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Rockman X ソウルイレイザー(第拾壱話〜最終話)
制作者:真アルティメットアーマーさん「強化終了よ……」 女性は、カプセルの中にいるガレスに言った。 ガレスが入っているカプセルは、薄緑色の液体で満たされており、ときおり泡の音がゴボゴボと鳴っている。 「……」 ガレスは、カプセルから出てきた。 自分の腕を見てから目を瞑った。 「力が……漲れている……先程の俺とは、まるで段違いだ……」 「効果あったでしょ……? レプリロイドソウルで強化というのは……自分の力を限界まで引き出してくれるからね……」 女性は、モニターを見た。 鋼鉄の機人に赤い鎧の男(ゼロ)は、やられ、残りはシグマ様を倒したあの男だけだ……。 その時、異変に気づいた。 男の体が光り輝いている。 それと、どうように男の戦闘力が上昇している。 バグルスを倒した時よりも高い。 力は、止まることを知らぬように上がっていく。 (どういうこと!?) 女性は、思案した。 通常、レプリロイドは、自らパワーアップすることなど考えられない。 女性の考案した強化法でも、レプリロイドソウルという条件がいる。 なのに、あの男は自力であがっていく。 女性は、モニターに釘付けになった。 第拾壱話 エックスは、ただ無言で機人を睨みつけていた。 この激怒した表情は、あの時のエックスを思い出させる……。 シグマ大戦前期。 宿敵、ヴァヴァにゼロを捕らえられ、ゼロを救うべく必死に立ち向かったエックス。 しかし、強力なライドアーマーを操縦しているヴァヴァに、どうしても勝てなかった。 エックスがヴァヴァに殺されようとした時、身をていしてエックスを助けたゼロ。 自爆後、上半身しかなく、血だらけのゼロがエックスの腕の中で、話しかける。 「しけた顔するなよ……イーグリードに……おこられないで……すんだ……よ……なぁ……エック……ス……一緒に……連れて行ってくれよ……」 ゼロの体が粒子になり始めている。 (お前の……つくる……懐かしい……未……来……へ……) 突然、煙の中からヴァヴァが姿を現した。 「懐かしい未来? フン、いかれちまったか、特A級ハンターもこうなるとただのスクラップだな……残りは一人……エックスよ。悪いが貴様一人で……ゼロの罪を償ってもらおう……」 エックスに歩み始めていたヴァヴァだが、急に戸惑った。 ゼロの体であった粒子が光となってエックスに降りかかっていた。 それは、クワンガーとの闘いでボロボロになっていたバスターを治癒し、新たなバスターへと進化した。 エックスは、バスターをゼロに向けた。 「イレギュラーがあああああ!!!」 鬼のような形相で、ヴァヴァに高エネルギー弾を放った。 それは、ヴァヴァをあとかたもなく消し去った……。 (講談社ボンボンKC、著:岩本佳宏「ロックマンX」第3巻参照) 怒りの形相は、やわらぐことなく、機人を捕らえていた。 機人の口が開くと、ゼロを攻撃した時と同じ、赤白い光の束を放出した。 それは、すさまじい速さでエックスに直撃した。 だが、光の束がエックスに命中する寸前、エックスの身体の輝きは、さらに大きくなった。 光が止む頃、エックスは立っていた。 あの光の束が命中したにもかかわらず、立っていたのだ。 鎧も変わっていた。 通常の青い鎧ではなく、白い鎧を身に纏っていた。 (この白い鎧は、オリジナルの物で、X1/X2/X3/X4の物ではありません) だが、形相はそのままであった。 一歩もずれることなく。 ただ自然体で……。 機人は、エックスに飛び掛った。 蜘蛛のように長くとがった両腕を振りかざした。 だが、それはエックスに、とめられていた。 しばらく、組合いが続いた。 エックスは、巨体の機人を投げ飛ばした。 機人は、勢いのまま壁に激突する。 エックスは、右腕をバスターに変形した。 その銃口が、機人の口を捕らえていた。 バスターから緑色の輝きが生じた。 やがて、バスターから高エネルギー弾が撃ち出された。 それは、機人の口に吸い込まれると、炸裂した。 機人の身体は、内部から爆発・四散した。 エックスは、バスターを解除した、右腕を降ろした。 機人のいた方向をジッと見ていた。 ふと、ゼロのことを思い出し、かけていった。 ゼロは、気絶しているだけのようであった。 エックスは、安堵の息をついた……。 「大丈夫か? ゼロ……」 エックスは、ゼロの体を揺り起こした。 「……ん……」 呻いた後、ゼロはゆっくりと目を瞼を開いた。 「エックス……奴は……どうなった……その鎧は……」 いきなり、いくつもの質問を浴びせられ、エックスは少し困った顔をしていたが、先程の出来事を説明した。 「そうか……また迷惑かけちまったな……それにしても、またお前の鎧が変わるとはな……」 シグマ大戦前期、後期時に見た物とは違っている。 (お前の秘めたる力がまた発動したか……) ゼロは、顔にかかっている金髪を、掻き揚げた。 ふと、手に血がついている。 額から出血しているみたいだ。 「あ……血が出てる」 エックスは、傷口を治療した。 ……といっても、先程までエックスが巻いていた包帯を、ゼロの額に巻いただけだが……。 「さて、そろそろ行こうぜ」 ゼロは立ち上がろうとした。 「駄目だよ。ゼロは安静にしてなって、ここから先は俺一人でいく」 「よせよ……俺は、もう大丈夫だ……行こうぜ」 ゼロが立ち上がった瞬間、エックスはゼロの腹部に拳を入れた。 「ぐう……」 ゼロは、唸った後、倒れてしまった。 その光景をエックスがすまなさそうに見ていた。 「すまない……ゼロ……本当にすまない……こんなこと、ホントはやりたくないんだ……奴との闘いではまだ君が気絶しただけだったけど……今度はホントに死んでしまうかもしれない……ヴァヴァの時みたいに……そうなったら……俺は……また鬼になってしまうかもしれない……そうなったら……もう……戻れないかもしれないから……」 エックスは、ゼロを見つめていた。 やがて、白い鎧を纏ったエックスは歩みだした。 眉はつりあがり、目は怒っていた……。 「結局、あのマシーンも役に立たなかったか……」 ガレスは、静かに少々呆れ気味で呟いた。 「もはや、ガーディアンは存在しない……我等が行くしかない……」 「そうね……それにあのボウヤの戦闘力と闘りあえるのは私だけね……」 女性は、決心したようだった。 「さあ、私達も戦闘の間へ行きましょう。ボウヤが先についてしまうわ……」 女性……ベルカナ=イリノスは、ガレスを急かした。 (怒りの感情が力になるというの……実に興味深いわ……) 残す敵は、ソウルイレイザーだけ……。 エックスの行く手には、巨大な鋼鉄の扉があった。 「……」 しばし見つめていたが、意を決したのか右腕を掲げた。 右腕は、音もなくバスターに変形すると緑色の輝きが生じた。 数秒のエネルギー蓄積の後、白いバスターから黄緑色の高エネルギー弾が撃ち出された。 高エネルギー弾は、扉を貫通し大きな穴を開けた。 それは、エックスの大光弾(チャージショット)を上回る程のエネルギー密量を秘めていた。 エックスは、穴から中に入った。 そこには、二つの人の気配がした。 ソウルイレイザー、ガレスとベルカナであった。 第拾弐話 「来たのは、お前一人か……金髪の奴はリタイアか?」 ガレスの第一声をエックスは、聞き流した。 「ここまでやるとは、驚きよ……貴方は、なめたもんじゃないわね……」 「そんなことはどうでもいい……早く、レプリロイドソウルを解放しろ!」 エックスは、言った。 「なら、私達を倒すしかないわ……今、大半のレプリロイドソウルは、私達と共にあるのだから……」 ベルカナは、両手を広げた。 「レプリロイドソウルを使った実験は、成功だったわ……みごとに力が溢れている……」 「だが、それも俺が見れるのは最後となる!」 エックスは、叫んだ。 「それは……貴様が我々に消されるからであろう?」 ガレスが、確信を秘めた声で言った。 エックスは、ガレスを睨みつけた。 ついに、エックス対ソウルイレイザーの闘いの火蓋は、きって落とされた。 ベルカナの持っていた杖から次々と光球が放たれた。 エックスは、瞬時に右腕をバスターに変形し、撃ちだした光弾でそれを足止めした。 すると、後方からガレスの光の槍ーーービームジャベリンが、エックスに襲い掛かる。 いち早くそれを察したエックスは、身を捩じらせそれを避けた。 そして、エックスとガレスの拳がぶつかり合う。 「ぐ……」 「ぐう……」 二人の拳は火花を散らせた。 「私を忘れてもらっちゃ困るわ!」 声と共に、大きな光球が後方から迫ってきた。 エックスは、拳を引き身をかがめ、光球を避けた。 「うおおおっ」 白い装甲に包まれたバスターから高エネルギー弾が、ベルカナの放った光球に向け、放った。 光球ごと、エネルギー弾がガレスに向ってゆく。 「効かぬわぁぁ!!」 ガレスは、光の槍の先にエネルギーを集中し、何と光球を切り裂いた。 光球は、一気に爆発し、辺りは光に包まれていった……。 光が止むと、三人は立っていた。 ダメージは、全くもってないようだ。 「なかなかやるようだな……だが、これで本気を出さざるを得ないようだ……」 ガレスからは、さらなる闘気があふれ出した。 あれだけもことをやっていて、まだ本気ではなかったらしい……。 「……いくぞ」 次の瞬間、光の槍がエックスの左肩を貫いた。 「ぐああっ」 激痛が体を走る。 左肩からは、血が飛び散っていた。 思わず、肩を抑えながらうずくまってしまった。 (動きが……読めなかった!?) 再び、光の槍が前方から飛んできた。 痛みを耐えながらも、それを避けた。 ……と同時に、ガレスのブロウがエックスの腹部に直撃した。 「!!」 胃の中の物が逆流してくる。 口の中万遍に広がったが、何とかそれを胃に戻した。 (槍は……フェイクだったのか……) エックスは、崩れ落ちた。 ブロウを入れられた辺りの鎧は、亀裂が入っている。 戦闘開始から数十分が経過していた。 ガレスがエックスの喉元を掴み、たかだかと上げていた。 その後ろで、ベルカナが笑みを浮かべている。 エックスの体には、いくつもの損傷が見られていた。 全身からの出血、それにくわえ、鎧にある亀裂。 一方のガレスとベルカナには、ダメージどころか擦り傷さえ、与えていなかった。 もはや、二人の勝利は確実であることは、誰にでも目でわかることだった。 勝利が目前にあることの余韻に浸っているのか、エックスのバスターが、足元に向けれていることも知るはずがないだろう。 二人は、油断している。 「シグマ様を二度も倒した英雄も。これで終わりだ……」 ガレスがエックスに、言い聞かせた。 だが、当のエックスは、怯むどころか笑みを浮かべている。 「……笑っている? ……何がおかしい……」 ガレスは、思案した。 この場で生き残る手段など残されていないはずなのに……。 (一体……?) その数秒後、エックスのバスターから高エネルギー弾が撃ち出された。 勢いで、エックスの喉元を掴んでいたガレスも、エックスともども空中に投げ出されてしまった。 今やガレスは、空中でもがいているだけである。 そこに、バスターで狙いをつけた。 高エネルギー弾が、ガレスに向けて放たれた。 「なっ!!?」 ガレスは、驚愕の叫びしか上げられなかった。 なぜなら、次の瞬間、彼は高エネルギー弾にのみこまれていたのだから……。 ガレスは、壁にたたきつけられ、床に落ちた。 その時、彼はもう、生きていなかった。 エックスが何とか床に着地したとき、ガレスの体が粒子となり始めていた。 ベルカナは、それをうれしそうに見ている。 「フフフ……礼を言うわ。ガレスを倒してくれて……」 「何!?」 エックスは戸惑った。 無理もないだろう。 仲間がやられたのに、平然としている……それどころか喜んでいるのだから……。 「あの男は邪魔だったのよ……あの男は、私を利用している気だったみたいだけどね……私には、研究とあのお方の復活さえ、出来ればそれでいい」 ベルカナは、目をカッと開いた。 すると、ガレスの粒子がベルカナに纏わりついた。 途端に、ベルカナの姿が変貌していくのが確認できた。 「吸収……している!?」 「そうよ、あの男の力……私が貰い受けたわ」 ベルカナの姿は、先程とは大違いだった。 研究員のような容姿も今は、巨悪な魔女へと変わっている。 背丈も三メートル程の大きさとなっている。 「あ……」 エックスは、恐怖していた。 何がおこっているのかさっぱりわかならい。 ただ、自分は恐怖している。 目の前の最恐の魔女に…… ベルカナが杖を掲げた。 すると、光球が次々と現れた。 どれも直径二メートルはありそうだ。 それが一斉に攻撃を始めた。 避けるまもなく、エックスはくらっていた。 「ぐ……あ……」 もはや、エックスには、今の彼女は太刀打ちできなかった。 瓦礫が崩れ始め、エックスの上に落ちてしまった……。 呻いた後、ゼロは目を覚ました。 体を起こすと、エックスの姿がなかった。 ……と、同時に、気絶するまでの記憶が蘇ってくる。 奥の通路を見て、悟った。 (あいつ……一人で行ったのか……) ゼロは、苦笑した。 (奴らしいな……) 立ち上がろうとしたが、体中に激痛が走る。 しかし、無理やり立ち上がった。 「く……」 痛みをこらえながら、ゼロは走り出した。 日本・東京。 ネオ・イレギュラーハンターベース(本部基地)。 ケインとアイリスは、管制室にいた。 ラグズランドから、大量のレプリロイドソウルの反応が出てきたのだ。 「大量のレプリロイドソウルの反応が確認できます……」 管制員が続ける。 「わかったぞい。アイリス、そっちはどうじゃ?」 ケインは、隣にいるアイリスに聞いた。 「はい、エネルギー反応は、先程まで一ヶ所に三つかさなっていました。現在、反応の内一つが消え、もう一つがエネルギー増幅……高エネルギー体に変化しました」 メインコンピューターから配線が伸び、アイリス専用のノートPCに接続されていた。 「残りのうち、ひとつはエックス……もうひとつは、ソウルイレイザーか……」 「ゼロの反応は、離れた位置で確認できます」 「そうかい……引き続きたのんじゃぞ」 ケインは、指示した。 (頼む、無事でいてくれい……) 今のケインには、二人の安否を祈ることしか、出来なかった……。 最終話 エピローグ 「ぐ……」 エックスが、瓦礫を自力でどかして出てきた。 バスターを解除した右腕が、血が出ている左肩を抑えている。 息があらくなっている。 「ハァ……ハァ……」 ベルカナは、相変わらず邪悪な笑みを浮かべながら、エックスを見ていた。 やがて、言葉を発した。 「まだ生きているとは、本当に驚きね……貴方……一体何者なの……?」 驚きと呆れが入り混じった声。 だが、エックスに返答する余裕はない。 立っているのさえ、かなり辛いのだ。 先程の闘いで体力を、かなり消耗してしまったのだろう……。 「……」 だが、目には、闘気が溢れている。 ベルカナが、再び光球を放ってきた。 エックスは、眼前でそれをよけようとするも体が、いうことを利かない。 「ぐあっ」 光球をもろにくらってしまった。 そのまま、吹っ飛ばされ、壁に激突した。 しかし、再び立ち上がり、ベルカナの方へゆっくりと歩み寄る。 もはや、今のエックスには、歩くのも難しいといえよう……。 額、肩、背中とあらゆるところから、出血していて、白い鎧に赤い模様という鮮やかな血の組み合わせとなっている。 (恐れをしらないというの……このボウヤ……) ベルカナは、驚いていた。 (なら、これでどう?) ベルカナは、杖を掲げると先程よりさらに大きな光球をいくつも作り出した。 「……いきなさい……」 光球は、一斉にエックスに襲い掛かった。 これを避けるのは、不可能だ。 エックスは、右腕をバスターに変形し、光弾を連発した。 しかし、弾き返されてしまう。 光球が、エックスの眼前に迫った。 その時…… 「アース・クラッシュ!!」 エックスの目の前に飛び込んだ何者かが、地面に拳を叩きつけた。 すると、そこから凄まじい閃光と共に、エネルギーの大爆発が起こった。 光球は、その爆発に全てかき消されてしまった。 「!」 エックスは、目の前の者を見た。 赤い鎧に金髪……そう、ゼロであった。 「水臭いぜ、エックス。 俺は、まだくたばっちゃいねーぜ」 「ああ、さっきは気絶させちゃってすまないな」 「気にするなよ」 ゼロは、笑いながら言った。 エックスも、笑った。 ベルカナは、無表情でその光景を見ていた。 別に、彼女自身、赤き鬼神と呼ばれる世界最強のイレギュラーハンターが、復活したことに驚愕しているわけではない。 関心がないだけであった。 敵が増えた……いや、実験の材料と言っても良いだろう。 「ちょうどいいわ……あのお方を再び復活させる目処がついたわ……」 ベルカナは、そう独白した。 「あのお方……だと?」 ゼロは、聞き返した。 「あ……まだ知らないんだっけ……いいわ……教えてあげる」 ベルカナは、冷笑しながら言った。 「あのお方とは……貴方達が二ヶ月前に北極で貴方達が倒した……」 「まさか……シグマか!?」 エックスとゼロは、声を揃えて叫んだ。 無理もないだろう……。 もう、聞くこともないと思っていた名の者が、復活すると言うのだから。 「早く死になさい……私は、シグマ様を復活させなければ、ならないのだから……」 「……なるほど……」 ゼロは、立ち上がりながら言った。 「つまり、今ここで貴様を倒せば、シグマ復活は、阻止できるんだな? なら話が早い……」 「でも、貴方達に私は倒せない……それはわかっているはずよ。地球の英雄、ロックマンエックスでさえ、私には適わないのだから……」 ベルカナは、冷笑したままで言った。 ゼロは、エックスに小声で聞いた。 「シグマを倒したあの技は、まだ使えるか?」 「ああ、でもこれが最後の一発だろう……あの技には制限がかかっているから」 「よし、一発使えりゃこっちのもんだ。後はどうやって力に還元するダメージをするか……」 「それは、大丈夫だよ……さっきの闘いでかなりくらったから……」 「ナイス! じゃあ、俺が後少し与えるから、そしたら発動しれくれ」 「OK!」 エックスは、頷いた。 「何の話かしら……最後の別れでもしたのかしら……?」 ベルカナは、からかい半分言った。 エックスは、ベルカナに向って走り出した。 「エックス!!」 ゼロは、バスターから光弾をエックスに向けて放った。 光弾は、エックスの背中に直撃した。 「ぐ……」 痛みをこらえるエックス。 「馬鹿ね……味方に攻撃してどうするの?」 ベルカナは嘲笑した。 それを無視しながら、エックスは空中に飛び上がった。 その瞬間、白い鎧は粒子と化しエックスの通常の青い鎧の輝きに取り込まれた。 エックスは、両手を翳した。 そして…… 「ハイパーギガクラッシュ!!!!!!!!!!!!」 白夜の様な閃光と共に凄まじい力がベルカナを襲う。 「そ……んな……私は……やられて……しまうの……まだ……夢……なか……ば……シグ……マ……」 ベルカナの消え入りそうな声がした時、大爆発が起きベルカナの体を跡形も無く消し飛ばした。 研究所をも吹き飛ばし、ラグズランドはあらぬ姿へと一変させた……。 おだやかな海を巨船が、日本へと向っていた。 この船は、エックスの数少ない親友の一人、マーティ=ギブソン率いる空海賊団の船である。 彼女等は、ラグズランド近海を航海中に突如大爆発を起こしたラグズランドを見て、島の方へといって見たのだ。 すると、そこにはボロボロになったエックスとゼロが倒れていた。 マーティ達は、本来の仕事(レスキュー)をこなし、今、隣の部屋に二人は寝ている。 「ったく、どうしてあいつ達はいつも事件に巻き込まれるんだろうね……」 あの大爆発を見て、事件だと勝手に想像してしまったマーティだが、まだエックスとゼロから話を聞いていないのだから、仕方ないだろう……。 マーティは、船員達に指示した。 「行き先を日本へ変えるよ! 全速全進!!」 The End Thank you for reading | ||
制作者コメント 管理人コメント |
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