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制作者:naiさん 「俺の名は……?」 「君の名はヴァジュリーラFF。私の作り出した戦闘ロボットだよ。」 暗い闇の中に、Dr.ドップラーの声が静かに、そして不気味に響いた。 「君の体はこの『ワーム』と言うチップからできている。君は悪夢の塊なのだよ。」 「俺は悪夢の塊?」 ヴァジュリーラは研究所の外で、考え事をしていた。 生み出された理由。そこが理解できないらしい。 「俺は戦闘ロボット。そして、悪夢の塊?ゾンビのような存在と言うことか。フッ。」 彼はおかしくも無かった。しかし、自分の存在の意味があまりにも馬鹿馬鹿しく、生きた心地もしなかった。 そこから不自然な笑いが出た。 「全てを破壊する。それが俺の役目と言うことか。フハハハハハハハ!」 ヴァジュリーラは狂ったように笑っていた。そんなヴァジュリーラの後ろに、大きなレプリロイドが立っていた。 「!?」 ヴァジュリーラはその気配に気づき、攻撃態勢をとる。 「お前……何者だ?」 ヴァジュリーラはまるで鬼のように、冷たく言い放った。 「……名乗る必要は無い。」 そのレプリロイドはそう言い、攻撃態勢をとった。数秒後、御互いに攻撃を始めた。 「食らえ!」 「フン!」 2人が出した攻撃がぶつかった。2人は再び攻撃を仕掛ける。 しかし、先程攻撃がぶつかった所に怪しげな光が出てきて、その攻撃は光に飲み込まれてしまった。 「……」 「……」 2人は無言のままだった。 次の日、ヴァジュリーラはDr.ドップラーの言ったことを思い出していた。 「攻撃が通用しない。不思議な力に掻き消される。そんな相手がいたとすれば、それはお前の仲間だ。」 「……アイツが仲間?」 ヴァジュリーラは驚きを隠せなかった。しかし、運命は初めから2人を結んでいた。 ヴァジュリーラの後ろには、あのレプリロイドが立っていた。 「……お前が俺の仲間?フン!こんな弱々しそうな小僧が?」 「俺だって、お前みたいなデカブツと仲間なんて、御断りだ!」 「……運命なのか?」 その大きなレプリロイドは、先程の言葉からは信じられない言葉を言った。 「おいおい……お前、何者だ?拒否しておきながら『運命』って……何考えてるんだよ。」 「お前も感じているんじゃないのか?俺達は不思議な物で繋がれている。そう感じているんじゃないのか?」 「……」 ヴァジュリーラは何も話さなかった。いや、話せなかったのだ。 「俺は特殊なチップ、『ワーム』からできている、悪夢の塊だ。そして、名はマンダレーラBB。」 「お前もワームから?俺もそうなんだよ。俺の名はヴァジュリーラFF。」 彼らは御互いに名乗りあった。しかし、その後は無言で立ち去っていった。 その日から、彼らの距離は少しづつ縮まり、遂にはナイトメアポリスと名乗り、共同作業を行うようになっていた。 しかし、それも長くは続かなかった。 彼らを繋ぐ糸が切れ、その運命からも開放される日がくる。彼ら自身もそう感じていた。 しかし、それが何を意味しているのか、彼らはまだわかっていない……。 | ||
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