「本当の言葉」
俺の腕の中で、エリカが甘い声を上げている。
無理矢理始めた行為だった。
最初は嫌がっていた彼女も次第に抵抗を見せなくなり
今はもう、僅かに身を捩ったり吐息と共に吐き出される快楽の声を上げたりするだけになっていた。
たまに、理性を逃がすまいと首を激しく左右に振る。
その理性を突き崩すのが、俺はたまらなく楽しかった。
エリカの弱い部分を、的確に責めていく。
一番弱い部分は最後の為にとっておき、順番に責めぬいていく。
一つ触れるたびに、少しずつエリカの理性が崩れていく音がする。
必死で俺に縋りつき、押し寄せる快楽の波に耐える姿はこの上なく愛らしく愛おしい。
普段の勝気な姿からは想像もつかない、俺だけに見せる可愛らしく乱れた姿…もっと壊したくなる。
「はじめは嫌がってたくせに…もうこんなになってるぜ?」
言葉で責める。つい虐めたくなってしまう…愛しすぎて。
卑猥な言葉責めに、エリカは面白い様に敏感に反応する…頬が朱色に染まっていく。
「だっ…て…だって、仕方ないじゃない…ニクスの事、大好きなんだもん…」
甘い吐息混じりに漏らした言葉…離れていては聞き取れなかったかもしれない。
彼女の首筋を責めていた俺には、はっきり聞こえた。
思えば、先に理性を壊されているのは俺の方かもしれない。 一糸纏わぬエリカの姿を眼に入れて、
「…ニクス…」
その甘やかな呼び声を聞いた瞬間から。
勝負に例えるなら、闘う前から負けてる、なんて言うんだろうか。
それでも構わない…むしろ本望だ。
俺は腕の中のエリカに、一番大事な事を言った。
意地悪にならない様に、心の底からの本当の言葉を…
「エリカ…愛してる」
END