カーチャと華が二人で街を歩いていると、すれ違う人間は皆、穏やかな表情を浮かべる。
それはまるで、じゃれあっている愛くるしい小動物を眺めるかのような、優しい視線。
金髪碧眼の目が覚めるような美少女が、嬉しそうにスキップをして、
少しツリ目の、しかしこれまたなかなかに可愛い容姿の女子高校生と手を繋いで歩いている。
少女がこんなにも楽しそうなのは、これからお姉さんに欲しいものを買ってもらえるからなのだろうか。
それとも、少女はただ、大好きなお姉さんと一緒に街を歩けるだけで、嬉しくてたまらないのだろうか。
少し扱いを誤ればすぐに傷ついてしまいそうなほどに華奢で小さなカーチャが浮かべている笑顔は、
むしろ後者の可能性ほうが高いと思わせるほどに純粋だった。
例え1000人とすれ違ったとしても、この二人が奴隷と主人の関係であるなどとは夢にも思わないだろう。
いや、仮に一人だけそう邪推する者がいたとしても、
どちらが主人かを正しく言い当てることだけは、絶対に出来ないだろう。
どこからどう見ても、保護者は華で、手を引いてもらっているのはカーチャのほう。
しかし実際には、街に連れ出してもらっているのは、華のほうなのである。
それはまさしく、犬の散歩だった。
*
「さて、この辺がいいかしら」
人通りが最も多い道をひとつ外れ、
さらに建物の裏側になっている細い道に入っていくと、カーチャは足を止めた。
「いいわよ、華。はじめなさい?」
カーチャに言われたが、華はきょとんとした。
「ええっと…何を、でしょうか…?」
「あんたが毎晩、私のパンツを使ってしていることよ」
「ええ??」
「オ・ナ・ニー、よ。フフフッ。だって、犬の散歩ですもの。
排泄の時間と場所はきちんと作ってあげないといけないわよね。
でも、あんたの場合、排泄よりもオナニーのほうがいいんでしょう?だったら、やりなさいよ」
「え、でも…こんなところじゃ…」
「家に戻ったらさせてもらえる、なんて考えたら大間違いよ。
今ここでしか、許してあげないわ。だからさっさとはじめなさい、このメス犬!!」
「は、はい、ごめんなさい、カーチャ様!…はっ、はぁはぁはぁ…」
カーチャに叱られると、華は“かゆみ”を催したようにスカートの中に手を突っ込んで激しく動かしはじめた。
その様子があまりにも滑稽なので、カーチャはクスクスと笑い声を漏らした。
「ふぅん。そうやって手を動かすのね。今、どこを触っているの?」
「…ク、クリトリス、です…」
「いつも私のパンツのにおいを嗅ぎながら、そうして触っているのね?」
「は、はい…カーチャ様のおパンツのにおいを嗅いだり、舐めたりしながら、
いっぱいクリトリスを触って、気持ちよくなってます…」
「フフフッ。とんだ変態ね。向こうを見てご覧なさい。人に見られているわよ?」
「え?ええ?!」
華が横を向くと、通りを歩く人間が次から次へとこちらに気付いて、見ているではないか。
「や、やだ、見ないでぇ、見ちゃイヤぁぁ〜!!」
そう叫びながら、華は自慰行為をやめられなかった。
男は皆ニヤニヤしていたが、こんな昼間から路上でオナニーしている露出狂の女など
間違い無く頭がおかしい、と思われているらしく、むしろ関わろうとはしない。
そして女の場合は、ただひたすらに軽蔑の眼差しを向け、
腐敗した生ゴミを見たかのような嫌悪の表情を浮かべながら、足早に立ち去ってゆく。
結局、誰も立ち止まることはなく、華へ声をかける者もなく、
皆気付かないフリをして普通に通り過ぎていくだけ。
ちなみに、カーチャは大きな室外機に隠れる位置にいるので、通りから姿を見られることはなかった。
「あ〜あ、もう何人に見られちゃったかしら。でも、あんたの場合、見られたほうが興奮するのよね?」
「は、はい、でも…!!」
華が言葉を続ける。
「カーチャ様に見られるのが、一番興奮しますっ…!!」
これは華にとってはある種の告白のようなものであったが、カーチャの反応は冷たかった。
「まぁ、あんたみたいな変態は大抵、
自分の汚いオナニーを年下の女の子に見せつけたいっていう願望があるものよね」
そういうことじゃないんです、と華は否定しなかった。
この素っ気なさが、むしろ興奮の材料だった。
「あっ、気持ちいいっ!気持ちいいです、カーチャ様ぁっ!!」
「あら、なぁに?イキそうなの?」
「はひっ、もうイッちゃいそうです!!」
「いいわよ、イキなさい。あんたのみっともない一部始終、私が見ていてあげるわ」
「ああっ!嬉しいっ!カーチャ様に見られながら、イッちゃうよぉっ!!
イクッ、イクッ、イクゥゥゥッ!!!」
チュクチュクチュクッ、と指先から湿った立てながら、華はつま先立ちになり、
腰を前に突き出して、ビクン、ビクン、と震えながら、絶頂に達した。
眉をハの字にして、鼻の穴を膨らませながら、
「あぅっ…あっ…カーチャ、様…カーチャ様…」
と繰り返す。
「素敵よ、華」
カーチャは自分のポシェットからハンカチを取り出し、
びしょ濡れになった華の下半身を、丁寧に拭ってあげた。
*
後始末を終えると、二人は通りへ戻り雑踏に紛れた。
「暑いわね。喉が渇いてしまったわ。それに、何か食べたい」
カーチャがそう言うので、華は適当なファミレスに入って、パフェなんぞを注文した。
妖精オーラを振りまきながらパフェを頬張るカーチャは、めまいがしそうなほど可愛かった。
「え、えと…カ、カーチャ…?おいしい…?」
「ええ、華お姉さま。とってもおいしいわ」
すぐ隣に他の客がいる状態では、カーチャを様付けで呼ぶことは出来ない。
遠慮がちに演技をする華に対し、カーチャは天使のように無邪気に振舞ってみせた。
そのあまりの可愛さにロリコンの華はたまらなくなって、
カーチャの唇に付いたクリームを指で拭い、舐めてしまった。
するとカーチャは、これまた華がたまらなくなるような仕草ではにかんでみせる。
「やだ、華お姉さまったら。カーチャ、自分で出来るのに。そんなふうにされたら、恥ずかしい…」
調子に乗ってしまった華は、家に帰ってから、たっぷりとお仕置きをされてしまうのであった。
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