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制作者:真アルティメットアーマーさん レプリロイドの魂ともいうべき核が抜き取られ、ただのガラクタとなり朽ち果ててしまう謎の症状…… それは、イレイズと呼ばれ恐れられていた。 イレイズとは、レプリロイド反応がなくなってしまいデータを抹消(デリート)されたようになってしまうので、こうよばれていた。 第壱話 プロローグ 21XX年、南洋の島、ラグズランド。 レプリロイド特殊研究所があるこの島で、研究員のデータ反応が、一気になくなってしまった……。 つまり、大量イレイズ……恐るべき事態が発生してしまったのである。 最初は、近郊の国が調査に出ていたが、調査員達も出向いたきり行方がわからなくなってしまった。 イレギュラーハンターは、早急に手を討つべく、ハンター達に出動要請を手配していた。 青い鎧(ノーマルアーマー)に身を包んだ男がイレギュラーハンターベースの廊下を歩いていた。 彼の名は、エックス。 世界最強と呼ばれた邪神、シグマ=グラスゴスの反乱を二度鎮めた男である。 伝説のレプリロイド、ロックマンの名を受け継いでいる地球の英雄といったところだ。 エックスは、ハンター司令部室に行く通路を歩いている。 アドバイザー、ジェームス=ケインに召集されていたのである。 第弐話 扉を開けると、ケインが待っていた。 隣に、赤い鎧を装備し、金色の長髪を結んでいる男がいた。 エックスの親友とも、いうべき存在・ゼロ=オメガだ。 「なんですか? ケイン博士?」 エックスは、召集主に理由を聞いた。 翌日。 エックスとゼロは、第7空挺部隊の輸送機に乗りラグズランドへと向っていた。 「しかし、シグマとの闘いの時の怪我がまだ回復していないというのになぜ、こんなこと引き受けたんだ?」 ゼロは、エックスに聞いた。 「気まぐれみたいな物さ。ちょっと気になっていたし……イレイズ現象がどういう物かはっきりするだろ?」 「ふ……お前らしいな。しかし、一体どうなってんだ……」 「……またシグマが復活してこんなことを、やっていたとしたら……」 「おいおい、シグマは倒したばかりだろ? それに奴の仕業だとしたらあり得ないぜ」 ゼロは、考えこむように言った。 第参話 「いままで奴は、レプリロイドの反乱をおこすやらウィルスやチップでイレギュラーを増やしていただろ? それには、レプリロイドが不可欠! なのに、レプリロイドのデータを消し、活動停止にさせるなんて奴らしくねえ」 確かにゼロの推論は当っていた。 本来、人類の滅亡を望んでいる奴がレプリロイドを殺しても、なんの意味も持たない。 これは一体、どういうことだろうか……? 「事実を確かめるには、あの島に乗り込むしかないんだね」 「そうだな……そして、裏で糸を引いている奴がいるのならぶっ倒す!!」 やがて、輸送船から孤島・ラグズランドの姿が見えだした。 まるで、無人島のようにひっそりとしている島だった。 そして、山岳の方に研究施設の一部と思われる建物が見えていた。 「ここからでも、研究員達の反応はないか?」 ゼロは、輸送船の管制員に聞いた。 管制員は、モニターを見ながら。 「反応データ、完全に不明です」 「大量イレイズとしても、おかしすぎるな……」 エックスは、独り言のように呟いた。 やがて、島の入り江に着くとエックスとゼロは船から下りた。 「応援が必要であれば、ハンターベースに連絡ください。オペレートは、Drケインとレプリフォースの研修員オペレーターのアイリス=ソーンさんがやってくれます」 「なんだ、あいつもいるのか。わかった」 ゼロが帰っていいぞと言うと船は、元きた道を引き返した。 「さて、いこうか」 「ああ」 エックスとゼロは歩き出した。 海岸から、数百メートル離れた場所にある岩穴。 そこは、不自然な程大きかった。 自然に開けられた物では無い……ゼロは、確信した。 エックスに声をかけた。 「飛び込んだら一気にいくぞ」 エックスは、頷く。 岩穴の中からは、機械音が聞えてきていた……。 第四話 中は、ものすごく広い空洞になっていた。 鍾乳洞というべきなのであろうか……。 奥の方から光が漏れている。 二人は、壁によせながら足を進めた。 そこは、ものすごく広い工場であった。 何かの物体からエネルギーを抽出しタンクに詰めている……。 しかし、解体されているのはレプリロイドのパーツらしき物……。 異様な光景だった。 「何をやってるんだ……?」 エックスは、静かに呟いた。 その時突然、警報がなり明かりが赤く点滅する。 エックス達の侵入がばれてしまったらしかった。 「エックス!!」 ゼロは、急いで用件を伝えようとした。 「ここを潰すぞ! その後に合流しよう!!」 「OK!!」 エックスとゼロは、飛び出すとバスターで機具を破壊し始めた。 警備メカが一斉に襲い掛かる。 エックスとゼロのバスターから光弾が次々と飛び出し、敵を蹴散らす。 だが、相手も黙っちゃいない。 ついに、侵入者撃退巨大メカ二ロイドが姿を現した。 「邪魔するなああ!!!」 ゼロが、ビームセイバーで一振りすると簡単に破壊された。 「門番がそんな弱くちゃ駄目だぜ!」 ビームセイバーを振り回しながら叫ぶ。 その時、一つの刃がエックス目掛けて襲い掛かった。 「!!」 エックスは、間一髪でそれを避けた。 向ってきた方向に目をやると、騎士を象った鎧を装備したレプリロイドが立っていた。 「お前はっ!」 「……我等は、ソウルイレイザー。 レプリロイドの魂を消す者だ」 男……ガレス=ディスケルと名乗った。 「お前達がイレイズ事件の首謀者か!?」 ゼロが怒鳴りつけるのに、対し冷静に話すガレス。 「お前達、イレギュラーハンターでは、そうなっているのか……フフフ……」 「これ以上、こういうことを繰り返すのなら俺達は、お前達を処分する!」 「フ……おもしろい、イレギュラーハンター……相手にとって不足はない!!」 「面白い、相手にとって不足は無い」 ガレスは、笑みを浮かべながら応える。 「やるか?」 ゼロは、ビームセイバーを起動した。 柄から、オレンジ色の光が輝きはじめる。 「まあ、待て。お前達の実力を見てやる。この島の守護兵(ガーディアン)達を倒して見ろ。奴等に勝てれば相手をしてやろう……」 「何故、今すぐ闘わない!?」 ゼロは、疑惑の表情を浮かべた。 確かにそうだ。 わざわざ、守護兵とやらと闘わなくても今すぐ、決着をつければよいのに……。 「なに、俺もお前等を相手にしているほど、暇ではないんだよ」 ガレスは、そう言い残すと姿を消した。 第伍話 数十分後。 エックスとゼロは、再び入り江に来ていた。 ケインとアイリスに連絡を取るためである。 エックスが、先ほどから通信機で、ケインと話していた。 「……つまり、ガレスと名乗った男がイレイズ事件に関わっている可能性が高そうです」 {そうか、ご苦労じゃった。こっちでも、アイリスにガレスという男のデータを探させておるのだが……} 急にアイリスの声に変わった。 {……駄目です。ガレスというレプリロイドが存在する資料は、一切見つかりません} 「そうか……さっき、伝えた工場は、どう思う?」 {二人から聞いた話から推測しますと、その工場では、レプリロイドのソウルを抜き出し、何かに使っているのだと思います……} 「わかった。 頼む」 エックスは、回線をきった。 「何がなんだかさっぱりだな……」 「うん……これは、もしかしてシグマ以上に危険かもしれない……」 ゼロは、溜息をつきながら立ち上がった。 「とにかく、奴と再び接触するには、ガーディアンとやらを倒すしかない。もたもた、してられないぞ! エックス」 「そうだね」 エックスは拳を固めた。 | ||
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