「前回は失敗でしたの。この手の品物は、局留めにするのが一番安全でしたのに」

郵便局から出てきた黒子は、「(有)愛と漢方の絶倫媚薬」からの小包を大事そうに抱えていた。

「今回の媚薬はとっておきの遅効性。
夕食の際にお姉さまのお食事の中に直接“テレポート”させれば、
真夜中頃に効能はピークに達し、
体が熱を帯びたお姉さまは苦しくて切なくて、
それはもうあんなところがこんな状態になってしまわれて、
そこを私が優しく慰めて差し上げれば、後はもう…ウフッ…ウヒヒヒヒ…」

考えただけで、黒子の口の中はよだれでいっぱいになった。

その日の夜。
美琴の夕食にしっかりと媚薬を紛れこませておいた黒子は、
期待する気持ちを押さえつつ、ベッドに横になった。

「(まだですわ…まずはひと眠りしてからですの…)」

向かいのベッドで同じく横になる美琴は、いつもと変わらぬ様子だった。

「じゃ、お休み、黒子」
「ええ、お休みなさいませ、お姉さま」

部屋の明かりが消え、美琴はすぐに寝息を立てはじめた。
黒子はしばらくの間起きていたが、やがて眠気を催し、うとうとしはじめた。

1時間半ほど経過したころ、まどろんでいた黒子の意識を引き戻したのは、
美琴の吐息と、シーツが擦れる音だった。

「(き、きましたわーー!!)」

黒子は飛び上がりたくなる衝動を押さえ、そっと目を開け隣を向いた。

「…んー…んぅ…」

1度は眠りについたはずの美琴が、熱にうなされているかのように、
半開きにした口から苦しそうに息を吐きながら、落ち着かない様子で膝を立てたり伸ばしたりしている。

「(あぁん、お姉さまったら、なんてじれったい…)」

美琴は、突然体に宿った性欲に、どう対処してよいのか分からぬ様子だった。
1度も自慰をしたことがない彼女に、指を使って性器を刺激するという発想はもちろん無い。
ベッドの上で切なそうに体を動かし、少しでも楽になれる位置を探す。

「…ふぅ…ふぁぁ…」

やがて美琴の体は、うつぶせという状態で落ち着いた。
枕に顔を押し当てると、自然と腰が動き、下半身がシーツと擦れた。

「アッ…」

その動きに、美琴は今まで経験したことのない心地よさを覚えた。彼女は、一気に加速した。

「ハッ…ハッ…き、気持ちいい…こうすると気持ちいいよぉ…」

美琴は声を殺しながら、うつぶせになった体を夢中でシーツと摩擦させた。
キシッ、キシッ、とベッドが動き、美琴の吐息が部屋に響く。
一部始終を黒子に観察されているとも知らず、生まれて初めての自慰行為に耽る美琴。

その時だった。

「まぁまぁお姉さまったら!こんな真夜中に一体何をなさってるんですのっ?!」

パッ、と部屋が明るくなると同時に、黒子の大仰な声が響き渡った。

「…きゃぁっ?!」

つい1秒前まで暗がりの中懸命にもがいて自慰をしていた美琴は、可愛い悲鳴を上げた。

「く、黒子??!!」

美琴は慌てて仰向けの状態に戻り、毛布を顔まで引っ張り真っ赤になった。

「お姉〜さま?ごまかそうとしても無駄ですわよ?黒子はぜ〜んぶ見ておりましたの!」
「な、何言ってるのよ、私は…ね、寝てただけよ!あんた、寝ぼけて変なものでも見たんじゃない?!」
「そんな赤い顔ではぁはぁ息をさせながら、『普通に寝ていた』と仰られましても、
説得力がぜんぜんありませんの!
私が寝ている脇で、お姉さまがあんな不健全な行為に耽っておられただなんて。
これは早急に寮監に報告しなければいけませんの」

そう言って黒子は部屋を出ていこうとする。

「ちょ、待ちなさいっ!ま、待って、お願いだから、待ってよ、黒子っ!」
「そんなことを申されましても、私にはルームメイトとしての責務がありますので」
「わ、分かったわ、本当のことを正直に話すから、とにかく寮監には言わないで!」
「ほぉ。では、うかがいましょう?」

黒子は止まり、ニヤァとしながら向き直った。

「な、なんか、さっきから急に体が変なのよ…それで…
どうしたらいいのか分からなくて…つい、あんなことを…
で、でも、いつもしてる訳じゃないのよ、本当に…
こんなふうになったのは、今日が初めてなの…」

美琴が告白すると、黒子はクスッと笑ってから、急に態度を優しくさせた。

「ええ、分かっておりますのよ。体が熱くて、切ないんですのよね?
ご安心くださいませ、黒子が楽になる方法を知っていますから、すぐに教えて差し上げますわ。
何も怖がることはありませんの。とっても気持ち良いことをするだけですもの。
お姉さまだって、ホントはもうお分かりなのでしょう?」
「…え?」
「それは、オナニーではなくて、セックスですの」
「…せ、せくす…?!」
「そうですの!さあ、お姉さま、黒子とセックスしましょう!!」

そう叫ぶと黒子はロケットのようにびよーんと天井近くまで跳躍し、
ベッドの上の美琴をめがけて一直線に突っ込んでいった。

「ひぃやぁぁっ??!!」

薬の作用で抵抗する力が弱っているとはいえ、襲いかかってくる黒子に対し、美琴は懸命に手足をばたつかせた。
すると、パジャマの裾を掴んだ黒子が、急に動きを止め、脅かすような低い声で言った。

「どうしても嫌と仰られるのでしたら、やはり問題の解決は寮監に委ねるしかありませんわね?」

美琴はビクッとなり、目を潤ませて首を横に振った。
彼女に残された選択肢は、問題の解決を黒子に委ねることしかなかった。

「さぁさぁお姉さま、早く脱ぎ脱ぎしましょうね〜」

黒子は機嫌良さそうに、まるで子供のオムツを代えるような調子で、
美琴の足を揃えて持ち上げ、パジャマを脱がせていく。

「まぁ〜、お姉さまったらっ!ゲコ太のパンツがビチョビチョですのー!!」

パジャマに隠れていた美琴の状態を目の当たりにし、大はしゃぎをする黒子。
ゲコ太がプリントされた可愛い下着には、内側から染み出したネットリした汁で、大きな染みが出来ていた。

「いや…黒子…見ないで…」

美琴は両手で顔を覆った。その仕草にゾクゾクしながら、黒子は鼻を近づけて、匂いを嗅ぐ。

「クンクン…スーハースーハー…ほぉーっ!ほぁああああっ!!!」

黒子は髪の毛を逆立て奇声を上げた。
美琴の愛液は、甘いミルクのような香りだった。

「もうたまりませんの!むはっ、ズズーッ!ズゾゾゾーッ!!」

黒子はそれにしゃぶりつき、猛烈に吸いながら、その吸引力だけでパンツを脱がせにかかった。
美琴の抵抗はもはや無かった。
あまりに壊れた黒子の様子に軽い恐怖すら感じていたのだ。
しかも、そうさせているのが自分の匂いであるということが、ひどく恥ずかしかった。

美琴のパンツは、ネバネバの愛液が糊のような役割をして、秘部に密着している。
それが黒子の吸い付きによって、糸を引きながら無理やり剥がされていく。
噛みちぎらんばかりの激しさで、黒子は美琴のパンツをはぎ取った。

「ハァー、ハァー、ハァー…こ、これが、お姉さまの…おまんこですのーーっっ!!!!」

絶叫する黒子の目の前にあらわれた、美琴の秘部。
キレイな一本線から少しだけ顔をのぞかせる淡いピンクの唇に、ぷっくりした恥丘、柔らかそうな陰毛。
それらが全て、愛液で濡れてトロトロになっていた。

「もっと、もっとよく見せてくださいまし、お姉さま!」

足を閉じようとする美琴の太ももを黒子が押さえつける。

「ウフッ…ウフフフ…お姉さまのおまんこをペロペロ〜、ですの〜」

そして、今まで何千回と心の中で唱えてきた念願の台詞を、初めて声に出す。
黒子は口の端からよだれをダラダラと垂らしながら、赤い舌をナメクジのように美琴の秘部に這わせた。

「ひゃっ…はうっ…!」

美琴のおなかが上下し、ピクピクと震える。

「チュッ、チュッ、レロレロ…ア〜ン…
ねぇ、こうすると感じますでしょう?パンツ越しにシーツと擦るより、ずっと良いでしょう?」

いっぱいに伸ばした舌で、黒子が割れ目を上下に舐めまわす。
すると、舌先が偶然にある場所に触れたところで、美琴の体が大きく動いた。

「ヤッ…!!」
「あっはぁ〜ん?お姉さまのお気に入りはここですのね〜?ええと、ここはなんと呼ぶんでしたっけ」

黒子は顔面を崩壊させながら、その場所を指で突っつく。

「ひっ、ひぃぃっ…」
「ああ、そう、思い出しましたの、ア・ナ・ル、ですわね。ウフフ。ここ、お姉さまのアナル」
「ひゃっ…や、やめて、黒子、そんなとこいじらないでぇ…」
「照れることはございませんの。ここに性感を持っておられる方は、決して珍しくありませんのよ?」

小さなくすんだ穴のまわりを人差し指でクニクニと撫でます黒子。

「黒子は感激ですの。やはり、お姉さまはそっちの気がおありでしたのね?
では、さっそくこちらを重点的に舐めて差し上げますわ」

黒子は指の代わりに尖らせた舌先で美琴の敏感な場所を舐めはじめた。

「レロレロレロ〜、ツンツン、チュパチュパ、ハフハフ、ズジュルゥゥ〜〜〜」

ひどい音を立てながら、美琴のおしりに吸いつく黒子。

「ムハッ…ズチュッ〜〜!!チュパチュパチュッチュッ!!」
「アッ…アッ…き、気持ちいい…」

美琴の性器から、トプトプと愛液が溢れてくる。
黒子はそれを鼻先で受け止めながら、目を見開いたまま、舌をいやらしく回転させる。

「ジュルルルルッ!チィゥ、チィッ、ムッチュゥゥ〜〜!」
「ひぃぃぃっ!!く、黒子、そんなに吸わないでぇ!アッ、ダメ、おかしくなる…!!」
「遠慮なさらずにいいんですのよ、もっと良くなってくださいまし、
ほら、こうですの?ア〜ン、レロレロレロッ!!」
「ひぃぃっ…うぁっ、あっ、黒子ぉっ…!!」
「いいんですのよ、ハフッ、ジュパジュパ、お姉さま、イッてください!」
「やっ…いーっ…んぁああっ、ダ、ダメぇぇー…!!!」

一段と高い声で可愛く悲鳴を上げながら、美琴は全身をビクビク痙攣させ、絶頂した。

「素敵ですわ、お姉さまのアナルがすごく収縮していますの」

黒子は幸せそうに、余韻に震える美琴を舌で愛撫し続けた。

「くはっ…はっ…あふっ…」

美琴はぐったりとして、苦しそうに空気を吸い込む。
熱は引くどころか、むしろ激しくなっていた。
黒子に舐められた場所も、そうでなかった場所も、もっと欲しくてたまらない。

「ウフフ。分かっておりますのよ、お姉さま。本番はこれからですもの」

そんな美琴の片足を黒子が掴んで持ち上げ、自分も大きく股を開いて、体勢を作った。

「黒子ぉ…」

“交尾”させられることを悟った美琴は、
されるがままになって、涙をいっぱいに溜めた瞳で黒子を見つめた。

「参りますわよ、お姉さま」

黒子が狙いを定めて腰を落としてゆくと、2人の性器が触れ合った。
ムチュッ、と、まるでキスをするように、互いの秘唇が吸い合い、密着した。
そして、黒子が腰を振った。

「ふぁぁああっ!アアッ!アアッ!黒子ぉ!黒子ぉっ!!」
「ンッ、ンッ、お姉さま、お姉さまぁ〜〜!!!」

「…そうして私とお姉さまは、深〜い愛情で結ばれ、
死ぬまで離れられない関係へと…グフッ…ウヘヘヘ…」

郵便局を出てから数百メートル。
黒子が歩いた跡には流れ出た数リットルもの鼻血で川が出来ていた。
体は次第に重くなり、足元がふらついてゆく。
意識が薄れていくなか、それでも黒子は夢を見ていた。

「ふひひひ…お姉さま、待っていてくださいまし…く、黒子が…今、参り…ま…す……」

【終劇】

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