駅前にあるような、少し大きな本屋さんが狙い目。
あまりに店舗が大規模だったり、反対に店番が1人しかいないような小さな書店は、かえってやりにくい。
ほどよく広い店内で、そこそこに人の出入りがあるようなところが、一番バレないのだ。

私は志摩子さんを連れて店内に入ると、レジから一番遠い奥まった隅へと向かった。
そこには、あまり大っぴらに陳列できないような卑猥な図書が並べられている。
いわゆる、エロ本コーナー。

「うわ、思ってたよりすごいね」

表紙はソフトなのかと思いきやとんでもない、
チクビも陰毛も丸出しだし、股を広げてアソコを指で開いているものまである。
もちろん、肝心な部分は黒塗りされているけれども…。
それに加えて、欲情を誘うような極めて刺激的な見出しが大きな文字で写真に重ねられている。

「うふふ。志摩子さん、顔、赤くなってるよ。恥ずかしい?」
「も、もう、いいわ…帰りましょう、乃梨子…」
「ダメだよ、志摩子さんのために来たんだから。それより、今なら誰もいないよ。早く、済ませちゃおう」
「でも…出来ないわ…」
「気にすることないって。こんなの、お金出して買うほどのものじゃないんだからさ。悪いことじゃないよ」
「…ダメよ、いけないわ…私には出来ない…」

躊躇する志摩子さんに、私は万引きをそそのかした。
もちろん、本気ではない。
志摩子さんは絶対に私の言う通りにはしないだろう。
だから、こういう反応も、全て予定のうちだった。

「それならエロ本持ってレジに行きなよ。制服着た高校生が、しかも女の子がだよ?
『オナニーに使うんでどうしてもエロ本買いたいんです』って言うの? 私だったら恥ずかしくて死んじゃうけど」

身も蓋もない言い方をする私に、志摩子さんも負けじと正論で応えてくる。

「だ、だとしても、やっぱりこんなことをしてはいけないわ。
それとも乃梨子は、いつもこんなことをしているの?」

志摩子さんが珍しく語気を強めた。
私は途端につまらなそうな顔をして、吐き捨てるように言い返した。

「ふぅん。股間に汚いおちんちんなんかぶら下げてるくせに、志摩子さんは私に説教するんだー?」
「せ、説教って…そんなつもりじゃ…」

唯一の弱点を突かれた志摩子さんは、急に声が小さくなった。
どんな状況だって、私が絶対的に優位になれる、魔法の一言。
でも、志摩子さんは本気で傷ついたりしない。
むしろ、私にひどいことを言われて、ちょっぴり興奮しているのだ。

志摩子さんは2つの顔を持っている。
1つはみんなが知っている、清楚で真面目な志摩子さん。
そしてもう1つは、おちんちんをバキバキに勃起させて
精液をピュッ、ピュッ、って飛ばすことしか考えられなくなっている、
私にひどいことを言われても興奮しちゃうような、変態ふたなり女。

どちらが本当とかウソとかじゃなくて、私はどちらの志摩子さんも大好きだった。
だけど、素直な欲求をさらけ出すことが恥ずかしいのならば、それを手伝ってあげるのが、私の役目。

「志摩子さん、こっちに来て」

私は事前の計画通り、店のトイレまで志摩子さんを引っ張っていった。

「コレだよね、志摩子さんの欲しかったの」

トイレの個室に入ってから、私はさっきのやり取りの間にこっそり鞄に入れていたエロ本を取り出した。

「乃梨子、そ、それ…!」
「大丈夫だよ、落ち着いて、志摩子さん。店の外に出ない限り、万引きにはならないから。
後で戻しておけば良いんだよ。それより、ほら、エロ本だよ?志摩子さん、見たかったんでしょう?」

私が差し出すと、志摩子さんはおずおずと手を出して受け取った。
その雑誌は、他にもあったたくさんのものと比べると表紙はかなりおとなしく、
20半ばくらいの女の人がシーツにくるまって微笑んでいるだけだったのだが、他より明らかに美人だった。
同じ美人同士、心の琴線に触れるものがあるようで、
期待通り志摩子さんはその表紙を食い入るように見つめていた。

「どうしたの?中も見てみようよ」

エロ本の表紙だけで夢中になっている志摩子さんはとても可愛いけれど、ページはこれから何十もあるのだ。
私に促され、志摩子さんは表紙をつまみ、1ページ目を広げた。

「…っ!!」

志摩子さんの息が止まるのが、私にも分かった。
表紙の女の人が、いきなりベッドの上でよつんばいになり、おしりを突き上げていた。
細い腰と、大きな白いおしり。
もちろん、身体には何もまとっていない。
そして隣のページでは、おしりの部分だけがどアップになっていた。
アソコの部分には修正が入っているけれど、
無造作に黒塗りにされているわけではなく、必要な部分だけが丁寧に消されている。
だから、輪郭がくっきり分かって、かえっていやらしい。
そして、おしりの穴は、なぜか無修正。
こんなにはっきり見たことがないというくらい、触れそうなほど鮮明に写っている。
実物の7割くらいの大きさで、女の人のおしりがそこにはあった。

「クスッ。志摩子さん、息止まったままだよ?」

私に言われると、志摩子さんは思い出したように呼吸を再開した。
肩を上下させて、「はぁ…はぁ…」とやっている。
表紙との落差が、衝撃を増大させたのだろうか。
いずれにしても、これが間違いなく、志摩子さんが生まれて初めて見るエロ本。
私の手ほどきで、また1つ、志摩子さんがエッチなことを覚えている。

志摩子さんは、私に触られて初めて射精することを覚えた。
キスも、セックスもそう。
全部、私が教えてあげた。
そうやって、志摩子さんに“初めて”を経験させ、
一部始終を目撃することが、私は何より楽しかった。

志摩子さんのスカートの裾が持ち上がって、大きな突起が浮かんできた。

「志摩子さん、勃起しちゃった?」

恥ずかしそうに肯く志摩子さんに私は、

「じゃあ、スカート脱ぎなよ。そのほうが楽でしょう?」

と言った。
いったん私が本を預かって、志摩子さんがスカートを脱ぐと、ビンビンに勃ったペニスが露出した。
その小さなパンツのどこに隠れていたのかと思うほど立派なペニスは、
皮の剥けた先っぽがエラを張り出させて真っ赤になっていて、けっこうエグい。
でも、私はそれが嫌いではなかった。
さっきのページを広げてエロ本を返してあげてから、私は志摩子さんの背後にまわった。

「そのままだと両手が使えないから、私が手伝ってあげるよ」

本を持っている志摩子さんの代わりに、私がペニスを握ってあげた。
先っぽはパンパンに張りつめているけれど、包皮に少し余裕がある幹の部分を、
指に軽く力を入れながら、シコシコって動かしてあげる。

「はぁっ…あぁっ…」

志摩子さんが声を出した。
私に愛撫されながら、さっきからずっと同じ、最初のページだけを凝視し続けている。
ヌードだけでもあまりに刺激が強すぎて、次のページをめくるどころではないのだろう。
きっと志摩子さんはこの写真を思い出して、今日の夜も明日の夜も何度もオナニーする。
見知らぬ女の人のおしりを思い出しながら、大切な赤ちゃんの素をビュルビュル無駄に発射してしまうのだ。
すごくいけないことを想像しながら私が手を動かしていると、志摩子さんの鈴口からガマン汁が出てきて、
それが私の指と絡まり、手を前後させるたびにクチュクチュといやらしい音がした。

「乃梨子…わ、私…」

内股になって腰を引く、射精する寸前の志摩子さんの仕草がすごく可愛い。

「イキそう?ちょっと待ってね」

私は左手でトイレットペーパーを巻き取りペニスの先端に当てがいながら、同時に右手を早く動かした。
握る指の力を強くして、包皮よりもっと下の、ペニスの深い部分にまで摩擦の刺激が届くようにする。

「あっ…あっ…乃梨子ぉっ…」
「いいよ、イッて、志摩子さん」
「んっ…ぅぅぅんっ…!!」

ピョン、ピョンと、跳ねるようにかかとを浮かせながら、志摩子さんが射精した。
羽のように軽いトイレットペーパーを巻きつけた私の左手が、
ビチャッ、ビチャッ、と噴き出す精液を受け止めるたび、みるみる重たくなっていく。
志摩子さんの体内で限界まで熱せられたそれは、おかゆのようにドロドロで、匂いもすごかった。
こんなにキレイな志摩子さんのどこからこんな汁が出てくるのだろうかというくらい、臭い精液。

「すごい、たくさん出たね」

全てを絞り出すようにギューッとペニスをしごいてあげると、
志摩子さんはくすぐったそうに背中を震わせた。
それでも、優しく撫でるように右手を動かしていると、
興奮がひと段落した志摩子さんのペニスは、先っぽの充血が引いて、少し柔らかくなった。

「気持ち良かった?」
「…ええ…すごく…良かったわ…」

ホッとしたようにため息をつく志摩子さん。
私は右手を離し、新たにトイレットペーパーを取って、
溶けはじめた紙と精液でグチャグチャになった自分の左手を掃除した。
大量の精液を吸い取り薄黄色になった紙を丸めて便器に落とし、すぐに水を流した。
そして、志摩子さんから返されたエロ本は、とりあえずカバンに入れておいた。

「あ、そうそう、志摩子さんのおちんちんも、ちゃんとお掃除してあげなきゃね」

志摩子さんのペニスは硬さを失い垂れ下がっていたけれど、
長さはほとんどそのままで、先端はまだ剥けていた。
私はその場にしゃがみ、手を添えてペニスを持ちながら、
顔を上に向け、舌にトロンとペニスを乗せた。
そして唇をすぼませ、舌を左右に動かして唾液を絡ませながら、
ジュルルッ、チュゥゥ〜っと、音をさせて吸い付いた。
そうすると、柔らかくなっていた志摩子さんのペニスはすぐにカチカチになって、
頬張りきれないほど太くなった。

「また勃起しちゃったね?」

一度引いたはずの熱が、また志摩子さんに戻ってくる。

「じゃあ、次は私としよっか?」

うんうん、と何度も肯く志摩子さん。
さっきエロ本を見ていたときと同じような目で、今度は私を見つめてくる。
私はゾクゾクしながら立ち上がり、スカートの中に手を入れた。
そしてパンツをおしりに食い込ませ、Tバックみたいにした。
それから志摩子さんに背を向け、
おしりをツンと突き出してから、両手でゆっくりとスカートの裾を持ち上げる。

「の、乃梨子…す、すごい…」

首を後ろに捻って見てみると、
志摩子さんはペニスでバチンバチンとおなかを叩きながら、私のおしりに見入っていた。

「もう、いやだな、志摩子さんったら。女のおしりなら誰のでもいいの?」
「ち、違うの、そうじゃないのよ…」
「うふっ、分かってるって。いいよ、来て、志摩子さん」

私は背中を深く曲げ、壁に手をつき、
腰の上にスカートの裾を乗せ、つま先立ちになっておしりを突き出した。

「ハァ、ハァ…乃梨子ぉっ!!」

志摩子さんは私のおしりを鷲掴みにし、
ペニスの先っぽをパンツに引っ掛け、そのままねじ込むように挿入してきた。
私のアソコはびっしょり濡れていて、ジュプププっと音を立てながら、志摩子さんを楽に受け入れた。

「アアッ、乃梨子っ!気持ちいっ、気持ちいっ…!」

短い言葉を繰り返し、嬉しい悲鳴を上げながら、
パンパンパンッと腰を打ち付けてくる志摩子さん。
私は壁に額をこすりつけ、声を殺した。
いつも私が主導権を握っているけれど、この瞬間だけは、私は完全に志摩子さんに犯される立場になる。
一番最初のときこそ、ぎこちなくてまともに動けなかったものの、
繁殖したいというふたなりの本能からか、志摩子さんはすぐに腰を振ることを覚え、
今では器用に膣でペニスを摩擦出来る。
それは志摩子さんと私の両方にすごい快感をもたらす行為。

「私も気持ちいいよ、志摩子さん…もっと突いて、私をイカせて…ンッ、アッ、アッ、アァンッ!」

ガマンできずに私はあえぎ声を漏らした。
志摩子さんは私の声に興奮して、もっと動きを早くした。

「乃梨子、わ、私、もうダメだわ…!」
「止めないで、そのまま動いて!わたしもイキそうだよ!」
「一緒に、乃梨子、乃梨子っ!」
「ひゃぁあああんっ!!」

足が床から離れそうになるほど激しく突き上げられ、私は絶頂した。
おしりに志摩子さんの爪が食い込んでいたが、その痛みさえも心地良かった。
ニュルッ、ニュルッ、と収縮する私の中で、志摩子さんも弾けていた。

「あはっ…あはは…志摩子さんに、イカされちゃった…」

私の膝はガクガク震え、壁に付いた手で身体を支えるのがやっとだった。
そうしたら、志摩子さんが私のおなかに手をまわし、ギューッと抱きついてきた。
背中に密着した志摩子さんの身体は、少し汗の匂いがした。
そして、フワフワの髪の毛が、私の首筋を撫でた。

刹那の絶頂が終わっても、私と志摩子さんは繋がったままでいた。
少しずつペニスが柔らかくなって、結合部の隙間から、ドロロロッ、と精液が糸を引きながら床に垂れた。
さっきまでの硬くて太かったペニスがウソのように小さくなって、志摩子さんが私からズルンと抜け落ちた。

「志摩子さん、すごい激しかったね…エロ本で興奮しちゃった…?」

私はもう1度フェラチオをしてあげる気力がなく、紙でペニスを拭いてあげるだけだった。
2回も射精したというのに、志摩子さんのほうが私よりずっと涼しい様子だった。
しばらく息を整えてから、服を整え、私達はトイレから出た。

本を元の場所に戻したら、そそくさと店を出た。
店員には、少しも不信な目で見られなかった。
だって、まるで性欲とは無縁なお人形さんみたいな外見の志摩子さんが、
実はふたなりで、さっきまで私とトイレに篭って、
こっそり持ち出したエロ本を見ながらセックスしていたなんて、誰が信じるだろう。

「また、あの本屋さんに行こうね?」

並んで歩きながら私が顔を覗きこむと、志摩子さんは足を止め、
「はい」でも「いいえ」でもなく、ただ自分の足元に視線を落とし、うっすらと頬を赤くしていた。

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