モノカキさんに30のお題 このページに直接書いてないものはタイトルの 下にリンクまたは案内があるのでそこを参考に飛んで下さい。 00. お名前、サイト名、そして抱負を聞かせてください 01. はじめまして(白き桜に眠る日より) / 02. 秘めごと / 03. 鬼 / 04. 遊園地 / 05. 雨 06. レトロ / 07. 携帯電話 / 08. 境界 / 09. 冷たい手 / 10. ドクター 11. 37.5 / 12. 罪 / 13. 螺旋 / 14. きせき / 15. シンドローム 16. 涙 / 17. 君は誰 /18. 砂糖菓子 / 19. 予定外の出来事 /20. モノクロ 21. Cry for the moon./ 22. ふたり / 23. 永遠 / 24. 3K / 25. 棘(とげ) 26. パンドラ / 27. 迷い子 / 28. 記憶 / 29. おかえり / 30. And that's all ...?(それでおしまい) ↑ お題をクリックすると、作品にとびます。
01. はじめまして(白き桜に眠る日より) UP↑ 02. 秘めごと 胸の中に秘めていました。 ずっと長い間、隠し通してました。 大好き。 微笑んで、優しさを振りまいて。 擦り寄る心の奥底で、私がどう思っていたのか知らないですよね? どうしても近づなかなければならなかったから、 本当の気持ちじゃなく偽りの態度で接していたのです。 私の演技は完璧だった。 恋をしている振りだなんて分からなかったでしょう。 本当はね、全て嘘偽り。 あなたに近づくのに手段なんて選べなかったんだ。 誰よりも憎くて私の心を占めるあなた。 ある意味この執着も愛情に近いかもしれないですね。 来る日も来る日もあなたのことを考えない日はありませんでした。 私の母と弟を、目の前で殺したあなたのことを。 分かりやすく言えば復讐でしょうね。 ここまで来るのに私はどれだけ努力したかしれない。 ああでもね、私はあなたをどうにかするつもりはないの。 私が苦しんだ同じ分だけ苦しんでくれれば満足だから。 いってること間違ってないでしょう。 じゃあ、また明日。 朝ごはんはミルクに浸したパンの耳にしますね。 言っておきますけど、簡単にはここから出れませんよ。 死のうなんて考えないで下さいね。 私は世界で一番憎くて好きな彼に微笑んだ。 手首には戒めが食い込んで綺麗ね。 UP↑ 03. 鬼 鬼、とか人に向かって平気な顔でいうあなたは 鬼を見たことあるっていうの? 昔話にくらいしか出てこない存在に 例えるのはやめて。 嘘っぽいし、逆に笑えちゃうよ。 傷ついたりするどころか、おかしくてさ。 UP↑ 04. 遊園地 あなたと二人回るメリーゴーランド 時にはテンポがずれる事もあるけれど、かけがえのない場所。 UP↑ 05. 雨 降りしきる雨の中、貴方を想う。 帰らない日々。 愛し合った過去。 全てが記憶の底で今も音を立てている。 戻りたい。 戻れない。 会いたい。 会えない。 愚かに繰り返して涙を流す 雨に溶けて混じった涙を手のひらに掬い口付ける。 声なき叫んで貴方を呼ぶ。 『ねえ私の名前を呼んで』 両手で顔を覆う。 雨が体を濡らし、私を優しく包み込んだ。 今はあえない貴方。 一体どこにいるのでしょう? 今度訊ねてもいいですか。 貴方の顔を見て一言交わせたらそれでいい。 きっとそれで想いを断ち切るわ。 UP↑ 06. レトロ 太古から人が知っている。 愛し方。 憎み方。 涙を流すこと。 言葉を話すこと。 単純だけど、愛しい。 どれか一つでも知らなければ生きていられない。 UP↑ 07. 携帯電話 トゥルルルル……。 鳴り続けるコール音に、両腕で耳を塞ぐ これで何度目だろうか? 毎日毎晩同じ名前がディスプレイに表示される。 止めて。もうかけて来ないで。 忘れようと決めたのよ。あなたのことは。 これ以上私の心を掻き乱さないでよ。 こうしている間にも涙が落ちる。 会いたいけど会えない。 きっとまた同じことの繰り返しだから……。 あなたに堕ちるわけにはいかない。 UP↑ 08. 境界 ここから進めない。 あなたと私の前にある壁を越えられない。 壊したいけれどできなくて、 唇を血が出るほどに噛んだ。 あなたをじっと見つめる。 お願い。ここから連れ出して私を。 強い懇願を込めて、視線を送る。 目の前で迷う彼女。 どうすればいいのだろうか? この手を取ってもその先に光があるとは 限らないのに……。 けれど、そんなに苦しんでまで俺を待っている。 俺の差し出す腕を待ち望んでいるのだ。 想いを込めて強く腕を引いた。 小さな体を抱き寄せ、口付ける。 「先生……」 切ない声を漏らし、彼女 は微笑んだ。 担任しているクラスの一生徒を愛してしまうなんて 前代未聞だ。 愛する気持ちをこれ以上抑えることは苦しい。 彼女は3月に卒業してしまう。 その前に想いを確かめ合いたかった。 「愛しているよ、紫」 「私も先生を愛してる」 激しい抱擁を交わす。 一つだけ結ばれた約束。 それは、彼女が大学を出たら結婚しようということ。 今はこれ以上望まない。 裏庭の寂れたプレハブ小屋の中、 二人はいつまでも寄り添いあっていた。 UP↑ 09. 冷たい手 冷えた手を握り締める。 こんなに凍えて。 心を濡らして。 傷ついてしまった君をどうやれば慰められるかな。 僕の頬に当てた君の手は、温もりを失くし、 どうしてあげればいいか戸惑う。 抱きしめて。 小さく祈る。 この手をずっと握っていて欲しいの。 体の震えが止まらないから側にいて。 肩口に、滴が落ちてきた。 瞳閉じたまま、彼女は泣いている。 泣かないで。泣かないで。 僕は君が愛しくて仕方ないよ。 どうすればいい? どうしたら温もりを分け合えるの。 切ない気持ちが込み上げて、彼女をきつく抱きしめた。 弱弱しい力で抱き返してくる。 好きだよ。 もう離しはしない。 だから……。 UP↑ 10. ドクター 「先生……!? 」 取り落としたメスが回転する。 医師は、額を押さえて悶えていた。 「大丈夫だ」 流れ落ちる汗は、床へと落ちてゆく。 震える左手を右手で押さえる医師。 「他の先生に代わって頂いたほうが……」 看護婦が心配そうに、話しかける。 「大丈夫だと言っているだろう!」 医師は怒り狂い、再びメスを握った。 開かれた患者の体が目の前で、医師の治療を待ち侘びていた。 UP↑ 11. 37.5 37・5万光年先のあの星へ行きたい。 連れて行ってよ、ねえ。 太陽からずっと遠いあの星で愛し合いましょうか。 心配しないで、誰もいないよ。 私達があの星の初めての住人で初めての死者。 綺麗なのよ。望遠鏡でも見えない距離のあの惑星は。 UP↑ UP↑ 13. 螺旋 追い駆ける程あなたは逃げてゆく。 私の知らない世界へと行ってしまう。 曲りくねった螺旋状に連なる道を迷うことなく突き進み、 私を遠ざける。言葉は届かず、あなたを求めてひたすら 彷徨うだけ。何もいってくれないから、 想いを封ずること ができないよ。助けて。 冷静な顔で、見下ろすのは止めて。 ”来るな”という言葉をくれたら私は、もうあなたを 追わないのに。そうしてくれないから 螺旋状に迷い、あなたへの道を進むしかなくなる。 たとえ、あなたに辿り着けないとしても。 もう戻れはしない UP↑ 14. きせき ずっと彼が好きだった。 心密かに憧れ続けて、やがてその気持ちは恋になっていった。 彼は優しくて包容力のある大人で、子供の私なんかじゃ 釣り合わないと半ば諦めかけていた。 けれど、思い切って想いを打明けた時、意外にも彼は優しく 受け入れてくれて、私は胸がいっぱいになった 眩しい夏、 穏やかな秋、切ない冬。 幾度か同じ季節を過ごし、私達は共に暮らすようになった。 結婚までたどり着くのは容易ではなかったけれど、 今となっては全てが良い思い出。 膝では小さな子供が、すやすやと寝息を立てて眠っている。 瞳を閉じると、過ぎ去りし過去が走馬灯のように過ぎるのを感じた。 UP↑ 15. シンドローム 一つ手に入れるとまた別の物が欲しくなる。 チープな物ばかり根こそぎかき集め、自分の周りに並べて 安心する。すぐに曇ってしまいそうな輝きに照らされて 私は生きてるんだと、安堵。 寂しがりや症候群。 独りでは生きられないの。だけど高いモノは手を出せないの。 チープな紛い物ってすぐ飽きちゃうんだけど、 一時さえ安らぎをくれればいいのよね。 UP↑ UP↑ 17. 君は誰 (光と影のお話) UP↑ 18. 砂糖菓子(sweetdrop) UP↑ UP↑ 20. モノクロ 色のない世界。 無駄な物がなくて美しいリアルワールド。 余計な色彩に染め上げられてないから、 自分の好きなように一から作れるんだよ。 白く、黒く、赤く。 汚される前に自分で色を染めてしまえ。 UP↑ 21. Cry for the moon. Cry for the moon 22. ふたり(sweetdrop) UP↑ 23. 永遠 永遠を夢見るぐらいなら今を大切に生きる 物事には終わりがあるからこそ面白いのだ 未来永劫途切れぬ事なんて退屈で仕方ないよ ねえそう思わない? 一瞬のきらめきさえあればいい 続いていくことだけが全てじゃないだろ 終わりがあるから楽しいのさ その一瞬一瞬に命を燃やせるんだ 永遠なんて唯の絵空事に過ぎない なんて言ったら夢がないって言われちゃうのかな UP↑ 24. 3k UP↑ 25. 棘(とげ) チクリ。 胸に小さな棘が刺さる。 この痛みは何? 痛いんだけれど時々、甘くて抗う気分が起きない。 ズキズキするけど、嫌じゃない。 こんな感情どうかしているのかも。 痛みさえ喜びに感じるなんて。 幸せなどないのに、心地よいなんてね。 クス。 不自然な笑みが零れる。 唇をきつく噛むと血が滲み、鉄の味が広がってゆく。 マゾヒストって呼んでもいいよ? UP↑ 26. パンドラ やさしさという感情はあなたから引き出してはいけなかった。 あなたにとっての優しさと私のとっての優しさは 同義じゃなくて 世界を狂わせていく。 ああ、箱を閉じなきゃ、駄目と思うのに いつの間にか絡め取られて 何も出来なくなっていた UP↑ 27. 迷い子 この世界に独りぼっちで取り残されたみたいな気分。 ぽつんと置き去りにされたみたい。 「どこにいるの……」 愛しい、大切で大好きな人。 私を守ってくれて私が守りたいと思うたった一人の君。 どこへ行ったのですか!? 手を取り歩いて……ねえ。 指を絡ませて同じ場所を見つめて! どうしようもなく寂しいよ。 不安なんだよ。 迷ってしまったら戻れるかどうか分からないんだもの。 UP↑ 28. 記憶 生きてく上で勇気にも枷にもなるもの。 記憶が鮮やかな情景を纏えば思い出。 UP↑ 29. おかえり 「おかえり」 たった一言なのに、どうしてこんなに胸が安堵するの。 それは、あなたが帰ってきてくれて嬉しい。 無事でよかったって気持ちが込められているからね。 ふと頬が緩む。涙が知らず零れていた。 「何泣いてるの? おかしな子ね」 ふふと優しく笑って頭を撫でてくれる手を、 悲しませることがないよう、私は手を離さない。 「ううん、何でもないよ」 UP↑ 30. And that's all ...? (それでおしまい)<闇の中の終焉より> 終わりなのね。 これでと心の中でだけ呟いた。 予期せぬ出会いと始まってはいけない恋。 彼は私を抱いている時、別の女の人の影を重ねてた。 熱く激しく抱いてくれるほど、彼女への想いの深さを感じて本当は 苦しかった。言えなかったけれど。 側にいるだけで幸せだったから。 「…………」 これであの人の名を口に乗せるのは最後。 鏡を見つめながら、鋏を握りしめる。 あの人の知らない私になるの。 あの人の好みじゃない別の私に生まれ変わる。 髪を明るい色に染めて短くして。 パサリ、パサリ。床に黒髪が落ちてゆく。 あの人が偽りで愛した私がこれで消える。 さようなら、さようなら、あなた。 こんどは愛するんじゃなくて愛されるように生きるわ。 UP↑
by モノカキさんに30のお題 (現在は配布終了されています)
|