェスター×アーチェ 2003/12/31 -

「・・・・・・・」
12月24日。
クリスマスイブの夜。
外ではお約束のように雪が降っている。多分ユークリッドあたりでは祭りでもやっているのだろう。
恋人達だけではなく、家族連れや友達連れで賑わっている人々の姿を想像するとやはりこの世界は
救って正解だったのだと改めて思ってしまう。
そんなトーティス。
クレス宅。
赤々と燃える暖炉。
並べられた豪華絢爛なミントの手料理群。
キラキラと光る飾りが付けられたユグドラシルの枝で造ったクリスマスツリー。
そして。
プルプルと震えるアーチェ。
頬は紅く染まっているが、多分それは寒いからではないだろう。
さも何かを言いたそうに、しかしそれも喉の奥で何とか飲み込んでいるような。
漫画でこの風景を描写しようと思ったら絶対に『ゴゴゴゴゴ・・・・』という擬音がアーチェのバックに
入るのだろう。
「ハハハハ!似合ってるぜっ、アーチェ」
わざわざ火に油を注ぐような、否、炎上した油田にガソリンをぶちまけるようなその発言は
我が親友、チェスターのもの。
ゲラゲラ笑っている彼の言動はメルトダウンを起こした原子炉にウランを流し続けるというくらいの
効果は持っているに違いない、いやそれ以上だったとしても何ら不思議はない。
「・・・・」
しかしアーチェはギロリとチェスターを睨み付けるだけで何も言わない。
それはそうだ。
何せチェスターが爆笑している『それ』はアーチェが着ているミントからのプレゼントなのだ。
暖炉の炎より濃い赤を基調とした、裾などの末端部分には白いふわふわ綿が付いている、
何故か襟元(つまり胸元)と脚(丈は殆どミニスカートのそれだった)の露出が大きいフードの位置
にある帽子が非常に大きい。
サンタクロースのコスチュームだったからだ。
「もうちょっとスカート上げてくれると嬉しいんだけどなー。ハッハッハ!」
酒が入っているのかオヤジのような事を言うチェスターに対し、やはり何も言
い返さないアーチェ。
当然だ、ミントからの好意を無下にするほど無粋ではないのだろう。
しかしその目はチェスターを中心に焼け野原になったトーティスを予
想させるに十分足るものだった。
あぁ、チェスター。
お前は折角復興したここ、トーティスをチェルノブイリの二の舞にしてくれやがる気ですか?
「フフフ、アーチェさんとっても可愛いですv」
と、いう能天気な言葉はミントのもの。
アーチェにとってはチェスターのようなあからさまにからかってくるのよりもミントのように心底似合って
いると思っている方が(いや、確かに似合ってはいるんだけど)対応に困るらしい、やや引きつった笑いを浮かべてにっこりとミントを向いた。
言いたい事は山ほどあるのだろうが、しかし言葉が出てこないのだろう。
苦笑いのような表情でそのまま固まってしまう。
「ふふ、これじゃあプレゼントなんてなくてもアーチェさんがプレゼントになれちゃいますね」
「・・・・」
発せられるすべての言葉が僕の心臓の鼓動の加速に貢献している。
深い意味はないよね・・・?ミント。
再びチェスターがからかい始めないうちにこの場を収めるのは多分常識人である僕の勤めだろう。
「ま・・・まぁ、折角のミントの美味しい料理が冷めちゃうからそろそろ食事にしようよ」
僕の提案にアーチェがこちらを向いて顔を輝かせる。
「そ、そうだね。アタシ、ミントのビーフシチュー大好き!」
「アーチェが料理を手伝わなくて良かったな」
「うっさいチェスター!」
ここで場を収めた事はそのまま世界の安泰に繋がったのではないだろうかという安心感と達成感を味わったところで再び聞こえてきた口喧嘩にアタマを痛くしながら僕は台所へ向かったミントを傍目にテーブルに座った。
クリスマスの夜はまだ長そうだった。
浴びるように酒を飲む、っていうのはこういう事なんだろうと思う。
この100年でなんとかうわばみの汚名を晴らすべく努力したアタシ
は酒に溺れるなんてことは無かったけど目の前のコイツはまさにう
わばみのそれだった。
多分チェスターが過去に来てたらアルヴァニスタへ行く連絡船では
アタシと一緒に酔いつぶれてたんじゃないかと思うほどに豪快な飲みっぷり。
「未成年・・・」
ボソリといったアタシの言葉にも
「なーんだよ、堅い事言ってんじゃねーって。お前だってクレスが過去に言った時には船で酔いつぶれてたそうじゃねーか。同じ穴のムカデだっつーの、ギャハハハ」
と、酔っ払いのノリで絡んでくる。
そこですかさずミントが突っ込みをいれた。
「チェスターさん、それをいうなら『同じ穴のムジナ』ですよ」
「あー、無駄よミント。酔っ払いに何言ったって聞いてやしないわよ」
「あんだとー、やんのかーこらー」
「誰もあんたなんかと何もやらないわよ。いーから大人しくしてなさいって」
チェスター一人でアタシとミントで手いっぱいなのだからここにクラース
もいたら本当に大変な事に
なってたんじゃないかと思う。
ボトルで出したらボトルで飲みそうだし樽で出したら樽で飲みそうなほどに
豪快な飲みっぷりだった。
チェスターが一人でゲストな気分を味わっている時に頼みのクレスといえば
『気持ち悪い』だか『具合悪い』だか言って外に駆け出していった。
クレスが特別酒に弱いというわけではなくチェスターの勢いに突き合わされ
てあーなったというのが決定的に哀れ。
ミントなんかが付き合ったら寝込んでしまうだろう。
この分だともうすぐ酔いつぶれてしまうだろうからそうしたら二階に運んでやればいい。
まぁクリスマスくらいコイツの自由にさせてやっても・・・
「さて・・・」
画策通りチェスターは酔いつぶれて寝てしまっている。
喉が燃えるような度数の酒をこれほど飲み下すとは昔のアタシ以上かもしれない。
いやいやそんな事を言っている場合ではなく。
「クレス遅いねぇ」
ここまでアタシと一緒にチェスターに付き合っていたミントに言ってみると、思い出したように顔を強張らせた。
昔から、ここら一帯は野生の獣も出るしモンスターも出没するから心配なのは至極当然の事だ。
帯剣していっただろうか?道に迷ってないだろうか?魔物に遭遇したりしていないだろうか?
そう考えるとやはり不安だった。
「わ・・・私ちょっと外を見てきます」
「あ、ミントっ」
言う事も聞かず外に駆け出してしまった。
ミントも危ないかもしれないって言うのに・・・全くクレスは人に心配掛けて・・・。
少し後を追いかけたが、やはり後ろでいびきをかいているチェスターを運ぶのが先だろう。
モンスターと戦おうにもサンタクロースの服というのもいただけない。
(さって、運んで着替えてから追いかけるか・・・)
そう考えてチェスターを向こうとした。その時。
「きゃっ!!」
背後から腕を回され、拍子に胸をつかまれる。
体重を預けられたので思わずよろけ、しかしなんとか踏みとどまれた。
寝ていると思ったチェスターがいきなり抱きついて来たのだ。
「もー・・・おいこらー酔っ払い、なーにやってんのよー・・・」
心臓が早鐘のように打ち鳴らされているのを隠してアタシは右肩の上にあるチェスターの顔に向かって言う。
これだから酔っ払いは。
「へへっ、なかなか可愛いぜ。サンタクロースの格好のアーチェもよ」
クスクスと笑いながらアタシを抱いたまま椅子に引っ張っていくチェスター。
耳元で直接喋られているので耳に息がかかってくすぐったい。
―じゃ、なくて。
「ちょっと、チェスター酔ってんの?部屋まで運ぶからジッとしててよ。
歩けるなら部屋まで自分の足でいってね」
無視して促すも
「部屋までなんて待てねーよ・・・それに俺は酔ってねーって。素面だよ。お前のその格好が可愛く見えて仕方が無いんだよ・・・」
「ば・・馬鹿、ミントに貰った服じゃなかったらとっくに脱いでるわよ・・・」
「んー?恥ずかしいのか?アーチェさん。折角可愛いのに勿体ねー・・・って」
アタシを椅子に座らせたチェスターが正面からアタシを見て言う。
先ほどのように明らかに酔っていると分かる顔の色はしていなく、そこには小悪魔的な笑いの表情を張りつけたいつものチェスターの顔があった。
と、チェスターが胸のボタンに手を掛けた。
「やぁ・・・」
思わず拒否の手を出すがたやすく彼の左手に捕まれてしまう。
反射的なものだったので邪魔されて良かったのか悪かったのかはすぐには考えられなかったが、
とりあえずチェスターがアタシをどうする気なのかは分かる。
「クリスマスプレゼントは・・・お前の身体でいいぜ」
一つ目のボタンを外しにかかっているチェスターがアタシの全身を見回す。
舐めるような視線で、そして最後にアタシの顔をみた。
思わず目を逸らしてしまったがチェスターは構わずに
「しっかしミントもこんな服何処から仕入れたんだか・・・胸の露出が大きくて一つボタン
開けちまったらもうそれで十分と来たモンだ。脚だって座ったらすぐに中見えちまうしな」
「やぁ・・・言わないでよそんなこと・・・」
顔から火が出そうなくらい恥ずかしかったけど胸に加わるチェスターの指の感触にその感情は押し流されていった。
「あ・・・ん・・・」
赤い服の胸元は大きく開かれてもはやアタシの胸を覆い隠せないくらい広がっているのだろう。
チェスターはアタシの右胸を揉み、左胸をみずからの口を使って愛撫している。
そして余った右手はといえばそれは短い丈スカート内部、アタシの秘部に伸びている。
下着の上からの刺激が官能をくすぐり、徐々に意識が混濁してくる。
先ほどからの胸への刺激も快感を伴ってアタシの脳に伝えられ、次第に身体が熱くなってきた。
「ねぇ・・・チェスター・・・」
たまらずアタシは言ってしまう。
「アタシの・・その・・・舐・・・て・・・」
「あぁ?ああ、ああ、分かった分かった。ったく、散々恥ずかしがっておきながら結局最後はおねだりかよ」
また恥ずかしくなって俯いてしまったが、チェスターは言った通りに胸への愛撫を止めると今度は下着に手を掛け、それを引き降ろした。
なんとなくスカートは履いているのに下着は着けていないという感触がなんとも言えなかったがそれも
すぐに吹き飛んでしまう。チェスターが秘裂に舌を這わせ、先ほど弄られていたせいで密かに溢れていた愛液を舐めとるような動きで刺激する。
「あ・・・ふぅ・・・ん・・・」
「酒なんかよりよっぽど美味いぜ、アーチェの汁はよ・・・」
「や・・・もぉ、馬鹿・・・」
「ん・・・ふぅ。さって、次は何をねだるのかな?アーチェさん」
アタシの秘部から顔を離したチェスターは立ち上がって再び椅子に座ったアタシに向き直った。
おどけたような喋り方で言うチェスターだったがもうあっちも我慢できないといった雰囲気だった。
前戯だけで何回かイカされてしまったが音を上げるにはまだ早い。
「はぁ・・・はぁ・・そん・・な意地悪言わないでよ・・・」
「へへ、しかしそうやって股開いて椅子に座ってるとサンタの衣装のスカートから大事なところが丸見え
だぜ?胸だって開いちまって丸出しだしな」
「や・・・そ・・・それはアンタが・・・」
「おっと、そうだったそうだった」
言って顔を寄せてくる。もちろんそのまま唇はぶつかって座ったままのアタシとチェスターで何度目かの
キスがかわされた。お互いにお互いの舌を求め合い相手の全てを吸い取るような、自分の全てを押込む
ような感覚だった。何十秒経ったか、どちらからとも無く唇を離す。
チェスターのキスはもちろん酒の味だった。
「さて・・・そろそろ挿れるぜ」
チェスターはここに来て始めて自分のズボンを脱いで自分の怒張を呈した。
考えてみればここまで一方的に弄られていたアタシだけがサンタの格好をしたまま胸を晒したり下着を取られたりしていたわけか。
・・・不平等だ。
そんな事を考えている間にチェスターはアーチェの秘裂に自らのソレをあてがっている。
「それじゃ・・・メリークリスマスだ・・・」
「馬鹿・・・」
一気に押込んだ。
「う・・・あう・・ん・・・」
突き上げられた感覚に思わず息が漏れる。
「大丈夫か・・?痛く・・・無いか?」
気を遣ったようなチェスターの声が耳に入った。
「大丈夫だから・・・もっと動いて?」
その言葉は耳に入ったのかどうか、それは分からなかったがチェスターの腰はだんだんと速く振られてきた。
チェスターは時折正面にいるアタシの顔を見て顔を近づけてきて、激しくキスをする事もあった。
「アーチェの中・・・キツくて・・・気持ちいい・・・」
息を切らしながら、腰を動かしながらの為途切れ途切れだが彼はどうやら賞賛の言葉を贈ったのだと
分かった。
「ハァ・・・ハァ・・・アタシ・・・もう・・・そろそろ・・」
幾度となく絶頂を向かえたアタシは既に腰が抜けて自分で腰を振る事は出来ない。
完全にチェスター任せだったがそこはやはりたくましいやつ、頑張ってもらわないとね。
「俺も・・・そろそろイクぜ・・」
先ほどより一層動きが速くなり口頭上にも分かるようにともすれば果ててしまいそうなのが分かる。
こっちももう限界だった。
より速くなったチェスターの動きのせいでチェスターの剛直も激しくアタシの中をピストンするように
なり、快感をより一層激しいものにしたため絶頂を早送らせられてしまう。
「んん・・あぁ・・・!!もう・・・駄目ぇ!」
身体がビクビクと震えて、内壁が思い切りチェスターのモノを圧迫してしまう。
「アーチェ・・・俺ももう駄目だ!・・・イク!」
「膣内は駄目ぇ!お願い、外に・・・!!」
アタシの最後のお願いは聞いてくれたらしく、チェスターは最後の力を振り絞るようにアタシから
ソレを引き抜くとその瞬間果ててしまった。
濃い白濁がミントのプレゼントであるサンタ服の腹部から胸部にかけてぶちまけられ、赤と白の
コントラストを生み出していた。
「はぁ・・はぁ・・・ちょうど良かったな、雪が降ったみたいになったぜ」
愚にも付かない冗談を言って苦笑いしているチェスター。ミントがこれ見たらそんなんでは済まない筈。ある意味とんでもないことをしてくれた彼に言ってやった。
「・・・馬鹿」
これだけで十分だった。
「もう・・・チェスターのアレの跡、取れなかったらどうするのよぉ・・・」
「そんときゃあ同じのまた買ってやるから。大丈夫だって」
さっきの事を思い出して思わず下を向いてしまったアタシにチェスターは軽い調子で答えた。
部屋へ向かう2階の廊下。窓の外では先ほどより大きな雪が降り始めていた。明日は積もっているかもしれない。
チェスターはアタシの部屋の前で立ち止まると唐突に
「また今度もあの服でやろうな」
と言った。
「な・・・何言ってんのよ!やるわけないでしょ!」
息巻いてチェスターの方に向き直ると今度はがくんと体勢が崩された。
殆ど転んでもおかしくないようなくらい見事に足払いに引っかかったというのに空中でその身体停止して、気付けば背中に手が回されていた。
チェスターの顔が本当にすぐ近くにある。
「それはサンタの方かな?それとも俺とのセックスの事かな?アーチェさん」
「サ・・・サンタの方よ・・・」
「あっそ♪」
チェスターはニヤリと笑うと手を引いてアタシを起こすとさっさと自分の部屋にいってしまった。
なんだかしてやられたような、負けたような感覚に襲われた。
「・・チェスター!」
アタシは呼び止めた。
チェスターは止まって振り向いた。
「メリークリスマス・・・」
言ってアタシはチェスターの反応も見ずに自分の部屋に飛び込んでベッドに潜り込んだ。
ぁーぁ、あれじゃ結局アタシの負けだよ。
まぁどーせ100年も待ってるって時点でかなり負けてるけどね。
102年待ってやっと落ち着けたアタシの居場所、119回目のクリスマスだけど今までのクリスマスとは違う生きた時間。
アタシは自分の布団の中で心地よい敗北感に浸っていた。

何か忘れている事に気付くのはもうちょっと後のこと。


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