Catch the girl
「…分かってるのになぁ…」
私のため息を聞いて、悪友のマナミが笑う。
コイツはいつもそうだ。恋愛の事になると、全然頼りにならないどころかからかうばっかりなんだから。
「なになに?分かってるの?じゃあさっさと告っちゃいなよ、♪」
「…簡単に言わないでよね。出来たらとっくにしてるわよ」
「なんでだよー、なら大丈夫だって。今まで何人も男泣かしてきたんでしょー?」
「泣かしてないっ!」
…マナミときたらいつもこの調子。
私が本気で悩んでるって言うのに。
大好きな先輩がものすごい人気者で…私なんかじゃとても告白しても成功しそうにないって分かってて
面白半分で告れとか言うんだから。
「へぇー、って男泣かせなの?意外じゃん」
「だから泣かせてないって!……だいたいなんでが話に入ってくるのよ?」
「いーじゃんいーじゃん、俺も女の子と話したいお年頃なのよ♪」
「……はぁ?」
…マナミにも十分困ってるって言うのに、追いうちをかけるように横からからかってくるのは。
とにかくおしゃべりで…まぁ、なんとなく憎めない奴であることは、間違いないんだけど。
「が男泣かせかぁ〜。ま、分かるような気もするし、分からない気もする」
「何それ?」
「は俺ん中じゃどっちかっていうとそんなに遊ぶ方じゃないイメージだから、ちょっと信じらんねぇかな。
…でもある意味じゃお前ホントに男泣かせだもんな」
「ある意味?」
私が首をかしげた瞬間、マナミが唐突に爆笑しはじめた。
いったい何がおかしいって言うのよ。
「おい、そこの女子は黙る!ってか俺との会話聞くな!」
「あっははは……分かった分かった、頑張れよーお二人さん♪」
私が状況を理解できないうちに、マナミが教室からさっさと出ていってしまった。
…なんかよく分からないけど、はめられた気がする。
「…ちょっと、あんた何私の親友追い出してるのよ?」
「だってそのほうが都合いいだろ?いろいろと!」
「いろいろ?」
がニヤニヤ笑いを浮かべながら私の肩にぽんと手を置いた。
「まあ、話すにしてもなんにしても…彼女と二人っきりでするもんじゃん、普通?
…ま、その前に俺の場合はお前に告白するトコからはじめないといけないんだけどさ」
「……………」
ゆっくりゆっくり、考えて。
ようやくが何を考えてるのかハッキリした瞬間。
私は気がついたらを怒鳴りつけていた。
「馬鹿!私、好きな人いるんだから!」
「知ってる」
「じゃあなんで…叶わないって知ってるのに告白するの?」
「…」
「叶わないのに告白したって、傷付くだけじゃん…」
「…いいじゃん、それでも。
ほら、俺勇敢だから……なんにも言えないうちにお前の事あきらめなきゃいけなくなるくらいだったら、
自分から玉砕した方がまだあきらめもつく…」
「勝手に玉砕しないでよ、馬鹿!」
「…はぁ?」
何がなんだか、自分でもあんまりよく分からなかった。
でも気がついたら私は、肩に置かれたの手を、しっかり握りしめていた。
「…あんたほど勇敢じゃない私は、たった今この瞬間に、あの先輩をあきらめたの。」
「え、…?」
「。私、あんたの勇敢さ……好きになったよ」
「…」
…冷静に考えたら、私、とんでもない事を言ったような気がする。
告白して来てくれた人にむかっていきなり逆ギレして、…そのうえ勢いで告白しかえしちゃったんだから。
だけど不思議と後悔はしなかった。
もしかしたら、私…最初から、の事……?
「…玉砕じゃなかったな」
「そうだね。」
「正直言って…今、めちゃめちゃ嬉しいんですけど、?」
「……そう。」
「キスしていい?」
「…へっ!?な、な、何いきなり言い出すのよ!」
「あ、言っとくけど……
ダメとか、言わせないから」
「…………。」
放課後の教室でかわしたはじめてのキスは……ちょっと強引で、だけど、すごく幸せだった。
自分でもなにを考えて書いたのだか思い出せません。…ちょっとばかり現実逃避の旅に出ていたみたいです(性
…なぜか友人が私の実在の友人にだんだん似てきてしまって…(汗
そしてヒロインの口調が普段の私にそっくりです。すいません;