学園祭ライブに向けての体力作り…
というのは建前で、紅葉狩りに山へ出かけた唯、澪、律、紬の4人。
なにやら近年、女子の登山が人気なのだそうです。
ウインドブレーカーに帽子、足元はスニーカー、肩から水筒を下げて、
背中にはお昼に食べるサンドイッチを入れたバックパックを背負って、
という軽装で山に入った4人でしたが、このお遊び気分が、
後に破滅的な結果をもたらすことになるのでした…。
律「…なんか、迷ったっぽくないか?」
澪「いや、これはもう完全に迷っている」
唯「ええ〜、どうしよう〜」
紬「さっきのところ、右だったのね…」
登り始めて3時間、4人は深い森の中で立ち往生していた。
心当たりはあった。
1時間半ほど前、道が2手に分かれた時。
先導していた紬と澪は、広い方の左を進むことを選んだ。
だが、実際には正しいルートは右だったらしい。
気が付いたときには道らしき道は消え、
もはや自分達がどこを歩いてきたのかすら分からない状況に陥っていた。
律「…これってけっこう、やばくないか?」
唯「私もう、お腹ペコペコだよぉ」
紬「…ここで、お昼にしちゃおうかしら」
澪「そうしたほうがいいかもしれない」
4人は山頂で食べるはずだったサンドイッチを取り出した。
唯「あむあむあむ。ん〜、おいひいよ〜」
能天気にサンドイッチを頬張る唯とは対照的に、
他の3人は神妙な顔をして黙々と食事をした。
唯「あれ、ムギちゃん、それ食べないのぉ?」
紬「た、食べる、唯ちゃん?」
唯「え〜、いいの?わぁい、ありがとー。はむっ、むふむふ、はぐはぐ」
紬「……」
そのやり取りを見ていた澪と律は、瞬時に察した。
紬は既に最悪の状況を想定しはじめている。
だから、サンドイッチを残そうとしたのだ。
澪と律はそれぞれ、サンドイッチを2つずつ残しておくことにした。
紬の分も食べて満足した唯は、それに気付くことはなかった。
そして4人は、再び歩き始めたのだが…。
唯「澪ちゃん、ムギちゃん、ちょっと待って!りっちゃんが、りっちゃんが!」
2時間ほど歩いたところで、唯が突然悲鳴をあげた。
先を歩いていた澪と紬が驚いて振り向くと、律が足を押さえてうずくまっていた。
紬「りっちゃん?」
澪「律、おいどうしたんだ?!」
律「なんか、足をくじいちゃったみたいでさ、アハハ」
紬「いつから痛いの?」
律「…くじいたのは、お昼を食べる前だったんだけど…」
唯「ええ〜、そうだったの?!」
澪「ばかっ!どうして早く言わないんだよ!」
律「だ、だって、平気だと思ったんだもん。けど、だんだん痛くなってきちゃって…」
紬「靴を脱いだほうがいいわ」
澪「そうだ、見せてみろ」
律「うん…」
唯「うわっ」
紬「た、大変、どうしましょう…」
澪「これは骨にヒビが入ってるのかもしれない」
律「……」
律の足首は腫れ上がり、再び立ち上がることすら困難な状態だった。
律「ごめん、みんな。ただでなくてもやばい状況なのに、私が不注意で…」
唯「そんなことないよ、りっちゃんは悪くないよ」
紬「ええ、謝る必要なんてないわ」
澪「でも、これからどうすればいいんだ」
重苦しい沈黙が流れる。
紬「分かった。りっちゃんは、私が背負って歩く」
澪「そんな無茶な」
律「いくらムギが力持ちさんだからって、それは無理だよ」
紬「他に手はないわ!それに、ほら、聞こえる?
小さい音だけれど、さっきから、水の音が聞こえるでしょう?
きっと、近くに川が流れているのよ。とにかくそこまでたどりつかなきゃ」
律「なら、私はここで待っているよ。3人だけで先に行って」
澪「そんなの出来るわけないだろ!」
紬「そうよ。体力があるうちに、やれることをやっておかないと。
時間が経つほど少しずつ消耗していくわ。
今の私なら、まだりっちゃんを背負える。だから、急ぎましょう?」
律「ごめんな、ムギ。じゃあ、お願いするよ…」
澪「とにかく、日が暮れる前に川を見つけよう」
そうして紬は律を背負って、先頭を歩き始めた。
紬のバッグと、律のバッグと水筒は、それぞれ澪と唯が分担して持った。
紬「はぁ…はぁ…はぁ…」
紬は息を切らし、顔を真っ赤にして、時々水筒のお茶を飲みながら、懸命に歩いた。
律「ムギ、すごい汗…」
紬「あ、ごめんなさい。気持ち悪いわよね。でも、ガマンしてね」
律「いや、そういう意味で言ったんじゃないんだ!ぜんぜん、気になんてならないよ!」
澪「少し休憩しよっか」
唯「うん、そうしよう〜」
既に、紬の水筒は空だった。
律は自分のお茶と、そして残しておいたサンドイッチを紬にあげた。
澪「唯は、私のを半分こしような」
唯「ありがとぉ、澪ちゃん。あむあむうまうま…」
それから1時間、
一行は登っているのか下っているのか分からない状態のまま歩き続けたが、
とうとう川を発見した。
紬「よかった、やっぱり方向は間違えていなかったのね」
澪「もう少し先へ歩いていけば、きっと川原に出られるぞ」
律「ひと安心だな」
唯「けっこう大きな川だね〜」
澪「おい、唯、あんまりそっち行くなって、そのへん、ほとんど崖なんだから」
唯「大丈夫だよ〜…ひゃぁっ?!うわぁっ、ぎゃー!!」
紬「唯ちゃん!!」
澪「唯!!」
澪が注意したそばから、唯が足をすべらせ斜面を落ちかけた。
唯「ひぃぃ〜〜!!こわい〜〜、助けて〜〜!!!」
澪「足をバタバタさせるな!大丈夫、今、私が行くから!」
紬「待って、澪ちゃん。私が行く!」
助けに行こうとする澪を紬は制止した。
紬は背負っていた律を地面に下ろすと、斜面に近づいていった。
だが、このとき既に、紬の疲労は限界に達していた。
唯に手を差し伸べようと腰を低くした瞬間、
あっけないほど簡単に足をすべらせ、紬は斜面を落下してしまった。
紬「きゃーー!!」
澪「ムギッ!!」
ザザザザーー、ドシン!という音と共に、
紬の体は、斜面の岩に引っ掛かっていた真新しい倒木に、
ちょうど乗り上げるような格好になって止まった。
澪「良かった、途中で止まった!」
澪が呼びかけると、紬は少し遅れてから、返事をして腕を振った。
澪「どうやら大丈夫そうだな…。おい、唯、お前は早く登って来い!」
さっきまで間抜けな悲鳴を上げていた唯は、
すっかりおとなしくなって、自力で這い上がってきた。
唯「ごめんなさい…」
澪「いや、いい。それより唯、律を少し頼むぞ。私はムギのところへ行く」
唯「う、うん」
律「気を付けろよ、澪」
澪「分かっている」
澪は木の幹、根、あるいは草のつるなど、色々なものを掴みながら、一歩一歩慎重に斜面を下る。
紬は10メートル近くも落下していた。
澪「大丈夫か、ムギ?…ムギ?」
紬に近づいてゆくにつれ、澪は異変を感じた。
紬の体の周囲が、不自然に濡れて光っている。
そこには流れが生じていて、反射した光が動いて見えた。
澪「おい、ウソだろ…」
さらに近づいてゆくと、ついに澪は状況を完全に把握し、青ざめた。
紬は倒木のおかげで止まったのではなく、倒木から生えた太い枝に“刺さっていた”のだ。
ほとんど朽ちていない硬い枝が、紬の右の太ももの裏側から刺さり、貫通していた。
濡れているように見えたものは、大量の血液だった。
澪「ムギ!ムギ!」
紬「落ちついて、澪ちゃん、私は大丈夫よ…」
澪「大丈夫なわけないだろ?!あ、足が、刺さっちゃって、血が、いっぱい…!」
パニックになる澪を、紬がなだめる。
紬「本当に、大丈夫なの。思ったほど、痛くはないし。だから澪ちゃん、聞いてくれる?」
澪「…う、うん」
紬「私はこの通り、もう動けないわ。
だから澪ちゃんは、私の代わりにりっちゃんを背負って、この先の川原まで行って欲しいの。
たぶん、あとほんの2、300メートル先よ」
澪「で、でも、ムギはどうなるの…?」
紬「どうしようもないわね。このまま、こうしている他には…」
澪「そんなぁ…イヤだよぉ…」
紬「お願い、泣かないで澪ちゃん。あと少しで、暗くなってしまうから。
とにかく、りっちゃんと唯ちゃんを安全な場所まで連れて行ってあげて」
澪「…ぐすっ。わ、分かった」
紬「急いで」
澪「すぐに、戻ってくるよ」
紬「ええ、待っているわ」
澪は涙を拭い、斜面を登り始めた。
唯「どうだった、ムギちゃん?」
律「ムギ、大丈夫なのか…?」
澪「ああ、平気…だった。大丈夫だった」
それがウソだと、律も唯もすぐに分かった。
澪の声は震え、視線は泳ぎ、今にも泣き出しそうな顔をしていたからだ。
澪「とにかく、先を急ごう。律、おまえは私が背負う。
唯、悪いけれど、私と律とムギの荷物、持ってくれるか?」
唯「うん。私、がんばる」
澪は律を背負って歩き出した。
絶対に不可能だと思っていたことが、なぜだか出来た。
自分の限界を越えた力が、澪に宿っていた。
うめき声を漏らし、歯を食いしばりながら、澪は前へ進んだ。
20分ほどかかって、3人はようやく川原にたどり着いた。
澪は石の上にそっと律を座らせると、すぐさま水筒を手にして川へ走り、水を汲んだ。
その水を律に飲ませながら、同時に川の水で濡らしたハンカチを、足首に当てがった。
澪「冷たくて気持ちいいだろ?」
律「んぐっ、んぐっ。ぷはぁ。ありがとう、澪。少し楽になったよ」
澪「じゃあ、私はムギのところへ行ってくる」
澪は休む間もなく、今度はムギの水筒を手に取り、川の水をたっぷり汲んだ。
そして、少し離れた場所で水筒の水を飲んでいる唯に声をかけた。
澪「なぁ、唯。さっきチョコレートみたいなの食べてただろ?あれ、まだ残ってる?」
唯は最後尾を歩いていたのではっきりと確認したわけではなかったが、
どうやらお菓子をいくつか持ってきたらしく、歩きながら時々つまんでいるようだったのだ。
唯「うん、あるよ」
澪「悪いけど、残っている分を、くれないか?少しでも、ムギに食べさせてやりたいんだ」
唯「はい、これ」
唯は銀紙に包まれた板チョコの残りを差し出した。
澪「ありがとう。じゃあ、行ってくるよ。律のこと、見ておいてやってくれ」
唯「うん」
自分のせいで紬に怪我をさせてしまったという自覚があるらしく、唯は澪と一緒に行こうとはしなかった。
澪は倒れそうなくらいに疲れていたが、出来るだけ早く歩いて、時々走って、紬の待つ斜面へと向かった。
澪「ムギ!ムギ!私だぞ!」
声をかけながら斜面を下りてゆくと、紬が弱々しく手を振った。
先ほどより、顔色が悪くなっている。
紬「澪ちゃん…ちゃんと、川原に行けた…?」
澪「ああ、ちゃんと行けたよ。律も唯も、安心してる」
紬「良かった…」
澪「水筒に川の水を汲んできたんだ。少し冷たいけど、おいしいよ。
それと、チョコもあるから、食べて。唯が残していたのを、くれたんだ」
紬「ありがとう…唯ちゃんに、お礼を言っておいて…」
紬は水を口にし、「おいしい」と言った。
だが、物を食べられるような状態ではなかった。
澪「たいぶ暗くなってきたな。ムギ、寒くない?」
紬「平気よ…。それより、澪ちゃん、そろそろ行かないと…」
澪「いや、私はここにいる」
紬「危ないわ。澪ちゃんは、向こうに行っていて…」
澪「そうしたらムギは1人になっちゃう!そんなことはしない!」
紬「澪ちゃんが居てくれても、私がどうにもならない状態だっていうことは、分かるでしょう?」
澪「そんなことない、何か出来るかもしれない!」
紬「私は1人でも大丈夫…だから澪ちゃんは、りっちゃんのそばにいてあげて…」
澪「律には唯が付いている。その必要はない!」
紬「唯ちゃんだけでは不安よ…」
澪「唯だって子供じゃないんだから、平気だってば!」
紬「澪ちゃん、どうか冷静になって、私の話を聞いて…」
興奮する澪に、紬が語りかける。
紬「私はもしかしたら、助からないかもしれないわ…
だから、今は澪ちゃんが、りっちゃんと唯ちゃんを守ってあげなきゃいけないの…」
紬の声はしっかりとしていて、そしてとても落ち着いていた。
澪が涙をボロボロこぼした。
紬が手を伸ばし、頬を伝うその涙に触れた。
紬「もう、行って…」
澪「あとで、また様子を見に来る」
紬「それは絶対にダメ。暗闇の中で動いたら、間違いなく迷ってしまう。次に会えるのは、夜明けよ…」
澪「…分かった。空が白みはじめたら、すぐに来る。だから、絶対に…」
紬「…ええ」
紬は微笑んでみせた。
澪「じゃあ、行くね」
澪は自分が着ていたウインドブレーカーを脱ぎ、紬に羽織らせた。
そして、振り向くことなく、斜面を登り始めた。
声を出してはいけないと必死に押さえたが、
途中でガマンができなくなり、大声で泣きながら、登った。
泣きじゃくりながら戻ってきた澪の姿に、だいたいのことを察した律と唯は、
あえて紬のことを尋ねなかった。
律「あとは、助けが来るのを待つだけか…長い夜になるだろうな…」
唯「そうだね…」
言いながら、唯が口に何かを含んでいることに、澪はすぐに気が付いた。
澪「…唯、何か食べてるのか?」
唯の左手には、ポッチーが数本握られていた。
唯「澪ちゃんも、食べる?あと3本だけだけど」
澪「おい、そうじゃないだろうっ!!」
澪が怒った。
澪「さっきのチョコが、全部じゃなかったのか?!
まだ他にも持っていたのか?!
だったらどうしてそれも出さなかった?!」
澪がまくしたてる。
唯「だ、だって、お腹がペコペコだったから…これは、私の分にと思って…」
澪「空腹がなんだ!!水があるんだから、1週間や10日くらいどうってことないだろう!!」
唯はきまりが悪そうに食べるのをやめ、ポッチーを澪に差し出した。
唯「こ、これもムギちゃんにあげる…」
澪「いや、もう暗くなってしまったから、ムギのところへは行けない」
唯「……(ポリッ)」
澪「だからどうして食べるんだよっ!!」
澪が唯に平手打ちをした。
唯がブワッと涙を溢れさせ、顔を歪ませる。
唯「こ、こわいよ、澪ちゃん…さっきから、怒鳴ってばかり…」
澪「なぜ怒鳴られるのか、分からないのか?!」
唯「お腹が空くのが、悪いことなの?!ちょっとのお菓子を食べたら、いけないの?!
私は、何も悪いことなんてしていないもん!!」
澪「なんだと…?」
唯「そもそも道を間違えたのは、澪ちゃんとムギちゃんのせいでしょう?!」
澪「唯、おまえ…!!」
澪は激高し、さらにもう一発、唯に平手打ちを見舞った。
唯「なんでぶつの?!本当のことを言ったから、澪ちゃん怒ったんだ?!」
澪「まだ言うのかっ!!」
澪は唯の胸倉を掴んだ。
唯の顔は涙と鼻水でグチャグチャになっていた。
幼い頃からずっと甘やかされて育ってきた唯は、これほど激しく叱責された経験が一度も無かったのだ。
その顔は、まるで子供だった。
澪「ムギはお前を助けようとしてああなったんだぞ?!それも分からないって言うのか?!」
唯「私だって、すべろうとしてすべったんじゃないもん!!どうして私ばっかりを責めるの?!
りっちゃんの時はぜんぜん怒らなかったくせに!!」
澪「律は関係ないだろう!!」
唯「あるよっ!澪ちゃんは、りっちゃんのことが好きなんでしょう?!
だからりっちゃんが迷惑をかけても、怒らないんだ!!私だけをいじめるんだっ!!」
澪「…唯、おまえ…」
澪がうつむき、肩を震わせた。
そして顔を上げると、澪は文字通り鬼の形相になっていた。
唯「ひっ…」
とっさに身の危険を感じ、唯が逃げ出した。
澪「待て!!」
だが、すぐに澪に捕まり、押し倒された。
澪「おまえなんかのために、ムギは…!!」
唯の髪の毛を掴み、そのまま頭部を川の中に沈め、押さえつけた。
律「やめろ、澪!!」
律の叫び声も、澪の耳には届かない。
澪「おまえなんて…おまえなんて、このまま死んでしまえばいいんだ…!!」
髪の毛を逆立て、真っ赤に充血した目を見開きながら、唯を水の中に沈め続ける澪。
律「澪!唯が死んじゃう!!やめろー!!!やめろーーー!!」
泣き叫ぶ律の声で澪が我に返ったとき、既に数分が経過していた。
水から引き上げると、唯は意識を失っていた。
澪「…ああ…私は…なんてことを…」
澪は呆然とし、座り込んだ。
ふと視界に入ったのは、エッジの鋭い薄い石。
澪はそれを拾い上げ、とっさに手首をかき切ろうとした。
律「よせ、澪!もういいんだ、もういいんだ!!」
澪が振り返った。
律が泣きながら、首を横に振っている。
澪はヨロヨロと立ち上がり、律の足元で泣き崩れた。
その背中を、律は撫でた。
律「…見ていたのは、私だけだ。唯は、川で溺れたことにしよう…」
唯は意識を失ったまま、眠っていた。
澪と律は言葉を交わすこともなく、一睡もせずに、夜を過ごした。
翌朝、東の空がうっすらと明るくなると、澪は重たい体を起こし、立ち上がった。
空にはまだ星が光っていたが、もう待つことができなかった。
澪「ムギ!ムギ!」
斜面の上から大声で呼びかけるが、反応はなかった。
澪「イヤだ!イヤだ!そんなのイヤだ!!」
澪は泣き出し、半ば転げ落ちるようになりながら、紬のもとへかけ寄った。
澪「良かった、温かい!!」
紬の頬に触れると、温かかった。
澪は嬉し涙を流しながら、何度も頬を撫でた。
紬「…み…お…ちゃん…?」
澪「気が付いたか?!私だ、分かるか?!」
紬「…ずっと…眠っていたみたい…」
澪「良かった…良かった…」
紬「…きっと…もうすぐ…よね…?」
澪「ああ、空が見えるか?よく晴れていて、雲も少ない。
きっとすぐに、ヘリコプターが助けに来てくれる!もう少しの辛抱だ!」
紬「…ありがとう、澪ちゃん…」
その日のお昼過ぎ、捜索に出ていた警察のヘリコプターに発見され、4人は無事に救出された。
紬はそのまま病院に直行し緊急手術を受けたが、幸いに後遺症が残ることもなく、順調に回復した。
一方の唯は、事件当日の記憶を完全に消失していたが、
その原因は澪と律の供述通り、川で溺れかけ酸欠状態になった為と判断され、捜査の対象となることは無かった。
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