043:確信犯(言葉を正しい意味で使ってません。ごめんなさい)
正直に言おう。
俺は、あいつが嫌いだ。
アイツはいつも、気がつくと俺のそばにいる。
「ねえねえ、次の授業なんだっけー?」
「バーカ、昼休みだろ」
「あ、そうだったー!ね、。お昼一緒に食べようかー」
「知るかそんなの」
俺はアイツの、ガキみたいな笑顔が嫌いだ。
「ー、球技大会何出るの?」
「には関係ない」
「いいじゃん、教えてよー」
「…」
俺はアイツが頼み事する時の、上目遣いが嫌いだ。
「なんで教えてくれないのー?」
「に教える必要ねーだろ」
「どうしてー?の意地悪」
俺はアイツの子どもみたいなふてくされ方が、嫌いだ。
「おい、」
「何ー?」
その、ガキっぽさをとおりこして無邪気な振り返り方も。
「…別に」
「何よー、気になるなぁ」
意味もなく伸びる語尾も。
「あ、分かったー」
「何がだよ」
これからイタズラでもするみたいな弾んだ声も。
「、私のこと好きなんでしょ?」
心の奥まで見透かすような透き通った目も。
「どうしてそうなるんだよっ!」
「だって、はいつも私のこと見ててくれるから」
「…がただ寄ってくるだけだろ!」
「そうかなー?」
からかうフリして、俺から告白させようとしてる、その態度も。
「でも、は私のこと追い払わないよねー。」
「3秒後にまた戻ってくるやつ追い払っても仕方ないだろ!」
俺がの事好きだって分かってて、それを確かめようとしてるのも。
「だったら、クラス公認のカップルになれるまでくっついてようかなぁ」
「なんで俺がと…」
「嫌?」
突然、俺の心臓が悲鳴をあげそうなほど真剣な表情になるのも。
全部、嫌いだ。
「俺、お前の事嫌いだから。でも」
でも。
「それ以上に俺がの事好きだって、自分で気付いてんだろ?」
俺がそう言うと、あいつは「まあねー」って言って苦笑した。
「この、確信犯」
俺の気持ち、知ってるくせに。
知ってて、そばにいるこのしょうもない女。
そういう確信犯なところが…結局、俺をひきつけてるんだろう。
「いいじゃん、これでやっと両思いだってハッキリしたんだからー」
だけど、。
俺だって意外と、確信犯なんだからな。
甘く見るなよ。
「何言ってんだよ、。
俺はお前の告白、一度も聞いた事ねーぞ」
「えっ…」
普段は余裕たっぷりのくせに、からかわれるとすぐ赤くなる。
だてにずっと、そばにいたわけじゃねーって事。
「なんだ、俺、に片思いしてたのかー」
「ちっ…違う!」
「じゃあなんだよ?」
「分かってるくせにー!」
「さあ、わかんねーな」
顔を真っ赤にしたあいつは、いつもの上目遣いで。
「わたしっ…の事、大好き…」
「よしっ」
珍しくうつむいてるの頭に、手をのせる。
そのまま、軽くなでてやる。
「今日から俺の彼女だからな。浮気すんなよ」
「そっちこそ!」
気が強くて、ガキっぽくて、確信犯のしょうもないヤツだけど。
正直に言おう。
俺は、こいつが好きで好きで仕方ない。
比較的マシに書けたかも知れないこれ…。
男の子視点初挑戦でした。。
実はこの話、<甘く見るなよ。>という文を書きたかったがために生まれたのです。
一回言われてみたいなぁ(汗