夜。
ベッドに座って、窓の外を眺める。
昼とは違った風景がとても不思議で。
昼とは違った静寂がとても心地良い。
「楽しかった」
「私はつまらなかった」
「あの人、笑えるのね」
「人間の感情なんて邪魔なだけ」
「手を差し出してくれたの」
「捕獲対象に怪我をさせたくないからよ」
「お菓子、買ってくれたの」
「懐柔したいだけよ」
「名前を教えてくれたの」
「名前なんて、なんの意味もないものよ」
「・・・私はベルグ、嫌いじゃない・・・」
「私は、大嫌い。殺してしまいたいくらいに、大嫌い」
「また、会えるかしら?」
「会うのよ。貴女と私を狙っている限り」
「楽しみね」
「そうね」
「今度会ったら色々お話したいの」
「今度会ったら、確実に、貴女から離れさせたい」
窓の外には人の存在ない。
θはたった一人で窓の外を眺め、
ランプの灯り消える頃、眠りに就いた。
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