〜「パケット」シリーズご紹介〜
『パケット』初登場
●1996年、セガトイズからピコ初の声で動くソフト「ボイスピコ」として『
ゆかいな森のパケット』が発売される。ピコ発売から3年後のこと。生物の生態や天気などを学ぶ理科、どのような場面で挨拶をするかなどを学ぶ、未就学児用の知育ソフトである。
私達はパケットという見習いピエロの男の子に話しかけ、男の子と一緒に森の中で四季を過ごす。生物の種類は非常に充実しており、登場する生物だけを数えても30種類以上に上る。「ボイスピコ」という名目で発売されたソフトではあるが、実際に言葉を発して進めなければいけない場面は1つしかなく(夏のページの仲間探し)、初代ではほとんどの場合絵本をタッチor●ボタンを押せば進める仕組みになっている。
●初代の特徴として挙げたいことは
パケットがよく動くということである。画面の中をあっちへ行ったりこっちへ行ったり、しゃがんだり、穴を覗いたり、見上げたり、耳を澄ましたり、怒ったり、とにかくよく動き回る。また、仕草も豊富である。道化師らしく目を回したり、凍ったり(?)と、『2』以上にドジを炸裂しているようにも思える。『2』になってからパケットがあまり動かなくなった……というわけではないが(登場キャラも増えたし仕方のないことではあるかもしれない)、初代の方がパケットに対し
かわいいと感じるポイントが多いのではないだろうか。
●Wikipediaの
キッズコンピュータ・ピコの記事(2013年8月15日アクセス)では、ピコのイメージキャラクターにパケットが挙げられている。
1996年-1998年のイメージキャラクター。青いとんがり帽子、サスペンダー付きの大きなズボン、白い手袋、大きな革靴、蝶ネクタイを身につけ、赤く丸い鼻を持つ見習いピエロの男の子。 1996年に発売されたピコ初のマイク内蔵音声認識ソフト『ゆかいな森のパケット』の主人公として初登場した。以降店頭販促資材などにイラストが活用されるなど、事実上のイメージキャラクターとなった。 |
管理人はこの時期幼児だったため実際にそうだったかどうかは確認出来ておらず。しかし数年間はイメージキャラクターとして活躍していたのが事実ならば喜ばしい。
『2』のフラグ
●初代パケットの説明書には、見習いピエロの仲間たち(後の『2』に登場する)の立ち絵の紹介と共にこんな一文が書かれている。
次回作が出ることを仄めかしていることから、『パケット』は次回作を出すほどの見込みが開発者側にはあったのかもしれない。
また、初代のエンディングにて、
今度のお話で「ピコピコのまほう」を使ってパケットが活躍するとも書かれているが、『2』ではピコピコのまほうは登場しない。
『パケット2』発売
●初代パケット発売から1年後、1997年に
『パケット2 ゆかいな仲間とゲームで数遊び』が発売される。ソフトと共にキャラクターのフィギュア、ぬりえ、シールが同封されていた。内容は小学1、2年生までの算数(答えが1〜19までの引き算と足し算)。数字、計算が多く出され、前作とは比較的難易度が高い印象を受ける(前作プレイヤーの成長に合わせた?)。
キャラクターが増え、初代で立ち絵のみだった仲間たちが主体となるページが存在している。初代では地球の森の中が舞台だったが、『2』では遊園地、サーカステント、メルヘンチックな土地など、森の四季とはまた違った楽しい場所が展開していく。地球に行ったことのあるパケットが再び地球を訪れたいと思っており、前回からの設定が引き継がれている。前作と同様ボイスピコとして制作され、声を発さなければ出来ないゲームが増えている。
初代との違い
●ゲームをプレイする前に難易度の設定が出来るようになっている。難易度は4段階で、数字が大きくなるにつれ難しくなる。ゲームによっては高難易度に設定すると大人がプレイしてもクリアするのは厳しい。
●初代では子供と大人の声の性質が違うため「おとな」のボタンを押して設定する必要があったが、『2』からはそれが無くなっている。
初代では特定の言葉を絵本上でタッチした際、キャラクターは何の合図もなくごく自然に反応していた。『2』では、絵本上のキャラクター名をタッチすると、ゲーム内で子供の声がキャラクターの名前を読び(神の声?)、「ピロリロ♪」という効果音が鳴ってからキャラクターが反応するようになった(効果音が合図になっていてタッチが有効かどうか分かり易い)。
●キャラクターがプレイヤーに話しかける場面が数多く用意されており(特に、キャラクターが画面手前に登場する点が大きい)、
よりキャラクターが身近に感じられるよう作られている。
次回作への期待
●『2』に登場した子犬のユッピーは『3つのしっぽ』というソフトに登場した。以降、パケットはいまだどこにも登場していない。
ただ、エンディングにて、パケットはこんな言葉を残している。
「いっしょに遊んで楽しかった〜。またあそぼうね。約束だよ!」
また、エンディングの1枚絵の下には
To be continueと書かれている。いつでも戻って来られるようにしたのではないかと思うと涙がこみ上げてくるようである。
●名前を呼ぶとキャラクターが返事をしてくれたり、言葉を発してゲーム内のギミックを動かす手助けをしたり……私達はゲーム内のキャラクターと「おしゃべり」している感覚を得ることが出来る。今でこそ音声認識を利用したゲームがたくさんあるが、そういったゲームが少なかった90年代の頃、子供だった頃のプレイヤーは愛着を持ちやすいゲームだったのではないだろうか。私個人としても、『パケット』はとても思い出深い作品である。またどこかでパケットが登場してくれることを願いたい。
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