13.死に場所




ある日僕は、心に癒えぬほどの傷を負った。
塗り重ねてきた傷が限界を超えて、
僕は、全ての破壊を望んだ。
僕を傷つけた君。
僕を傷つけた世界。 すべて、全部、粉々になってしまえ。
何もかもいらないよ。
止まない慟哭。
乾いては零れ、乾いては零れる涙に、顔を覆う。
もう何も見たくない。
そう思った。
でも何も出来なかった。その術さえ持たない僕は。
自分の世界を閉ざすことくらいしか思いつかなかった。



真夏の青空が、目に焼きついて痛い。

澄み切った青い世界が憎らしかった。
走って走って、どれだけ走ったか分からない。
気がつけば、遥かな高みから飛んでいた。
この世界に別れを告げたのだ。
地には、抜け殻が横たわり空からそれを眺める。
あっけないものだな。
笑みが顔に広がってゆく。



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