ヨナぐらいの年の少年が、普通ならどれくらいの性欲を持て余しているのか。

男になった経験が無いココにはいまひとつピンとこないのだが、
まぁさぞかしすごいであろうことだけは、容易に想像がついた。

しかしヨナは、まったくそういうふうには見えなかった。

山岳兵として死ぬか生きるかの世界をくぐり抜ける上で、
性欲など何の役にも立たないからだろうか?

確かにそれもその通りだろう。

いずれにしろ、ココが手ほどきをしてあげた現在、それはもはや過去のこと。
とは言え、以前からスキンシップ過剰ぎみのココにベタベタと抱きつかれて、
いまさらヨナが赤面するわけでもない。

ヨナの変化は、別の場面で生じていた。

ココがお菓子を食べていて、何気なく汚れた指先を舐めると、
ヨナはいけないものを見てしまったように、途端に視線を逸らすのだ。

なんとも可愛いヨナである。
芽生えたばかりの衝動的な感情を抑えようと努力している。
ヨナはあの出来事が、純粋な教育のためであったと心の底から信じている様子だった。

そんなヨナがあまりに可愛いので、次のオフに機会を見つけて、
ココはさっそく『特別授業』の第二回を行なうことにした。
二回目といっても、何か新しいことをやるわけではなく、とりあえずは前回の復習で十分だろう。

滞在中のホテルで昼食を終えたあと、ココは自分の部屋にヨナを連れ込んだ。

「この間の続きをしましょ?」

ココがニッコリとびきりの笑顔を作って言うと、
ヨナは「え」という感じで一瞬目を見開き、

「…ホケン、タイイク?」と片言になって彼女を見上げた。

「そう、保健体育のお勉強」

ココはヨナの頭を撫でた。
いささか緊張しているようなので、腰をかがめ目線を同じ高さにしながら、分かりやすい表現で、

「この前教えてあげた、女の人と子供を作るやり方。ヨナは覚えてるかな?」

と優しく問い掛けた。

「…キス」
「ん?」
「…最初は、キスからはじめるんだ」

ヨナは至って真面目に答えた。

「ああ、うん、そうだったね〜。そうそう、最初はキスからはじめるんだよ?
あー、でも今日は、先に裸になってからキスしてみよっか?
きっとそのほうがドキドキして、素敵だから。ね、そうしよう」

ヨナの返事は待つまでもない。
彼女はせっせと服を脱いで下着姿になった。

「ここから先は、ヨナに脱がせて欲しいな〜」

この時点で普通の男なら、我慢しきれず彼女を押し倒してしまうわけだが、
もちろんヨナはそんなことなどしない。

「…うん」

ヨナは従順に、求められた行動を取ろうとした。
けれども、女の下着など脱がせた経験がないので、
背伸びをして不器用にブラジャーの肩紐をむんずと掴み、
それを上にグイグイと引っ張って脱がせようとした。

「ちょっとちょっと、ヨナったら、引っ張ったらだめだよう?
後ろ、背中側にホックがあるから、それを外すの」
「ご、ごめん…」

ヨナは慌てて手を離した。
それから教えてもらった通りに、ホックを外した。

「さて、次はパンツだぞう?フフフ」

こちらは教えてもらうまでもない。
ヨナは親指と人差し指でパンツの両端をつまみ、今度こそ引っ張らないように気をつけながら、
めくるようにして、ゆっくりと下ろした。
柔らかそうなココの下腹部が露出し、さらに下にある陰毛が出てきて、
次いで股間を覆っていた部分が剥がれ、
最後にお尻に食い込みよじれていた後ろ半分が抜け、パンツは床に落ちた。

独特の、女の匂いが漂ってきた。

「…脱げたよ、ココ」

ヨナはそれでもほとんど顔色を変えずに言った。
そもそも、褐色の肌ゆえ微妙な顔色の変化は読みにくいのだが、ともかくココはご満悦だった。
ヨナのズボンの前側がムクムクと膨らんできたからだ。

「次は私が脱がせてあげるっ」

前回と同じようにヨナにバンザイの格好をさせて、シャツを脱がせた。
そして、ズボンとパンツも下ろした。
ペニスは硬く勃起して、ツンと上を向いていた。
ココは嬉しかった。

「ヨナヨナ、おいで」

ココは手を引いて、ヨナを自分の左側にしてベッドに座らせた。
少し首を傾けながら隣を向いて目を閉じると、ヨナのほうからキスをしてきた。
チュッ、チュッ、と軽く数回、唇が触れ合った。

「ヨナのキスは優しいね」

ココは決して不満ではなかった。
まさか、前回のキスを忘れてしまった訳ではあるまい。
いくら頭で分かっていても、ヨナはまだ自分から舌を使うキスが出来ないだけなのだろう。
だから今度はココが口から舌を伸ばし、ヨナに顔を近づけた。
ヨナも真似をして遠慮がちに舌を出した。
ココがその舌先を、自分の舌に乗せるようにしながら、
一気に唇を押し付けて、口の中で舌をグチュグチュと絡ませ合った。
ヨナもそれに応え、ココの舌を吸った。

「んふぅ…んんぅ…」

興奮したココは声を漏らしながら、ヨナの首に腕をまわした。
ヨナも、ココの背中に腕をまわした。
前回よりもその仕草には少しの余裕があった。

「はぁぁ…」

キスが終わると、二人の唇の間にトローンと唾液の糸が引いた。
ココはもったいなさそうに、それを舌先ですくうように自分のほうへ引き寄せ、飲み込んだ。

「本当は、僕、あれからずっと…何度も…ココにキスしたいって、思ってたんだ…」

舌と唇を吸われて少し素直になったヨナが告白すると、
ココは嬉しそうに「うんうん」と頷きながら、

「知ってるよ。だから、私のこと、チラチラ見ていたものね。
でも、それは私も同じ。ねぇ、おっぱい触って?」

と、ヨナの両手を取り、左右の乳房にそれぞれ当てさせ、それからこねるように揉ませた。

「私のおっぱいは、ヨナに大きくしてもらうことに決めたのだよ」
「…揉むと、胸は大きくなるの?」
「たぶんね。というか、他に大きくする方法が思い浮かばない。あ、そう、そんな感じ、上手…」

ココが切なそうに目を閉じると、ヨナは彼女の表情と、
自分の手の動きを交互に確かめながら、真剣な眼差しで乳房を揉んだ。
指先の力を強くしたり弱くしたり、
手のひらで円を描くように、全体を軽くつぶしながらムニムニと動かした。

「乳首も吸って…」

語尾をかすれさせながら、ココがねだった。
ヨナは舌をチロッと出して、桜色の乳輪を舐めはじめた。

「それじゃダメ、ちゃんと吸って、お願いっ…」

ココは左腕でヨナの頭を自分の乳房に押し付けさせた。
ヨナは「ふむぅ?!」と声を出したが、すぐに大人しくなり、
まるで母親になつく子供のように、無心で乳首に吸い付いた。

「あぁぁ、ヨナのお口、温かくて気持ちいいぃ…」

ココはうっとりしながら、右腕を伸ばし、ヨナのペニスを握った。
握った途端、鈴口から透明な汁がドロォっとあふれ出て、ココの手の甲を濡らした。
ヨナは前回より敏感になっているようだった。
ココは心底悦に入った。
はっきり言えば自分は何もしていないのに、ヨナがこれだけ興奮している。
そのことが、ココをどうしようもないほど興奮させた。

「はぁー、はぁー、も、もう辛抱ならん」

彼女は呼吸を荒くして、乳房に吸い付くヨナを抱いたまま、背中からベッドに倒れた。

「ちょっと待ってね…」

倒れた拍子に乳房から口が離れたヨナを、一度置き去りにして、
ココは体を半回転させてうつ伏せになり、
そのままベッドの中央まで一人で這って、そこで四つんばいになった。

「コ、ココ、その格好…」

信じられない、というふうに、ヨナがはじめて、動揺した。

「ふふ、驚いた…?動物みたいでしょう…?でも、今日はこの格好で、ヨナと子作りしたいの…」

ココは無防備にお尻を向けて、これ以上ないというくらいに、
自分が“メス”であることをアピールした。

「入れる場所、教えてあげなくても、もう分かるよね、ヨナ…」

甘ったるい吐息と共にココは誘った。

「…うん」

ヨナは紳士でいられなくなった。
ココは全身を紅潮させ、待ち受けた。
“オス”と化したヨナは、ペニスを鉄の棒のように硬くしながら、ココの背中に乗っかった。

「い、いいわよ、そのまま来てっ…」

ココは両腕を突っ張り体勢を保ち続けた。
ヨナはココのうなじに顔を乗せ、お腹に腕をまわし、
左右の太ももを外側から膝の裏で挟むようにして、全身で彼女にしがみついた。

「ココッ…ココッ…」

そうしてまるで動物がする交尾のような体勢が作られると、
ヨナはうわごとのように彼女の名を繰り返しながら、腰をカクカクと振りはじめた。
本能だけでペニスを割れ目に擦り付けていると、
半ば事故のように、ヌルンといきなり膣に入った。

「あああんっ!」

ココは首を反らし、甲高い声で叫んだ。

「ココッ!ココッ!」

ヨナも叫びながら、夢中で腰を振った。
ベッドが軋み、ギシギシと音を立てる。

「ヨ、ヨナ、すごい、激しいっ…!」

ペニスが出し入れされるたびに、プジュッ、プジュッ、と膣から愛液がかき出され、シーツに飛び散った。

「あっ、あん!あん!あん!」

がむしゃらなヨナのピストンに、ココは髪を振り乱して悶えた。

「ココ、もう出ちゃうよっ、出ちゃいそうだよ!」
「んっ、いいよ、我慢しないで、中で出してっ!あっ、あっ、あっ、あっ!」

ヨナは最後まで一度も止まることなく腰を振り続け、あっという間に果てた。
ココは射精するヨナを背中に乗せたまま、興奮で全身をブルブルと震わせた。
振り落とされまいと、ヨナは彼女の体にますます必死にしがみついた。

「気持ちいいよぉ…」

年相応の、子供のような甘えた声を出しながら、ヨナは鼻先をココのうなじにこすり付けた。

「…ッ、…ッ」

ココも何か言おうとしたが、半開きになった口の中で舌を上下に動かしただけで、言葉にならなかった。
無知なヨナを誘惑して本気にさせ、動物じみた体位で大人の女に種付けさせているという背徳感は、
種々の刺激に慣れているココでさえも、声が出なくなるほど、麻薬並みに酔った。

ヨナの射精は前回よりも長続きした。
しばらくして柔らかくなったペニスが押し出されると、
続いて塊のように濃い精液が、ボタボタと膣から滴り落ちた。

ヨナの射精が終わると、ココの熱も急速に引いてゆき、
彼女は深く息を吐き出しながら、腕の力を抜いて静かにうつ伏せになった。

「はぁ、はぁ、はぁ…」

ヨナは交尾を終えたばかりの動物のように、苦しそうに口で息をした。
ココは、背中にのしかかるヨナの重さが心地良かった。
もし普通の男の体重だったら、不愉快でしかないだろうが。

「ココ、平気…?」

うつ伏せになったきり言葉を発しないココに気付いて、ヨナは体を起こした。
そして恐る恐る、彼女の背中を撫でた。
その仕草は、乱暴に“犯して”しまったことを、いかにも後悔している雰囲気だった。

「ココ…ねぇ、ココ…?」

三度、不安げに名前を呼ばれたところで、ココは急に目が覚めたようにガバッと起き上がった。

「ヨナーッ!」
「うわっ?」

ココはヨナをギューッと抱きしめ、頬擦りした。

「大好きだー!ヨナー!」
「コ、ココ…」

頬擦りされている側の目をつむりながら、ヨナはホッとしたような表情になった。だが、

「また僕だけ先にイッちゃった…」

と、やはり申し訳なさそうに言うのだった。

「大丈夫!ヨナは今のままでも、120点付けていいくらい、魅力的だよ?!」

ココはキツツキのような勢いでヨナの頬にチュッチュッ、チュッチュッとキスをしながら言った。
そして最終的には1000点くらいに仕上げる予定だ。

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