「おくりもの」

※邪道ありえないカップリングです!
苦手な方は見ずに「戻る」してくださいますようお願いします。


「ねぇシャイア〜、エストス、見なかった?」
「チェグナスがエストスを探してるなんて珍しいわね。どうしたの?」
「え〜と…神父さんが、エストスのこと探してたみたいだったから…。」
「そうだったの。エストスなら下にいるわよ。」
「あ、ありがとう〜!」

ちょこちょこと走っていくチェグナスの後ろ姿を眺めながら、シャイアが首をかしげる。
ニールとエストスと言う組み合わせに少なからず珍しさを感じていたのだろう。
まあどこかの軽そうな男と違ってニール神父なら問題ないだろうと再び依頼書に目を落としたシャイアの横で、
約束事のようにアレクがくしゃみをした。

「なんだなんだ〜?まぁ、俺ってカッコいいからいつも噂されちゃうのかなっ?」
「………(無言で銃取り出し)」
「狽ーっ…さ、さぁて…ギムレットの所にでも顔出してくるかな〜…」

シャイアの逆鱗に触れないうちに、と慌ててシエスタを後にするアレクは、店の外で
じっとしているニール神父に気付かなかった。
気付いていれば心なしか緊張した普段らしからぬ彼を見ることが出来たのだが…。

「どうしたのチェグナス?」
「あのね、神父さんがエストスのこと探してたから、呼んできた方がいいのかなぁ〜って…」
「そうだったの、ありがとうチェグナス。神父様はどこにいるの?」
「お店の外で待ってたよ……多分。」

ハンターライセンスの取得のためにしていた訓練の手を休めて、エストスは階段を上がった。
何か面白いことが起こりそうだと察したファウストがエストスの身体を離れ、そっと後をつける。
シエスタにいたのが知り合いばかりでなければストーカーと間違われたかもしれない。
(…一言余計だ)
外に通じるドアを開けて、エストスはあたりを見回した。
そして日なたの壁によりかかったニールを見つけると、小走りに近寄る。

「あの…チェグナスから聞いたんだけど、私を探してたって…」
「ああ、エストス。わざわざ来てくれたのですね。ありがとう」
「いえ…でもどうしたんですか?私、何かしたかなぁ…」
(珍しいな。あの神父が緊張しているとは。それにしても…エストスは相変わらず鈍いな)

きょとんとしながら首をかしげたエストスに向かって、ニールが微笑んだ。

「大したことではないのですが…まだ貴女にお返しをしていなかったな、と思って。」
「…お返し?」
(…口実だな。何を渡すつもりだ?)

また首をかしげたエストスの手の届く距離まで近付くと、ニールが答える。
…片手に、何か持っているようだ。

「ええ、いつかもらったクッキーのお礼をね。」
「え、そんな…大したものじゃないのに、お礼なんて…」
「受け取ってください、エストス。」
「………ニール、神父、様……?」

さっと指にはめられた物に気がついて、エストスが驚いた。
派手ではないが可愛らしいピンク色の石のついた、指輪の意味は、エストスも十分に分かっていた。
まさかその相手が自分だとは、思っていなかったようだが。


【恋の成就】
(やはりそうか……クリスも厄介な相手を敵に回したな)

「あなたに…似合うと思ったので」
「いいんですか?神父様………」
「あなたにだから…渡したかったのですよ、エストス」
「ありがとう…ございます………」
(エストスもエストスだ…あの男の告白を受けるとは……全く、何を考えている)

頬を染めるエストスが愛しくて、ニールは一度右手に与えた指輪を外し、左手の薬指へとそれを移した。
恋の成就を手助けすると言われているローズクォーツの指輪を受け取ったエストスは、恥ずかしがりながらも
そっとニールの指先に自分の手を絡めた。


「…戻りますか?皆さんにも…報告したいことが出来ましたし」
「そうですね…神父様。」
「…名前を、呼んでくれますか」
「はい、……ニール」
(ああ…全く見ていられんな。……クリスを呼んでくるか)


ためらいがちに、ささやくように自分の名を呼ぶ少女の手をとると、
ニールは仲間たちに手に入れた恋を見せつけるようにしてシエスタへと戻っていった。
その後何とか邪魔を企てようとしたアレク・ファウスト・クリスの3人がどうなったのかは…
(………二度と思いだしたくもない)

女神教の女神のみぞ、知るところだろう。




ぎゃー、ご、ごめんなさいっ!!
こんな年の差カップル…いいんだろうか。(良くないです)
そして本文を反転させると出てくるファウストのつぶやき………エストスの父親ですか、貴方。

それにしても…無駄に甘ったるいですよね、後半。
エストスはクリスと幸せになって欲しいとか思ってるくせに…ホント、なにやってんでしょう私ってば。
これはもうダブル・クローとかクラッシュ・ヘブンとか喰らっても文句言えません、私。

ニール:大丈夫ですよ、すぐ文句など言えない状態になりますから…(微笑/開眼)
零:狽ミぃっ!(逃
ファウスト:…だから言っただろう、こんなものを書くなと(遠い目)

…なんとも曲者な文章、読んでいただきありがとうございました。

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