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ブリザード・ヴォルファング処分の経緯 制作者:マシン・Jさん ――北極地帯 この地域に、ブリザード・ヴォルファングのチームが調査に来ていた。 現在、某国の雪山で頻発している雪崩の原因を調べようとしている。 途中、遭難したらしいレプリロイドを見かけた。 「大丈夫か!?」 調査隊がかけつけると、そのレプリロイドは急におびえた顔をする。 「た…助け…コールド……サー…」 何か言おうとした途端、そのレプリロイドは眩い光とすさまじい冷気を放出して破裂した。 「な…なんだ!? ……あぁ!」 次の瞬間、ヴォルファングはあのすさまじい冷気に耐えられたのは 自分を含め数人だけだったと気づく。 「ほう、俺の冷気に耐えるとはかなり高級の寒冷地用だな」 声がするほうを見ると、銀色のレプリロイドが雪原から飛び出てきた。 「お前か!? 先ほどの遭難者が言っていた…コールド・サー……」 「コールド・サーモンクだ。以後お見知りおきを、と言いたいところだが我が領域を荒らすことは許さん」 「クッ…イレギュラーか! お前こそよくも部下達を…」 しかも、屋外戦もサーモンクの方が上のようだ。 ヴォルファングはアイスバーストなどの氷の技も駆使するが、サーモンクのスピードに対応しきれない。 「なんだこの技は…ファーストネームを変えたらどうだ? ブリザードというのは、こういうものをいうのだ!!」 サーモンクは気合をためる動作をする。 「アークティック・ブリザード!」 口からすさまじい吹雪が放出された。 「この力は…法律上の規定を超えている…」 ヴォルファングほど冷気に強いレプリロイドが凍りついていく。 いや、氷の粒は細かい傷をつけ、その傷を通じて内部から凍らせていっているのだ。 「いかん、このままでは…」 吹雪が止まった。危ないところだった。 あと数秒長かったら、やられていただろう。 「今ので生きていたか…タフな奴だな」 「領域だか何だか知らないが、お前はどちらにしても処分しなくてはならないとわかった。 先ほどの吹雪を出してみろ! 今度は破ると断言しよう」 「今の自分の状態を…フッ、面白い。望みどおり凍結死させてやろう。アークティック・ブリザード!」 今度はさっきより強烈な吹雪だ。 しかし、ヴォルファングは怯むことなくサーモンクに突っ込んでいく。 「な、なに!?」 そう、このまま守勢に回っていてはやられる。 かといって攻撃のチャンスは、この時しかない。 「うおおぉぉぉぉ!!」 ヴォルファングは思い切ってサーモンクに飛び掛り、口めがけて氷柱を突き刺した。 「いかん、これではアークティック・ブリザードが暴発して…」 サーモンクは眩い光とすさまじい冷気を放出して破裂した。 「勝った…お前の敗因は、過剰な自信だった」 だが次の瞬間…… 「ああぁぁぁ!! 何ということだ……」 そう、先ほどサーモンクを倒した時の冷気は、ヴォルファングにしか耐えられなかったのだ。 調査隊は彼を残して全滅という形になった。 「君もそう思うだろう? イレギュラーに会ったとはいえ、彼は強すぎた。あれだけレプリロイドを破壊してしまったのでは、処分はやむを得まい」 ある研究施設では、ゲイトを嫌う科学者達が一人の研修生をそそのかしていた。 「でも…ヴォルファングは勇敢に立ち向かい、イレギュラーを倒したのでしょう? なのに処分なんて…」 「何を言っているんだ! このままでは新たな犠牲が出てしまうのだぞ! マグマ地帯の時といい…彼は我々を無視して無茶なことをするに決まっている!」 「…わかりました…」 ついに科学者達に押し切られ、その研修生はヴォルファングをはめるための考察していた。 ――数日後 チームは再結成され、凍った海の調査に出ていたある日。 ヴォルファングの足元が、突然崩れた。 「な…なんだ!?」 そこはあらかじめ氷を薄くし、調査隊で最も重いヴォルファングが踏み込むと、崩れるようにしていたところだ。 「うわあああぁぁぁぁぁぁ!!」 崩れていく氷にのみこまれ、ヴォルファングは潮流の激しい海の底へ… この時期では、人為的にやらなければこんな事はありえないのだが、研究員の根回しにより、事故として片付けられることになった。 その研修生が騙されたことに気づいたのはさらに数日後のことだった。 | ||
制作者コメント 管理人コメント |
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