「お姉さまぁ、朝でございますわよぉ?」
黒子は甘えた声を出しながら、ベッドで眠る美琴に擦り寄った。
と言っても、まだ起床の時刻までは1時間も残っている。
窓から差し込むやわらかな朝日に包まれながら、美琴はぐっすりと眠っていた。
「あぁん、お姉さまったら、なんて愛くるしい寝顔ですの〜」
黒子はさっそく手にしたカメラを向けた。
これこそが、ルームメイト最大の特権。
夜、パジャマに着替えて眠そうにあくびをする美琴も、
朝方、ぬいぐるみのように可愛らしく熟睡する美琴も、
全ては黒子だけが独占できるのだ。
3インチほどのカメラの液晶に、美琴の寝顔を収める。
AFはちょうど唇のところで合焦し、マークが出た。
黒子はゴクッと喉を鳴らしながら、ボタンを押した。
「お姉さまのお口…」
少しだけ開いた、美琴の口。
唇の間から白い歯が覗き、奥のほうにはピンク色の舌が見える。
口の端には、よだれが垂れた跡まで残っていた。
「……」
黒子はカメラを下ろした。
寝顔を写真に収めることなど、最初の一歩でしかない。
黒子の意識は、もはや美琴の口元一点に集中していた。
「お姉さまの唇、お姉さまの舌、お姉さまのよだれ…ハァハァ」
黒子は顔を紅潮させ、胸を押さえて苦しそうに息をした。
舐めたい、吸いたい、舌を入れて歯を舐めたい。
心に秘めていた変態的な欲求がこみあげて来る。
「大丈夫ですわよね、きっと、バレませんわよね…」
黒子の決断は早かった。
ことあるごとに間接キスを狙っていた黒子にとって、
直接口付けできるチャンスをわざわざ逃す理由などあるはずもない。
「お姉さま、今、黒子が熱いベーゼをして差し上げます…」
黒子は目を閉じ、顔を近づけていった。
すると、美琴の鼻孔から漏れる寝息が、黒子の鼻先をくすぐった。
夢や妄想では決して感じることの出来なかったリアルさに黒子は感激しながら、
突き出した唇で美琴の口を塞いだ。
「むちゅ〜…」
眠ったままの美琴の唇は、ぷるんとした弾力と共に黒子の唇を受け止める。
黒子はそのままずっと唇を押し当てる。
「…ぷぁっ」
息が続かなくなって唇を離すと、美琴の唇は黒子の唾液でうっすらと光っていた。
だが、彼女はさっきまでと少しも変わらず、眠り続けている。
「まだですわ、もっとお姉さまを感じたい…」
黒子は続けざまにキスをした。
最初とは打って変わり、唇に吸い付いた。
美琴の下唇をくわえ、ちゅぅちゅぅと吸い、
それから口の隙間に舌をねじ込み、上唇の裏側を舐めた。
「はむぅ、ちゅぱっ、むちゅぅっ、じゅるっ」
黒子にとって、美琴の口は果物のように甘く感じられた。
だから、夢中になってしゃぶり付いた。
柔らかい果肉をそぎ取るように唇で挟み、皮までキレイに食べ尽くすように舌先でほじった。
「んふぅ、ふぅ…お姉さま…黒子の唾液も味わってくださいまし…」
黒子は美琴のアゴを少し押さえ、口の中に溜まった唾液を垂らした。
濃くてぷるぷるした透明な唾液は、美琴の唇に乗っかるようにしてなかなか中へ落ちていかない。
黒子は指を使い、美琴の口の中へ唾液を押しこむ。
「…ンッ、ングッ…」
すると、美琴がかすかに反応し、喉を動かした。
意識のない美琴は、突然口内に溜まった唾液を他人のものと認識することもできず、
自分のものだと思い込み飲んでしまう。
「お姉さまが…お姉さまが、私の唾液を…!!」
感極まった黒子は小柄な身体をぷるぷると震わせた。
「黒子はもうガマンできません…!!」
美琴のパジャマに手をかけると、黒子はボタンを外し、胸をはだけさせた。
フワッと香る美琴の甘い肌の匂いと共に露わになる、発育不良の貧乳。
けれど、両手で包み込めば、フニッとした柔らかさが手のひらに伝わる。
指に力を入れて揉むと、ムニムニと少しだけ動く。
性的な雰囲気をほとんど漂わせていない美琴の乳房が、かえって黒子の好みだった。
「うふふ、チクビもこんなに可愛らしいんですの」
黒子はピンク色の小さな突起をつまみ、指先で転がした。
これまでにもふざけて美琴の胸に触れたことはあったものの、
チクビに触れることだけは意識して避けていた。
それだけは、やってはいけないことだと思っていた。
けれど今、黒子を躊躇させるものは何もない。
「はぷっ…ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
黒子はプクッとなった美琴の突起を口に含み、音を立てて吸い上げた。
吸って唾液をまぶしたら、指先で摩擦してさらに硬くさせる。
乳首がコリコリに硬くなったら、舐めまわし、甘噛みし、それからまた吸い付いた。
「ほら、こんなに赤くなって。ねぇ、お姉さま、せっかくですもの。こちらも見せてくださいな?」
黒子は美琴の下半身に手を伸ばす。
パジャマの裾を持ちゆっくり下ろしていくと、見なれたパンツが現われた。
(と言うのも、黒子は美琴が持っているパンツを全て把握しているのだ)
パジャマを膝まで下ろしたところで、黒子はその白い布に顔を近づけ、クンクンと鼻を鳴らした。
洗濯前の美琴のパンツの匂いをこっそり嗅いだことは過去にもあったが、
身に付けた状態でこうするのは初めてだった。
美琴の股間に顔を近づける行為そのものに、ゾクゾクとした快感が身体を走った。
「では、こちらも失礼して」
いよいよ黒子はパンツに手をかけた。
少なくともこの10年間は誰の目にも触れなかった禁断の場所が、薄い布地の向こうにある。
「お姉さまの、お、お、おま、おま……!!!」
黒子の口からは壊れたレコードのように、意味を成さない同じ音が繰り返される。
震える腕に力を込め、えいっ、と一気にパンツを下ろすと、美琴の秘部が露わになった。
「ああ、これが…!!!」
黒子は目をキラキラと輝かせて、歓喜した。
そこは、黒子が思っていた通りの様子だった。
ヘアはごく控えめに、恥丘の上にうっすらと、花弁は淡いピンク色で、キレイなスリットを形成している。
何者も受け入れたことがない、美琴だけが知り、手入れをしていた、秘密の場所。
黒子は引き寄せられるように、そこに顔を近づけていった。
そして舌を伸ばし、チロチロと舐め始めた。
「そういえばお姉さま、昨晩お休みになられる前に、お手洗いにいってらしたわ」
黒子は心底嬉しそうに呟きながら、舌先で美琴の合わさった秘唇を割り、内側を舐めた。
指で軽く開き、内部の様子も確かめながら、唾液をたっぷり絡ませた舌で念入りに愛撫する。
「おいしいですわ、お姉さま…私だけが味わってますの、
お姉さまの恥ずかしいところを、私だけが…!」
大好きな人の全てを知ることが出来たという満足感。
だが、美琴の性器を舐めながら、黒子は新たな欲求に目覚める。
「黒子は、お姉さまと一つになりたい…」
そうすれば、この切なさから解放される。
今までずっと解消されることのなかった、心がやすりにかけられるようなもどかしさから抜け出せる。
黒子は全裸になり、美琴にまたがった。
そして脚を左右に大きく開き、まるで交尾をするかのように、無毛の割れ目を美琴の恥丘に当てがった。
「んっ…んふぅ…んぅぅ…」
腰を前後に動かすと、ベッドが弱く揺れ、黒子が声を漏らした。
その幼児体形とは裏腹に、黒子の性感はとても鋭かった。
美琴と擦れるたびに確実に快感を得て、わずかながらも愛液を分泌する。
それが、先ほどまぶした黒子自身の唾液と混ざり合い、
ニチャッ、ニチャッ、と卑猥な音を立て、より動きやすいように、そしてより快感を高めた。
「あぁ、幸せですわ…黒子は今、お姉さまと睦みあって…こんなに気持ちいいんですの…」
以前に何度かこっそり美琴の枕に股間をこすり付けて自慰をしたことのあった黒子だが、
その時の冷たく乾いた布の感触とはまるで違う。
プニプニとした弾力と、くすぐったいような柔らかいヘアが、黒子に本物の快楽を教える。
「も、もう、果ててしまいそうです…あぁんっ、お姉さまっ、お姉さまぁっ!!」
容量の小さな体は瞬く間に快楽で満たされ、黒子は絶頂に達した。
「んっ…あぅっ…あふっ…」
美琴と秘部を密着させたまま、黒子は背中をピンと伸ばして、小さく震えた。
快感は頂点のまま数秒間続き、そして終わった。
「あっ、あぁぁ、ふぁぁぁ…」
訪れたのは、全身から力が抜けてしまうほどの疲労と、深い満足感。
「黒子…このままとろけてしまいそう…」
美琴に体を重ね、黒子はしばらく動けなかった。
*
「ん〜…んぁ〜…」
いつもの起床の時刻。
美琴は寝ぼけながらベッドから体を起こし、伸びをした。
「ふぁぁ〜」
口を押さえながらあくびをしたところで向かいのベッドに目をやると、
黒子は既に制服に着替え、毛先を整えていた。
「…あれ、黒子…ずいぶん早起きなのね…?」
「ええ、今朝はちょっと。うふふ」
「へぇ…そうなの…。ふぁぁぁ〜…」
あくびをもう一つする美琴は、自分の体のあちこちがベタついていることに気付く様子もない。
「(早起きは三文の徳、とはまことに良く申したものですわ…ふふふふ)」
黒子は顔をツヤツヤさせながら、心の中でひっそりと笑った。
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