祐巳は町娘の役。
聖はその娘を襲う不貞の浪士の役。
そして由乃は浪士を斬って町娘を助ける侍の役。

暇だから令の竹刀を使ってチャンバラごっこをしようと言い出したのは聖。
チャンバラと聞いて黙っていられない由乃がまず食い付き、
なりゆきで祐巳も参加することになった。

薔薇の館には他に志摩子しかおらず、たった一人の観客を前に、
気合満々の二名プラス一名で、即興の時代劇がはじまった。

舞台は幕末。
とある夜、祐巳が扮する娘は、
病気の姉のために買った薬を懐に抱き、パタパタと小走りに家路を急いでいた。
人通りのない場所に差し掛かると、不意に背後から声がかけられた。

「おい」

娘が立ち止まり振り向くと、
そこには一目で怪しいと分かる浪士が、腕組みをして立っていた。
聖である。

「無礼な娘だ。石を後蹴に致したな」
「え?」

突然言いがかりをつけられ、娘はきょとんとした。

「と、とんでもございません、旦那様。どうしてそのようなことを致しましょうか…」

ただならぬ気配を感じ取り、努めて丁寧な物言いで答える娘。

「いいや確かに、この方の脛に当たったぞ」
「で、ですが…」

娘は困惑した。

「ほほう、詫びぬと申すか?」

すると浪人は刀に手をかける素振りを見せた。

「ひっ…」

身の危険を感じた娘は慌ててその場にひれ伏し、土下座をした。

「も、申し訳ございません、旦那様。
なにぶん、急いでおりましたゆえ。どうか、お許しください…」
「なに、詫びるということは、やはり後蹴に致したな」
「い、いいえ、旦那様。私も知らぬうちに致してしまった事、
決して旦那様に当てようなどという心ではございませんでした…」

娘は必死に謝罪した。
しかし、もとより許すつもりなどない浪士。

「ええい、白々しい。かような無礼な仕打ち、
女とて容赦することはまかりならぬ。手打ちに致すぞ!」

待ちわびたとばかりに、浪士は自慢の長刀をズラリと引き抜いた。

「ひぃぃぃ?!!」

娘は仰け反り尻餅を付いた。
鈍く光る白刃に見下ろされ、恐怖のあまり腰が抜け、逃げ出すこともままならない。

だが浪士はその時、娘の顔がとても可愛らしいことに気が付いた。
戯れに試し斬りするつもりだったが、にわかにそれは惜しく思えた。

いや、どの道後で斬るにしても、
せっかくだからその前に、少々楽しんでも良さそうだ。
浪士がそんなふうに考えるほど、娘は愛らしい姿だったのだ。

「いや、俺とて許してやらぬ訳でもない。
なぁに、詫びると言っても、やりようは色々にあるでなぁ。クククク」

浪士は急に下賎な口調になり、邪悪な笑みを浮かべた。
そして娘に乱暴を働こうと、指をニギニギさせながら腕を伸ばした。
怯えて小さく縮こまる娘の体が、浪士の真っ黒な影で覆いつくされようとしたその時、

「浮浪のやからめ、そこまでじゃ!」

と、闇を切り裂くような威勢の良い声が突如浪士の背後から響いた。

「なに?!」

驚いて浪士が振り向くと、そこには一人の侍、
由乃が仁王立ちしていた。

「イヤここな不埒者めが、武士の風上にも置けぬ、言語を絶する不届きなり!」
「…あんだとぉ?」

浪士は向き直ると、口元をほころばせながら刀を侍に向けた。
もともと、浪士は人が斬りたかったのだ。
しかし侍は少しもひるむ気配なく、前のめりになりながら声を張り上げた。

「身どもは島津由乃と申す者、その娘共々打ち連れて、すみやかに番所へ参ろうぞ!」

だが、浪士は不敵な笑みを浮かべたまま、刀を収めようとはしない。

「…かく拒む上はよんどころない、武士道において談判つかまつる!」

侍はそう言って自らも刀に手をかけた。
直後、浪士は叫び声をあげ侍に向かって突進した。

「でぇやぁああ!!」

侍は「ハッ!」と一声を発し前に踏み出て身を低くすると、
目にも留まらぬ神速で抜刀し、浪士の胴を横一文字に切り裂いた。

「ぐはぁっ〜〜!!」

哀れ刀を振り下ろす間もなく一刀にて致命傷を負った浪士は、
ヨロヨロと二、三歩進んでから、バッタリと大の字に伏せ、
それっきり動かなかった。

侍は懐から手ぬぐいを取り出し血刀を丁寧に拭い、
腰を抜かしている娘に優しく手を差し伸べた。

「怪我はござらぬか?」
「は、はい…」

見つめあう二人。

とそこで、志摩子が拍手。
パチパチパチ。

「…というお芝居を、お姉さま方がいらっしゃる前にやって、白薔薇さまと遊んだんです」

帰り道、祐巳は薔薇の館での出来事を祥子に話した。
乱暴されそうになるくだりで聖の演技が妙に上手くて怖かったことや、
侍になりきった由乃がすごく格好良くて、
最後手を差し伸べられたときに思わずドキドキしてしまったことなどは、
とりあえず内緒にしておいた。

「あらそうなの。私も見てみたかったわ」

祥子は優雅に微笑んでいたが、内心では、

(町娘に扮した祐巳…ハァハァ…わ、私も浪士役で祐巳に乱暴したかったわ…!!)

と、決して穏やかではなかった。

なにしろ既に暴行の前科一犯。
普段は今までと少しも変わらぬ祥子であるわけだが、
ふとしたきっかけでたちまち思考が暴走してしまうのだ。

「祐巳は演技の才能があるのではなくて?」
「そ、そんなことないですよぉ。エヘヘへ」

祥子が褒めてあげると、祐巳は少し大げさに照れた。
その仕草が、とてつもなく可愛かった。

(〜〜〜!!)

祥子はもうたまらなかった。

(私も祐巳と“ごっこ遊び”をしてみたいっ!!)

役割を決めて、それを演じる。
祥子の念頭にあるのはもちろん、『性的な』ごっこ遊びだ。

けれども、長ったらしい筋立てが思い浮かぶわけではなかった。
祥子が妄想するのは、ごく単純な設定だった。
必要なものは、小道具一つだけ。
すなわち、コスプレ用のタヌキ耳だ。

そうして祐巳をメスタヌキに見立て、祥子がその上に乗っかって、
後はひたすらベッドの上で交尾をするのだ。

すなわち、繁殖ごっこ。

(タヌキ耳を付けた祐巳…タヌキの祐巳…メスタヌキ…)

想像しただけで祥子の小鼻が膨らんできた。

(祐巳がタヌキなの?!タヌキが祐巳なの?!)

訳の分からない自問をしながら、
帰宅したら早速タヌキ耳の手配を急がなくては、と決意する祥子だった。

そして数日後。

「あのぉ〜、お姉さま。小道具というのは、本当にこれなんでしょうか…?」
「ええ、間違いなくてよ」

気まずそうに尋ねる祐巳に、祥子は自信満々に答えた。

(あ、あれ、おかしいな、お姉さまが『お芝居をして遊んでみたい』って仰るから、
私の部屋にお呼びしたのだけれど…このタヌキ耳は何?!)

祐巳が困惑するのも無理はない。
要するに祥子はコスプレ用具を持参して『ヤリに来た』だけなのだから。

「こ、これはちょっと…」

そもそも祥子の意図が分からない祐巳がタヌキ耳を装着することをためらっていると、
見かねた祥子が二組のうちの一つを手に取り、それを自分の頭に付けてみせた。

「お、お姉さま…」

すると祐巳の顔がみるみるうちに赤くなった。
なんとしたことか、意外に似合っているのだ。

キレイな長い黒髪に茶色い丸耳がちょこんと乗っている。
生来の圧倒的な美しさに全く未知の可愛さが加わっていた。

「さぁ、祐巳もお付けなさい?」

祥子に言われると、祐巳はもう拒めなかった。
けれどもやはり恥ずかしいので、後ろを向いて取り付けることにした。

祥子に背を向けたまま、恐る恐るタヌキ耳を頭に乗せてみた。
それは思った以上に軽く、一度付けるとほとんど忘れてしまいそうなくらいだった。
両方の手でそれぞれの耳をしばらく撫でてみてから、祐巳は意を決して、祥子のほうに向き直った。

「い、いかがでしょうか、お姉さま…って、お姉さま?!
きゃぁっ、どうして裸なんですか?!」

振り向いた途端、祐巳は悲鳴をあげ顔を手で覆った。
祥子はいつの間にか全裸になり、
ガチガチに勃起したペニスを祐巳の顔の前でユラユラと左右に動かしていたのだ。

「どうしてって、繁殖ごっこをするからに決まっているじゃない」

祥子は事も無げに言った。

「祐巳がメスで、私がオスのタヌキになるのよ。
さぁ、準備が出来たから、今すぐ私と交尾なさい、祐巳ぃぃっ!」

「え゛、ちょ、待ってください、お姉さま…うわっ?!」

祐巳は猟師に捕まったタヌキのように祥子に抱き上げられ、ベッドの上にポイと投げられた。
そしてスカートをめくられ、パンツもぺろんと脱がされた。

祥子は鼻息を荒くしながら、祐巳の小ぶりながらもムチムチしたお尻の割れ目に顔を埋めた。

「ひゃっ、そ、そんな、汚いですよ、お姉さま…」

祐巳が足をパタパタと動かした。
そんな気など全くなかった祐巳が事前にお風呂に入っているわけがないし、
ましてや下着を新しいものに替えているわけがない。
当然、祥子が脱がせたパンツの内側は、色々な染みが付いて汚れてしまっていた。

けれども祥子はそんなことなど全く気にならなかった。
むしろそんな祐巳が愛おしくてどうしようもなかった。

「や、お姉さま、そんなところ舐めちゃダメです、
くすぐったいですって、フフフ…アハハ…」

祥子が舌を出してその場所をベロベロと舐めだすと、はじめのうち祐巳は笑い声をあげた。
しかし、ネチャネチャと音を立てながら執拗に舐め続けられると、
その声は次第に小さくなってゆき、やがて静かになった。

「…ッ、…ンッ、…ンッ」

代わりに祐巳の口から、小さなあえぎ声が漏れた。
祥子は割れ目を指で開き、小さな穴の入り口を舌先でつつき、
敏感なクリトリスを唇で挟みながら、チロチロと丁寧に舐めまわした。

それは祐巳のためというより、祥子自身の欲求を満たすための行いだった。
けれども、結果として祐巳は半ば強制的に発情させられてしまった。

「あっ、あっ、あっ、ああああっ…!!」

祥子が人差し指を使い、卑猥な動かし方で祐巳のクリトリスを愛撫し、
徐々に動きを早めてゆくと、祐巳は上体を反らせ、一度達した。

「あっ、あふぅ、あぁぁ…あぁぁ…お姉さまぁ…」

シーツに顔をこすり付けるようにしながら、祐巳が呼びかける。
だが祥子は何も答えなかった。

「はぁー、はぁー、はぁー」

祥子はただ口で息をしながら、うつ伏せの祐巳に乗っかった。
ペニスから滴った透明な汁が祐巳のお尻の上に落ち、鈴口との間にいくつもの糸が出来た。
そのペニスを握りしめ、祥子は祐巳の膣に挿入した。

ニュルリと先端が入ると手を離し、お尻を鷲掴みにすると、背筋を伸ばし無言で腰を振りはじめた。
ギシギシギシギシ、とベッドが音を立てた。
祥子の姿は本当に獣のようだった。

「あっ、あっ、あんっ、あんっ、あんっ!」

部屋には祐巳の鳴き声だけが響いた。
祥子は黒髪を振り乱し腰をピストンさせた。

祐巳の小さな割れ目が、その幼さを残した外見とは不釣合いなまでに大きく広がって、
祥子のペニスを飲み込んでいる。
淡いピンクの内部では、とろとろのヒダがペニスを引き込むように奥へと向かってニュルニュルと動き、
特別に締まりが良い入り口部分の粘膜は、ピストンされるたび伸びたり戻ったりを繰り返しながら、
ミルク色の愛液を亀頭にたっぷり絡ませつつ、まるでキスをするようにチュパチュパと熱心に吸い付いた。

あまりの快感に祥子は小鼻を膨らみっぱなしにしたまま、夢中で腰を振った。
ペニスを膣に出し入れさせる単純な繰り返しは、
フタナリ祥子の動物的な欲求を、これ以上ないくらい分かりやすく満たした。

腕を伸ばして乳房に触れることもせず、ましてや口付けなど一度も交わさず、
人間らしい愛情表現が一切無いまま、祥子はひたすら祐巳のお尻を捕まえて、腰を振り続けた。

それは、フェロモンを吸って発情したタヌキが、
メスの上に乗っかって、必死で交尾をしている姿そのものだった。

祥子はとうとう我慢が出来なくなると、祐巳の耳に噛み付いた。
もちろん、本当の耳にではなく、タヌキ耳のほうにである。

「イッ、イクッ、出るわよ、祐巳っ、射精をするわっ、私の子を孕みなさいっ!」

耳をかじって祥子は叫び、狙いをつけるためペニスを一番深くまで押し込むと、
汗で濡れた背中を反らせ、緊張した。

「ほぉぉぉんっ!イッ、イックッ!出るぅぅぅぅっ!!」

ビュルルルルーッ!!ビューーーッ!!

スイッチが入ったようにペニスが高速でビクビクと脈打つと、
少し遅れてから真っ白な精液が大量に発射され、全て狙い通りに祐巳の中に入っていった。

ビューッ!ビューッ!ビューッ!

「おっ…おぉっ…おぉぉぉっ…」

ペニスは同じ間隔で脈打ち、一定の量の精液を発射すると、十数秒後に射精は終わった。
その間祐巳は、シーツを握りながらフルフルと体を震わせ、大人しく種付けされていた。

「ほぉぉぉ…おっ、おぉんっ…」

射精が終わるとすぐに、祥子は膣の締め付けに耐えられなくなり、たまらず腰を引いた。
押し出されるように摩擦で真っ赤になったペニスが膣から勢い良く飛び出すと、
重たい亀頭がブランと垂れ下がり、尿道に残っていた精液が鈴口からポタポタと滴った。

「はぁ、はぁ、…ふぅ。とても良かったわよ、祐巳」

そうしてすっかり“ごっこ遊び”に満足した祥子は、
ベッドから下り半勃ち状態のペニスをティッシュで掃除すると、
そそくさと衣服を着込んで、涼しい顔をした。

まるで何事もなかったかのように、いつもの祥子に戻っていた。
だが、頭に付けたタヌキ耳のことはすっかり忘れているようで、そのままになっていた。

祐巳はベッドに横たわったまま、

(お姉さま…これじゃあ“ごっこ”じゃなくて、本当に妊娠しちゃいますよ…)

と思った。

祐巳の小さな穴からは、祥子が出した大量の精液が、
ホカホカと湯気を立てながら、泡と共に流れ出していた。

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