祐巳ちゃんを見ながらふと、
自分がいずれ産む子供について妄想が浮かんでしまうのは、
恋人の聖がフタナリだからだろうけれど、
それにしても、見知らぬ他人の赤ちゃんを見るよりはるかにピンとくるのは、
彼女のように表情豊かで愛らしい子供が欲しいという願望の表れだろうか。

いずれにしろ、娘が祐巳ちゃんくらいの年齢になる頃には、
聖と結婚してだいぶ年月が流れていることになる。

無論いくら時間が過ぎようと愛が冷めることはないだろう。
が、回数が減っているのはほぼ間違いない。
それはすなわち、セックスの回数。

いくらなんでも若い頃と同じように毎日、なんてことはさすがにないはずだ。

(けれど、年齢と共に落ち着くのが聖だけで、私は今と変わらなかったら、どうすればいいの…?)

蓉子はそんな疑問を抱かずにはいられなかった。
もしかすると今の時点で、本当は聖より欲求が強いかもしれないのだから。

現にこうして、少なからず期待を抱きつつ結局聖と何も無く終わってしまった日の夜は、
昼間頭に浮かんだ妄想を思い出し、ドキドキして眠れなくなる。

もっとも、聖とした日でさえ、色々と妄想が湧き上がってくるのだから、
しなかった日にそうなるのはなおさら仕方がなかった。

蓉子は布団の中でモゾモゾしながら妄想した。

優しい聖と、祐巳ちゃんのような可愛い娘に囲まれ、母親になった未来の自分。
それはもう手に余るほどの幸せで、いや実際に余ってこぼれるかもしれない。

すなわち、『あちらを立てればこちらが立たず』というようなもので、
“女”であり続けながら同時に“良き母親”であることは、難しいかもしれないのだ。

(私ったら、年甲斐も無くいつまで経っても性欲がすごいのね、きっと…)

蓉子はすっかりその気になった。

週に一、二回、娘に隠れてこっそりセックスするだけではぜんぜん足りなくて、
でも本当のことは恥ずかしくて聖に言えなくて、そんな日々を送るうち、やがて間違いを犯してしまう。
女としても、母親としても、絶対に許されない間違いを。

(浮気しちゃうの、私…?)

蓉子は自分に問い掛けた。

もちろんそんなことは絶対に起こり得ない。
起こり得ないからこそ、背徳感が興奮を強く掻き立てた。
なにせこういうときにぴったりの相手もいるのだから。

(江利子だわ…)

実際に確かめたことはないものの、蓉子は彼女をフタナリだと思っていた。

(でも、どうして江利子と…?)

きっかけな何だろう。
自分から誘ってしまう?

まさか、そんな真似ができるのなら、上手に聖におねだりして、とっくに満たしてもらっているはずだ。

(ああ、襲われるんだ…私、江利子に襲われてしまうのだわ…)

蓉子は布団の中で足を交差させ太ももを擦り合わせた。

獣のような嗅覚を持った江利子に欲求不満を嗅ぎつけられ、無理やり犯されてしまう自分。
もちろんはじめは抵抗するが、刺激に飢えた肉体は敏感に反応し、最後はさんざんイカされてしまう。
そうなればもう、後は中毒だ。
一度味わった快楽の味を、忘れられるはずがない。
まるで禁断症状のように、江利子を定期的に求めてしまう。

娘を学校に送り出し、あらかたの家事は午前中で済んでしまい、
昨晩の残り物で一人の昼食を終えたら、無性に寂しくなって江利子にメールを送ってしまう。

すると平日の真昼間にも関わらず、十分と経たないうちに『今から行く』と返信が来る。
その文言に一瞬我に返り、慌てて電話をかけるも、何度かけても江利子は出ない。

胸の鼓動が早くなり、体が熱くなる。

とにかく恥をかきたくない一心で、下着を替えシャワーを浴びながら、
とりあえず江利子にはお茶だけ出して帰ってもらおうと考える。

ほどなくして呼び鈴が鳴らされ、パタパタと玄関まで走ってゆきドアを少し開けると、
江利子が自らドアノブを引き、何も言わずに入ってくる。

自分は何とかして拒絶の意思を込めた言葉を発しようと唇を動かす。
しかしそれが声になる前に、江利子に抱擁される。
発しかけた言葉ごと、息を飲み込んでしまい、動けなくなる。

そして悟る。
自分は抱擁されているのではない。
“獲物”が“蛇”に絞め殺されているのだ、と。

『大丈夫よ、蓉子。部屋には一歩も上がらないから。ここで、済ませましょう?』

髪の匂いを嗅ぐように耳に顔を近づけられ、甘い声で囁かれると、
毒がまわるように思考力が失われ、ついさっきまで一生懸命に考えていたはずの、
江利子に何事も無く帰ってもらう計画が、急にどうでもよくなってしまう。

『欲しいでしょ、蓉子?』

そう問い掛けられながら、唇以外のあらゆる場所にキスをされ、勃起した江利子のペニスを握らされる。
長さも、太さも、亀頭の形も、聖とは違う、江利子のペニス。
焼けるように熱くて硬いペニス。
それを握ったまま、自分は服を脱がされてゆく。

『すごくキレイ』

もうすっかり若くは無い、“子持ち人妻”の肉体を、江利子はそう評して褒めてくれる。

(江利子におだてられて…私は従順にされてしまうのね…)

裸になって廊下のふちで四つんばいになり、玄関に向けてお尻を突き出すと、
愛液でベットリ濡れ陰毛の張り付いた性器を江利子に指で広げられ、
舌を中まで入れられ、グチャグチャとかき回される。

それからお尻の肉を左右から掴まれ、突き刺すようにペニスを根元まで挿入されると、
いきなりトップスピードで腰を振られ激しく出し入れされてしまう。

自分はもはや妻でも母親でもいられなくなり、ただの一匹のメスになって、
廊下に手を付き背中を反らし、聖と娘のいない室内に向かって、
交尾して喜ぶみっともないメスの鳴き声をいっぱいに響かせてしまうのだ。

(私ったら、なんていやらしいの…?!)

妄想が最高潮に達した蓉子は、我慢できなくなり、
布団の中で自分の乳房を揉んだり、パンツの中に手を入れて性器を刺激した。
それがいかにみっともない行為かという自覚はあったものの、
聖に愛してもらえず眠れない夜は、自分で自分を慰める以外に方法が無かった。

「あぁ…イク…イク…」

やがて蓉子は声を出し、絶頂に達した。
それでようやく妄想から解放されて性欲も収まり、眠ることが出来た。

翌日は万事上手く運び、聖が求めてきた。

昨日の夜からまだ丸一日も経過していないが、体は鈍感どころかむしろその逆で、とても敏感に反応した。
蓉子は全身を紅潮させ、聖の腰が動くたびに激しく悶えた。

「蓉子、すごくエッチだね…」

あまりの激しさに聖は途中で動きを止め、頬にキスして、蓉子を見つめた。

「だ、だって…」

夢中であえいで口が開きっぱなしになっていたことに気付いた蓉子は、
恥ずかしそうに一度口を閉じてから言い訳をしかけて、続かなかった。

おかしな妄想をオカズに毎晩オナニーしているから、なんて本当のことを言えるはずがない。
蓉子は潤んだ瞳で聖を見つめられなくなり、顔を横に向けた。

聖は黙って再び動き出し、乳房を揉みながら、普段よりもずっと荒々しく蓉子を突いた。
彼女が日増しにエッチになって、たまらなかった。

そうして蓉子は、ますますエッチになるのである。
いつもより激しく愛してくれた聖との行為が思い出されて、
きっと今夜も眠れなくなり、
もし何かの手違いで、自分が妄想している内容を聖に知られたら、
嫉妬に駆られた彼女に、一体どんなことをされてしまうのだろうかと、
そんな妄想をして、またオナニーするのだから。

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