「コウちゃん、今日も会社に泊まるの?」
「うん、そうだよー」

帰り支度を終えたりんが後ろから声をかけると、コウは振り向かずに答えた。

「あ、あんまり良くないからね?ちゃんと家に帰って寝ないと」
「大丈夫だって、平気平気〜」
「そうじゃなくて、私が心配してるのは…」
「んー?」

コウが振り返り、美しい水色の瞳をりんのほうに向けると、やや間があって、

「…と、とにかく、明日はお家で寝ないと駄目だからね」

と、りんはバッグを肩にかけ直した。

「分かってる、そうするよ」

コウは微笑み、モニタに向き直り作業を再開した。

一人会社を出て駅へと向かう道すがら、りんは心の中で、口に出して言えなかった言葉を何度も繰り返した。

「もう、コウちゃんったら…私が心配してるのは、コウちゃんのおちんちんの事よ…」

帰りの電車の中でも、家に着いてからも、コウの事で頭がいっぱいだった。
よりにもよってふたなりなのに、パンツ一枚という無防備な格好で会社に寝泊りするのが心配でたまらない。

よしんば夜中のうちはその格好でも良いかもしれない。
だが、そのまま朝を迎えると何が起こるか。

「朝になると…おちんちんって…すごいことになっちゃうでしょう…?!」

俗に朝勃ちと呼ばれる現象。

これまでも、タオルをかけてあげようとして、パンツに浮かび上がったシルエットを見てしまった事がある。

「で、でもあれは生理現象で、別にコウちゃんが特別やらしいとか、そういうんじゃなくて…」

そもそもパンツ一枚で寝なければ良いだけの話なのだが、あまりそうとも言いにくい。

「きっと、すごく蒸れるのかもしれないし…」

ふたなりにはふたなりの事情があるに違いない。
すっきりするという彼女の言い分も、理由としてはそれなりにもっともらしく思えた。

「それは、パンツの中にモスラの幼虫みたいなムチムチの物体が押し込めてあるんだもの…
寝る時くらい楽な格好になりたいわよね…
…って、やだ私ったら『モスラの幼虫』なんて青葉ちゃんが分からないようなネタ…」

いや、今問題にすべきはその点ではない。

「そ、そうよ、青葉ちゃんよ?!」

りんは大切な事を思い出した。

「青葉ちゃんの時だって、一歩間違えば大変な事になってたじゃない…?!」

あの時はパンツ丸出しのお尻を見られただけで済んだから良かったものの、
膨張した物体が何かのはずみで飛び出していた可能性は十分に有り得る。

「高校出たての女の子に…朝っぱらから…びんびんに勃起したおちんちんを露出…」

これはもう警察に緊急逮捕されるレベルの重い犯罪だ。

「最近の青葉ちゃん、やる気を出して出社が早いから、明日は気をつけないと…」

翌朝、りんは十分に早起きして家を出た。

昨晩は色々と心配したが、今朝はすっかり落ち着いた気分に戻っていた。
結局のところ、猥褻事件防止の為、青葉よりも早く会社に行けば良いだけだからだ。

パンツで眠る彼女にタオルをかけたら、残りの時間はコーヒーでも飲みつつ寝顔を眺めていれば良い。

「うふふ、コウちゃんたまによだれ垂らすんだもん、今日はどうなってるかしら?」

すっかり余裕で会社に到着したりんだった。
が、いつも通り床で寝ているコウを見つけた途端、心の平安は爆発してどこかへ吹き飛んだ。

「コ、ココココ、コウちゃん!!」

りんが発見したのは、寝返りを打つ途中で止まったらしく、仰向け大股開きで眠るコウの姿。
その格好もさることながら何より破廉恥なのが、
絶対にパンツからはみ出てはいけないふたなりの器官が丸出しになっている事だった。

「ちょ、ちょっと、お、おち、おちんちん…?!」

もともと何かの拍子でパンツがずり下がり気味だったところに朝勃ちしたらしく、
お尻は半ケツで済んでいたが肝心の前のほうは完全な露出状態だった。

「こ、これはダメ、これはダメよ…!」

りんはすぐさまモザイク代わりのタオルで隠そうとしたが、何とした事か。

「こ、これもダメだわ…?!」

タオルをかけたところで、サウナにいる変態にしかならないではないか。

「ど、ど、ど、どうしよう…」

いずれ青葉が出社してくるので、その前にこの状況を終わらせないといけない。

りんは思案した。
コウを目覚めさせれば自然に収束するはずだが、疲れて熟睡する彼女を叩き起こす選択肢だけは絶対に無い。

しばらく思案してから口をついて出たのは、謝罪の言葉だった。

「…ごめんコウちゃん」

日頃から彼女の健康を気にかけ、呼ばれもしないのに家に押しかけ食事を作ったりはしていたが、
ふたなりの部分に関しては初中後心配するだけに終わっていた。

こちらが一方的にお嫁さん気分だからといって、告白された訳でもなく、もちろんキスもした事がなく、
そこまで踏み込んで良いものかと遠慮するのは無理からぬ事。
しかし彼女は自分に関してかなり無頓着なのだ。

「私がお世話してあげるべきだったんだ…」

不必要な遠慮が招いた必然の結果であると、りんは心底反省した。
そして決意を新たにした。

もはや一切のためらいは無用である。

「大丈夫、コウちゃんのおちんちんは、私がきちんとお世話してあげる…!」

彼女を寝かせたまま、このやっかいな朝の生理現象を解決する方法は、恐らくひとつしかない。
決心したりんは即座に行動に移った。

「待ってねコウちゃん、すぐ始めるから…」

まるでこれからお茶をたてるように上品な仕草でコウの隣に正座する。
心を静めるよう一呼吸してから腕を伸ばし、朝勃ち真っ最中のペニスを、親指から中指までの三本で優しく持った。

それからゆっくりと上下させ、薄い包皮を亀頭のふちに被せたり捲ったりして刺激した。
つまり手コキを開始した。

「これで…きっと元に戻るはず…」

コウは相変わらず「クケー」と鳥のような寝息を立てていたが、
刺激を受けるとペニスに幾筋も血管が浮き立ち、亀頭が真っ赤になった。

「良かった…やっぱり寝ててもココは敏感なのね…」

りんは嬉しそうに手を動かした。
とても単純で単調な作業ではあるものの、料理を作ってあげている時と同じくらい、幸せな気分だった。

「コウちゃん、気持ちいい…?」

優しく語りかけながら、せっせと右手を動かす。

人は何かに夢中になっている場合、大抵は後になってからそれを認識するものである。
現在のりんも全くその状態で、自らの行為に没頭していた。

「あぁ、なんか出てきた…」

しばらく続けると、鈴口にとろりとした透明な汁が浮かんだ。
射精が一段階近づいた明白な証拠だ。

りんの胸の鼓動は否応無く早まった。

「このまま…ビュッって出るのかしら…」

一瞬、その汁をハンカチで拭おうかと思ってから、すぐに別の考えが頭に浮かんだ。

「な、舐めちゃおう…かしら…」

ペニスは、特に亀頭は非常にデリケートだし、乾いた布より湿ったもので拭き取るべきではないか。
それに、指より口で刺激したほうが確実に短時間で達するに違いない。

「く、口に出されたら…そのまま飲んじゃえばいいんだし…」

やはりどう考えてもその方が合理的だ。
確信したりんは、さながら自分の指に付いたごはん粒を舐め取るような勢いでペニスをぱくっと咥え、吸いはじめた。

すなわち、フェラチオを開始した。

口いっぱいに頬張った途端、唾液が大量に溢れてきた。
あっという間にデロデロになったペニスを強く吸うと、自然に音が出た。

その「ズゾズゾ」という品の無い音は騒音に他ならず、
コウを眠らせたままにしておくにはむしろ控えなければいけない。

ところがりんのフェラチオ音は、どこまでも際限無く大きくなり続けた。

『熱くて硬くておいしい棒状の食べ物』をしゃぶりついて味わうのに夢中のりんは鼻息を荒くし、
まるで『一人鍋パーティ中のおっさん』のように、「ハフハフ、ズゾゾーッ!」とものすごい音を立てた。
普段どんな飲食物を口にする際でも、不必要に啜るような真似は絶対にしない彼女が、である。

結局、大失敗に気付くのは、あまりの騒音でコウが目を覚ましてからだった。

りんはペニスを咥えたまま、額に浮かんだ汗を拭おうとしたところで、こちらを見ている彼女と目が合った。

寝ぼけ眼のコウは、ブサイクなゴリラ顔でペニスに吸い付くりんの顔を、まじまじと見つめていた。

「…ぷあっ?!コ、ココ、コウちゃん…??!!」

りんは涎と一緒にペニスから口を離し、少なくとも2メートルは飛び退いた。
そこで初めて、自分のフェラチオが業務用掃除機並みの騒音を発生させていたと悟った。

「コ、コ、コウちゃん…いつから、起きてたの…?」

拭い損ねた額の汗が、たちまち頬を伝い流れた。

コウは無言だった。
というより、本当に寝ぼけているのかもしれない。

それでも、りんが何をしていたのか、自分が何をされていたのか、その点だけは理解しているようだった。

コウはむっくり起き上がり、ずり下がったパンツをそのままに、りんのほうへ近づいてきた。

「コ、コウちゃん…」

彼女がこれから何をするのか、思い浮かぶ行動はひとつしかない。
もちろん、りんに抵抗する気は微塵もなかった。

体の奥底から湧き上がる、ゾクゾクするような期待感は否定しようもなかった。
紛れも無く、りんはそれを望んでいたのだ。
ずっと以前から。

今や立場はすっかり逆転し、りんは押し倒された。

目の前にコウの顔が来て、視界の下端には暴れるように脈打つペニスが見える。
さっきまでの痴女っぷりはどこへやら、りんは頭のてっぺんから蒸気が出そうなほど赤面した。

コウは黙ってスカートの中に左手を入れてパンツをずらし、右手で持ったペニスを近づけた。
彼女がどの程度寝ぼけているにしろ、それは簡単な作業だった。

りんのその部分はビショビショに濡れて、花弁が広がり入り口が小さく開いていた。
すぐにそこを探り当てると、コウはペニスから手を離した。
反りが付くほど硬くなったペニスが、トロトロの膣内に埋もれてゆき、結合が完成した。

りんにとってまさしく夢が叶った瞬間であったが、感動に浸る余裕は無かった。
なぜならコウは最初から猛烈な勢いで腰を振ったからだ。

「ちょ、ちょっとコウちゃん、そんないきなり、激しすぎっ…?!」

コウは腰の前後運動をひたすら機械的に繰り返し、射精するまで高速でペニスを出し入れさせた。

りんのあえぎ声は、数分間途切れずに続いた。

「おはようございます!」

それから30分も過ぎぬうち、青葉が元気良く出社してきた。

「あれ、八神さん昨日も泊まったんですねー…」

最初に目に付いたのは、床でうつ伏せになり眠っているコウの姿だった。
お尻にタオルが被せてあるので、

「今朝は遠山さんも早かったんだ?」

とすぐに分かった。

それにしても、タオルの掛け方がやけにきっちりで、まるで『死体の顔を隠している』ようで少し面白い。
青葉がクスリと笑ったところに、

「あら、おはよう青葉ちゃん」

と、りんがコーヒーを持って現れた。

「あ、遠山さんおはようございます!」

改めて元気に挨拶をしてから、青葉が首を傾げ尋ねた。

「あの、このへんで消毒剤とか使ったんですか?」
「…え?」
「なんか塩素っぽい匂いがするなぁ、と。遠山さん、気になりません?」
「う、う〜ん…コ、コーヒー飲んでるから気付かなかったわ…あ、あはは…」
「そうですかぁ」

匂いの正体もさることながら、
なぜりんの顔が、スイッチを入れたハロゲンヒーターのように赤くなるのか、青葉にはさっぱり分からなかった。

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