『私って、こんなにいやらしい人間だったのかしら…』
うつぶせになって枕に顔を押しつけながら蓉子は思った。
身体の下に腕を差し込み、下着の上から指で引っ掻くように秘部を刺激する。
聖と付き合い出すまで、こんなことをしたことは一度もなかった。
無論、自分で自分を慰め性的欲求を満たす行為があるということは、
知識としては知っていたが、それはとても汚らわしいことで、
今までやってみたことも、やってみたいと思ったことも一度もなかった。
だが今では、デートの前夜にこうして自慰に耽ることが半ば習慣化してしまっていた。
明日の休日は聖と過ごす。
外で一緒にお昼を食べて、聖の買い物に付き合って、それから私の部屋に来る。
その後は…きっとエッチをする。
デート=エッチとしか考えられない自分をみっともないと思っても、あの快楽を知って以来、
とりわけデートの前夜になるとそういう気分になってどうしようもなくなってしまう。
まぶたを閉じると鮮明に浮かび上がる聖の白い肌、色素の薄いヘア、
長くて器用に動く舌、それに優しい指の動き。
明日になれば、あとほんの10数時間後になれば、このベッドで聖に愛してもらえる。
そう思うと、替えたばかりの真新しい下着はべったりと肌に張り付き、
生地が吸いきれないほどのはしたない汁が溢れ出し止らなくなる。
もう遅い時間だから寝なければいけないのに、聖が恋しくて自制が効かない。
せっかくのデートなのに寝不足になってしまったらどうしよう。
「オナニーしてたから寝るのが遅くなっちゃった」なんて言えるわけがないのに…
「はぁ…あぁ…あっ、あっ!あっ!」
蓉子のおしりが何度か大きく跳ね、全身がきゅーっと緊張して、
腕と足の筋肉が張り詰めた後緩やかに弛緩し、
両手で押さえた秘部からひときわ濃い愛液がどろりと流れ出し蓉子の指を汚した。
*
「うぅ〜疲れた〜」
部屋に来るなりベッドに倒れ込み、ゴロゴロと転がりながら
「気持ちいよ〜」とはしゃぐ聖を小さく笑って見ている蓉子。
聖は枕を胸に抱いて深呼吸をしてから、「う〜ん、蓉子のにおいがする〜」と言った。
その言葉に他意はなく、単に「蓉子のいい香りがする」ということを言っただけだったが、
昨晩のことを思い出した蓉子はたちまち顔を赤くしてうつむいた。
「(やだ…もしかして、何か変な汁とか付いちゃってたのかしら…?!)」
そんな蓉子の反応を見て途端に口元をほころばせ、
いたずらっぽく目をキラキラさせながら起き上がり蓉子の隣に腰を下ろす聖。
「よ〜こっ。」
腕を回して肩を抱き顔を近づける。
「なんで赤くなってるの?」
「…あ、赤くなんかなってないわよ…」
「ウソ。ちゃんと私の目を見て。」
「ご、ごめんなさい…」
「ん〜?どうして謝るの?」
「あっ…」
しまったと口を抑える蓉子。
その仕草がとても可愛いらしい。
「もしかして蓉子さぁ、昨日このベッドの上で、エッチなこととか、しちゃったのかなぁ?」
ぶわっ!と音がしそうな勢いで蓉子の顔が真っ赤になった。
聖を相手にこの類のことをごまかすのは無理だ。
蓉子は観念し小さくちぢこまってしまった。
「ねぇーねぇー、どんなことしたの?」
「…ゆ、指で…触って…それだけよ…」
「そっかー。でさ、私のことはいっぱい考えてくれた?」
自分をおかずにしたかなんてよく照れもせずに言えるものだが、
もちろん蓉子にとってはそれ以外あるはずもない。
「そんなこと聞かないで」とばかりに蓉子は目を潤ませた。
「(あぁ〜蓉子ぉ〜可愛いよ〜!!)」
聖は最後にひとつ、とどめの一言を突き付ける。
「気持ちよかった?」
「そ、それは…」
蓉子は答えに迷った。
気持ちよかったと言えばそうだが、
それはエッチが待ちきれずにしてしまっただけのこと。
本当はそんなことしたくはなかったし、聖に抱きしめてキスしてもらえるだけでも、
あんなことをするよりずっと満たされるから。
聖にウソをつくのは嫌だけど、本意を理解してもらえないのも困る。
だから、蓉子の言葉は途切れてしまった。
「あはは、大丈夫だよ、蓉子。」
そんな蓉子の心を察し、聖は彼女を抱き寄せ唇にキスをした。
「(言われなくても分かってる。エッチが一番だもんね。)」
「んふっ…んっ…」
聖に口を塞がれ舌で唇を撫でられただけで蓉子の身体はフニャフニャになってしまった。
聖は蓉子が倒れないよう背中を支えつつ、開いた太ももの間からスカートの間に手を入れた。
「すごい…」
下着越しに蓉子の秘部に触れると、そこは既に音がするくらいにぐっしょり濡れていた。
「ほんとに蓉子は敏感だね。」
湿ったところの中心部に指を押し当て、形を確かめるように上下にこする。
くっきり浮かび上がった小さな突起を爪で弾くと、蓉子の身体が震え、
繊維の隙間からとても濃い愛液が玉になって染み出てきた。
「んっ…聖…」
上ずった声を出す蓉子を聖は抱き上げてベッドに連れていく。
蓉子の感じやすさは聖も驚いてしまうほどで、
ちょっとエッチなキスをするとそれだけでもう自力では動けなくなってしまう。
なのでこうして蓉子をお姫さまだっこでベッドに寝かせてあげなくてはいけない。
そして改めて蓉子の唇を何度か吸ってあげてから、胸元のボタンに手をかける。
聖が大好きな蓉子の胸。その感触は手のひらに吸いつくようで、
指の動きに合わせて自在に形を変える、完璧な美乳。
最初はゆっくり撫でるように、やがて徐々に力を加えて丹念に揉みほぐすと、
蓉子の息遣いは次第に激しく、切なくなってゆく。
彼女の興奮の高まりにつられ、ツンと立った小ぶりな先端を口に含み唾液をまぶすと、
蓉子は堪えきれずに悲鳴のような声をあげた。
「…ぁん!あっ!」
舌先で舐め回したり突っついたり、乳輪ごと吸い上げたり。
『レチュッ、チュチュッ、ズチューッ!』
聖の行為は大胆に大きな音を伴ってゆき、蓉子の声も激しさを増してゆく。
「うっ…んんっ…あぁ…ダメ…」
必死にシーツを握りながらつま先がピンと伸び始めたら、それは下半身への刺激が欲しい合図だ。
聖が小声で「脱がせてもいい?」と問うと、
蓉子は恥ずかしそうにそっぽを向き、潤んだ目でまばたきをした。
「今度はこっちをしてあげるね…」
*
「いつも聖のことを考えていて…
2人きりになるとエッチなことばかり期待しちゃって、
1人になってもやっぱりエッチなことを考えて…」
行為が終わった後、聖に寄り添いながら蓉子は正直に告白した。
「そんなに想ってもらえるなんて幸せだなあ。」
「からかわないでよ…」
「っていうか、私だって同じだよ?いつも蓉子のことばっかり考えてる。
それに、1人でエッチなことするのは別に悪いことじゃないと思うけど。」
「ほんとに?じゃ、じゃあ、聖もしたりするの?」
「え?あぁ、いやぁ、まぁ、それはたまに…するかなぁ、うん。」
「……」
曖昧な返事に蓉子の顔が曇る。
聞かなければ良かったと思った。
自分にとってはつい最近知ったばかりの快感でも、聖はこういうことにはとっくに慣れっこなのだ。
そこには自分の知らないたくさんの女の子達の影がある。
その現実を思うと、聖は悪くないと分かっていてもついふてくされてしまう。
聖も経験が少ないころは、覚えたての快感に夢中になって、
誰かのことを想いながら私と同じようなことをしていたのだろうか。
「(聖はずるいわ。不公平よ…)」
「どうかした?」
「別に…なんでもない…」
「ほんとにぃ?」
「あなたは私と違ってオトナなのね、ってこと。」
「へ?なにそれ?」
「…知らないわよ、もう…」
「蓉子、ひょっとして怒ってる?」
「…怒ってなんかないわ…」
「ふふ。か〜わいいっ!」
腕の中で頬を膨らませている蓉子を、聖はだらしのないにやけ顔で抱きしめた。
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