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男結婚 第一話


このお話は4部からなっていました。この話はその第一部です。

*これはゲイポルノの勝手に翻訳小説です。RinRinの妄想が詰まっています。実際のお話は左のアイコンを押して見に行ってください。サンプルの映画(VOD)が無料でみれちゃいま〜す。ただし、後ろに誰もいないことを確認してから観に行ってね。RinRinの妄想翻訳小説はこの下です。






真黒い画面にオープニングクレジットのが流れるなかハスキーな男の声が流れ始める。

その低音はどこか戸惑いを含んでいた。



「ビリー、話したいことがある・・・。どういったらお前を怒らせないで伝えられるかわからないんだが・・・わかりきったことだが、俺は結婚しているし、お前にも妻がいるよな・・・。」

「ああ、そうだけど。それがどうかしたのか?」

先の男より若くはりのある声がいつもと違う相棒の様子に不安から少しいらいらした声で応えた。現場では何事にも動じることなく次々と厄介ごとを常識外れな方法で解決してゆく彼からは全く想像もつかない程に、この年上の相棒は惑いを隠せないでいる。最初の出会いは、俺が警察学校を卒業してカリフォルニア・ハイウェイパトロールに配属された日、署に始めて入って行く俺の横を白バイを自分の一部のように操作して風のようにすり抜けて行った奴との一方的なものだった。 熱いカリフォルニアの日差しが奴の車体のクロームに反射して、少し着崩した野性の豹のようにしなやかな姿が俺の目に熱い太陽の光と一緒に焼きついた。

その後、俺は現役官僚軍人の父から受け継いだ優秀な頭脳と体格を生かして優等生ならぬ優等エリート警察官を演じていた。そんな俺が、破天荒なことばかりしでかすが、どこか憎めないキャラクターの問題児である奴の位置に追いつくのはそんなに難しいことではなかった。パトロール・パートナーとなって数年、奴が結婚した後でその奥方の親友と俺は結婚した。妻共のおかげで俺たちのつながりはさらに深くなり今に至る。どこか尻がむずむずするような・・・しかし穏やかな日常が永遠に続くのかと納得しかけていたところだった。

「お互いに結婚する前から俺たちは一番の親友だったよな・・・。」

「そうだな。」一番の親友という言葉が俺を喜ばせる。

「お前には俺が思っていることは何でも話せそうなきがするんだ・・・。」

俯きかげんだった奴は少しだけ奴より背の高い俺をみあげ例の普段の破天荒な彼からは想像し難い邪気の無い笑顔で俺に笑いかけながら言葉を続けた。

「なんたって俺たちは一番の親友だからな・・・。」

ずきりとどこかが痛んだ。俺はそれを無視するように奴に応える。

「トニー、いい加減にしろ。ミシェルを仕事場まで迎えに行く約束をしてるんだ。周りくどいこと言わずにさっさと要点を話せ。」

奴がまた俯いて決心するように深いため息をつく。

顔を上げて俺を見据えた奴はどこか艶めいていた。



「俺は、ゲイだ・・・。」



「は?」真っ白になった頭で言えた言葉はそれだけだった。

「今のは俺の聞き間違いだよな・・・。」

「いや、聞いたそのまんまだ。」吹っ切れた顔をした奴は続けさまに言った。

「それもすげーテクニシャンのな。」ニッカリと笑った奴にいつもの風来坊な態度が戻っていた。

頭では全く違ったことを考えながら俺は当たり前のことを奴に尋ねた。

「でもお前・・・結婚してるじゃないか・・・。じゃあ、シャルロは・・・。」

「シャルロは知らない。あいつには受け入れることは絶対にできない。言ったらきっとあいつの壊れた心臓を俺が止めちまうことになる。 だから絶対にあいつ話すつもりはないし、あいつが知ることはこれからもありえない。」

奴が顔を反らしてソファーの横に置いてある写真たてを辛そうな顔をしてみつめた。
写真のなかで仲よさそうに肩を抱き合う二人はまるで兄妹のようである。実際、親の無かった二人は孤児院で兄弟のようにして育ったのだ。生れつき心臓が弱くそれが理由で捨てられたシャルロをトニーがその腕の中に真綿に包むように守り、その無心に彼にすがる小さな手が実の親から受けた暴力で冷えた魂にぬくもりを与え強くしてくれたのだと深酒をした結婚前夜にぽつりぽつりトニーは俺に語ってくれた。
そう二人は結婚するべくしてしたんだと納得したのはその晩だった。


「こんな俺でも親友でいてくれるか・・・?」


奴は大男には似合わない親に置いてきぼりをくらった子供ような目で俺を見た。



「どうだろうな・・・。」




俺の否定じみた言葉に反応して、奴の目がゆらりとゆれ、奴が奥歯を噛み締る。

奴の反応に俺の喉の奥から笑いがもれた。





「まあ、お前の秘密はこれからは俺が守ってやるさ。」






そうして俺たちの新しい関係が始まった。



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