ティーカップ

※100のお題20番「遠隔操作」の饒舌な友人視点。色々すいません。
 本編とは切り離して考えてくださると幸い。



…これでいい。


無理やり顔にはりつけた笑顔は簡単に崩れた。
奴らがドアの向こうに消えるまでもっただけありがたい。奇跡だ。


「さて、仕事も終わったしなぁ」


の飲みかけの紅茶はまだ十分味を保てるような温度。
つまり、アイツはそんな速度で俺の部屋からお姫様を掻っ攫っていったってことだ。
分かっていたけど、思っていたより現実は呆気ないものだった。
幸い、共有の流しは奴の部屋とは反対方向。
顔はあわせずにすむ。
廊下に出た俺は誰かがかける大音量のポップスにまぎれるような声でぼやいた。


「…しかし、なあ」


現実は容赦ない。
の片思いなら、どうにか出し抜くこともできただろうに。
の片思いなら、なんとか振り向かせることもできただろうに。

両思い。

そりゃ、打つ手なしだ。
の片思いを口実に話しかけたとたんに本人から頬を染めて相談されるなんて、なんて皮肉だ。
絶妙のタイミングで判明した事実に、いくら俺でもさすがに白旗を挙げざるをえなかった。



一瞬だけためらって、俺は潔く手を傾けた。
さっきまで俺の部屋にがいた証は、重力にしたがってあっさり流しに消えていく。
未練なんか、あるものか。
奴らに協力するって決めたのは、俺自身だ。



さて。
俺の役目は終わったことだし、どこかに出かけますかね。


まだしばらくは俺自身が望まないであろう、新しい恋でも探しに。


本編のほうを書いてる途中で、やけにキャラのたった友人の動向が(我ながら)気になってしまって。
自分の部屋の中で友人達が抱き合ってたらどんな気分だろう、なんて考えが頭をよぎってしまったのが運の尽き。
本編はわりとちゃんとハッピーエンドにしたはずだったのに、こんなことしてすいませんでした。

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