手をつなぐ

「隊長の手はゴツゴツしている。」
マリカが愛想を増やす研究の一環として、
今ジストと手を繋いでいる。ジストの手はマリカ以上に
ゴツゴツとした手で、握った時にマリカは思う。
――隊長と対等になるには愛想も、剣の腕も足りない。
「なぁマリカ……そろそろ離してくれないか?」
「嫌だ。」
マリカは離さぬよう、さっきよりも一層強く握る。
「だって隊長。」
「ん?」
「この間の言葉が駄目なら態度で示すまで。明日は
おはようのキスでもしてあげる。」
その言葉を聞きジストは乾いた笑いを浮かべ、そこを
テティスに睨まれたことはマリカは知らない。



目が合う
レイピアでソシアルナイトを倒した時、近くにいたエフラムと
目が合った。
エイリークはとエフラムはお互いの目を見て微笑む。
口に出すことはできないけど――でも目で言葉を送ることは
できる。
『頑張って下さいね。』
『頑張れよ、エイリーク。』
アイキャッチを済ますとまた目の前の敵に向う。お互い
やるべき事をしてから、今度はお疲れの言葉を口に出そう。
『お疲れ様でした、兄上。』
『やったな、エイリーク。』


ハモる
「エイリークとエフラムは双子なのでしょう?」
「何を今更。」
エフラムはさも当然のように言い、エイリークの頭を撫でる。
人前で兄妹のスキンシップは恥ずかしいのか、エイリークは
顔を赤く染め1人縮こまる。
「では時々ハモることってありません?」
「ハモる……。」
「同じ血を受け継いでいるのですよ。しかも双子。違いますや
そうです位はハモリません?」
ラーチェルは2人に投げかける。エフラム暫く思案――だが
エイリークの頭を撫でる手は止めない。
「時々はあるな。」
「やっぱり!」
向日葵のようなまぶしい笑顔を浮かべて、ラーチェルは目を輝かせる。
「でもどうしてそんな事?」
「だって――」
「だって?」
「だってお2人とも、すっごく仲が良いんですもの。」
その言葉を聞き、エフラムは不敵の笑みを浮かべると後ろから
エイリークに抱きついた。




あくび
「ふわぁ……。」
欠伸を抑えようとしたが、小さな欠伸が出てしまった。ルーテは
隣にいるカイルが物珍しそうな顔つきをしているので、何かと
思い振り返ると欠伸をしていたことに気付き、恥ずかしそうに
振舞う。
「寝不足か?」
「あ、いえ、違います。夜中まで起きていただけです。」
「だからそれが寝不足に繋がったわけで――」
「私、優秀ですから寝不足なんてしません。」
そっぽを向き、ルーテはすまし顔を作る。
「無理はしないほうがいい。」
「無理……ですか?」
「眩暈でも起こしたらたまったもんじゃない。」
カイルは照れくさそうに言う。
「眩暈……ですか?」
「ああ。君が倒れるとその――」
「心配してくれるんですね。」
思っても見なかった言葉が返る。
「でも心配してもしなくても大丈夫です。私、優秀ですから。」
「ああ……そう。」
いつも言葉で占められる筈だった。しかし、ルーテは思い出した
ように言う。
「でも心配してくれたほうが嬉しいです。」



読書
「本など読まずに外へ行くぞ!」
本の虫を無理矢理外へ出そうとする。リオンのか細い手を
引っ張りドアを槍で突き破った。
「ドアが……。」
「ドアなんて適当に直しておけ。」
突き放した言いかたをし、中庭に出た。
グラド城の中庭は手入れが行き届いて楽園とも言えよう。
エフラムはリオンを自分の横に座らせる。
「よくそんな分厚い本を読んでいて疲れないな。」
「うん。好きだからね。エフラムこそ槍の修行大変だと思うよ。」
「お前と同じで好きだから苦になんてならん。だから体を
動かすことができない本は嫌いだ。活字を見るのさえ億劫になる。」
「そんな事言ってるから宿題が終わらないんだよ?」
悪戯っ子を思わせる笑顔を見せると、エフラムはリオンの
頬を引っ張る。
「痛い痛いっ!」
「むっ、リオンのくせに俺にたてついたな。」
「たてつくなんてそんな……。」
1人慌てふためくリオン。エフラムはリオンにお仕置きだと言い、
押し倒した。
それを窓越しに見ていたエイリークは
「相変わらず仲のよいこと。」
と嬉しそうに微笑んだ。



すれ違う
クーガーから話を聞き、ナターシャは怪我をしているヨシュアの元へ
駆けつけた。
「大丈夫ですか!?」
「ああ……何とかな。」
珍しくヨシュアが怪我をしたと聞き、ナターシャはすぐさま
治癒をかける。ヨシュアの傷はだいぶおさまっていく。
「ヨシュア様が怪我をしたと聞いて私――」
ほとんど攻撃をかわしているヨシュアなら大丈夫だろう。
そう誰もが過信していた。それはナターシャも含まれていて――。
ヨシュアだって不死身の人間ではない。傷を受けることだって
ある。それは分かっていた。
「そんなに取り乱すな。」
ヨシュアはナターシャを言葉で抑える。ナターシャは我に返り、
困惑した顔を浮かべた。
「でも……此処まで心配してくれるとは嬉しいもんだぜ。」
皮肉混じりの笑みを浮かべる。ナターシャは更に困惑している
ところをヨシュアに笑われる。
「そ、その……怪我をしたのなら、いつでも駆けますから……。」
ヨシュアから視線を離す。ヨシュアのペースに完全に乗せられてる。
いつもナターシャはヨシュアと話していると、最後には完全に
彼のペースに乗せられている気がしていた。
――よし、行ける。
ヨシュア一言。
「ああ、ありがとう。」
ナターシャは何も喋れなくなり、逃げるようにして去っていく。
その様子をヨシュアは嬉しそうな顔で見ていたのだが――。
その後、たまたまクーガーとすれ違った時鋭い眼光で
睨まれた。



見つめる
ルーテはアスレイの顔を見る。




アスレイは強張りながらルーテになんですかと聞く。
「………つまらないです。」
ルーテは溜息をつく。何が何だか分からないアスレイは
ねぇなんですか!と声を上げる。
「アスレイの顔は全体的に可もなく不可もないのでつまらないと
言っているんです。」
いきなりトドメの一撃必殺を受け、アスレイにショックが
降ってくる。
「ルーテさん酷いです!」
「酷くなんてありません。事実です。」
ルーテは意見を変える気は更々ないらしい。
「それはルーテさんの見方であって――」
「じゃああなたは自分を1千年に1人いるかいない超絶美少年か
電気街にいそうな人なのですか?」
無垢な笑みとは反面、言っている事は相当酷い。
「どっちも嫌です!」
ルーテに見つめられるのは好きだが、こんな見つめられ方は
ちょっとあんまりだ。だが恋は盲目、アスレイはそれもいいかもと
少々思っていた。



ため息をつく
「参りました!」
アメリアは槍を落とし跪く。息も随分と上がっている。
汗が頬を伝い、顎を伝って下へ落ちる。
「前よりもだいぶ上手くなったよね。」
フランツはアメリアにタオルを渡す。
「ふぅ……。」
受け取ったタオルを使い汗を拭う。フランツを見ると
彼は汗一つ流していない。アメリアは拭い終えると
溜息をつく。
「フランツは凄いよ。私が頑張ってもどんどん上へ
行っちゃうもん。」
弱々しい声でアメリアは漏らす。
「やっぱり、昔から剣や槍を振るっているから……。
私ももう少し早くから始めていればよかったのかも……。」
アメリアは新米兵士だった。事実騎士の家の子ではない。
国に忠誠を誓うために兵士となった。少しだけ覚えた
槍術を頼りにして。
フランツに懐柔されて今に至る。
「それは違うよ。」
「えっ?」
フランツはアメリアの目線に合わせて、あやすように言う。
「それも一理あるとは思う。でもアメリアはこうして頑張ってる
じゃないか。僕と訓練して、それでも足りないから時々1人で
練習しているでしょ?」
「あ……うん。」
知ってたんだ――この間ロスに見られて少しだけ一緒に
訓練をしていた。だがフランツも知っていたとは――。
「それって凄い事なんだよ。自分を卑下しないで。」
アメリアはフランツの言葉を理解すると、満面の笑みを浮かべて
また槍を手に取った。



ないしょ話
「女と言うのは何故しょーもないことをこそこそ話すのだ!?」
眉間に皺がよったエフラムはお供のゼトにぶちまける。
何のことか分からないゼトは目を見開く。
だがエフラムはゼトを置いていくかのように、更に口を動かす。
「大体女同士こそこそと喋ってはやーん。喋っては嘘ー!?
喋ってはきゃーっ。この3つ!」
ゼトの顔面ギリギリに顔を寄せ付け、手に持っていたグラスに
ひびが入る。
「エフラム様。どうかグラスだけは壊さないで下さい。」
これで4つ目ですから。と言葉を添える。
「むっ、そうだな。よし、飲もう。ごくごく……。」
いきなりソファから立ち上がり、手に腰を添えてゴクゴクと
野菜ジュースを飲む。
「んー。上手いぞ。」
「だいぶ落ち着きましたか?」
「ああ、落ち着いた。」
グラスを机の上に置き、ソファにさっきよりも深く座る。
「では私は失礼します。これから志願兵に説明しなければ
いけないことがあるので。」
ゼトがソファから立ち上がろうとするのをエフラムは制止する。
エフラムは悪戯っ子のような笑みを浮かべ、少し背伸びして
ゼトに耳打ちする。
「男同士でないしょ話でもしてみないか?」
翌日、軍内では楽しそうにゼトの耳元で話すエフラムがいた。
「兄上、楽しそうで良かったです。」
「エフラム様……やっぱり――」
「ホモだったんですね。」
カイルが言いかけようとしたのを、ルーテが代弁するように
平気で発した。



退屈な時間
退屈は嫌いだ。ラーチェルは今回出撃命令を受けなかった。理由は
重傷を負ったからだ。あった傷薬で何とか持ったものの、エイリークから
無理しないで下さい。と出撃命令がこなかった。
それに不貞腐れ、ラーチェルは不貞寝をつい先ほどまでしていた。
今まで出撃していただけに、これだけ暇だと何もすることがない。
ルーテから貸してもらった本も読んだのか、もうすることがない。
下僕いびりをしようとしても、レナックは今回出撃している。
「……全く、嫌になりますわ。」
二度寝をしようとし、夢現に入ろうとした時、扉を叩く音が聞こえる。
「はぁい、誰ですの?」
「俺だ、エフラム。」
ラーチェルの答えを聞く前に、彼は部屋に入る。
「エ、エエエフラム!?どうして――」
珍しく取り乱しているラーチェルを前にし、くすくすと笑う。
「レナックに言われた。ラーチェルはどうせ退屈しているだろうってな。」
「そうでしたの……。」
「それと、俺も会いたかったんでな。」
ラーチェルはその言葉を聞き、いつもの高慢な言いかたに切り替える。
「女性の部屋に入れるなんて、大変ありがたいことですのよ?」
だがラーチェルの顔は随分と赤く、そして嬉しそうだった。






後書き
以前にもこの形式でお題をしました。第2弾はFE(聖魔)です。
好みが相当出ていますね〜。FEは基本ノーマルでやおいは
エフラム×リオン(ヒーニアス)、ジスト(ユアン)×サレフしか
駄目なようです。特にエフラム受けはあまり好みじゃ
ないっぽいです。ノーマル色が濃く、男女でも楽しめるので。
後、アスレイ×ルーテよりカイル×ルーテのほうが好きだったり、
クガタナよりもクガナタのほうが好きだったり、エフタナよりも
エフラー、エフエイのほうが好みだったり、ゼトエイより
エフエイやヒーエイのほうが好みだったりします。
ヴァネさんはヒーニアスでもフォルデでもOK。フォルデの
場合はカイルテの時です。後クガナタやヨシュナタ
大好物です。とことんマイナーですが、レナック×エイリークも
好きだったり。

個人的なFEキャラ希望年齢一覧表

*前提*
・最年長はデュッセル、最年少はユアン(ミルラ除いて)
・ターナは双子より年下。
・クーガーはナターシャと同い年か、それより下。
・王子王女はヨシュアとヒーニアスを除いて全員10代
・カイル&フォルデは同い年

の前提だと…
エイリーク→17歳
エフラム→17歳
ラーチェル→19歳
ルーテ→15歳
モルダ→52歳
ヨシュア→24歳
ヴァネッサ→20歳
ナターシャ→21歳
カイル→25歳
フォルデ→25歳
フランツ→16歳
ロス→14歳
ユアン→12歳
ミルラ→最高年齢
シレーネ→25歳
サレフ→27歳
アメリア→14歳
アスレイ→16歳
ネイミー→16歳
コーマ→16歳
ターナ→15歳
ヒーニアス→21歳
テティス→25歳
ガルシア→46歳
ノール→21歳
デュッセル→57歳
マリカ→20歳
ジスト→29歳
レナック→22歳
クーガー→21歳
ゼト→30歳
ギリアム→32歳
リオン→17歳

ですかな。ビジュアルで決めている部分もあるので。



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